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『After the party』の分割になります。
1つの記事で読まれたい方は
こちらからどうぞ

分割はこちらから。
その1その2その3その4

ハロウィンパーティ後の
お話になります。
パーティ後の話だから
夜の情景があります。

ハロウィンの夜ですので
ダークな感じで書いています。
少し大人向きかな。
けして裏ではないと想うのですが
夜の情景もあるので
苦手な方はどうぞ避けてください。


以下、創作になります。
ダークな部分もあります。
夜用のお話です。
以上の注意点をふまえ
ご理解とご了承された方のみ
どうぞお読み下さい。


********* After the party *********







ハローウィンパーティは
侑人さんと一緒に過ごせなかった。


あたしの恋人であり
専属執事で、九条院家の執事長で
家例でもある樫原侑人さん。
九条院家でのパーティだから
当然、侑人さんはとても忙しい。


侑人さんが指示を出して
飾り付けや食事の準備や
パーティの進行を全て決める。
侑人さんだからこそできる
こんな仕事。

そう、あたしの恋人は
とても有能で
仕事ができて・・・
すごく素敵な人。








・・・・・・・・



パーティの準備で
傍についていられないからと
あたしの世話を侑人さんが
真壁さんに頼んでくれた。


「申し訳ございません。****お嬢様」

当日は真壁が****お嬢様の
お世話を担当しますので。


そう侑人さんが
あたしに頭を下げた。

ちょっと寂しかったけど
でもこれはしょうがないことだと
わかっているから、と少し笑ったら。


侑人さんが
あたしの右手を取って
その手の甲にキスをした。


「終わったら君の元に戻るから、大人しくそれまで我慢できるかい?」



恋人になった侑人さんが
そうあたしに問いかけるものだから
握られた右手を
頬に当てて、侑人さんの手に
あたしは頬擦りした。


「うん。待ってる」


「いい子だ」


愛しそうにあたしを
見つめる年上の恋人。


「パーティ終わったら、いつものように2人で過ごそう」


侑人さんが柔らかく
抱きしめてくれたから
それに身を任せた。


侑人さんの細い指が
あたしの顎を摘んで
いつものように優しく
そっと自然にキスしてくれた。




・・・・・・・・・・



パーティの仮装は
中世の貴婦人をイメージした。


オフホワイトのドレス。
侑人さんが選んでくれた。


義兄さんが貿易関係で
取引している
イタリアのアトリエで
作られたクラシカルなドレス。


丸く開いた胸元には
レースが施され
背中も開いている。
シルクオーガンジーの
トレーンから覗く
レースがとても素敵。

すっきりだけど
ふんわりと降りる裾。
レースで作られた透ける袖。


中世のジュリエットが
着ていたような
そんなオフホワイトのドレス。


少し大人っぽい感じ。

準備をしているときに
真壁さんが迎えに来てくれて
髪の毛を結い上げてくれた。


緩くカールがかかった毛先。
小さなティアラを
真壁さんがそっと被せてくれる。


髪飾りは赤い薔薇の花。

耳朶の後ろにつけられる
薔薇の香りの練り香水。


優しく丁寧に
ゆっくりと筆で紅を塗られる。


そして顔には
真壁さんが準備してくれた
鈍い金色に光る仮面をつける。


足元にはドレスと
共布に思える
ホワイトベージュに
クラシカルレッドの糸で
バラの模様が刺繍されている。


そっと真壁さんが
靴を履かせてくれる。
優しく足首にもつけられる
薔薇の香り。




「まさに貴婦人です」



真面目な顔をした
真壁さんがそう褒めてくれた。
少し頬が赤くなってる?


「ありがとう、真壁さん」


吸血鬼の仮装をした真壁さんは
はまりすぎるほどはまってる。


「非常に古風な美しさで、本当にお美しい」


いつもの真面目な
真壁さんからは
聞けないような大絶賛に
あたしも嬉しくなった。


「真壁さんが髪の毛のセットやお化粧もしてくれたからだよ」


真壁さんって
こんなこともできるんだ、と
びっくりするほど
お化粧道具を扱う真壁さんは
とても器用で。


綺麗にお化粧してくれた。
いつもはつけない
紅い色の口紅さえも
あたしに似合っている。


クラシカルなドレスを着た
あたしと一緒にいると
真壁さんとあたしだけ
違う時代の人みたいだね。


そう言って笑ったら
また真面目な顔をして
真壁さんが
「恐れ入ります」と言った。




・・・・・・・・・・・・




真壁さんにエスコートされて
会場に行くと。


既にパーティ会場は
玄関から続く絨毯も
オレンジ色に変わってて
カーテンもテーブルクロスも
すっかりハロウィン仕様になっている。



(これじゃ、侑人さんが準備で忙しいのもわかるわ)


