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CLAP御礼SSとして
以前出していた真壁の
秘密シリーズ「手袋」です。

1つの記事から読まれたい方は
こちらからどうぞ。

少々長いので
分割しています。
( その1  その2 )

以下、創作になります。
ご理解とご了承の上
興味のある方のみ
どうぞお読み下さい。





****** 手袋 その弐 *********










息を凝らして
耐える時間が
どれほど続いたか。


数秒が永遠に感じられ
時が止まってるのではと想ったとき。



「出来た♪」

全てのボタンを
はめ終えた彼女が
嬉しそうに笑った。




「・・・・ありがとうございました」


かろうじて
口から出たのは
掠れた声。


手が震えてきそうなのを
押さえながら
俺は彼女の手から
自分の手を抜き取る。



彼女が触れてくる
その1つ1つに
胸が振るえるような
締め付けられるかのような感覚が
名残惜しい。



俺は自分が狼狽して
赤くなっていることに
気がついた。


その照れた顔を
動揺した顔を
見られたくなくて。
きつく仮面を被った。




手袋のボタンを
無事にはめれたよ、褒めて?


そういう様に
俺を見上げる彼女に
理性の限界値ぎりぎりの微笑で
取り繕う。




可愛すぎると襲いたくなる。
そんなに可愛い顔で俺を見るな。




思わず呟きたくなるのを
ぐっと口をつぐんで
その呟きを心の中にしまう。



そして何気ないように
目をそらして
彼女が飲み干した
カップを取り
盆においた。




「お嬢様。何かあったらまたすぐにお呼びください」


お茶を片付けてまいります。




胸に手をあて
静かに腰を折って
お辞儀をする。



「ん、わかった」


彼女が俺に微笑みかける。


その微笑には
俺の狼狽に気づいた様子や
何か不思議そうな様子はない。




ありがとうね、紅茶。


そういう風に彼女が
俺がドアから出て行くのを
見つめているのがわかる。





(何も考えるな今は)




そう言い聞かせて
俺はいつも通りの順序で
ティカップを台に載せ
部屋から出た。


そして廊下に出た後
一人その場で立ちすくむ。
誰にも見られないように
ゆっくりと息を吐き出す。



あまりにも純粋に
俺を見つめるものだから。
惹かれてはいけないと
想いながらも
心が揺さぶられる。



彼女がはめてくれた手袋を
ぎゅっと握り締めた。



彼女が触れた部分が熱い。



その指遣いが
脳裏から離れない。
ほんのりと温かい感触。
彼女に掴まれた部分の
手の感覚を忘れられない。



何度も何度も思い出す。


こんなにも彼女から
何も意図せずに不意に
素手を触れられただけで
動揺しているのに。


ただでさえ
手袋ごしで
彼女に触れても
胸が高鳴るのに。




俺の意思でこの手で
彼女に触れた日には―――。


(きっと俺は自分で自分を抑えられない)



さっきのちょっとした
彼女の仕草でも
充分に動揺して
狼狽して、そして
動けなくなっていたのだから。



もうこの気持ちを
己の心の中だけに
閉まっておくことが
出来なくなる。



そう。
だから俺は
この手袋を
彼女がいるところでは
外せないんだ。








彼女に恋をしている。
彼女に触れたい。
もっと、もっと。




この気持ちは
もう消せないものなのに。



消さなくてはいけないものだと
何度も動揺した自分に
言いきかせる。




俺は彼女がはめてくれた
右手の手袋を
左手で押さえた。







心の中を締める想いは
ただひとつ。



もっと彼女に触れたい。
ただそれだけ。



心の中でうずまく想いを
動揺する心を抑えられず
俺は想いを馳せてしまう。




・・・・もし
この手袋を外して
彼女に触れることが
許されるのならば。




彼女の柔らかいところから触れたい。


毎日いつも、つい見つめてしまうところから。


唇。
耳朶。
鎖骨のくぼみ。



その後は
首筋をなぞって
うなじを撫でた後
彼女の髪を
この指で梳かそう。

口付ける前に
もう一度その唇を
指でなぞる。


俺だけのために
その唇が使われるように。
俺だけがその唇を
奪えるのだと教えるために。


ゆっくりと優しくなぞりながら。


もう片手で彼女を
引き寄せて抱きしめる。


その瞬間の柔らかさを
胸に焼き付けながら。


きっと彼女は
俺の指に触れられたところから
赤くなっていく。

その可愛い口から
吐息を漏らすだろう。
俺の名前と一緒に。



この手で。
一度捕まえたのなら。
俺はけして彼女を離さない。







そんないけないことを
彼女にしたいと想っている
俺の心を抑えいるのは
俺の理性だけ。



俺の理性は
この手袋の布きれ1枚で
抑えられている。


けして・・・・悪さをせぬよう
今は手袋をしておかなくてはいけない。


素手でなど
彼女には触れられない。
素手でふれたら最後
自分が何をしてしまうか
わからない。


きっとその瞬間に
全て消し去られてしまうだろう。


執事の仮面も。
得意のポーカーフェイスも。
詭弁も。
俺の理性も。


全て
ただ指から伝わる
彼女の感触を求める
俺の情動の前には
なんの役にも立たないのだから。





すでに俺の心を
捕まえている彼女が
俺の気持ちに
気がつく日が来るのだろうか。

わからない。



ただわかっていることは
俺が触りたいものは
彼女だけだということ。


気持ちが暴走しないように
俺は手袋をはめる。
これは、俺の理性の枷だ。

枷をしないといけないほど
俺は彼女に恋している。


枷はいつか
外されるだろう。
彼女が俺に恋をする
その時が来たら。


触れた先から
赤く熟するように
彼女が俺に
恋に落ちた瞬間を
見届けた後
俺はその想いと共に
この“手”を解放しよう。


この手で彼女を掴んで
もう離さない。


この仮面を外せるのも。
この手袋も外せるのも。
この気持ちを解放させるのも。




俺のお嬢様である彼女だけだ。




そんな日が来るまで。

それまでは。


激しく熱を帯びた
俺の恋心は
ただ、手袋のなか。






Fin....















■ あとがき■

CLAP御礼SSの『手袋』でした。


手袋と秘密を掛け合わせて
真壁にだったら
こんな秘密があっても
ステキだなと想って
書いたのを覚えています。


あたしが書く真壁のお話では
とても珍しい(!)
片思い設定なんですが
これもこれで悪くないかな。


真壁の執事の姿に
思わず甘えてしまって
恋人のように振舞うヒロイン。
お互いにそのぎりぎり路線で
演じあっているのが
実は好みだったりします。


真壁がもし2人きりの時に
恋人同士の時間に、
その手袋を敢えて外して
頬を撫でたり
抱きしめたりしてくれたら。
きっとその手袋を脱ぐ
仕草だけでドキドキしちゃうんだろうな。


恋人である時と
執事である時の境目を
手袋で示される、というのか。
そのサインに心奪われること
間違いなしだと想っています。


この『手袋』を書いたあと
ぜひとも手袋を脱いだ真壁の
その後を読みたいという
感想をいただきました。
ヒロイン視点からじゃなく
その後の真壁を見たい、と(笑)


こういう抑制された
真壁も好きなんですが
理性が吹っ飛ぶ真壁も
見てみたいものですね。


これはこれで完結してると
想っているのですが
もし何かの機会があれば
このお話の続きを
書くかもしれません。


手袋を外して
その理性の枷を外した
真壁とか読んでみたくないですか?


読んでみたい、
別に気にならない、
どっちでもいい等等(笑)
あれこれと感想をお待ちしてます。



16.Novenber.2009 つぐみ





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