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氷菓  10/27/2007  
氷菓 (角川スニーカー文庫)氷菓 (角川スニーカー文庫)
(2001/10)
米澤 穂信

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『氷菓』 米澤穂信

先日読んだ<古典部シリーズ>第3作目の
『クドリャフカの順番』が大層気に入ったので、
文庫落ちしてる第1作目の『氷菓』と2作目の
『愚者のエンドロール』を買ってきた。
一目惚れをしたとはいえ、一気に文庫を2冊も買ってしまうなんて
あたしらしくない。予算オーバーする本代を浮かせるために
図書館で借りる方針に切り替えたのに。
(ついでに、借りるのなら出来るだけ買わない方針貫いてる)

<古典部シリーズ>第1作目の『氷菓』は、
高校1年生の春から夏休みまでのお話。
主人公の折木奉太郎がどうして古典部を知りえたキッカケと共に、
古典部4人が入部した経緯など。
古典部の部誌である『氷菓』の謎、
そして、その昔古典部に所属していた千反田えるの叔父の謎。
33年前、古典部だった叔父の関谷潤が
どうして高校中退になったのか。
そこに隠された謎を解くお話がメインかな。

事件らしい事件といえば、33年前で既に過去のもの。
過去にあった事件を調査して、そして真実を解き明かしていく展開は、
実は自分の大好きなミステリー型なので、かなり気に入りました。
クリスティでも『象は忘れない』とか『5匹の豚』とか、
過去の事件の回想に関するものは、非常に好き。
過去に何があったのか、その当時隠されてしまった真実を
掘り起こすっていうのが、たまんないのよね。

流石に30年以上も前の出来事を探るために、
それぞれ4人が視点を変えて、どういう事件があったのかを調べるのだけど、
丁度おりしも入学したのが2000年、そして事件があったのは、60年代後半。
学生運動が盛んであり、高校生といえども、生徒の権利を主張する
運動が盛んで、古典部がある神山高校でも、生徒と教師側の対立があったこと。
『優しい英雄』『静かな闘士』と称えられ、伝説でありながら、
『犠牲』であったと言われた関谷潤。
どうして彼が高校中退することになったのか。
そして、その彼が学校を去る前に自分の意見を押し通して、
古典部の部誌を『氷菓』という名前にしたのか。

この1作目の『氷菓』こそ、古典部の古典部らしき原点を照らしてて
33年前の事件に対する仮説を立てる点や、資料を探す点、
時代背景を含めるところなど、非常に理がつまっていた。
謎が全て解き明かされる時、心から哀しい気持になった。
関谷潤がどうして英雄であり犠牲であったのか。
氷菓、とつけることが唯一の自己主張だったのか。

謎というのは一度解けてしまったら、
(ああ、こういうことがあったからか)と、特別に其処で起こった
出来事が非常事態のものだとは感じないものだ。
しかし、日常的な小さな出来事が重なり合って、
最終的にそれを時間を置いてみたとき、気が付く。
原因が隠されている場合、結果だけをみて、それが難事件だと思うが、
原因が見えてしまえば、それは当然導きだされる結果だとしか言えないように。

この『氷菓』は悲しい結末だった。
でも、悲しいなりに決着が付いて、汚名が晴れたというか、
時間がたたなければ解決できない問題があると思うような事件だった。
古典部シリーズの1作目がこんな事件であり、
ある意味、折木奉太郎の輝かしい探偵役デビューだよな。

それをあれこれと工夫して灰色の脳みそを悩まさなくても
資料を結びつけて導き出される結論から推論を推し進め、
きちんと裏を取れる辺りが、凄い。
折木奉太郎、本当に省エネ主義なんだろうか?なんて
少し笑ってしまった。
それにしても、部長の千反田えるの『気になります』の言葉を
どうしても避けることが出来ないホータローって
やっぱ恐妻たる姉の影響かしらね。



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