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( ゚Å゚)ノ MerryChristmas♪

先日行ったXmas企画での
TreasureHantフリリク、
まりあ様リクのお話になります。
こちらは前編の分割になります。

分割のページリンク

その1 その2 その3 その4

1つの記事で
前編を読まれたい方は
こちらからどうぞ。

リク作品ですので
こちらの記事での名まえは
「まりあ」になっています。

Xmas企画ページの
作品集の中にも
フリリク作品を納めますので
名前変換はそちらでどうぞ。

以下、創作になります。
創作である事を
ご了承の上、
ご理解くださる方のみ
どうぞお読み下さい。
******* If you would love me…. 前編 その1 ********

FOR MARIA!!







「執事が、一番幸福に感じるときはどんな時かおわかりですか」
「わからないわ」
「私がお仕えしていることで、ご主人様が幸福を感じているとわかったとき、でございます」
「じゃあ・・・真壁さん、幸せね?」
「ええ。もちろんでございます」
「いつまでも、私の力が続く限り、まりあお嬢さまのおそばで、仕えさせていただきます」

ずっとずっと一緒にいよう。
真壁さんと一緒に
生きていこう。
それが、あたしと真壁さんの
正しい在り方だと思うから。





一年前のあの日。
あずまやで
ティータイムをしたときのこと。
忘れない。
ずっとずっと
真壁さんがあたしの傍にいると
誓ってくれた日。




・・・・・・・・



あたしは九条院家の令嬢。
そして真壁さんは
その専属執事。
それ以上の関係も
それ以下の関係でもない。

真壁さんは執事として
あたしに尽くしてくれる。
あたしはそれを受け止める。
そして真壁さんを信頼して
彼を使用人として使う。

あたしは真壁さんの主で
真壁さんはあたしの執事。


親しくしても
その一線を踏み越えない。
令嬢と執事であることを
忘れず、そのように振舞う。


これが正しい在り方。


これでいいんだ。



―――ずっとそう思ってた。
ううん、そう思おうと思っていた。


だって、あの人には
・・・執事とその令嬢の
関係以上の事を
望めなかったから。

最初のうちのあれこれ
ぎくしゃくしたことも。
姉さんの披露宴ぐらいの時も
きっと上手く距離をお互いに
とれなかったから。


分をわきまえる。
距離を保つ。


あれこれあって
行き着いた先が
この関係なんだと思ってた。







最初のうちは
これでいいと思っていた。
でもしばらくして
本当にこれでいいのかなと思った。



そして月日が流れて。


真壁さんと過ごす日々も
1日1日増えていく。
あたしと真壁さんの距離が
近くなっていく。


最初に出逢った頃、
真壁さんは全然笑わなくて
厳しくて他人行儀で
心の中にあたしを
一切入れてくれなかった。

自分の話さえも
してくれなかった。
「執事」であること以上を
しなかった。



それが・・・今では。


あたしを名前で呼ぶようになった。
まりあお嬢さま、と。
とても優しい声。


いつも傍にいて
あたしを見つめてる。
目が合うと必ず
真壁さんが微笑んでくれる。


あたしの好きなものは
なんだって知ってる。
あたしが何を考えてるのか
何をしたいかさえも
真壁さんは全部わかってる。


何かしたいときは
ただ呼べばいい。
真壁さんって。


あたしが告げる前に
先回りして
真壁さんが当ててしまう。
なんだって。


そして、彼は
なんだって叶えてくれる。
ただ1つの願い以外は。



あたしの考えてることは
全部わかっているのに。
きっと彼はわかっていて
わからないふりをしているんだと
たまに思うの。










諦めようと思った。

諦めた方がいいと思った。
この恋は叶わないと。




気がついたら
自然と好きになっていた。


いつも傍にいて、
あたしの事を思ってくれてるから、
だけじゃない。

たまに見せてくれる
プライベートな顔。
遊戯室でビリヤードしている時の
鋭い視線。


紅茶を入れているときに
水色をじっと見詰めて
ふっと笑う時の横顔。


朝、アーリーモーニングティを
持ってきてくれる時
目をこすって
寝ぼけているあたしの
乱れた服を
そっと直してくれる指先。


パウダールームで
出かける準備をしているときに
髪の毛を綺麗にセットしてくれる時
背中に感じる彼の気配。


いつもいつも傍にいてくれる。



この人はただあたしにだけ
優しいってことを知ってる。

