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Xmas企画、きょう様との
対連載になります。
第6話は、ヒロイン視点にて、
あたし、つぐみが書きました。

BookNumber
第1話:すれ違いの始まり
第2話:嫉妬というもの
第3話:優しさの半分
第4話:苦いショコララテ
第5話:想うが故に

以下、創作になります。
創作である事を
ご理解とご了承の上
興味のある方のみ、
どうぞお読み下さい。
*********Christmas Story 第6話 *************
written by tugumi




~好きなら好きと ~





++++++++++ あたしが見る景色 ++++++++++






真壁さんと話をしなきゃ!
この状態を変えなくちゃ・・・。



だってクリスマスは目の前だ。


楽しいイベントだし
付き合い始めて1年目の
このクリスマスは・・・
九条院家の屋敷でパーティはあるだろうけど
でも真壁さんと恋人になってからの
クリスマスだから。

素敵なクリスマスにしたい。

そう想ってた。
ずっと覚えておけるような。
そんなクリスマスにしたい。



だから、喧嘩をした後
明らかに避けられていたけど
でもこの状態を打破すべく
あたしは、彼を探して
遊戯室へ行った。








・・・・・・・・・・





真壁さんはビリヤードがとても上手だ。

彼が球を衝いている姿は
とても素敵だと想う。
格好良くて、様になってて・・・
きりっと球を狙うその視線の強さに
あたしはドキッとする。
ほのかに色気も感じるの。


だから、真壁さんが
ビリヤードをするのを見てるのが
大好きだった。



あたしが学校に行っている間や
大して用事が無い
空いた時間を
真壁さんは遊戯室で過ごす。

黙々とビリヤードの練習をして。


喧嘩をした後。


真壁さんと交わす言葉も少なくて
彼と一緒にいる時間も減った。


それが寂しくて。



あたしは自分から
遊戯室に足を運んだ。
そこに行けば
真壁さんがビリヤードしてることがあるから。


でも、なかなか会えなかった。






そう。


そして、今の空振り。



午後から学校が無い今日は
特に用事が無いし
課題をやるから、って
真壁さんには休憩してもらった。



わざと休憩させたの。
そしたら、遊戯室で過ごすかなと想って。


ビリヤードをしている時に
ちらりと部屋に入って
そしたら・・・きっと真壁さんも
いつもみたいに
ただ事務連絡のように
「執事」の仕事をして
避けるように
あたしの前からいなくなることは
無いだろうと想ったから。



(・・・居ないわ・・・真壁さん、部屋なのかな?)


今日こそはきちんと話そうと想ってた。


もうなんで喧嘩したとか
そういう原因を話すのは
もういい。


ただ真壁さんと話がしたかった。
執事じゃなくて、
恋人の真壁さんと。




(・・・だって欠乏症だよ・・・)



毎日傍にいてくれるのに
それは恋人じゃなくて
「執事」の彼。


おはようのキスも
おやすみのキスも
大好きだよ、のハグも
優しい視線さえない。


それがたまらなく寂しくて。


一緒にいるからこそ
余計辛く感じられる。
触れられる距離に居るのに
抱きつくことも
親しげに話すことも拒否されてる。


元通りになりたかった。


誰も居ない遊戯室の扉を閉めて
あたしはソファに腰掛けた。


クリスマスは目前。


喧嘩をしたままの数日。
目も合わしてくれない恋人。




溜息をついた。










・・・・・・・・・・・・




「あ、お嬢様」

「・・・!」


ぱっと開いた遊戯室のドア。

入ってきたのは
瞬君と誠吾君だった。


「お嬢さま、こちらでどうされました?」

思わず問いかけられて
すぐに答えられない。
真壁さんに逢えるかと想って
待ち伏せしたけど
でも来たのは違う人だっただなんて。


あたしが戸惑っているのを見て
瞬君が慌てたように言う。

「もしかして、ご気分が悪いとかで休まれてたんですか?」

心配そうに瞬君がおろおろしてる。


「違うよ、大丈夫」

少しにっこりしてみた。
気分が悪いわけじゃない。
ただ落ち込んでいるだけ。
大好きな人と喧嘩をして
そのままだから。


「・・・・・」


誠吾くんは何も言わずに
あたしの顔を見つめている。


「それなら良かったんですが、しかしお嬢さま、こちらでなにを?」


瞬君が訊いてくる。

「ううん、なんでもないの」

「・・・もしかして誰かを待ってたんすか?」

「え?」


誠吾くんがぽつりと質問してきた。


「だってお嬢さん、誰か待ってる感じだから」


誠吾くんを見ると
ちょっと照れくさそうに
話しているのがわかる。


「・・・誰も待ってないよ」


「・・・そうっすか」

会話が終わってしまった。

「誤解だったら、すんません」

誠吾くんが顔を赤らめて
声小さく謝るのが聞こえた。

「あ、ううん、謝ること無いよ、全然」


「ごめんね、心配かけちゃって」

「最近、お嬢様、暗いです」

「え?」

瞬君が少し斜めの方向を見て
んーって考える顔で
眉間に皺を寄せている。

「隆也さんも言ってました。お嬢さまの様子が少しおかしいって」

「・・・ああ、言ってたな」

「・・・。そうかな?」

心配そうに見てくる2人に
あたしは作り笑いをした。

あたし、そんなに
態度おかしいかな・・・?


「・・・無理して笑うこと、ない」

じっとあたしを見詰めた
誠吾くんがふと言った。


「隆也さんが言うには、最近お嬢さん笑ってない、って」
「何か悩み事でもありませんか?」

僕でよかったら、いえ
僕と誠吾さんでよかったら
お嬢さんのお話聞きますよ?
ね、誠吾さん?


