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ナイトメアの分割、その2です。
その1 その2 その3 その4

以下、創作になります。
ナイトメアですので、
ご注意ください。
*********** ナイトメア 永遠の恋人2 **********














大好き。
大好きだったよ、真壁さん。


好きすぎてダメだったの。
好きすぎて
あなたの全てが欲しくて
いつかいなくなってしまったらって
不安だけが募っていって・・・・


あたし、ダメになったの。

どうして?


わからない。

いつの間にか
側にいられなくなってた。



たまに優しくしてくれて
たまに笑いかけてくれる。

ただそれだけで
あたしは幸せだったのに。
どうして?
どうしてなの・・・?


望みすぎたから?
彼の全てを欲しがったから?
ただただ不安だった。




会いたい。
傍にいるだけでいい。
彼の笑う顔が見たい。
彼の後姿だけでもいい。

もう一度彼に抱きしめられたい。
もう一度、「おまえ」って呼んで欲しい。


大好きだった。
大好きだったよ、真壁さん。

好きすぎてダメだったの。
好きすぎて
あなたの全てが欲しくて
あたし、壊れてしまった。

どうして?
わからないの。
わからないのに・・・・・
いつの間にか、側にいられなくなってた。

お願い神様。
もう一度だけ
彼の口から聞きたいんです。

あたしのことを愛してるって言葉を。

あたしだけを愛してるって。

こんなことを望むなんて
あたしは許されないってわかってる。
でも、お願い神様。
お願い・・・・・。

傍にいたかった。
抱きしめられたかった。
どんなに苦しくても
本当は手放したくなかった。


会いたいよ。
逢いたいんだ。
逢いたくてしょうがないよ。

あたしだけを見てて欲しかった。












目を瞑ると
別れを告げたときに
彼がそっと伏せた睫を思い出す。






好きで苦しい。
真壁さんがいつか
いなくなるかもしれないって
そう思うと、苦しくてしょうがない。


真壁さんが
いつかあたしから
離れていく気がするから。
その前に離れたい。

好きで好きでしょうがないの。
こんなに好きになって
あたしは壊れてしまった。

もう嫌なの。
別れたい。





眼鏡越しの、その瞳には
何の色も映ってなかった。



別れたくないと言われたくて
引き止めて欲しくて
そう初めて告げたのに。



あたしの中の
賭けだった。


これであなたが別れたくないと
どうしようもなく粘ってくれたら
きっとあたしが抱いている
この苦しさを真壁さんに伝えられる。


この苦しさのところまで
真壁さんを
引き摺り下ろせる。


そう思ってた。




でも・・・・。



別れたいといった言葉に
あなたは・・・・。
静かに答えた。


「俺がどれだけお前のことを愛してるか、お前はわからないよ」


その一言だった。

繋いでいた手を
自分から振りほどきたいと
暴れたのに
いざその時が来たら
その手を自分から
静かに離してた。


「・・・・別れたくないって言ってくれないんだね」

「待てよ」


ただ、「別れたくない」、
その一言が聞きたかっただけだった。


逃げようとして
つかまれた手を振り払って
あたしは部屋を飛び出した。





執事と令嬢の恋を越えて
ただの男と女だったはずなのに。
いつの間にか、
色んなものに縛られて。



ただの恋じゃなくなっていた。



どこかで掛け違えたボタンが
いつのまにか、ボタンさえ
なくなっていた。

失いたくなかった。
ずっとずっと。


大好きでしょうがなかった。
好きって2文字や
愛してるって5文字では
全然伝えられないほど
あふれてくる気持ち。


気持ちが大きすぎて
いつのまにか、自分の手で
もてなくなってた。
あたしのこの小さな手には
あたしのこの小さな心には
この想いは重すぎて。








・・・・・・・・・・・・・・






夢を見ていた。

真壁さんがあたしのことを
「おまえ」って呼んでいた、あの頃。

おまえのことだけを
愛してるよ。

そう目を見て囁く真壁さんが
とても愛しくて。

眼鏡はずしていい?

