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Xmas企画の対連載
『ChristmasStory』の
第1話です。
副題は「すれ違いのはじまり」。
ヒロイン視点になります。
書き手は、HP[Sweet Sweet Sweet!!」のきょう様。

続いて第2話は1話の対、
真壁Sideであたしが
書いています。

12月22日(火)は
第1話(あたし視点)、
第2話(真壁視点)のUPとなります。


以下、創作になります。
ご了承の上、
創作である事を
ご理解いただけた方のみ
どうぞお読み下さい。
**********ChristmasStory Ⅰ*************

~すれ違いのはじまり~



クリスマスも迫った、ある日の午後。
あたしは、晶さんとウォルフさんと
アフタヌーンティをしていた。


給仕をしてくれているのは、
あたしの専属執事、兼恋人でもある
真壁さんと、中岡さんだ。


「えっ。外国では、家族と過ごすのがクリスマスでは主流なの?」


「そうですよ、姫君。」

ウォルフさんが
紅茶のカップをテーブルの上に
置きながら、応える。


「確かに、日本ぐらいなもんだね。
恋人と過ごすのが習慣になっている国って」

晶さんも、賛同する。

「そうなんだ・・・」

カルチャーショックというか。
九条院家で初めて迎えるクリスマスを、
真壁さんと少しでも過ごしたいと
当たり前に想っていたあたしにとって、
ウォルフさんの発言は、びっくりした。


ちらっとあたしは真壁さんの方を見る。
相変わらず、
『執事』として完璧な真壁さん。


今の表情からは、
何を考えているのか
全く読み取れない。


・・・真壁さんは
どう想っているのかな。

クリスマスは
一緒に過ごしたいんだけど・・・。


「ああ、でも今年は慎一郎がはりきっていたね」


ふと思い出した様に、
晶さんが言う。

「えっ?」


「だって、***ちゃんが来て初めてのクリスマスだよ。
義妹馬鹿の慎一郎が張りきらない訳がないよね。」


義兄さんってば、
相変わらずあたしに
甘いというか・・・。

九条院家でパーテイとなると
二人で過ごすのは、
やっぱり無理なのかな?


