2017 07 / 06 last month≪ 12345678910111213141516171819202122232425262728293031≫08 next month
スポンサーサイト  --/--/--  
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
 | スポンサー広告  | Page Top↑
片耳うさぎ  11/05/2007  
片耳うさぎ片耳うさぎ
(2007/08)
大崎 梢

商品詳細を見る


『片耳うさぎ』 大崎梢

書店ミステリー以外の初の作品。
ダヴィンチで見かけて、読みたいと探したところ、
図書館にあったので、予約待ちして借りてきた。
大きなお屋敷に潜む謎、って、かなりツボなんですけど!

インタビュー記事であったように、凝った作りのディティールで、
お屋敷の見取り図や屋根裏部屋や、隠し階段、
そしてアンティークの家具など、それはそれは、
金田一耕介の事件のような、日本のお屋敷ミステリーの要素が
詰まってて、読みながら楽しかった。

ストーリーは、父の会社の倒産で、父の実家に舞い戻ってきた
母と奈都。実家は蔵波邸と呼ばれる庄屋の大屋敷で、
幾つもの部屋があって、大きなお座敷やら客間やら、蔵がある。
舞台は、この蔵波邸での事件なのだが、登場人物は
主人公の奈都と、その同級生の“姉”である、さゆり。
奈都の母が、急用でしばらく蔵波邸にいなく、
大きな屋敷で一人ぼっちが怖いから、ということで、
お屋敷マニアのさゆりが、奈都母が帰ってくるまで
一緒に泊まってあげる、というストーリーだった。
そんな二人が、蔵波邸の謎と、そこから浮かび上がる因縁と
対峙するお話。

表題の「片耳うさぎ」とは、蔵波邸に伝わる言い伝えから。
昔、蔵波に恨みを持つものがいて、それが片耳うさぎとなり
屋敷に潜入し、人々を殺したという言い伝え。
それゆえ、蔵波では片耳ウサギはタブーになっている。

うさぎのうらみ わするるがべからず
風なき夜の半の月 もののけつどいて
うたげをひらく
人の子死して うさぎおどる

蔵波の人々に襲い掛かる事件の裏には、うさぎがいたのか。
うさぎは、外から来るんじゃない、
最初から、うさぎは中にいたんだ。

そう気づいた後の奈都の行動が素早かった。
最初は蔵波の屋敷の大きさや古さに怯え、
蔵波邸から出て行きたいと、しきりに嫌がっていた奈津が
母親がいない間に、だいぶ甘えていた自分から、少し大人になって
自分のいる場所、蔵波を守ろうとする。

この作品で書かれている魅力って、
お屋敷ミステリーの魅力丸ごとだけど、それだけの話じゃなくて、
母親に頼りっきりの甘えん坊の奈都が、冒険をすることで
少しづつ自分で考えて行動できるようになる、
心理的成長の面白さもあると思う。
そこには、ハチャメチャに行動力だけは抜群のさゆりの存在も
あるのだけど、少女二人で大きな謎解きをする、っていう冒険が
すごく魅力的だ。さゆりが夜中に他人の家でごそごそと冒険するのは
流石に常識がないというか、なんというか。
あんまり褒められたことじゃないけれども。

あたしとしては、この作品で一番良かったなと思ったのが、
うさぎの存在だった。その家に忌むべき出来事をもたらすとされているうさぎ。
誰がうさぎなのか。うさぎにはなりたくないと、家から離れるもの。
自分がうさぎかもしれないと怯えながらも、家に居続ける者。
うさぎ、が象徴するものがなにであるか。
暗喩としても使うことの出来る“うさぎ”が効果的で、
心理描写にも繋がるし、印象的だった。



ブログランキング・にほんブログ村へ

紹介したい本 | 大崎梢  | TB(2)  | CM(4) | Page Top↑
TB&コメントありがとうございました。

この本良かったですよね~。
蔵波屋敷の見取り図をチラチラ見ながら二人と一緒に屋敷探索!
お気に入りの1冊になりました。

可愛い『うさぎ』を不気味なもの仕上げていく梢さんのセンス、好きです
次回作も早く読みたいけど、う、う~ん。手を出すのは、評判を聞いてからかなぁ。
花梨  11/07/2007 Wed URL [ Edit ]
----------------------------------------------------------------



花梨さんへ

大崎さんの温かい持ち味が効いた作品でしたね~。
意外と雪子伯母さんのきつさが好きだったりします(笑)

次回作、凄いタイトルですよね!
花梨さんの書き込みをみて、びっくり。
なぜに名前が英字で?!(笑)
書店ミステリーは、サイン会をまだ呼んでいないので、
そっちの方から読もうかと思ってます。
意外と売れてきてるなぁ、大崎さん!

自分の場合、殆ど図書館から借りてくるので、
次回作、新作を読む前にどこかのブログで
評判を聞くほうが先なのが確実ですww
つぐみ  11/07/2007 Wed URL [ Edit ]
----------------------------------------------------------------



こんばんは。
コメント、TBありがとうございます。
臆病だった奈都が、さゆりと行動を共にするうちに、
自分の家の謎に一生懸命向き合って、成長していく姿に好感が持てました。
うさぎのイメージを不吉なものへ変換した大崎さん。
次の作品、びっくりなタイトルも含めて楽しみです(花梨さんの書き込みを見ました笑)。
藍色  11/08/2007 Thu URL [ Edit ]
----------------------------------------------------------------



藍色さんへ

こちらこそ、コメント&TB,ありがとうございます。

臆病な奈都も、最初はあんなに家を嫌がっていたのに、最後では一生懸命家を守るような行動に出ていたのが、やっぱ変わるもんだな~と思いました。

最初のうちは、あんまりにも活動的で、他人の家を詮索するように探検するさゆりに、少し違和感というか、あんまり良い気持はしなかったのですが、最後で奈都がそれに影響されて、成長していく姿が見れたから、よかったかな。

次の作品、大崎さんの『活字倶楽部』でのインタビューで載っていました。もう発売されてるのかな~。確か、小学6年生の男の子の話だったと思います。買うものだと思って、しっかり立ち読みしていなかったのに、いざ、用事を済ませてしまうと、『活字倶楽部』買うのを忘れて、本屋から出てしまったんですよね~(苦笑)
つぐみ  11/09/2007 Fri URL [ Edit ]
----------------------------------------------------------------



Secret




TrackBack URL
→http://nutsmeg.blog107.fc2.com/tb.php/78-c7fde065

Blog状況

最近の記事

カテゴリー

訪問者数

メールフォーム