屋敷全体がハロウィン仕様に
変わっている。
そっと窓から覗く庭も
ハロウィンに合わせて
飾り付けされてる。








つつがなくパーティが進む中
真壁さんが傍にいて
アップルサイダーや
パンプキンパイも
食べさせてくれたけど・・・


あたしはずっと
侑人さんを探していた。








パーティ後半。



会場にしっとりした
ワルツの曲が流れる。
メロディアスでロマンチックな雰囲気。


義兄さんが姉さんに
「これからは大人の時間だよ」と
2人が最初に踊りだした。


侑人さんがいないことに
気落ちしながらも
あたしはダンスの誘いを受け
最初に晶さんと、その次は
ウォルフさんや中岡さんと踊った。


ファーストダンスを申し込んでくれた
晶さんは、いつもの口の悪さもなく
とても綺麗なレディになったね、と
褒めてくれた。


ウォルフさんはいつもどおり
ダンスに誘ってくれるだろうとは
想っていたけれども
ナポレオンの格好をした
中岡さんが


「一曲、お相手願えますか?」

と尋ねてきた時には
びっくりした。


隣にいた真壁さんも
ちょっと驚いていた。


「ええ、喜んで」


差し出された手を握ったら
中岡さんが少し赤い顔をして
にっこりと笑ってくれた。


中岡さんと踊ったあと
義兄さんとも踊った。


今日のオフホワイトのドレスが
とても綺麗だと褒めてくれた。


まるでこんなオフホワイト一色の
クラシカルなドレスだと
ウェディングドレスのようだと
ちょっと寂しそうな顔をする。


「本当に侑人と***ちゃんが恋人同士になってくれてよかった」


「義兄さん・・・」


「おかげでこんなに優雅で気品あふれる****ちゃんをみれた」


「うふふ」


「まったく侑人が妬けるよ」


「え?」


「こんなに綺麗な****ちゃんをお嫁さんにするなんて」


「義兄さんったら」


義兄さんには
姉さんがいるじゃない?
それにまだ結婚の話なんて
されたことないよ?


恥ずかしがるあたしを
義兄さんが優しく見つめる。


「それはそんなに遠くないんじゃないかな?」


「え?」


「侑人が君を手放すとは思えないからね」


嬉しすぎる言葉で
あたしが頬を染めていると
少し義兄さんが
困ったような顔で
溜息をついた。


「きっとぼくは君の結婚式で泣いてしまうんだろうな」


「そう?」


「うん、きっとね。こんなに可愛い義妹が他の男のもとへ行くのだから」


「・・・あたしが結婚するとしたら侑人さんしかいないよ?」


「侑人でも、誰でも、だよ」


それぐらい君は今日綺麗だ。
この手を離したくない、と想うほどにね。
どこにもお嫁に行かせたくないよ。



穏やかで優しい義兄さん。
侑人さんとは違う愛情で
義兄さんから包まれているのを実感する。


侑人さんがいなくて
寂しかった心が
少しだけ癒される。



年上の義兄さんから見ても
この格好がとても上品で
大人びて見えるのなら
きっと侑人さんも
そう想ってくれるかな?


会場をステップ踏んで回りながら
目ではずっと侑人さんを探してる。


踊っているあたしを見つめている
隆也君や誠吾君、
中岡さんやウォルフさん、
真壁さんと目が合う。
晶さんもあたしを見ている。


皆、あたしの今日の仮装を
とても綺麗だと言ってくれた。


ドレスもさることながら
仮面をつけているからか
いつものお嬢様よりも
もっと大人びて見えて
とても美しいって。



・・・・そんな言葉、
侑人さんの口から
一番最初に
聞きたかった。


いろんな人からの褒め言葉より
なによりも欲しかったのは
大好きな人の言葉。


少しだけでも侑人さんの時間を
あたしにくれたらな。


今日、すごくお洒落したのに。
この仮装だって・・・
気品あふれる貴婦人を目指して
一回り年上の侑人さんの隣に並んでも
見劣りしないように
大人っぽくしたのに。







結局、侑人さんは見つけられないまま。



パーティは終わり
真壁さんにエスコートされて
部屋に戻ってきた。

着替えを手伝いましょうか?と
聞かれ、断った後
真壁さんに仮面を返した。








部屋で一人残されて。


あたしはドレスを
着替えられずに
ソファに座っていた。


(たしか前にもこんなことあったな)


侑人さんと初めて
キスした日を思い出す。
自分の想いを伝えた日。


着替えずに待っていたら
また侑人さんと
踊れるかな?



侑人さんには
あたしの傍にいる
専属執事以外の仕事も
沢山あって。
忙しいってこと分かってる。
だからいつも
我侭は言わないって決めてる。


でも・・・。


今日のこの格好は
きっと侑人さんが
とても褒めてくれるはずだから。
侑人さんに見て欲しかった。


それにーーーー。


侑人さんとダンスを踊りたい。


今日いろんな人と踊ったけど
でも一番最後のダンスは
侑人さんと踊りたい。


今日のパーティ会場、
本当に素敵だった。
ハロウィンパーティ。
仮装した侑人さんを
見てみたかったな。


仮装していた中岡さんや
真壁さん、ウォルフさんも
他の皆も素敵だったし。
きっと侑人さんだったら
もっともっと素敵なはず。



侑人さんの言葉を想い出す。


終わったら戻ってくるって言ってた。



それなら・・・・。



あたしは自分の部屋を
そっと抜け出した。












********************

その2はこちらから。
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