そう、あたしだけ
「特別」にしてくれてるってことも。

真壁さんがずっと一緒にいてくれる。
いつも傍にいて
あたしを見つめてくれている。


傍にいる時間が長くなれば
長くなるほど
真壁さんは優しくなっていって
あたしを特別にしてくれて
それが彼の仕事だからだと思っても。

あたしは嬉しく思いながら
反面、戸惑っていた。



―――この人の優しさは
ただ、あたしだけのためで
とても「特別」過ぎて・・・




だから、誤解したくなる。




あたしのこと
本当は「お嬢さま」じゃなくて
1人の女の子として
好きなんじゃないだろうかって。


他の誰かに接する時と
明らかに違う
「大事」の仕方。


この人がこんなに優しいだなんて
きっと誰も知らなかっただろう。


中岡さんが前に
真壁さんがあたしに本当に
「特別に」優しい、し
そういう執事になるとは
思わなかった、と
言っていた。



でも、彼は知らない。


中岡さんが見ていない
2人っきりの時に
真壁さんがもっと
よりいっそう
あたしに優しいことを。



2人っきりの時に
真壁さんがじっとあたしを
見つめる視線が
どれだけ優しいかを。



きっと、誰も知らない。


その優しさは
どこから来てるの?って
その瞳の奥に
問いかけたくなる。




真壁さん、あたしのこと好き?




訊いたらきっと
彼は返事に困るだろう。
ううん、もしかしたら
主の願いをききとどける執事として
自分の本心ではなく
「執事」として好きだと
答えを返すかもしれない。


「専属執事として」
この人はあたしの願いは
全て叶えてくれるから。


だから。


ずっと訊けないままだった。


ずっと傍にいるのに
真壁さん自身の気持ち、
1人の人間としての
あたしへの気持ちは
わからなかった。


きっとあたしも
尋ねられなかったし
真壁さんも・・・。



(真壁さんのことが好き)


この気持ちを認めたら
傍にいられなくなる。


真壁さんの心が知りたかった。
でも知るのが怖かった。

真壁さんが得意の
ポーカーフェイスの
その下にある素顔を
あたしは知らないから。


いつもの優しさ、
誤解してしまいそうな
あたしだけにしか見せない
その優しさが、もし全て
「専属執事」だという
理由だったとしたら。



真壁さんが傍にいるだけで
苦しくなってしまうから
考えないようにしてた。


執事とそのお嬢さまという関係に
がんじがらめになっている
自分には気がついていた。


いつの間にか
言い訳しか
出てこないようになっていた。


優しくされたら
「専属執事だから」
甘える時も
「専属執事だから」。


いつかあたしと真壁さんの間に
引いた1本の線を
越えることができなかった。



できないから
忘れようと思っていた。










・・・・・・・・






「わあ・・・すごく綺麗。ロンドンの郊外まで見渡せるわ」

「まりあお嬢さま。あちらのウェストミンスター寺院です」


窓の外を
真壁さんが指差す。


夜のロンドンは
とても賑やかで
あんまりよくわからなかったけど
日本とは違う建物、言葉
そして空気。


なんだかドキドキする。
すぐ後ろに真壁さんが
ついてくれてるから。


彼の気配がする。



あたしはとてもドキドキしてるけど
でも真壁さんはあまり変わらない。



「明日行くところ?イギリスの王室が戴冠式で使う教会だっけ?確かダイアナ妃の葬儀をしたところだって言ってたよね。」

「よく覚えていらっしゃいますね」

「あれだけ予習させられたんだもん、覚えてない方がおかしいわ」



ちょっと大袈裟に
顔をしかめたら
真壁さんが褒めてるのか
わからないけれども
苦笑して言ってくれた。

「流石は、お嬢さまです」


「ありがと」


観覧車に乗って。
ロンドンの冬の空を横切る。
窓の外はもう真っ暗だ。








今日、ロンドンについた。

ロンドンの街は
クリスマスを迎える季節だからか
イルミネーションが
いたるところで煌いている。


ロンドンのクリスマスは
とても素敵だよ、と
教えてくれたのは義兄さん。


観にいってみたいな、と
呟いた言葉を
実現してくれたのは樫原さん。


専属執事の真壁さんが
以前イギリスに
留学したことがあるからと
授業が終わった夕方、
すぐさまロンドンへ飛んだ。


本当は春の卒業旅行で
イギリスに来るつもりだった。


前から真壁さんに
イギリスでの留学生活を聞いてて
行ってみたいな、と言ったら
真壁さんも賛成してくれた。
いつも楽しそうに
懐かしそうに真壁さんが語る
イギリスのあれこれを
あたしも見たかった。