「そういえば、クリスマスパーティーを開く際に、
この間もみの木を取り寄せるとも、聞きました。」


ウォルフさんがおかわりした
紅茶のカップを持ちながら
びっくりする発言をした。


「もみの木?!」

思わず、大声がでちゃった。

もみの木って、
あのクリスマスツリーになる木だよね・・・。
今まで、本物の木なんて
見たことないんだけど。


「あれって、本物があるの?」


「姫君は、もみの木を見たことがないのですか?」

今度はウォルフさんが
すごくびっくりした顔をした。


「だって、いつもセットするもみの木があって、それをクリスマスには家で出してたもの。」



「じゃあ、***ちゃんにとっては、初めて本物のクリスマスツリーを見る訳か。」

晶さんが微笑みながら、
フィンガークッキーをつまんだ。


「恐らく慎一郎の事ですから、盛大なもみの木を用意するでしょうね。何といっても、今年は姫君がいることですし。」

あたしにウィンクをしながら、
ウォルフさんが告げた。


ウィンクしながらとか、
お話するのが様になるのって、
やっぱりウォルフさんぐらいだよね。

最初の頃はこの所作に
とまどっていたあたしも
今では慣れてきた。

何て言うんだろ。
ストレートに物事を口にする点では
晶さんも、一緒なんだけど。

ウォルフさんの場合、
動作がすごくミュージカルみたいに
ひとつひとつ決まっているというか・・・・・。



「----***お嬢様」



厭味がないんだよね。
これを他の人がすると、
きっとおかしいんだけど、
ウォルフさんがすると、
自然と合っているの。





「***お嬢様」



「えっ。」







真壁さんがあたしを見ていた。


「***お嬢様、お茶のおかわりはよろしいですか?」

「あ、もらうわ、お願いね。」


「かしこまりました。」


ふと、ウォルフさんの事を
考えてたら真壁さんに
呼ばれていることに気付かなかった。


考え事していると、
物事が見えなくなるのは
あたしの悪い癖。


だからこの時の真壁さんが
どんな想いをしていたのかも
気付かなかった。


そしてあたしは、
これがきっかけで
この後起こる
事件の引き金になるとは、
このとき想像もしていなかった・・・・。







パーテイが開かれるお話から
海外ではどの様に
クリスマスを過ごすのかというお話になり、
あたしはウォルフさんに
ドイツのクリスマスの
過ごし方などを聞いていた。



「アドヴェントカレンダー???」

「そうです、ドイツでは、まずクリスマスのカウントダウンとなるカレンダーがあるんですよ。」


へえ、そんなカレンダーがあるんだ。
日本では見たことないような気がする。


「クリスマスまでカウントダウンするの?面白そう!」


初めて聞く、
ドイツのクリスマスの過ごし方に
凄くどきどきする。


「まずクリスマスの準備としてドイツの街並みや雪景色が描かれたそのカレンダーを用意し、アドヴェントクランツを用意します」

「アドヴェントクランツ?」


「ドイツはクリスマスの4回前の日曜日から、クリスマスシーズンが始まるんですよ。そして、その第一回目の日曜日に用意するのがアドヴェントクランツという飾りですね。」


「つまり、ドイツは約1ヶ月前からクリスマスの準備が始まるということだね。」


晶さんも知識豊富だなぁ。

今、さらっと
話に加わってきたけど、
知ってないと
会話に加わるなんて出来ないもん。


「その通りです。そして、飾りの『クランツ』とは『冠』の意味がありもみの枝で作ったリースに4本のキャンドルを立てたものになります。最初の一回目の日曜日の第一アドヴェントに1本目のキャンドルの灯が灯されるのです。」



聞いているだけで、
ロマンチックな気がする。


「じゃあ、次の日曜日に、2本目のキャンドルに灯りを灯すの?」


「正解です、姫君。そして、このアドヴェントの期間はこのクランツをリビング等に飾り、来客がくる度に灯りを灯すのですよ。」

「お客様が来る度に、灯りを灯すなんて、ロマンチックだね。クリスマスに食べる特別なものとかあるの?」


「有名なのは、『シュトレン』というお菓子ですね。」


「それは、どんなお菓子なの?」

名前からはとても想像がつかない。


「簡単に説明するなら、パンみたいな食感のお菓子です。日持ちする様に作られるので、約2ヶ月ぐらい持ちます」


「そんなに?」

「種類にもよりますが、大体それぐらいは持ちますね。おおっ!そうだ。でしたら、ドイツからシュトレンを姫君の為に取り寄せましょうか?!まだ今なら手に入りますし。」


「わざわざ、ドイツから悪いよ。」

だって、色々と手配するのに
きっと大変だよね?


「いえいえ。姫君の為なら、どんな苦労も厭わないつもりですよ。」

ウォルフさんは
軽くあたしに
ウィンクをしてきた。

シュトレンがどんなお菓子なのか、
気にはなるし、食べてみたい。

・・・ここは、せっかく
クリスマスだし、
ウォルフさんに甘えてみようかな?


「じゃあ、ウォルフさん。そのシュトレンをお願いしてもいい? 」

あたしがそう言うと、
ウォルフさんが大喜びして、
あたしの手の甲にそっと口を寄せた。



「きゃっ!」

「姫君の望むがままに。色々と取り寄せましょう!」



「***お嬢様。そろそろ、お部屋に一度戻られてはどうでしょうか?確か、本日は課題がたくさん、出ていましたよね」


横から真壁さんが
そっと耳打ちをしてきた。


あ、そうだった!!

