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CLAP御礼SSとして
お正月Ver.のお話です。

元旦のパーティからのお話。
樫原さんのお話です。
大人の雰囲気が漂う
お話になったかと想います。


夜の雰囲気や
大人の雰囲気が漂う
お話ですので、苦手な方は
どうぞ読むのをお控え下さい。

分割(その1 その2
1つの記事で読まれたい方は
どうぞこちらから。

以下、創作になります。

創作である事を
ご了承の上、
ご理解いただけた方のみ
どうぞお読み下さい。









******** 逢ひ見ての その弐 **************








そして夕刻。


パーティが終わり
彼女を部屋で着物を脱がせて―――



眠った彼女の髪の毛に
キスをして部屋を出た。


執事長室で雑務を片付け
明日の確認の
ミーティングを行った後
自室に戻ったら。










鍵が開いている。



(もしかして・・・)


そっとドアを開けると
案の定、ベッドで彼女が
シーツに包まって眠っていた。



合鍵は渡してある。



時折、専属執事以外の仕事で
なかなか彼女と一緒に過ごす
時間が作れないこともある。
寂しい時はいつでもおいで、と
恋人同士になって
しばらくして鍵を渡した。



起こさぬように
ドアを静かに閉めて
鍵をかけた。
執事服のジャケットを脱ぎ
クローゼットにかける。


そしてベッドに座った。
眠ったままの彼女を
じっと見つめる。

きっと一日ずっと
着物姿だったから
なれない格好で疲れたんだろう。

僕が帰ってきたことに
気づかぬまま眠っている。


もしかしたら
着物を解いた後
たまらなくなって
いつも以上に
きつく抱いたから―――


時間がないから、と
言い訳しながらも
結局、彼女の身体を
許してくれるままに
欲しいだけ貪り―――。





あれだけ綺麗に
着物を着ている彼女と
部屋に帰ってきた途端
心がざわめくのを
抑えられなかった。


2人きりになった途端に
欲情する自分も自分だが
着物を脱がせた後
襦袢姿になった彼女を
そっと後ろから触れたら
彼女がそれを許してくれた。


「侑人さん」

囁くように彼女が
僕の名前を呼んだのが
合図だった。


簪を抜くと、ゆるゆると
解ける髪の毛。
髪の挿した花から
はらりと花びらが散る。
それを避けるように
指を這わせ
襟足の開きに唇を寄せれば
彼女を包む衣の
結び目を解いていた。


ほどけたままの帯。
崩れ落ちた襦袢。
帯締めの乱れた房。
乱暴に解かれ
おとされた腰紐。


倒れこむように
乱れる衣の中で
彼女を抱いた。


少し汗ばんだ彼女の肌の匂い。
自分の肌の匂いと混じる。
周りに散らばる衣からも
彼女の甘い匂いがしてくる。
その匂いに溺れているようで
たまらなくなる。



どうしたの・・・?
いつもより、なんだか・・・・


何度もキスをするうちに
はがれる口紅。
上気していく頬。
むせ返る彼女の香り。
彼女をどんどん乱していく。


焦るように抱くから
彼女が衝動を抑えるように
聞いてくるのさえ
上手に答えられない。



君があまりにも綺麗だから
ずっとこうしたくて仕方なかった。
―――君のことが好きだ。


首筋に舌を這わせ
背中を撫でながら
指でなぞって愛撫すると
彼女が少し震えながら
溜息つくのがわかる。


目を閉じて。
今は僕だけを
感じていて欲しい。



我侭で贅沢すぎる願いを
彼女はいともあっさり
叶えてしまう。


閉じた瞼に何度も口づける。


侑人さん、と彼女の唇から
僕の名前がこぼれる。
その声さえも独占したくて
口づけたまま彼女を抱いた。

呼吸が上手くできなくて
息を荒くする彼女を
この腕の中に閉じ込めて。

もうダメ、と懇願する彼女を
まだだよ、と宥め
抱くのをやめなかった。
そのうち彼女が
腕の中で果ててしまうまで。




このまま時間が止まればいいと
何度も想ったんだ。


止めてしまいたい、と
何度も強く。










眠っている彼女の髪の毛に
そっと触れる。
来る前にシャワーを浴びたのか
髪の毛がほんのり濡れていた。



さっきは無理をさせてしまった。



離れていても
いつも恋しくて。
いつも頭の隅から出て行かない。
何をしてても
彼女の事を思い出す。


一緒にいれない時間が
とても切なくて。
29歳にもなって1人の女の子に
ここまで心を奪われていいものか
それもこんなに年下の子に、と
想いながらも
いつも彼女に惹かれてしまう
自分を抑えられない。


