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先日行ったXmas企画での
TreasureHantフリリク、
まりあ様リクのお話になります。
こちらは前編の分割になります。

分割のページリンク

その1 その2 その3 その4

1つの記事で
前編を読まれたい方は
こちらからどうぞ。


以下、創作になります。
創作である事を
ご了承の上、
ご理解くださる方のみ
どうぞお読み下さい。
****** その2 *************





出発前、空港には
近くまで仕事できていた
義兄さんと樫原さんが
見送ってくれた時。


真壁さんと2人で
こうやってどっかに泊まるの
初めてなんだ。
だからちょっと緊張する。



そう樫原さんに漏らしたら
樫原さんはいつもの笑顔で
微笑んでくれた。



真壁はお嬢さまの
専属執事なんですから
緊張することなど
なにもありませんよ。
お屋敷での生活と
変わることはなにもありません。
全て真壁に任せておけば
大丈夫です。



だって真壁さん、
専属執事だけど・・・
そ、その・・・
一緒の部屋で、ってなると
おと、男の人だから。

九条院家のお屋敷だと
隣の部屋だから
扉と壁で隔てられてるけど
でもホテルだったら
そうじゃないでしょ?

い・・・嫌じゃないけど
でもなんか
男の人と2人で旅行って思うと
なんだか気恥ずかしくて。



恥ずかしくて
ちょっと口ごもりながら
話すあたしを
樫原さんが目を丸くして見つめた。

そして、そのあと
いつものふんわりとした
笑顔で告げた。




それならばお嬢さま。
リッツでは、
お嬢さまが気にしているから
スイートではなく
違う部屋を真壁には
取るようにいいましょうか?
まあ、その方が
慎一郎様も安心しますし
私だって―――


え?
あー!でも、
そんなこと言ったら
真壁さんがびっくりしちゃう!
だ、だめだよ!



ちらりと真壁さんを見る。
飛び立つ前の荷物忘れがないか
最終確認をしてるみたい。


慌てて、大丈夫だから、という
手を振りながら
照れるあたしをみて、
樫原さんがふっと笑った。


お嬢さまは真壁のことを
一人の男として見て
いらっしゃるのですね。



え?


上手く聞き取れなくて
聞き返したあたしに
樫原さんはいつもの笑顔で
優しく言った。




いい機会です、お嬢様。


ん?


きっと楽しい思い出が
沢山できると思いますよ。
ロンドンでの観光、
どうぞ楽しんできてくださいませ。


うん、ありがとう。
樫原さんにもお土産買ってくるね。
何がいい?


いえ、私には。
慎一郎様にぜひともお土産を。


あはは。
義兄さんには忘れずに買うよ。
でも樫原さんにも買ってきたいの。
だってこうやって
ロンドンにいけるのも
樫原さんがいろいろと
手配してくれたからだもの。


私は自分の仕事を行ったまでです。


あたしの気持ちなの。
だから、何が欲しいか言って?



お土産あげる、って
押し付けがましい
あたしのお願いを
樫原さんが
ふっと笑う。
いつもの完璧な笑顔じゃなくて
小さい子を見るような
そんな親しげな微笑。




そこまで言うのでしたら・・・


ん。


じゃあ、お土産はまりあお嬢様で。


え?


お嬢さまが戻ってきて
私に見せてくれる
楽しかったという笑顔が
最高のお土産です。



もう、樫原さんったら。



思わず樫原さんと
顔を見合わせて笑う。


「あれ?何、楽しそうに侑人と話してるの?」


真壁さんとあれこれ話していた
義兄さんが話に割り込んでくる。


「ううん、こっちの話」


そう言って
樫原さんを見たら
樫原さんもにっこり笑った。


「おや?内緒かい?」

「うん」

「侑人も?」

「ええ。お嬢さまが内緒だといわれるのでしたら」


樫原さんがいつもの笑顔で
きっぱりと義兄さんに言う。
そして、あたしをみて
にっこりと笑った。


これって共犯者の笑いだね。

思わず樫原さんが
お茶目に見えて
あたしもくすっと笑った。
樫原さんもくすっと笑う。


そんなあたし達2人を見て
義兄さんが叫ぶ。


「えー!そんなに楽しそうだったら
何を話していたか気になるじゃないか」


拗ねそうな義兄さんをみて
樫原さんがにこにこする。


樫原さんって・・・
たまに義兄さんに
ちょっとだけ意地悪する。
でもきっとそれは
とっても義兄さんのことが
好きだからだわ。
二人揃うと
ボケとツッコミみたいだもの。



こういうのが
理想の主従関係っていうのかな?


