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Xmas企画、きょう様との
対連載になります。
第9話は、真壁視点にて
きょう様が書きました。

BackNumber
第1話:すれ違いの始まり
第2話:嫉妬というもの
第3話:優しさの半分
第4話:苦いショコララテ
第5話:想うが故に
第6話:好きなら好きと
第7話:プレゼント選び
第8話:デートのような


以下、創作になります。

創作である事を
ご理解とご了承の上
興味のある方のみ、
どうぞお読み下さい。


*******Christmas Story 第9話 *********
written by Kyo



~決意~





++++++++ 真壁直樹の見る景色 ++++++++




***と喧嘩してから、
あれから数日。


俺が機会をつくれば
いくらでも、
仲直りするチャンスは
あったと想う。


だが、まだ俺の整理が
つかなかった。

今回の喧嘩は、
本当に些細なことだ。
そう、***が
ただ他の男と話しただけ。
手の甲にキスされただけ。



ただ、それだけの事なのに、


俺の胸はざわついてしまった。




あいつとたった数日・・・・
『執事』としては
***と接しているが
『恋人』として
話してないだけで、
こんなに傍にいることが、
切なくなるとは想わなかった。



***が一所懸命
話しかけてこようとしているのは
分かっている。

だが、また俺の心がざわつき
あいつにひどいことを
言ってしまったら・・・・



そう想うと話す機会を
なかなかつくろうと想えなかった。



だから、ひたすら
俺は『執事』に徹した。







今日の午後からは
***の学校が休みの日。
***は、俺に
『特に用事がないし、課題をやるから』
といって休憩をくれた。



いつもなら遊戯室で
過ごすことが多い俺だが・・・・・

ここ数日、いつもの調子が
出ないせいか、
ビリヤードをしても
凡ミスが多く
中岡に3戦3敗中だ。

中岡からも
「珍しい事もあるんだな」
と苦笑される始末。

原因がはっきりしている以上
取り除くのが一番なのだが。







俺は自分の部屋に戻った。




机の中の引き出しを開けて確認する。

ゴールドの包装紙に
包まれた小さな箱を。


(これを、X’masに渡せるだろうか?)

***が欲しがっていたものが
この中には入っている。
きっと、これを渡したら
凄く喜んでくれる様も
容易に想像できる。



だが、今のこのままの状態では・・・・。





きちんと話さなければ
いけない事は分かっている。


けれども正直、俺は迷っている。
***に、この俺の
独占欲とも言える想いを
ぶつけていいのだろうかと。


そしてこの想いをぶつけて
もしお互いが駄目になった時
『専属執事』もいらないと
***の口から言われたらと想うと。





怖くて踏み出せない自分がいる。





***を好きになるまでは
『恋』などもっと
簡単なものだった。

いや、今までのは
『恋』と呼べるものだったのか
どうかも分からない。



ただ、ひとつ言えることは
俺にとって***は、
誰よりも大事で
特別な存在だということだけだ。




************



「23日・・・ですか?」


樫原さんから
ミーティングルームに
呼び出された俺は、
23日に***の姉である
慎一郎の奥様、
夏実様の仕事の同行を命令された。


「そうだ、その日は***お嬢様の専属を離れて、夏実様に付いてほしい。」


樫原さんの『専属を離れる』
という言葉に
心臓が反応しながらも、
努めて冷静に承諾の返事をした。


本来なら23日は祝日だし
一日中***と一緒にいれると想った。
そしてその日なら
どこかで***と話すきっかけが
出来るのではないかと期待もあった。


だが、家令である
樫原さんに頼まれては
断ることなど出来ない。

顔には出さずに
残念に想いながら
部屋を失礼しようとした時、
樫原さんが
いつもの微笑みを
浮かべながら俺に声をかけた。



「真壁、たまには一度***お嬢様の傍を離れて、きちんと自分自身と向き合ってみるといい。」



自分自身と向き合う?


