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わたくし率イン歯ー、または世界わたくし率イン歯ー、または世界
(2007/07)
川上 未映子

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『わたくし率イン歯ー、または世界』 川上未映子

芥川賞の候補作になった、この文筆歌手、川上未映子の
デビュー作品。なんというか、真っ白な文面に、平仮名が多い
関西弁で、息継ぎがところどころある、不思議な文章だった。
地元の図書館で借りようとしたところ、なんと不明図書になっていて、
それで探してもらうこと1ヶ月近く…。
一時期蔵書検索からも消えていたのが、リクエストをしたら、
またもう一度買い直したのか、不明だったのが出てきたのか、
借りることが出来ました。紆余曲折して読めることになったので
嬉しかったな~。

ただ、嬉しかったことは嬉しかったけど、
あまりにも独特な文章に圧倒されて、正直、読むのがきつかった。
この世界観が捉えようがなくて、かつ、関西弁の喋り方が
そのままリズムをもって、文章になっているものだから、
関西弁の文化圏に馴染がない自分は、
(ど、どこまで続くんだろう・・・・)と、途中何度も休みながら
どうにか読み終えました。文学賞受賞作とか、結構分量も少なくて、
1ページに文字数・行数少なくて、すかすかな感じなところが
この本にもあって、そのとっつきにくさにも閉口した。

読みにくかったのは事実なのだけど、その内容は
なんというか、問答を思い出したね。
この、わたくし率っていうのが、この主人公にとっては、
奥歯であり、奥歯に“私”が詰まっていて、その奥歯がキーワードで
歯科医の助手で勤めて、口の中にうっとりする。
私というものが不安定であって、どこにあるのかわからないから、
奥歯ときめてみて、
「私は奥歯や、わたくし率はぱんぱんで奥歯にとじこめられておる!」
と叫んだりする。平仮名が多い文章なのだけど、それが関西弁のリズムを
保っていて、ほんと、歌を歌うように、畳みかけるように続く文章が
独特だった。まさにこんな文章をいままで読んだこと、ない。

この主人公が妄想癖というか、独特の世界観で生きていて、
その自意識が少し、ずれているのが、圧倒された。
職場のある女性から変な手紙を手に捻りこまれたりとか。
まだ生んでもいない、いえ、生む予定のない
子供に対して日記を書き綴っているところとか。
あと、“恋人”な青木の家に押しかける所とか。

あたしとしては、その青木の家にいった化粧女のセリフが
妙にリズム良くて、もの凄くそこにはまってしまった。
まさに関西の人が喧嘩したり、イラついたりしているときの
セリフそのもの、みたいな話し方、話運び。
妙にリアルだった。

一冊に短編が2つ入ってて、
表題の「わたくし率 イン 歯ー、または世界」と
もう1作、「感じる専門家 採用試験」。
後者の方の、主婦と妊婦がスーパーでかけあいをするのが面白かった。
主婦の意見、面白すぎ(笑)そして的確で、あまりにも的確で、
その視点の良さが気に入った。

誰かの頭の中に思考を覗いてるようで(関西弁で喋る人のな)
読むのに苦労したのだけど、でも読み終わった後に、
これまでかつてない文を読んだな、という感想が残った。
これって才能だよね。
こんな文章、真似してもかけないし、そもそも、関西弁圏でないから
自然なリズムがつかめないし。不思議な本だったけど、
こういう本があってもいいし、むしろ新たな才能の形を見れて
満足した。


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