信頼関係があって
どっちもお互いのことが好きで
大事にし合ってるって
主従関係の見本のような気がする。


(あたしと真壁さんは・・・)


あたし達も
きっととてもいい関係だろうけど
でも・・・少なくても
あたしは・・・。




また、ちらりと
真壁さんを見たら
準備完了したらしく
こっちを見ていた。


ちょっと遠目だけど
じっとあたし達を見てる。
ううん、あたしを見てる。



今いくね。



そう軽く頷いたら
真壁さんが了解の印に
目を伏せたのがわかった。


「じゃああたし、もう行くね。」


手を上げて行こうとしたら
義兄さんが
なんだか寂しそうな顔をしてるから。
義兄さんの腕を取って
そこに自分の腕を絡めて
にっこり笑った。


「帰ってくるときは義兄さん、迎えに来て」


クリスマスも
ニューイヤーも
電話するから。



きっとこうやって甘えたら
義兄さんが喜ぶのは
もうわかってる。


たった10日ほどの
旅行だというのに。
それでも義兄さんは
寂しがる。

それに近くで
仕事があったからついで、と
見送りに来てるけれど
きっとその近くは
本当に「近く」ではないはず。



あたしの、「電話する」、
「迎えに来てね」の
おねだりで
義兄さんの顔が
ぱーっと明るくなる。


「楽しんでおいで、まりあちゃん」

「うん、楽しんでくるね」


じゃあ。


そう言って
バイバイと手を振ると
もう拗ねた様子なんか
全然無くて
満面の笑みで手を振ってくれた。
その横で
樫原さんが苦笑している。



2人に見送られて
搭乗口から中に入った。














飛行機の中で、うとうととしてた。
さっきまで学校で
着替えてすぐに出発っていう
強行スケジュールで疲れてた


それにロンドンに行くと
急遽決めた後
真壁さんが観光するところや
あれこれを決めてくれて
あたしはただ、行くだけでいいけど
それでも、ロンドンにいけるって
とても楽しみで
昨日の夜、よく眠れなかったんだ。



眠ってていいですよ。
ロンドンに着く少し前に
起こしますので。


そう真壁さんが
言ってくれるから。
スーッと眠った。



傍に座っている
真壁さんの肩に
頭をもたれさせて。








・ ・・・・・・・・・・





真壁さんと2人で歩く
ロンドンの街は。
街並みがすっきりしてて
石畳が綺麗。

アーケード街もそうだけど
街中の標識や
ところどころにある銅像とか
なんだかとても新鮮。


思っていた以上に
クリスマス時期だからか
とても綺麗な街並みに
変身していた。


着いてすぐホテルで
軽くお茶して
夜のロンドンの街を
歩くことにした。


通りすがる人たちが
喋っている言葉も
外国語で
服装もそうだけど
雰囲気も全然違う。



最初の日は疲れているだろうから
ホテルでのんびりする予定と
真壁さんは言っていたけど
飛行機の中でずっと寝ていたせいか
そこまで疲れてなくて。



せっかくロンドンに来たんだから
どっか連れて行って、と頼んだら、
真壁さんが
「きっとそうなると思っていました」
と苦笑した。



真壁さんがあたしに
コートを着せて
夜のロンドンに
連れ出してくれた。






・・・・・・・・・



街並みを歩く。
今日は寒いから、と
真壁さんがロングブーツを
出してくれた。
それと合わせて
暖かいコートも羽織らせてくれた。



横を歩く真壁さんは
いつもとは違った感じ。
道を知っているからか
迷いなく歩いていくのが
かっこいいと思うの。



それに・・・
やっぱり留学してて
なじみのある土地だから
懐かしいのかな。


いつもはあたしだけに
集中しているその意識も
その視線も、一緒に歩いてると
真壁さんが街並みをみたり
風景をみていたりするのが
伝わってくる。



(一緒にロンドンに来れてよかった)


