2017 10 / 09 last month≪ 12345678910111213141516171819202122232425262728293031≫11 next month
スポンサーサイト  --/--/--  
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
 | スポンサー広告  | Page Top↑
さよなら妖精  11/07/2007  
さよなら妖精 (創元推理文庫)さよなら妖精 (創元推理文庫)
(2006/06/10)
米澤 穂信

商品詳細を見る




『さよなら妖精』 米澤穂信

古典部シリーズでお気に入りになった米澤穂信の作品を借りてきた。
タイトルからして、妖精だし、ファンタジックな話かと思いきや、
全然そんなファンタジーどころじゃなく、現実感のあるストーリーだった。

物語は、1年前のある出来事を、関った人々の記憶から構成していき、
そして最大の謎を解く、という形をとっているのだけど、
その最大の謎の前に、1年前の記憶をまさぐっていくと、
段々と小さな謎をもはらんだストーリーだという事がわかる。
雨なのに傘を差さない男、墓に添えられていた紅白饅頭の話など。
大きな謎は、1年前に主人公の守屋と太刀洗(センドー)が
雨の日に出逢った黒髪の少女、マーヤのこと。
2ヶ月だけ日本に滞在していたマーヤにまつわる出来事を思い出していって、
最大の謎、マーヤの居場所を突き止めるために、守屋をはじめ、
マーヤを泊めていた、いづるや、守屋の部活仲間の文彦を交えて
色々な資料から、別れた後のマーヤの足取りを追う。

実際、ストーリーは、マーヤといた1年前のある2ヶ月間の記憶を
時間どおりに並べて、どういうことがあったのか、
そこから手がかりを掴むべく話が進んでいく。
大まかなところ、マーヤと出会って、マーヤと別れるまでの
時間が長らく、細かく書かれている。
そこで描かれるのは、マーヤという存在を通して、
マーヤの世界を覗くこと。マーヤがどんな人間であるか。
どういう風に世界を見ているか。
マーヤが生きてきたユーゴスラヴィアという国のこと。
日本では考え付かない遠い国を持ってきたマーヤを、
守屋をはじめ、他の3人も、自分たちの足場である国や、
社会情勢について考えていくようになる。

ボスニア・ヘルツェコヴィナや、サラエボの戦争など、
このストーリーとは関係ないところで、
自分自身、ボランティアで関った事があるので、
このユーゴスラヴィアの問題を取り上げているのが、
とても興味深かった。

本とは関係がないが、『サラエボの春』という映画がある。
そこで映し出されるサラエボの街並みや、住む人々の暮らし、
そして、かつてあったユーゴスラヴィアという国の話。
この作品よりも前に、自分の中にあった知識とリンクして、
読み進めながら、とても苦しい気持になった。

最後の結末、なんだか、(これで締めちゃうの?)という
不完全燃焼を感じさせる終り方で、正直納得がいかなくて、
これより先に進んだ形で終わってもらいたかったなぁと
そこが残念だった。
というより、少し予想のついた終わり方ではあったけど、
こんなにあっけなく、というか。
もうちょっと掘下げて…といっても、多分これ以上掘下げても
何も出てこないんだろうけど、なんか物足りなかった。
んー、なんでだろう。

まぁそれはさておき。

なんとなく思ったのだけど、
マーヤと古典部シリーズの千反田えるは似ている、と思う。
マーヤも黒髪だし、謎を解きたがるところ、知りたがる所、
そして、覗き込んできて質問する所作が、えると似てるなと思った。
著者の米澤さんの好きなタイプなのかしら、ね。


ブログランキング・にほんブログ村へ

こころの糧になる本 | 米澤穂信  | TB(0)  | CM(0) | Page Top↑
Secret




TrackBack URL
→http://nutsmeg.blog107.fc2.com/tb.php/79-a3740e1c

Blog状況

最近の記事

カテゴリー

訪問者数

メールフォーム