2017 08 / 07 last month≪ 12345678910111213141516171819202122232425262728293031≫09 next month
スポンサーサイト  --/--/--  
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
 | スポンサー広告  | Page Top↑
きょう様に捧げる
「明け方まで」の分割になります。

1つの記事で読みたい方は
こちらからどうぞ。

こちらは分割のその1になります。

その2 その3


以下、創作になります。
ご了承の上、
ご理解のいただけた方のみ
どうぞお読みください。





********* 明け方まで **********

Happy Birthday KYO !!!!








夜が更けていく。

中岡さんと過ごす夜の時間。

恋人同士になって
毎日傍にいられる幸せを
実感する。

でもあたし達は
人目があるところでは
執事とお嬢様で
なくちゃいけなくて。


二人で過ごすこの夜の時間だけ
本当に恋人同士の時間を
過ごすことが出来る。


そんな時。

あたしと中岡さんは
昼間のことは何も話さない。
執事であることも忘れて
お嬢様であることも忘れて
2人の間の会話は
あたし達二人だけのもの。



恋人同士になってしばらくして
中岡さんが夜遅くまで
この部屋にいるようになった。



ソファであたしを抱きしめてくれる。


そうやって包まれて
おしゃべりをして
時間を忘れて。

そして朝が来る。

朝が来る前に
中岡さんは自分の部屋に帰ってしまう。

それが寂しくて。

その執事服の袖を引っ張って
帰らないでと
ひきとめたあの夜。


中岡さんに初めて抱かれた。


彼があたしをじっと見つめて
愛してると言ってくれて
ゆっくりと服を脱がして
首元に熱いキスを
してくれたのが始まりだった。


名前で呼んでくれた。



それから幾つもの夜が
あたし達の間に流れて。


夜、中岡さんがあたしを
大事そうに愛する。



優しく。
たまにきつく。
激しく。
何度も何度も。


その合間に
あたしは中岡さんの名前しか
呼べなくなる。

もっともっと。



そう気持ちが募るたびに。


ことが終わった後
あたしはいつも
そっと目を閉じる。


白いシーツで乱れた
自分の身体や、放り出された手足、
乱れた髪を感じながら。


「少し眠ってていいよ」



中岡さんが優しく
あたしの髪の毛を撫でる。
彼の少し汗ばんだ素肌が
そっとあたしから離れる。


その温もりが
静かに消えていくのを感じながら
あたしは目を閉じる。




事が終わると
どうしてこんな寂しくなるんだろう。



抱きしめられてる時は
あんなにも幸せで
満ち足りてて
それだけしか考えられないのに。


終わった途端に
あたしはいつ中岡さんが
部屋に帰ってしまうんだろうと
そればかり心配してしまう。



一人ベッドに残されて
目を瞑りながら
あたしは中岡さんが浴びる
シャワーの音に耳を澄ます。





帰らないで。




そう頼んだら
きっと彼はその優しそうな顔を
曇らせて、哀しそうな顔になるだろう。



部屋に帰りたくないのは
彼も同じ気持ちだと想う。


それがわかっているから。


帰らないで、なんて
わがままをいえない。


言えない代わりに
眠ったふりをする。



シャワーを浴びて戻ってきた彼は
きっと、抱かれた後のけだるさで
眠ってしまったあたしを
愛しそうに眺めて
その乱れた髪の毛を直しながら
そっとキスをするだろう。


そしてしばらく
あたしの隣に寄り添った後。


あたしが眠ったのを見て。
静かに執事服に着替えて
この部屋のドアから
出て行ってしまう。


(いかないで)


そう言えないあたしは
彼が帰ってしまう
その瞬間を見たくなくて
いつも眠ったふりをする。



ドアが閉じた音を聞いて
隣の部屋の
中岡さんの部屋のドアが
開く音まで耳を澄ませる。



たった壁一枚なのに。



あたしと中岡さんを
隔てるものは
もっとそれよりも大きい。


少しやりきれない気持ちを隠して
あたしはぎゅっと目を瞑る。



朝が来なければいいのに、と
想う気持ちと同じぐらい
またすぐに彼に会いたいから
朝がきて欲しいと願う。


だって、朝がきたら
「執事」ではあれども
また彼に会えるから。


「恋人」の時間を終えて
扉を出て行った彼と
また逢う時は
「執事」であることを
わかりつつ。



それでもまた逢いたいと願う。


毎日、彼の傍にいることが
幸せで、幸せで、
そしてたまに辛くなる。


こんな関係で
めぐり合わなければ。
きっとこんな風に
想うことはなかった。


好きだと伝えた日から。
好きだといってくれた日から。


初めて抱きしめられた日から。


中岡さんに対して
あたしの気持ちは
毎日少しづつ大きくなっていく。



――――切ないな。


こんな風に切なくなるなら
彼に抱かれなければよかった。


抱きしめられてキスされて
その腕の中で
うたた寝をしていた頃のほうが
もっと幸せを味わっていた気がする。


それ以上を求めて
彼にもっと近づいて
もっと愛された途端に
もっともっと欲深くなる自分がいる。


もっと傍にいて。
ずっと傍にいて。
朝まで一緒にいて。


ううん。


夜だけじゃなくて
いつもあたしの恋人として傍にいて。


そんなあたしの願いは
きっといつまでも
中岡さんに伝えることは出来ない。


伝えなくても
彼はわかってる。
だからあえて言わない。


あたしがどれだけ切ないか。

彼と過ごす時間の終わりが
どれだけ寂しくて
いつも泣き出しそうなのを
こらえてることさえも。


泣くよりも
切なくて。


そっと目を閉じたまま
中岡さんが戻ってくるのを
あたしはひっそりと
一人、シーツの中で待っていた。









***************

その2はこちらから。


 | 【執/恋】創作ー分割  | Page Top↑

Blog状況

最近の記事

カテゴリー

訪問者数

メールフォーム