おねだりしたら
優しく微笑んでくれたから
あたしはそっと真壁さんの
眼鏡をはずした。


彼の素顔にみとれる。

眼鏡越しじゃなくて
あたしのことを
ちゃんと見てよ。


ちゃんと見てるよ。
おまえが見てないところでも。


俺にはおまえしか
見えないんだ。


そう囁かれる声に
とても切なくなって
何も言わずに
真壁さんの胸に
そっと寄り添った。




夢の中であたしは
胸が張り裂けそうなほど
幸せだった。








・・・・・・・・・・・・





目が覚めると
まだ明け方にもならない時間で
あたしの隣には
違う人が眠っている。


シーツ越しに見える
侑人さんの顔にかかる
髪の毛をそっと撫でた。

その感覚で起きたのか
侑人さんが目を覚ます。

そっと開いていく
その瞼の重みが
やけにゆっくりと感じられる。



「侑人さん」


「なんだい?」

眠っていた侑人さんの声は
少し掠れている。


「ううん・・・・ちょっと」


まだ眠りの世界に半分いるだろう
侑人さんが少し身体を起して
あたしを包むように
腕を伸ばしてきた。


ぎゅーっと抱きしめられる。


大事だよって抱きしめ方。


あたしの頭が
侑人さんの定位置に納まる。

鎖骨の下、胸の辺り
侑人さんの心臓が聞こえるところに
あたしの頬が当てられる。



侑人さんの素肌。



その腕に絡みとられるように
あたしも彼にくっつく。


あたしの髪の毛も
身体も全て
侑人さんの素肌に
くっつくのがわかる。



何度も抱かれるうちに
侑人さんに肌が馴染む。


もう抱かれている
ふとした瞬間に
真壁さんの名前を
呼びそうになることも
なくなった。



キスの合間の吐息と共に
きちんと呟かれる名前は
「侑人さん」だ。



身体も彼を忘れて
侑人さんを覚えてきた。
彼から教えてもらった
キスさえも全て
侑人さんが変えてくれた。



愛され方も。
抱きしめられたときの
力の抜き方も。
キスに応えるときの吐息さえも。
もたれかかる時の場所も。



侑人さんの匂いが
あたしの匂いと溶け合うように。
全て彼が「消去」されて
侑人さんに染まる。



緩やかに侑人さんに包まれて
大事にされて。




・・・・それでいい。




心に抱えている影を
消せないのなら
見えるところは全て。
変えられるところは全て。



侑人さんに溶けてしまいたい。









同じベッドの上で
毎晩絡み合う。
もう子どもだからとか
年の差なんて感じない。

侑人さんを誘惑して
彼があたしを愛して
2人がひとつになる。


樫原さん、と呼んでいた名前は
彼に初めて愛された日から
侑人さん、にかわった。


彼のベッドで先に待っている。


仕事が終わって戻ってきた彼を
せかすように、そのネクタイを解いて
一緒にいられなかった時間を
取り戻すかのようにきつく抱きつく。



そんなあたしを
侑人さんは受け止めてくれる。



そして気持ちいいことを
沢山してくれる。


夢中になりすぎて
侑人さんしか見えなくて
もうそれだけでいいと想うほどの
気持ちよさを。



一緒にいないと不安なの。



真壁さんを好きだった頃の
不安とは違う不安。


侑人さんの温もりでしか
生きているって感覚が無い。
そんな足元さえ見えない不安。


ベッドでずっと絡み合っていられたら
どんなに幸せだろう。
その温もりだけでいい。


ベッドから出たくない。
侑人さんと2人でここにずっといたい。



そういって駄々をこねるあたしを
侑人さんが優しく説得する。



その優しさが好きで
駄々をこねるあたしを
侑人さんが毎日
2人の約束かのように
なだめてキスをする。




そんな時。

あたしの中の海は凪いでいる。



沢山の気持ちいいことや
暖かさをこの人はくれる。

だから。
あたしの海は
嘘のように静かで穏やかで。

そして光がさしている。







侑人さんに愛されて
いつものように
そのまま眠ってしまった。

眠りに着く前に覚えているのは
侑人さんの身体の感覚。


抱きしめるように
あたしの身体に絡みつく
その腕と足。
少し汗ばんだ肌。
急かす心臓の音。
身体にかかる彼の重み。






一回り年上の彼は
とても上手だ。
















夢から目覚めた途端に
覚えのある苦しさに襲われた。


理由はわかっている。


ただただ、あの夢の中で
幸せだったから。


寝ている時に見る夢が
幸せなほど
目覚めている現実は
とても辛い。




あたしは自分の中の
嵐が収まるように
ぎゅっと目を瞑った。



「また彼のことを思い出してるのかい?」


慟哭するように震えて
涙をこらえるあたしを
腕の中に抱きしめながら
そっと侑人さんが囁く。


「・・・・うん」



心から愛して
愛しすぎて苦しくて
傍にいられなくなったあたしを
侑人さんが抱きしめてくれた。



その日からはじまったこの関係。



緩やかに愛に
包まれていながらも
たまに訪れる嵐のような
身を引きちぎるかのような苦しみや
悲しみで身を捩って泣くあたしを
