2017 07 / 06 last month≪ 12345678910111213141516171819202122232425262728293031≫08 next month
スポンサーサイト  --/--/--  
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
 | スポンサー広告  | Page Top↑
ほどける とける  11/22/2007  
ほどけるとけるほどけるとける
(2006/07)
大島 真寿美

商品詳細を見る




『ほどける とける』 大島真寿美

「本の雑誌」の書評を見て、図書館で借りてきてみた。

主人公の美和子は、高校生活が面白くなくて中退してブラブラ。
そのうち、祖父の大和湯でアルバイトするようになる。
頑なだった美和子の心が、大和湯で働き、お客さんと接しているうちに
段々と溶かされていくような、ゆるりと柔らかくなるような、
そんな心の流れを追った作品。

ちょっと頑張りすぎて、精一杯やりすぎて、
生きることに疲れてしまった人にお勧め本。
ついでに、少し人生で立ち止まって休憩したい人にもお勧め。

読みながら、美和子と同じように、なんだか自分まで
心ほどけていくような気持ちになった。
意外と、人生疲れてしまった時は、一時的にでも、そのステージから降りて
別の場所でゆるゆるしていたら、復活するものかもしれないって
そう思えてきた。休んだら、心が回復するというか。

主人公の美和子は、別にうつ病とか、その環境によって
心を病んでしまった人じゃない。
ただ、生きる指針や目標とか、生きる気力を失ってしまって、
それで「とりあえず生きている」だったんだけど、
毎日きちんと働き、そして、生きていて、ちゃんと会話が出来て
心を通わせられる人たちに囲まれた環境にいることで、
なんだか、凝り固まっていた心がほどけていくようになっていく。
初めのころの美和子は尖がっていたり、頑なだったり、
ついでに反抗的だったり、無気力で愚痴を言うばかりだった。
それが、周りに影響されて、段々と心持が変わってきたのか、
最後のほうでは「自分の人生をきちんと歩いている」
というようになったのが、読みながら気持ちよかった。

話のついでに、美和子の別れた彼氏の話とか出てくるんだけど、
すごく心に残ったのは、3Dで見えてしまう人から目が離せなくて
いつでもどこでも、その姿を目で追ってしまうってこと。
それって、なぜか相手が気になる、別に話したことはないけど、
なぜか気になってしょうがないって時の心境だよね~と、
読みながら、思わず自分が照れ笑いをしてしまった。
確かにそうだ。なぜか気になってしまって、ついつい目で追ってしまう人って
3Dで見えてしまう。いい表現だな~。確実に周りの他の人間とは
その人は違うのよね。見え方が違う。

漫画家の佐紀さんの編集者、君津も良かった。
なんとなく情けないっぷりなところがあったけど、
でも仕事を頑張っている男っていいな~って思った。
原稿を落とさないために風呂屋までおっかけてくる根性がすごい(笑)

『赤朽葉家の伝説』とか、かなり濃い物語を読んだ後だったので、
なんというか、この本でだいぶ頭が柔らかくなった。
濃い物語って、確かに面白いし、その世界観に感銘受けるし、
かなり強烈に自分の中で残るんだけど、そういうのが続くと
食傷気味になるというか。時々、こういう感じで曖昧かつ柔らかく、
すんなり頭の中に通っていくような、素直な物語が読みたくなるのよね。


ブログランキング・にほんブログ村へ
ブックレビュー | 作家〔ア〕行  | TB(0)  | CM(0) | Page Top↑
Secret




TrackBack URL
→http://nutsmeg.blog107.fc2.com/tb.php/96-7764ea64

Blog状況

最近の記事

カテゴリー

訪問者数

メールフォーム