抑えられないあまりに
たまに暴挙とも思える行動に出てしまう。


遊戯室で彼女に
口づけしているのを
見られても
それでもいい、むしろ
ばれていた方がいいと
そのまま続けたり。


彼女に何も言わず
外堀を埋めるように
慎一郎様を納得させて
外出後、そのまま連れ出して
ホテルに泊まったり。



今日だってそうだ。


無理に押し倒すように
彼女を奪って。
限界まで彼女を抱いて
眠ってしまった彼女を
そっとベッドに連れて行った。


その肌には
自分がつけた赤い痣が
いくつも散らばっている。


彼女の肌に触れていると
限りも無く優しい気持ちとともに
激情に似た熱情に浮かされる。



もっと冷静になれ。


何度唱えても
制御しようにも
制御できない気持ち。


・・・・この子に恋をしてから
知ったことが沢山ある。


冷静になれない自分。
恋に振り回される自分。
そんな自分に戸惑いながらも
受け入れていくことに
喜びを感じる自分。


この子に出逢って
恋に落ちてから
初めて、が沢山すぎて
まるで、人生を最初から
やり直している気になる。


見つめていると
息がつまりそうになるような
そんな恋しさや
逢えない間の切なさで
焦げるような想い。


切なくて
愛しくて
苦しくて
大事でしょうがない。


今まで何も知らなかった。
こんな感情があるなんて。


それのどれもこれもが
彼女1人に集中している。



「・・・・逢ひ見ての、のちの心にくらぶれば、昔はものを思はざりけり、か―――」


君を抱いた後の
切なさや想いに比べたら
昔の恋だなんて
なんにもなかったよ。
あれは・・・きっと恋なんかでさえ
無かった。
こんな想いになるなんてことさえ
知らなかった。
恋するというのが
こんな想いだなんて―――





「・・・侑人・・さん・・・?」


ふと彼女が目を覚ました。

「起きてしまった?」

「うん・・・・」

眠そうに眼をこすりながら
彼女が背中に抱きついてきた。

「あのまま部屋で眠ってるかと想った」

「うん・・・」

あのまま寝てたんだけど
目覚ましたら
侑人さんに
逢いたくなっちゃって
来ちゃった。


その無邪気さに
顔が緩んで
心が満たされる。


彼女を抱きしめると
くんくんと鼻を鳴らすように
僕の匂いをかいでくる。

「侑人さんの匂いがする」

「シャワー浴びてくるよ」
今戻ってきたばかりだから。

そうやって離れようとしたら
彼女がぎゅっと抱きついてきた。


「一緒にシャワー入る?」

その様子が可愛くて
思わずからかったら
彼女がくすっと笑った。

「一緒に入ったら、きっとまた侑人さんに襲われちゃうもん」


「よくわかってるね」


抱きしめようとしたら
身をよじって逃げるから
だめだよ僕からは逃げられない、と
彼女をぐっと抱き寄せて
そのままベッドに優しく押し倒した。


シーツの上で
彼女が僕を見上げる。
腕の中におさまってしまう
小柄な彼女が愛し過ぎる。


だから思わず聞くんだ。
今夜、これからまた
君を抱いていいか、と。


「僕がいつだって君を抱きたいと想ってるのはいけないことかな?」

「え・・・・・」

「どう想う?答えて」


押し倒してて
こんなセリフをいうのは
どうだか、と想うけれども
思わず聞いてみたくなる。

「・・・・侑人さんの意地悪」
全てお見通しのくせに。
あたしの答えなんて
わかってるのに聞くんだから。


彼女の答えも全て想定内。


「逃げようとするからですよ」

拗ねて尖らせた可愛い唇。
たっぷりキスを降らせる。

夕方、あんなにキスしたのに
キス以上のこともしたのに
キスしてわかる。
まだ足りなかったと。
もっとキスしたいと。


(本当に駄目なほど夢中だな、この子に)


