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White day message from M  11/01/2008  
***** White Day Massage From M ******





・・・・ Side A





あたしは真壁さんの声が好きだ。
低くて、甘くて耳元で囁かれると、溶けてしまいそうになる。


いつか、ふと思ったの。

目が見えなくなるのと、
耳が聞こえなくなるのの、
どっちがいいんだろうって。

大好きな人の姿を瞼に焼き付けたいって誰だって思うと思う。
あたしだって真壁さんの姿は・・・・

一緒のいる間、執事のときも恋人のときも、
ずっとずっと、探しているよ。
でも、耳が聞こえなくなったら・・・って考えたら
とても切なくなったの。

真壁さんがあたしに話しかける優しい声。
時折聞かせてくれる、笑い声。
耳元で囁くときの少し掠れた切ない声。
抱きしめられたときの真壁さんの心臓の音。


それをすべて失うなんて・・・・。想像できない。



声で聴き分けもできるんだよ?

執事の時と恋人の時の声は勿論違うわ。
それに、出会った頃の真壁さんと
今の真壁さんでは全然・・・・声が違うの。

なんていうのかな。
とても・・・・優しくなって・・・温かい音になった。
真壁さんが気づいてなくても、あたしにはちゃんと聴こえているの。

真壁さんが、いつもあたしを見ているように、
あたしは、いつも真壁さんの声を聴いてるから。


声を聴かせて欲しいの。

あたしだけしか・・・あたしの名前しか、呼ばないで。
他の誰にも、あなたの声を聞かせないで。

真壁さんの優しい声を聴けなくなって忘れてしまうぐらいなら。
目なんて見えなくていい。


聴くことができなくなるなんて、耐えられない。


優しいあなたの声を耳に焼き付ける。
どんな音でさえ。
ずっと、耳を傾けておきたいの。

だから、あたしの耳にしっかりと、鎖をかけて欲しい。
もう、あなたの声という鍵でしか開かないような。

















・・・・・ Side B




いつからだろうか。
ゆいこのことを、こんなにも独り占めしたいと思うようになったのは。

その姿、その声、その匂い、その雰囲気。
すべてを自分のものにしてしまいたい。

宝物のように、大事に、大事にしまっておきたい。
鍵をかけて、誰にも見られないように。
誰にも知られないように。


しかし、その願いはいつも叶わない。
お前を閉じ込めるなど。

お前は九条院家のお嬢様で、そして俺はその専属執事だ。

朝、俺はお前を起こすために、アーリーモーニングティをもって部屋に入る。
眠っているお前の傍に立ち、声をかける。
それまでの間・・・・その部屋には物音は何一つしない。

眠りの世界から、目覚めるときの合図が俺の声だということが、
毎日・・・ささやかな幸せをくれる。

眠りから覚めたお前に紅茶を飲ませ、俺はその支度を手伝う。
その時間までは・・・・俺はゆいこを独り占めできる。

部屋で聞こえるのは、俺とお前の声だけ。
ほかは何も聞こえない。
朝の短いひと時だけ、独り占めできる。


そのすべてを。



お前のすべてを見ていて、感じているのは俺だけ。


しかし部屋を出たら、俺とお前がまた2人だけになれるのは夜の寝る前の時間しかない。
1日は長くても、俺たち2人が一緒に入れる時間は短い。


それまでの間。

お前と2人でいられない俺は、本当はいつも苦しく感じているんだ。


お前の瞳に映る、他の人間の影、
お前が聞く、他の誰かの声。
お前が見て、感じている世界、すべて。
そのすべてが、俺であって欲しい。


そう思うのは、俺のわがままだろうか。



一生、俺はお前だけを見て、これからも生きていく。

そう、俺の生まれたその日に誓った。


俺の目はお前だけしか映していない。
俺の耳も、お前の声だけしか届かない。
そう決めて俺はお前に一生を捧げる覚悟をした。


それは・・・・。

お前に俺を、ずっと独り占めして欲しいから。
そして、俺もお前を独り占めしたいから。


目はふさぐことができる。
その瞼を閉じることで、
外の世界を遮断することができる。
お前を取り巻く、きらめく世界の美しい光を映すその瞳でさえ。
閉じてしまえば、その間は見ることはできない。


その瞳を閉じさせることは、俺にできること。
深く、熱く、口づける。
そうするとお前はその瞳を閉じ、他の誰をも映さない。


でも、耳は違うんだ。

聞こえてくる音は、防ぐことができない。
すべてを、受けいれてしまう。
愛らしい小さい手で耳を塞いでも
その指の小さな隙間から、すり抜けて届いてしまう。



口づけている間も。
俺が愛の言葉を囁くときも。


それ以外のものもお前の耳は感じてしまう。
俺だけを感じて欲しいのに。
どうしても避けられないとわかっておきながら、
それが時折、たまらなく嫌なんだ。


俺だけの声を聴いてて欲しい。





この独占欲は、消すことができない。

だから、俺は今からお前に鍵をかける。


お前の耳に届く音が、俺の声だけであって欲しい。
そう祈りを込めて。



ふせぐことができないのなら、その前に
せめて俺からのプレゼント、
ハートのピアスを門番としておこう。





そのハートは、俺の心だ。




お前の耳には、もう俺からの声しか届かない。




いいだろ、ゆいこ?





お前は俺のものだ。













********** White day message from M. Fin. *********

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