口には出さないけど
真壁さんが
とても楽しんでいるのが
伝わってくる。


それがとても嬉しかった。


前に紅茶の話をしたときも
イギリスの紅茶専門店のことや
有名なティールームの話や
色んなイギリスでの思い出を
話してくれた。


執事が生まれた国でもあるし
真壁さんにとって
きっとこの国は
特別なんだと思う。


ニューイヤーも
ここ、ロンドンで過ごす。
いつもだったら
九条院家でのパーティを
楽しむところだけれど・・・。


(電話、忘れないようにしなくちゃ)


今年はちょっと違う。
真壁さんと一緒に過ごすロンドン。


出発する前に
樫原さんと話してた事を思い出す。

ちょっと恥ずかしいけど・・・
でも。


好きだけれども
好きだと伝えられなくて
お互いに微妙な距離を置いている
あたしと真壁さんだけど・・・
こういう風に
2人っきりになれるのは
とても嬉しいの。


うん、きっと嬉しいはず。



「ねえ、真壁さん」

「はい、お嬢様」

「なんだか2人でこうやって街を歩くなんて久しぶりだね」

あたしの言葉に
真壁さんが驚く。

「そうでしょうか?」

「うん。私服の真壁さんなんて、本当に久しぶりだよ」


あたしの言葉に
真壁さんがしかめっ面をして
いつもの口調で言った。

「これは私服ではありません」

「え?」

「コートの下にはきちんと執事服を着ております」

「・・・うん」

「執事として、このような観光先でもお嬢さまのお付を―――」

「真壁さん」


ただ、私服の真壁さんを
久しぶりに見て
相変わらず素敵だなって
思っていたのに・・・。



私服の真壁さんと一緒に歩くなら
あたし達、カップルに見えないかな、
なんて、そんな風にちょっと思って
それで嬉しくなって・・・聞いただけ。


こんなに言葉たくさん使って
全力で否定しなくてもいいのに。


「執事」として一緒にいると
強調されると、なんだか少し
胸が痛いよ。


「わかったから」

「え?」

「・・・ううん、いい。わかったから」


ちょっとでも
デートみたいって思って
あたしは緊張してるのに
真壁さんにとっては
これは執事の仕事の一環で
別にそこまで、のことじゃない。



ただ、それを
今ここで
また実感して。


ちょっとだけ
気持ちが落ち込む。
思わず足取りが重くなったら


「タクシーを拾いましょうか、お嬢様?」
やはりお疲れでは?
ホテルに帰って休みましょうか?

そう聞かれた。


ホテルを出るときにも
聞かれたんだけど・・・
せっかくだから
街を歩いてみたい、と
あたしがお願いしたので
それで目的地まで
二人揃って歩いてる。


「ううん。大丈夫だよ」

ただちょっと寒かっただけ。


―――気持ちが落ち込んだから
それで下向きになったんだけど・・・
言い訳をしたら
真壁さんが立ち止まった。


・・・え?


思わず見上げると
真壁さんがするっと首もとから
マフラーを外して
あたしの首元にゆったりと
巻いてくれた。


「ッ・・・・!」

「寒いのでしたら、私ので申し訳ございませんが、今しばらくこちらを」

「こ、これ・・・」

「首元だけでも暖かくするだけで、だいぶ変わりますから」


首元に巻かれたマフラーが
ふわふわしてて
そしてあったかい。
今まで真壁さんが巻いていたから
その温度が残ってる。


ちょっと大きくて
ぐるぐる巻きに真壁さんが
巻いてくれたんだけど
本当に顎の辺りまで来てて。


「あったかい・・・・」


思わずそう声が漏れた。

「よかったです」

真壁さんがくすっと
笑うのがわかる。


「ありがとう、真壁さん」


なんだか今日の真壁さんは
いつもより優しく感じるよ。
日本に居る時は
こんなことしてくれないのにね。


そうボソッと言ったら
それが聞こえてたのか。


「ッ・・・!」


真壁さんがちょっと
びっくりしたような顔の後で
うつむいちゃった。


「え?」

「あ、いえ。何でもございません」


心なしか
頬が赤いような気がする。
あれ・・・寒いのかな?