思わず自分に苦笑してしまう。
こんな姿、彼女以外には
絶対に見せられない。
12も年下の女の子に
骨抜きにされているなど。


「ねえ、侑人さん」

「なんだい?」

キスの嵐に
ほぉと息を吐きながら
彼女が囁く。


「さっきの・・・・カルタの歌?」

「そうだよ。よく気がついたね」

「中岡さんが昼間、カルタの時に教えてくれた歌だったから」

「そうか」

その意味は知っている?と
問おうとして
彼女の目を見つめたら
彼女が切なそうに
見つめ返していた。

―――意味なんていわなくても
きっと彼女には伝わってる。


「あれは侑人さんが想ってること?」

「そうですよ」

「・・・・本当に?」

「僕が君に嘘を言ったことはあったかい?」

ううん。

彼女が無言で首を振った。
腕が伸びてきて
彼女が首元に抱きついた。

「嬉しい。あたしも・・・同じ気持ちだよ」

もっとも、あたしの
初めての恋人は
侑人さんだから
誰かと比べることなんて
出来ないけれど・・・。


彼女はいつも可愛い言葉で
僕を喜ばせる。


「****の恋人は後にも先にも僕だけだから、知らなくていいんだ」


そう告げたら
彼女が微笑んだのがわかった。

これだけ愛しく想っている子を
自分が手放すはずは無い。
これだけの想いを与えてくれる子を。


まだ彼女には告げてない。
彼女の一生はもう僕のものであると。
然るのち、時がきたら
君は僕のものになることが
もう確定しているなんて。


多少強引なりとも
どうしても欲しいものは手に入れる。
そのどうしても欲しいものが
君なんだ。


これだけの気持ちを
抱かせるなんて
それだけで君は僕の特別。


僕の思惑を
彼女はきっと知らない。


「侑人さん・・・・ずっとずっと、あたしの恋人でいてくれますか?」


小さく呟かれる声。
それはきっと
未来への約束。
二人が寄り添う姿を確実に描ける未来。


「勿論だよ。愛してる、***」

そっと囁きながら
また自分が彼女に
溺れていくのがわかる。


今のでまたいっそう
君を好きになった。


そう呟いた声が
聴こえたかどうかはわからない。


侑人さん―――


愛しい彼女が呼ぶ自分の名前。
もうずっと本当に
この時間が止まればいい。
ベッドにめり込む二人の身体。
重なり合って。
シーツで覆い被せた。


君が愛しすぎるんだ。
何度抱いても
この気持ちが消えない。
抱いた後のこの
愛しさと切なさが恋ならば
僕は今まで知らなかった
こんな想いは・・・・。
君に出会ってからだよ。

だから―――
ずっとこのまま抱きしめて
ずっとキスしよう。


そう囁いた声に
返事はなくて
彼女の緩やかな微笑みと
しなやかで柔らかい身体が
絡み付いてきた。



彼女を包み込むように
抱きしめる。





年が明けた。
新しい一年の始まり。

きっと今年も僕の中では
彼女が最優先で
彼女への想いが今以上に
加速していくことだけは
間違いない。


まだ付き合い始めて
半年にもならないのに
きっとこの調子で
ずっと彼女に溺れていく。

それがたまらなく
幸せだと感じるよ。







―――あくる日は
陽が高く上がるまで
彼女を抱いていた。


正月休み、だと称して
ずっと彼女とベッドにいようと
最初から決めていた。


誰も邪魔はしなかった。



初夢は覚えていない。


夢うつつの中
何度も繰り返し
彼女を抱いていた。


覚えているのは
彼女の吐息と
息遣いと肌の匂いと
まとわりつく柔らかい感触。


そして―――
彼女に囁いた愛の言葉だけ。











********** 逢ひ見ての  FIN….**************




















◆あとがき◆


2010年始めのお話は
お正月Ver.での
CLAP御礼SSになりました。


侑人さんがベッドで呟く
カルタの歌は、


『逢ひ見ての 後の心に くらぶれば 昔は物を 思はざりけり』


百人一首の43番、
権中納言敦忠の
恋の歌です。


「逢う」と「見る」って
平安時代の頃なのですから
これって逢引するって意味。



貴女と逢引した後の
気持ちと比べたら
昔の想いなんて
何も感じてなかったようなものだな。


という内容の歌。


侑人さんは29歳で
流石にいい年の大人ですので
これまで何度か恋は
してきたと想います。


シナリオ中では
今までこんな恋に
落ちたことはなくて
この恋に振り回されて
夢中になっているなんて
これまでの人生になかったと
彼自身が言っています。

常に冷静で自分を
コントロールできてきた
侑人さんが
そのコントロールさえ
出来ないほど
熱に浮かされるような恋に落ちて・・・。


その気持ちと比べたら
きっと昔の恋が
色あせて・・・
軽いものだったと
そこまでじゃなかった、と
想うんじゃないかな。


そんなことを考えたら
自然とこの歌を
選んでいました。

きっとヒロインと逢引した後
侑人さんだったら
こう感じるんじゃないかな、と。


恋に落ちるときは
いつも特別だけど
後で振り返ってみて。

本当の恋に落ちた時に
振り返ってみて
冷静に昔の恋を思い出すと
あれはどんな恋だったのか
わかることがあります。


寂しかったから。
好きになってくれたから。
たまたま近くにいたから。
楽しくなりたかったから。
こだわっていただけ。
とりあえず。


などなど。


その時は一生懸命
恋に落ちてるんだけど
冷静になって分析すれば
それが本当の恋だったのかどうか
わかるかな。


どれも素敵な思い出だけど
でもきっと
本当の恋に出逢ってからの
幸せには敵わないはず。



お正月Ver.のお話なので
自然と短歌を使えて
とても書きやすいお話でした。
自分の趣味の一つである
着物も出せたし・・・。


歌を選びながら
(こういうのでも書きたいな)と
感じ入るのも沢山あって
もし書けそうなら
いくつか短歌を題材に
書いてみたいなと想いました。


本当はお正月だから~と
元旦に出す予定で
大晦日の中岡さんを
書いた後に
密かに書いてて
Blogで最初に出す予定が
あまりにも濃厚な(!?)
雰囲気のお話なので
どうしよう・・・と迷った結果
ハロウィンから替えてなかった
Clap御礼にしました。



大人っぽい雰囲気が
漂うお話ですが
お正月Ver.ということで
読みいただけると
嬉しいです。



9.January.2010 つぐみ
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