いけない。
明日までの宿題が
たくさん出ているんだった。

「ウォルフさん、晶さん、ごめんなさい。あたし、そろそろお暇しないと。宿題がたくさん出ているの忘れていたの。」


「おお、それはいけない。では、又ディナーの時に。」

「学生の本分はおろそかにしてはいけないからね。ちゃんとやっておいで。」


二人ともそう言って、
あたしを見送ってくれた。

「ありがとう、それじゃ又後で。」


あたしは、真壁さんと
一緒にサロンを出た。







******************************





「あー、面白かった」

あたしと真壁さんは
あたしの部屋に戻ってきた。

部屋に帰るなり、
ベッドの上にちょこんと
あたしは座った。
糊がきいているシーツの上を
崩す瞬間があたしは大好き。


後で、ベッドから降りた後、
『仕方ないな』と、きっと想いながら
真壁さんがメイキングしてくれるのを
見るのが、好きなんだ。


真壁さんは、今、
明日の準備をしてくれている。


この人とこうして二人でいる
この空間がとても好き。
『執事』と『お嬢様』でなければ
出会わなかったあたし達。

当たり前の様に傍に
真壁さんは居てくれているけど
実際、姉さんが結婚しなかったら、
会えなかったかもしれない。



ううん、会えない率の方が高かった。


そう想いだしたら、
急に真壁さんに抱きつきたくなった。


仕事の邪魔だとは
想いながらも、
我慢できずに、
真壁さんの背中に
ぎゅっと抱きついた。



「***お嬢様、何なさっているのですか?」


-----あれ?
いつもより声が冷たい。


「抱きつきたくなったから、抱きついてるの」

あたしはわざと
甘えた声を出してみた。

「ただ今、***お嬢様の明日の準備をしております。邪魔をしないでいただけませんか?」




邪魔!?


今、邪魔って言ったよね!!



「真壁さん、おかしい」



思わず、あたしの口は
そう言っていた。


「どうして、そんなに機嫌が悪いの?」


「悪くなど、ありませんよ。」

真壁さんの声は、
相変わらず淡々としている。


「嘘ばっかり。いつもと態度が違うじゃない。」



いつもだったら----
『仕事中なのに、仕方ないな』
なんて言って、それでも
あたしを受け止めてくれる。



それなのに、今日は違う。

すごく冷たい・・・。



それぐらい、
子どものあたしでも分かるんだよ。


「***お嬢様の気のせいでは、ありませんか?」


その言葉にかちんときた。


何それ。



今の真壁さんは『仕事中』であり、
あたしの『専属執事』だけど
いつもと何かが違う。



雰囲気というか、
何ていうんだろう。
いつもと違う空気が
今の真壁さんに流れている。
空気が固くなっている気がする。



ねえ、真壁さん。

あたしは、
『九条院家のお嬢様』だけど、
いま、誰もいないこの空間では
あたしは『あなたの恋人 』なんだよ。


「気のせいとは想わない。あたし、真壁さんに何かしたの?」



ねえ、何がそんなに気に障ることがあったの?




「***お嬢様、課題がたくさん出ていた筈では。」



あくまでも、
言うつもりはないってこと?
それが、真壁さんの気持ちなの?



「それはそうだけど、真壁さんおかしいよ。」



そう言った瞬間、
あたしの目のふちにじわっと
温かいものが溢れそうになる。




いやだ。
こんな事で泣きたくない。



さっきまでの大好きなこの空間が
とても窮屈なものに
変わっていくのが感じる。


あたしはそんなことを望んでないのに。
真壁さんがあたしを見ようとしない。


-----ただ、その事実が悲しい。
この悲しさは伝わらないの?

ううん、伝えたくても
真壁さんは、今
あたしに対して
『壁』みたいなものを立てている。


それを壊したいのに、
今はきっと壊させてくれない。





「もう、いい。」



想いとは裏腹に出てきた言葉。


「この堅物の、わからずやな真壁さんなんか大っ嫌い!!」


そう思いっきり言って、
あたしは部屋を出て行った。





あたしは、真壁さんが
どんな顔をしていたか
知らない。



ただただ、ひたすら
真壁さんの態度に
切なくなっていた・・・・・。





***********第1話 終わり *******

第2話に続く

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