2017 08 / 07 last month≪ 12345678910111213141516171819202122232425262728293031≫09 next month
スポンサーサイト  --/--/--  
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
 | スポンサー広告  | Page Top↑
Xmas企画、きょう様との
対連載、Christmas Storyの
第5話です。
真壁視点から
きょう様がかかれてます。

BackNumber
第1話:すれ違いの始まり
第2話:嫉妬というもの
第3話:優しさの半分
第4話:苦いショコララテ

以下、創作になります。
創作である事を
ご理解とご了承の上、
興味のある方のみ
どうぞお読み下さい。


******Christmas Story 第5話 *********
written by kyo

~想うが故に~




++++++++ 真壁直樹がみる景色 +++++++++++





「『大っ嫌い!!』か・・・・・」



***が何気に発した言葉。


ぽつりとひとり呟いた
俺の言葉は
一人取り残された
***の部屋に
静かに響いた。



***が勢いで言った言葉だとしても。


それでも、***の口から
発せられた言葉は
俺を傷つけるには
十分、威力があったらしい。


俺の心が傷ついている。
その事実に苦笑している自分がいる。


(本当にお前は俺を振り回すのが上手いよ)



ただこの世で一人、
俺を振り回す5つ下の恋人。

喜ばせることも、
傷つけることも
出来るのはただ、
***一人だけだ。



さっきの態度は自分でも
良くないとは分っていた。
だが、それでもだ。

それでも、『今』の俺は
***の『執事』であり、
『仕事中』だ。

そこに私情は持ち込みたくなかった。
それこそ、俺の美学に反する。




さっき、***が
ベッドの上に座っていたな。

***は、わざと
ベッドの上に座るのが好きだ。
出来れば、寝るまで
そこに座るのをお止め下さい。
と言っているにも関わらず。



それでも、俺は
それを許してしまう。
***が望むことなら、
出来る限り叶えてあげたい。

そう想っているんだ。







後で、きっと
課題をやりに、***は
この部屋に戻ってくる。

それまでに、この部屋で
やり残した事をしておかないと。




俺はまず、***の
明日の準備の続きにとりかかり、
次に***が崩した
ベッドメイキングをし始めた。





*******************




全てが終わって、
俺は***の部屋を退室した。

少し、嫉妬で
判断が鈍っている頭を
冷やしたい。
さて、どこに行こうか。




そう想った時、
目の前に中岡が居た。





まるで、俺の行く道を
止めるかの様に・・・・・・・



「真壁、ちょっといいか?」


俺の顔を真っ直ぐみて、
中岡はそう言った。
何か言いたい事があるらしい。
中岡の目がそう物語っている。


「何だ?」


「少し、話があるんだ。ここで話すにはちょっと、良くないと思うから。別の部屋に行かないか?」



つまりは、
仕事の話ではなく、
プライベートでの話になるという事か。

大体、何の話かは想像がつく。
けれど、状況を知るために
俺は頷き、
「俺の部屋でも構わないか?」
と提案した。





俺の部屋のドアを
閉じた途端、
中岡は開口一番に

「お節介というのは分っているんだけど。」


と言いにくそうに切り出す。


・・・つまりは***の事か。

言いにくい事だと分っていて
敢えて俺に助言をしたいという訳だな。



「分っているのなら、言う必要はないと思うが。」


意地悪だと分っていても
今の俺には余裕がない。
中岡は一瞬、
ひるんだ様にみえたが、
意を決した様に口を開いた。



「***お嬢様は、泣いていたぞ。」

「知っている。」



―――言われなくても。

俺が原因で泣かせた事も。
***のあんなに
真っ赤な目をして
泣くのを堪えた姿を
思い出し、
俺の心が鈍く痛んだ。



「だったら、何で***お嬢様を追いかけなかった?」



まるで太陽みたいな
お前には、
俺の様な愛し方は
きっとわかるまい。



中岡なら、もっと
上手く出来る筈だ。
そう、***が
ウォルフに手の甲に
キスされたとしても。

見惚れて、
話を聞いていたとしても。

ここまでの嫉妬には
きっとならないだろう。