「そう?なんだか顔赤いよ?」

やっぱり真壁さん
寒いんじゃない?
マフラー返そうか?


そう言って首に巻いてくれた
マフラーをはずそうとしたら
真壁さんにそっと手を止められた。


「大丈夫ですよ、まりあお嬢さま」


少し頬は赤いけど
一生懸命真面目な顔をして(?)
真壁さんが言ってくれた。


「寒くない?」

「ロンドンの冬には慣れております」

「そう?」

でも、氷点下近くの温度だから
結構寒いと思うよ。

「真壁さん、風邪引いちゃう」

だって、そのコートの下は
いつもの執事服で。
コートも素敵だけど
でも夜だからか
冷え込んできてるし・・・。


「主人に風邪を引かせる執事は風上にもおけません」

「・・・」

「ですから私のことはご心配なさらずに」

「わかったわ」

「あまり遅くならないように早めに行きましょう」


また歩き出した
真壁さんの横に
遅れないようについていく。


「待って」


―――執事だから、
といわれると
マフラーを巻いてくれた優しささえ
仕事上のことかと
思ってしまう。

でも思ってしまう
あたしがいると同時に
そうじゃなければいいと
願うあたしもいる。


「失礼いたしました、お嬢様」


少し早足だったのを
緩めてくれる。
人ごみが増えてきて
歩く時にぶつかりそうになる。


はぐれそうになったときに。
ぎゅっと手を握られた。
真壁さんの白い手袋の感触。
温かい。

え?

真壁さんを見上げると

「人が増えてきましたので、はぐれずに居てくださいませ」

お嬢さまを迷子などに
させるわけにはいきませんから
私で申し訳ないのですが
手をお繋ぎさせてください。


すごく冷静な声で
そしていつもの
ポーカーフェイスでそういわれた。


「・・・はい」


真壁さんは
ぎゅっとあたしの手を握って
そのまま歩いてくれた。


なんだかとてもドキドキする。
横並びで歩くのも
初めてだけど
こうやってマフラーを巻いてくれたり
手を繋いでくれたり。


それが「執事」だから、
といわれても。

あたしはドキドキするばかりだ。



(しばらく・・・あたし達2人っきりだよね・・・)


思わず赤くなってくる。


真壁さんはあたしの執事で
あたしを意識することなんてないのに。


あたしが勝手に
ただ、そういう風に
意識してしまって。
意識することなんて
全然ないはずなのに。



きっと真壁さんにとっては
これも執事として
きちんとお嬢さまを守る、ことの
一環なんだろ・・・。


(でも、こうやってマフラーとか手を繋ぐとか・・・)


・・・・この人は
たまにとても近くて。
それも、あたしだけに
とてもとても優しくて。
それが仕事だからといっても。



誤解したくなる。


あたしは・・・・
真壁さんのこと・・・・。



恋人同士みたいだと
誤解したいけど
きっとこれはそうじゃない。



真壁さんと繋いだ手が
繋いでいない反対側と比べたら
とても温かい。
でも、繋いだ手の側の心は
とても切ない。



誰かと手を繋ぐことが
切ないなんて
考えたことも無かった。

ううん。
誰かに手を引かれて
歩くのも久しぶり。

知らない土地で
歩いてて
しっかりと手を握られてるのは
とても安心するけれど―――



その握っている意味は
あたしの心を切なくさせる。



自分でも
よくわからない気持ちが
たくさん胸に渦巻いている。




(―――誤解したくなるのはきっと―――)







にぎやかな街並みとは
正反対で。
真壁さんは
あたしの手を引いて
黙々と歩き続けた。


石畳にコツコツと響く
あたしのブーツの音。

真壁さんの歩く速度と
あたしが歩く速度が一緒。
靴音が揃ってきこえる。


(あたしに歩く速度合わせてくれてる)


細かい気遣い。
横に並んで歩きながら
気にしていないようで
真壁さんがちらちらと
あたしの方を
気を使っているのがわかる。


あたしは切なくなりながらも
真壁さんが繋いでくれた手の
ぬくもりと
マフラーのぬくもりだけを
感じていた。











****** その2 おわり***********


その3 はこちらから。
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