だから白凛学園を卒業したら
イギリス旅行をしようと思っていた。


ヨーロッパにしばらく
出張に行っていた
義兄さんがロンドンでの話を
ディナーの席でしたときに
卒業旅行で行ってもいい?と
甘えてみたら
義兄さんが満面の笑みで
3月まで待たずに
次の休みに行っておいで、と
言ってくれた。


冬休みは10日ほどある。

クリスマスもお正月も
ロンドンになっちゃうけど
いいのかな?と迷ったら
姉さんが、義兄さんと同じく
ロンドンのクリスマスは
素敵だから、見に行ってきたら?と
言ってくれた。そして
春にもいけばいいじゃないの、と
勧めてくれた。


春なら、あたしと慎一郎さんも
一緒に休みをあわせて取るから
その時は家族で。
でもその前に遊びに行ってらっしゃい、
ロンドンのクリスマスは必見よ。
真壁さんがいるなら
大丈夫よね。


そう笑って言うものだから
後ろで控えている
真壁さんをちらりと見たら
優しく微笑んだ真壁さんが
軽く頷いた。


お任せ下さい、と。







それで、今、
真壁さんと2人、
ここロンドンにいる。



イギリスについてすぐ
ホテルに荷物を置いた。
ホテル選びは
真壁さんに任せた。


きっと真壁さんのことだから
執事の目線で
最高級のサービスを
あれこれとみたいだろうと思って。


そうしたら真壁さんが
選んでくれたのが
ホテルリッツだったから
ちょっとびっくりした。


リッツってパリじゃないの?


そう聞いたら
パリのリッツについで
創業100年を越えるホテルで
ここのティールームの
アフターヌーンティが
素晴らしいと、真壁さんが
教えてくれた。



アールデコ調の
曲線が綺麗な家具や
ロビーがとても素敵なホテル。


聞けば、なかなか
あたしと真壁さんが
滞在できるような部屋は
埋まっていて
予約できないらしいけど
樫原さんがどうにかしてくれたらしい。


こっちへ来る航空券も
樫原さんが全部手配してくれた。


ホテルについてすぐ
真壁さんが荷物のパッキングを
片付けてくれて。
その間、お茶を飲んで待ってて。


水が違うし
一緒にもって来てくれた
スコーンも味が違って
本場の味なのね、と
言ったら、真壁さんが
優しく笑ってくれた。


少し休憩したあと。



片付け終わったから
一緒に街にでることにした。








・・・・・・・・・





石畳の歩道を
真壁さんと並んで歩く。
石畳を通じて
寒さが上がってくる。


だいぶロンドンは
東京より冷える。



夕暮れの時間についたから
なんだか街の様子は
よくわからないけど
でも真壁さんが居るから大丈夫。



いつもの真壁さんの定位置は
あたしの後ろだけど
でも知らない街だし
真壁さんが案内してくれるから。


横を歩く真壁さんを
肩越しに
チラッと見上げる。

真壁さんとこうやって
旅行に出たのは
実は初めて。

だから、ちょっと緊張してる。



少しだけふんわりと
後ろに撫で付けられた髪型。
はらりと落ちてくる前髪。
端正な横顔。
きりっとした
銀縁の眼鏡の下には
ポーカーフェイス。
色が白い人だから
ダークグレイのコートが
とてもよく似合う。


首元に巻いてある
濃いグレンチェックのマフラー。
紫の細い線がアクセントで素敵。

180センチの身長で
すらりとスレンダー。
磨き上げられた革靴。


(・・・カッコいいんだよね)


あたしが見ているのに気づいた
真壁さんがいつもの冷静な顔で

「どうかされましたか?」

そう聞くから。


「ううん。なんか・・・」

「はい」

「ううん、なんでもない」

「そうですか」

ロンドンは東京よりも
冷えますので
もし寒かったり
お疲れでしたら
すぐにおっしゃってください。


そういつもの執事口調で
言われて、はい、と頷いた。



見つめてたのは
そう、じゃないよ。
真壁さんが
カッコいいからだよ。




・・・本当は、
「手を繋いでもいい?」って
聞きたかった。
迷子になると怖いから、と
理由を付け加えたら
きっと真壁さんは
苦笑して、許してくれるだろう。



でも・・・。


なんか、デートみたいで
落ち着かないの。
いつもと違うから。



それに。


恋人でもないのに、
お嬢さまであるからって
特権のようにして
「命令」して
手を繋いでもらうって
なんだか寂しいんだ。


繋いだ手は温かいだろう。
でも、それはこの人の仕事で
そこにある気持ちは
きっと、忠誠心、とか
そういうのだ。



それがとても
―――寂しいよ。











****** その1 終わり ******


その2はこちらから。
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