そして、***を
あんな風に泣かせることも
なかった筈だ。

しかし、すでに
起こってしまった事実は
変えようもない。




だからこそ、
これは***と俺の問題だ。

きちんと解決するまで、
第三者には介入して
欲しくはない。



「心配をかけているのは、すまないと思っている。だが、これは俺と***の問題だ。出来れば見守っていてくれないか」



そう中岡に告げると
まだ中岡はなにか
言いたそうな顔をしたが、
すぐに「わかった。」と返ってきた。


そして、

「とりあえず、先程***お嬢様はあずまやでガトーショコラと紅茶を召し上がって、お部屋に戻ったよ。」

と、俺に報告もしてくれた。




************


中岡と別れてから
俺は調理室へ行った。

今頃は課題に
とりかかっているだろう
***の為に飲み物を
作ろうと思ったからだ。



決して、***は
課題を放り出しはしない。
一時は、感情的に
なってしまったとしても。
やるべき事は、きちんとこなす。
***は、そういう性格だ。


課題をしている時には
糖分を入れた方がいい。


今日はアフタヌーンティもしたし、
先刻ガトーショコラも
食べた時に紅茶も飲んだから
ショコララテにするか。



***は本当に甘い物
特にチョコレートが好きだ。
アフタヌーンティの時でも
数あるお菓子のなかで
チョコレートを
食べている時の顔は、
思わずそのまま
***自身の口におれが
触れたいぐらいだ。


そして、そのまま
俺の望むままに
***に触れたくなる時が多々ある。

・・・流石に公の場では出来ないが。


よく考えると、先刻
中岡の前で
その顔をしたのかもしれない。


勝手な想像だと
判っているが、
もともと余裕のない俺は
そう考えるだけで
胸が焼けそうになる。



だがまだ、
今は仕事中だ。
ショコララテの続きに
とりかかる。



***は甘いだけでなく
出来れば苦味も
ある方が好きだから・・・・・

俺はあの
チョコレートを食べている
***の顔を浮かべながら
ショコララテを完成させた。




*************



俺が***の部屋に入る時
ドアはノックしない。
***と恋人同士になってからは
それは暗黙の了解になっている。

いつも通りに
ドアを開けると
勉強机の上で集中して
課題をしている***の姿がみえた。



***の姿をみて想わず
ここにいる事に
安心している自分がいた。





・・・・・・どれだけ彼女に
俺は振り回されているんだろう
とふと想う。

***は俺の方が
『余裕』だと
よく俺に言うが、
俺はあくまでも
そうみせているだけだ。



俺の方が年上だから。
***に仕える執事だから。



『執事』という
仕事に就いて
***と恋人になって、
一層仕事に
励んでいる自分がいる。

もちろん自分自身の
為でもあるが
何よりも***と
付き合う事によって
***の品格が損なわれない為に。



ドアの開いた音で
俺が入ってきた事に
気付いた***は
俺に声を掛けようとしたが
俺はそれを許さなかった。




今、口を開けば
きっと、この胸に抱えている
様々な想いをぶつける事になる。

課題に集中している***に
それはしたくなかった。



だから、一言。



「休憩にどうぞお飲み下さい」


とショコララテを
サイドボードに
置きながら伝えた。

そして、すぐに
立ち去ろうとしたところ
***が呼び止めたが。



俺はそれを聞かなかった。



今はきちんと
やるべき事をやって
それから話をしよう。
課題の邪魔になってはいけない。


「邪魔になるといけませんので、御用がありましたら、何なりとお呼び下さい。」


そう言って、俺は
***に一礼をして部屋を出た。
部屋を出た途端
俺は想わず、溜め息をついた。



部屋を出る前の
***の顔は俺と
話をしたそうな顔をしていた。




だが、この恋は
お互いにやるべき事を
やってこそ、
成り立つものだと
俺は想っている。


一生、***の傍に居るためにも、
一時の感情で流されるべきではない。



(俺も今すぐに***と話をしたいよ)




この想いは***には
届かないかもしれない。



けれど、これが
今の俺の正直な気持ちだ。








********第5話 終わり *****

第6話に続く。
 | 【企画】Xmas with Butlers  | Page Top↑

Blog状況

最近の記事

カテゴリー

訪問者数

メールフォーム