この人は全て受け入れてくれる。


・・・・許してくれてる。


傷ついて自分で
粉々に砕いた心の欠片1つ1つを
侑人さんが見つけて
繋ぎ合わせてくれる。




「かわいそうに」

「君が好きだ」

「うん・・・・・」



何も言わずに抱いて欲しい。

ただこの人の温もりだけが
あたしを癒してくれるから。


そんなあたしの心の中にいるのは
苦しいほどに、あの人だけ。






思い出すと
また泣いてしまう。
ぼろぼろに涙が出て
止まらなくなる。


そんなあたしの涙を
侑人さんがそっと舐める。


君が苦しくて泣くなら
その苦しさを
同じように味わうよ。




泣きつかれて眠るとき。

侑人さんが優しく
あたしの髪の毛を
その指で梳く。

優しく撫でてくれる。




いい夢が見られますように。


現実がこんなに辛いのなら
夢の中では幸せでいられるように。











ねえ侑人さん。


ん?


・ ・・・・苦しくないの?


ふふ、苦しくないよ。


どうして?


さあ。


さあ、じゃわからないよ。


そんなに知りたい?


・・・うん。



君が心を許してるのが
僕だけなのが嬉しいから
苦しくないんだ。
むしろ嬉しいぐらいだよ。
僕にしか見せない
そんなところを独占できてるから。



・・・・。



泣いている君も
苦しんでいる君も。
好きなんだ。



・・・侑人さん。


ん?




・・・・あたしをさらって。
どこか遠くに行きたい。


****・・・・。



侑人さんと二人きりになりたい。






それなら準備ができ次第、
2人きり旅行でも行こうか。



・・・・いいの?



君のすることに
ダメなことは1つもないよ。


侑人さんのお仕事は?


大丈夫だ。






ただ行く前に。


なあに?


指輪を買っていこう。


・・・・。


婚約しよう、****。


え・・・・。



君が良いのなら
一生傍にいたいんだ。
受け取ってくれるかい?



・ ・・あたしでいいの?


そんな質問はいらないよ。


侑人さん・・・・。




君はただうなずけばいいんだ。
うなずいて、僕の隣にいればいい。



****、幸せにするよ。



そっと彼があたしの頬に
キスをする。
涙は出なかった。



どんな指輪がいい?



・ ・・・侑人さんが
選んでくれるのだったら
何でもいい。



それなら、君らしい指輪を選ぼうか。


うん。





侑人さんが少しほっとしたように
息を吐くのがわかった。
そんな侑人さんが愛しくて
そっと腕を回して
その胸に擦り寄った。


抱きしめて、とばかりに
彼の胸の中にもぞもぞと
入り込んだら
くすっと笑うのが聞こえる。


「****、愛していますよ」


閨の睦言。
その甘さにあたしは目を瞑る。



いつものように。


そのまま首筋から
舌がなぞるように
胸元に降りてくる。


閉じた視界の中では
触られる感触だけ。
気持ちよくて
考えることを放棄することにした。


「侑人さん・・・・」

侑人さんの息が
あたしの肌をなぞる。


「****・・・・」

囁かれる声が
あたしの中を満たしてくれる。




溺れてしまいたい。
一生このまま。

きっとこの人は
それさえも許してくれるから。













彼から遠ざかることができたら
きっともっと・・・・
侑人さんのことを
好きになれる。






この人のことを
もっと好きになりたい。























次の日、侑人さんが指輪を
選んでくれた。


特注になった指輪が
出来上がるのを待って
侑人さんと婚約した。


義兄さんが応援してくれた。


その背中押しで
あたしは侑人さんに連れられて
スイスの別荘にしばらく
滞在することになった。
婚前旅行・・・・になるんだと想う。


専属執事の真壁さんは
連れていかない。


そのことを真壁さんに告げたのは
執事長だった侑人さんだった。
真壁さんは何も言わなかったと
侑人さんが教えてくれた。




そう・・・。


何も言えなかった。


式までしばらく準備があるから、と
侑人さんがあたしの
執事として傍にいてくれることに
決まった。


真壁さんがあたしの専属に戻るのは
式が終わって、いつもどおり
侑人さんが義兄の執事に戻った後。




閨の中。
シーツに放り出された手に
ふと目をやると
侑人さんが選んでくれた
指輪が光っていた。

その光だけが
あたしと侑人さんを
繋いでいるような気がして
たまらなく苦しくなった。

でもそんな苦しささえ
全て侑人さんが
消してくれた。


迷いや後悔や
苦しさや辛さの中で。
この光だけは
大事にしたいと想った。








旅行から帰ってきたら
式を挙げる。


流れるように
予定は決まっていった。












*********************

その3はこちらから。
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