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九月の恋に出会うまで  11/13/2007  
九月の恋と出会うまで九月の恋と出会うまで
(2007/02/21)
松尾 由美

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『9月の恋に出会うまで』松尾由美

初めての松尾作品。文庫本で出ている『雨恋』が
気になっていたので、著者名は覚えていた。
図書館の棚でこの本を見つけたときに、ちらりと読んで
すらすらって読めそうな柔らかな文章だったので、
まずは、と思って借りてきてみた。

ストーリーは、主人公が可愛いテディベアのヌイグルミと出会い、
引越しを決意するところから始まる。
写真撮影を趣味にしている彼女が、モノクロ写真を
部屋で現像しているのを、隣人や家主から怪しく思われ、
それが嫌で、写真撮影の趣味の現像が出来る部屋を探してて
新しい部屋が決まるところから。
そのマンションは少し変わったマンションで、入居の条件は
他を3軒以上断られ、なおかつ芸術家であること。
そして画家であるオーナーの面接もある。

その条件をクリアして、新しい部屋に入居した彼女は、
毎日の出来事をテディベアのボンバーに話しかけるのだが、
ある日、ボンバーへの話かけを、くすりと笑う声と雰囲気が
エアコン用の壁の穴から聞こえてきた。
その声は、なんと主人公のいる時間より1年進んだ年、未来に住む、
同じマンションに住む平野だという。
そして、その声の主、一年後の平野氏は、過去の自分と区別するために
シラノと名乗り、主人公にあるお願いをする。
それは、1年前の自分、平野を尾行し、写真を撮ることだった。
そんな不思議な出来事が始まった日から、テディベアのボンバーも
喋りだした。可愛い顔に似合わずに皮肉な口ぶりで。

読後、とても幸せな気持ちになれた。
一年後の平野であるシラノと、主人公と、そして主人公と同じ時を生きている平野。
その3名がぐるぐる回りの巴のようになりながら、結末まで一息だった。
どうして、シラノが主人公にお願いをして、1年前の平野を尾行させたのか。
そして、9月22日の尾行3日目を終わりに、シラノは消えてしまい、
魔法の穴は、未来と通じなくなった後の、謎解き。
シラノは本当は誰だったのだろうか。
主人公に尾行をさせていた理由は、などなど。

ボンバーの使い方が上手いなぁと思った。
あと、現在の主人公と平野が、同じシラノの謎に取り組むうちに
近づいていくところや、そして、最後の恋の話。
9月に始まった不思議な出来事で結ばれた恋。
本文中に

女はよく献身的だといわれるけど、これは見える形で尽くすからだ。
男は相手の知らないところでひそかに尽くす。
そのことにロマンを感じる。

という台詞が出てくる。同じマンションに住んでいる正真正銘の音楽家である
倉が主人公に話すシーンだ。
関係が深いとか、長いとかは関係なく、
好きになった人のためだったら、奇跡を起こしたいと思う。
そう語っていた。まさにその通りのストーリーだった。

最後に、シラノが現れるシーン。
なぜ、「シラノ」だったのか。
全ての回答は、ずっと前から文章で出てきているのに、
最後になって、「あ、そうか~」と納得した。
主人公、幸せになるといいな。
9月に出会った恋と、現実が結びつくまでの時間、
長いようで、短かったし、その間の時間で主人公もシラノも成長できて、
そして、シラノが行ったマグカップ1杯ほどの奇跡が、
二人の人生を変えてしまったのがすごいと思った。


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