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クドリャフカの順番―「十文字」事件クドリャフカの順番―「十文字」事件
(2005/07)
米澤 穂信

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『クドリャフカの順番 「十文字」事件 』 米澤穂信

2007年11月の『ダ・ヴィンチ』で、
<古典部シリーズ>最新刊の著者インタビューが載っていた。
なにやら、『「人が死なない」青春ミステリー』らしく、
インタビューのなかで、北村薫など“日常の謎”を描くミステリーが
好きで、このシリーズを書いているというのを読んで、
すごく興味を持ったので、まずは既刊されてる作品から読もうと
図書館で探してみた。

<古典部>シリーズは、伝統はあるが先輩はいない古典部に入部した
1年生4人の物語。省エネ主義の折木と旧友で快楽趣味な福部、
福部に片思いをしている漫画好きな摩耶花と、
ミステリアスな魅力をたたえる部長の千反田える。
この4人が高校生活の中で出くわす「日常の謎」を解いていく。
…、といっても、もっぱら謎に興味津々な部長千反田の希望により、
省エネ主義の折木が探偵役をやるらしい。

シリーズ1作目は『氷菓』。
伝統ある古典部の部誌にまつわる謎とき。
そして2作目は『愚者のエンドロール』。
夏休み中の話で、文化祭に出品されるはずだった自主映画の謎。
そして3作目が今回読んだ『クドリャフカの順序』。
こちらは、文化祭の3日間に起こった出来事を描いている。
んで、新刊として出たのが4作目『遠まわりする雛』。
なにやら、但し書きでは4人の入学直後からの1年間を描いた
連作短編らしい。

いきなり自分の図書費都合上(!)、図書館で借りれた
3作目の『クドリャフカの順序』から読んでしまったのだけど、
面白かった!夢中になってはまる、っていうエンターテイメント性が
面白かったわけじゃなく、あたしが大好きな北村薫の作品に通じる
日常生活に転がっている謎、気づかなければ気づかない謎を
心地いい結果に落ち着くのが良かった。
まぁ北村作品もほのぼの、だけじゃなくて、きちんと世間一般に存在する
悪や人々の悪意、良識のないことも出てくるし、
それがアクセントとなって、作品の品を保っているし、
「きちんと地についた」感がある。

こちらの古典部シリーズの方は、「高校」という特殊な空間で
もの凄い悪意、とか、誰かを傷つけるような悪意に満ちているところから
少し感傷的に、ノスタルジックに守られているような世界を舞台にしてて、
それが凄く心地よかったです。勿論、そんな「学校空間」なんて
ノスタルジーならぬファンタジーの世界であって、
ありえないのではあるけど、そういう幻想を描かせてくれるところが、
この古典部シリーズの魅力ではないかと思った。

実際に自分自身が、学校生活で苦しんだり、
割り切れない思いがあったり、居心地が悪かったぶんだけ、
ここで描かれる幸運にも良い関係を学校で得ることが出来ている
彼ら4人の関係にたいして憧憬を抱くというか。
実際に自分にありえなかったものを、ここで夢見ることが出来る、
かつて自分から失われてしまった、ついにみることなく卒業した、
獲得することがなかったモノに対するノスタルジーを感じる。

複雑な思いをするのだけど、夢物語、という言葉だけで
4人の関係を見るんじゃなくて、こんな時期もあったな~とか、
学生時代の独特な空気感を感じられて、
読んでいる間、とても幸せを感じた。

今度、文庫化しているシリーズ1作目と2作目を買ってこよかな。
とりあえず、1作目と2作目を読んだあとで、最新刊の4作目を読もう。
まだ主人公の4人は1年生だけど、これから高校3年で卒業するまで
古典シリーズは続くらしいので、これから先に続く
“生きている”シリーズを愛せるって、ことが幸せに感じられる。
楽しみだしね、次回作はどうなるだろう~とか期待するし。
できるだーけ、長生きするシリーズであって欲しい。


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