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魔女の死んだ家  11/08/2007  
魔女の死んだ家 (ミステリーランド)魔女の死んだ家 (ミステリーランド)
(2003/10/26)
篠田 真由美

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『魔女の死んだ家』 篠田真由美

講談社ミステリーランドのシリーズより。
2003年に発表された篠田真由美の作品。
シリーズでも、第2回配本だったらしく、
有栖川有栖の作品と一緒に発表されていた。

タイトルに惹かれて、住んでいる市町村の図書館で
リクエストしたものの、既に重版なしで手に入らないと
予約さえ出来ず、涙を飲んでいたら、なんと実家のあるとこの
図書館にあった!それも、既に発売されて4年経っているので、
もう手に入らないだろうと諦めて忘れていたら、
篠田真由美の『王国は星空の下』を探していたら、
棚にあってビックリ。
これだよ、読みたかったのは!!と興奮気味に借りてきた。

ストーリーは、ある西洋館での密室事件の話。
語り部が何人も代わるのだけど、そこで話をされてるのは、
小鷹狩都夜子(こたかりつやこ)という、とても美しい女性が
元婚約者の橘瑞男に殺されたといわれてる事件のこと。
都夜子は、貴族の出で資産家であり、西洋館にてサロンを開き、
夜な夜な客人を招いて、風流・趣向の凝らした遊びをしていた女性で、
その美しさは稀に見る美女で、昭和時代とは思えないほど、
明治時代や大正時代の鹿鳴館を思い出させる遊びを行っていた。
その彼女がなぜ殺されたのか。
そして、犯人は本当に元婚約者の橘だったのか。

都夜子について、始めに、彼女の子供が語る。
そして、サロンに集っていた男たちが3人。
一番最後は、その西洋館の庭師だった男。
それぞれが語る都夜子像が違う。

ある者は都夜子は孤独に震え、実は男性恐怖症であり、
彼女を殺したのは、もしかしたらサロンに集まっていた男性全員が
共謀したのではないかという思いに駆られている。

ある者は都夜子は高級娼婦であり、橘は元婚約者である
都夜子に振り回され、神経衰弱になり殺してしまったという。

そしてある者は、都夜子は非常に美しかったが、心は氷よりも冷たく
彼女は老いゆくことを恐れ、橘を利用して自殺したと。

人間、色んな人がいるわけで、それぞれの立場で見れば
同じ人間でも色んな側面から思われているっていう
当たり前のことが、ここでは、なぜ死んだのかという点から
考えるに、それぞれの都夜子像は正しいものであるといえると思う。

最終的にストーリーは、都夜子の死の謎解きで終わる。
そこに至るまでの、都夜子を巡る人間像が面白い。
事件から10年後に明かされる真実が、
「あったかも知れないこと、あったに違いないこと」が交錯し、
残されたものが下す、最後の決断が潔い。

この作品を読みながら思ったのは、舞台となっている西洋館の
庭の美しさ。魔女とも言われるほどの美貌だった
都夜子の美しさと暗喩するように、庭の美しさも添えられている。
自然のまきちらしたような、森のような庭の自然が重なり合い、
彼女が愛した枝垂桜の花びらが舞い散る様子が情緒的で、
どこか洋風で、そして懐古趣味が重なり、
情念の渦巻いた西洋館の様子をよく表していると思う。

あと、一番最後に残された子供たちが
生きていくことを決意するシーンが印象的だった。
物語は、都夜子の死の謎を解くだけで簡潔ではなく、
そこから引き起こされた第二の被害、そしてその余波を受け、
痛手を忘れられず生きていくしかない人達のその後も描いている。
残されたものは生きていくしかない。

・・・・・・・・・

これ以上、辛いこと悲しいことを考えるのは止めます。
起きてしまったことを変えるわけにはいかないのですから、
これからのことを考えます。

・・・・・・・・・・

この言葉が、とても強く響いた。


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