瞬君が隣にいる誠吾くんに
合図を送る。
誠吾くんも戸惑いながらも
控えめな笑顔で頷いてくれた。


「・・・ありがとう」

なんだか2人に心配されて。
申し訳ないなーって感じつつ・・・。


「なんでも言ってください!お嬢さまに笑っててもらいたいんです、僕たち」

瞬君がまぶしいほどの笑顔で
言ってくれる。


(まさか、専属執事兼恋人の真壁さんと喧嘩をして・・・なんて言えないよね)

聞くよ聞くよ、って態度で
あたしが話しだすのを
瞬君が待っている姿が
なんだか可愛らしくて。


「うんとね・・・・。実は学校で仲のいいお友だちが居てね」


思わず作り話をしちゃった。



「最近、ちょっとしたことで喧嘩をして、大っ嫌いって思わず言っちゃったの。後で流石に言いすぎたなって反省して、仲直りしたいけど・・・・話をさせてくれないんだ。避けられてるの。目もあわせてくれない」


「それって・・・」
「え?」
「・・・いや、なんでもない」

誠吾くんがちょっと驚いたような顔をした後
すぐさままたいつもの照れた感じで
うつむいちゃった。



「ああ、それはちょっと気になりますね」


瞬君はあたしの話を聞いて
ちょっと心配そうに考えてる。


「お嬢さまは、その方のこと、本当は嫌いじゃないんですよね」

「うん・・・」

「じゃあ、その言葉を撤回するって伝えればいいのでは?」

「瞬、避けられてるって言ってるだろ」

誠吾くんが口を挟む。
あ、そうだった、と
瞬君がまた少し考え始める。


「・・・何度か話そうとしてるんだけど、でもその話題を避けられてしまって・・・。一緒に居るけど、でも前みたいに仲良くしてくれないの」

クリスマスとか・・・
パーティもあるのに
仲良くできないなんて
寂しいし。
ずっと話もできてない状態だから
なんだか悲しくて。
それで最近ちょっと落ち込んでるんだ。

心配かけてごめんね。


思わずそこまで話してしまったら
誠吾くんが少し驚いたような声で言う。


「それって、あんた・・・・」

「ん?」

「いや、なんでもない」


・・・・あたし、名前を伏せてるけど
でも誠吾くん、わかっちゃったのかな?

「でもお嬢さま」

「うん?」

少し考えていた瞬君が
ふといいことを思いついた、というように
笑顔で話しかけてきた。


「お嬢さまはその方とまた前のように仲良くなりたいし、大好きなんですよね?」

「うん・・・」

「それならば、その気持ちをそのまま伝えては?」

「え?」

「大好きなら大好きだと、伝えればいいと僕は想います」

「瞬君・・・・」


「クリスマスだし、なにかその時にでもできたらいいんじゃないか?」

誠吾くんも考えてくれる。
瞬君は笑顔のまま
言葉を続けた。

「それに・・・せっかくクリスマスが来るわけですから、仲直りの印にその方がお好きなものを準備してプレゼントをしながら、好きだ、仲直りしたいと伝えるのがいいかと、僕は想います。もし話が出来ないのでしたら、メッセージカードをご用意して、そこにそのお嬢さまのお気持ちをかかれて伝えるという方法もありますし」


「プレゼント・・・・」

あ、その手があったか。
思わず名案と、あたしも
笑顔になった。
瞬君の笑顔につられてしまう。

「メッセージカードだったらいいかもしれないな」

誠吾くんがぼそっという。
彼も優しそうに微笑んでる。


うん。
クリスマスだから
真壁さんが欲しいと想ってる
プレゼントを用意して
それを渡すからってことで
二人っきりの時間にして、
その時に真壁さんに謝ればいい。
大っ嫌いと言ったのは
本当の気持ちじゃなかったし
仲直りしたいって。

真壁さんのことがスキだって。



そう・・・・。


こうやって避けられても。
何をされても。

真壁さんのことは好きなの。


(だからこうやって一生懸命になっちゃうんだけどね)


それがあたしだけの
片思いじゃなければいいと想いつつ。

瞬君と誠吾君が出してくれた
仲直り案にあたしはなんだか
嬉しくなった。


「うん!あたし、やってみる」

プレゼントを準備してみるよ。
その人が気に入りそうなプレゼント。

で、それを渡しながら・・・
仲直りしたいって気持ちも
カードに書きながら
渡す時にその人と話してみる。


きっとその時ぐらいは
避けられたりしないよね?


「ありがとう、瞬君、誠吾君」

相談してよかった。


思わずそう言葉が漏れたのを
瞬君と誠吾君が
少し照れくさそうに
にっこりと笑ってくれた。




きっと・・・
クリスマスのプレゼント準備して
そしてカードも書いて。

気持ちを伝えたら。



元通りになるかもしれない。



少し生まれた希望に
あたしは気持ちが明るくなった。


ただ仲直りしたいだけなのに
あれから話もしていなくて
あの喧嘩がどれだけ
真壁さんにとって
重かったかはわからない。


でもあれをずっと
掘り返しているよりは
ただ単純に。

あたしがいつも真壁さんに対して
思っていること。

その場の感情が爆発して
言ってしまった「大っ嫌い」って
言葉じゃなくて
本当に毎日いつも
真壁さんに対して想っている気持ち。


これを素直に伝えよう。




そうしたら・・・。


きっとこの状態がどうにかなると想う。





クリスマスまで
あと3日。




瞬君と誠吾君に励まされて
あたしは真壁さんに贈りたい
クリスマスプレゼントを考えるようになった。







*********第6話 終わり *********

第7話に続く
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