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Sweet Blue Age  11/09/2007  
Sweet Blue AgeSweet Blue Age
(2006/02/21)
有川 浩、角田 光代 他

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恋愛アンソロジー『 Sweet Blue Age 』

** 収録作品***


角田光代『あの八月の、』
有川浩『クジラの彼』
日向蓬『涙の匂い』
三羽省吾『ニート・ニート・ニート』
坂木司『ホテルジューシー』
桜庭一樹『辻斬りのように』
森見登美彦『夜は短し歩けよ乙女』

***********

有川浩の『クジラの彼』と、森見登美彦『夜は短し歩けよ乙女』は
表題どおり、単行本で出ているのを先に読んでいた。
桜庭一樹の『辻斬りのように』は、10月に読んだ本でも,NO1だった
『少女七竈と7人の可愛そうな大人たち』の中の短編。
(詳しく言うなら、主人公七竈の母の独白分)
これまで、単行本で読んでアタリだった3作が収められている
アンソロジーだから、と期待していたら、意外とアタリだった。

その中でも一番強烈だったのが、角田光代の『あの八月の、』だ。

ストーリーは、語り手である夏紀が大学時代のサークル仲間だった
弥生子と二人、夜の大学に忍び込むところから始まる。
二人が忍び込んだ目的は、ただ一つ。
同期のサークル仲間と、10年前に作った自主映画を観るため。
サークルの部室にて、映写機で映し出された自主映画には、
10年前の仲間の、ある夏の情景と共に、
当時の人間関係を生々しく映されていた。

・・・・・・・・・・・・・

スクリーンのなかで、私たちは一度も、だれかに向かって好きだとか
嫌いだとか、死んじゃえばいいとか交際するつもりはないとか、
そんなせりふは口にしていない。いないが、けれど画面からはたしかに
あふれすぎている。私たちの、はじめて深く人を好きになった気分、
どうしたって手に入らないものがあると知った戸惑い、言葉よりさらに
馬鹿でかい感情の下手な処理、手に負えない自分自身、そんなものが、
生々しく、痛々しく、あふれ出すぎている。

・・・・・・・・・・・・・・

タイトルの『あの八月の、』は、その映画が撮られた時のこと。
あの時の空気を含んだまま、それが12年後に映し出されて、
それに戸惑いながら、今だからこそわかることもある。
そのほろ苦い気持や、その時、運命だと思っていた恋の終わりや、
色んな感情が押し寄せてくるのが、上手く表現されていた。

読んでいて、他人事に思えない話だった。

そういえば、夏紀と弥生子が映画を見終わった後に、
自分たちの青春、その舞台だった大学時代を振り返って
よく生き延びたね、って、頷きあうシーンがある。
図らずしも、前にあたしが大学時代の友達に、あの当時のことを
二人そろって振り返った時に言っていた言葉と一緒だった。
よく生き延びられたよね、大人になったよね。

本当に、そうとしか思えない。
今、あのときのことを考えると、夏紀と弥生子が
自主映画を見終わった後、下した判断と同じことを自分もするだろうな。

あの当時の、あのときの空気、そして思い出にはまだなっていない
生々しい記憶。まだ完全にそこから脱出しているわけじゃなくて、
その余韻に浸るほどの甘さなど、そこにはなくて、
ヒリヒリする記憶、そのもの。

これを読んで、鮮明に思い出した。


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