わざわざ言われなくても
俺は自分自身の事は
よく分かっている筈だ。

何故、いまさら
樫原さんは俺に
そんな事を言うのだろう。





「失礼致します。」


俺は樫原さんに一礼をして
ミーティングルームを出た。




*************



「わざわざ、私の仕事に付き合ってくれて悪いわね」

奥様が、移動中の
車の中で俺に話かけてきた。

奥様と話をする機会は
そう多くはない。

元々、仕事で忙しい上に
時間が合えば慎一郎様と
過ごされる機会が多いからだ。


慎一郎様と奥様は
見ていても
本当にお似合いの夫婦だと想う。

仕事は出来るが
天真爛漫な慎一郎様と
しっかりものの夏実様。

お互いが、お互いを
大事に想っているのが
傍からみていても
感じとれる程だ。



「いえ、お気になさらずに。奥様の方が本日も休日出勤で大変なはずです。」


「そうね、大変といえば、大変だけど。でも、私には慎一郎さんがいるからね。」


そして、じっと
俺の顔を見つめながら


「あなただって、そうでしょ?真壁さん。」


にっこりと笑いながら
訊ねてきた。


「・・・何の事でしょうか。」


奥様は***と俺が
恋人同士なのを知っている。
だが今、その話題を
持ち出されるのは正直、痛かった。


「とぼけても構わないけど、***を泣かせることはやめてね。」



その言葉に俺は、
想わず『執事』の仮面が
剥がれそうになった。



「奥様」

「仕事で忙しくて、***とはあまり家で一緒にはいれないけど、今まで親代わりとして、やってきたんだもの。それぐらいの事がわからない訳ないわ。」



あの子の顔が
いつもと違うもの。


ぽそっと聞こえるか
聞こえないかの声で
そう呟いた。



***が、ここ数日
元気がないのは
俺にも分かっている。

肉親である夏実様に
分からない訳がない・・・か。


「喧嘩でもした?」

「喧嘩というよりも、私自身の問題です。」


剥がれかけた
『執事の仮面』を
直しながら、俺はそう答えた。


「真壁さん自身の問題ねぇ。」


そう奥様は呟いて、


「ねえ、真壁さん。それをきちんと***に貴方の気持ちは伝えたかしら」

と突然切り出された。


「えっ?」

思わず俺とした事が
驚いた声を出してしまった。


奥様はそんな事を
露ともせず、俺に切り出した。





正直な気持ちを伝える事は
付き合いをしていく上で
とても大事な事だわ。
だっていくら
想っているだけでは
どうしようもないもの。


言葉は何の為にあると
想っている?
自分の想いを
相手に伝える為よ。


相手と歩みよろうと想うなら
コミュニケーションは
何よりも大事だわ。

だって今まで
育ってきた環境や性格
考え方なんて
それぞれ同じ人なんて
いるはずないんだから。


私だって最初から全て
慎一郎さんと
上手くいっていた訳じゃないわ。
もちろん、喧嘩だってした。

色々あって『今』に至るもの。




「だから、真壁さん。真壁さんが、***の事を大事に想っているなら、それをあの子にきちんと伝えてあげて欲しいの。」



これは主人である
私からの命令ではなく、
大事な妹をもつ
姉からのお願いよ。





そう言った
夏実様の言葉には
強い響きが感じられた。



「奥様。」


なぜ、今日
奥様の仕事に同行するのが
『俺』だったのか。

もしかして、
今までの***を見て
心配になった奥様、
もしくは樫原さんの
計らいなのだろうか。



「畏まりました、近い内に***お嬢様とお話したいと想います。」



主人としてではなく
姉としての奥様にそう応えた。



「ありがとう」





さ、本気で
今日の仕事にかからないと
明後日のX’masパーティに
参加出来ないからね。
頑張って、片づけないと。



奥様は、そう言って
俺ににこっと微笑んでくれた。



その笑顔は
俺に***を思い出させた。





(そう言えば、あの喧嘩以来、***の笑顔を見ていないな)





俺は奥様に気付かれない様に
そっと息を吐いた。





X’masまでには
仲直りをしたい。




いや、するべきだと俺は決意をした。








*********第9話 おわり *************


第10話に続く

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