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ナイトメア「永遠の恋人」の
分割になります。

その1 その2 その3 その4


以下、創作になります。
ナイトメアですので
ご注意の上、お読みください。




*********  永遠の恋人  ***************








好きだから。
愛してるから。


愛してるからこそ
傍にいられなかった。


ただの日常でさえ
彼がいることで
幸せで不幸せで
苦しくて愛しかった。


気がつけば
傍にいたいより
どうやって別れようか考えてた。


いつの間にか
自分の気持ちは
自分の手に
負えなくなっていた。










苦しかった。
いつも。


自分も。
きっとあの人も。

全てが苦しくて。





あの夜。




あたしからさよならを告げた
その足であたしは
侑人さんの部屋に行った。



「樫原さん、あたし、もうだめなの」



「自分からさよならしてきた」



「あの人、なにも言わなかった」




その言葉だけで
この人は全てを理解してくれた。
ずっとあたしの恋の相談役だった。


心が壊れて
ばらばらになった痛みでも
涙さえ出ず、閉めた扉の前で
立ち尽くすあたしを
侑人さんが近付いてきて
そっと抱きしめた。



その温もりで
あたしは初めて
泣くことができた。



侑人さんはあたしに約束してくれた。




「苦しくなるほど、君が僕のことを好きにはなることはないよ」




だから安心して。
僕の傍にいればいいい。


優しく笑って約束してくれた
そんな儚くて残酷な約束に
あたしはすがりついた。



「全て忘れさせてあげる」


君のことが好きだ。
愛してる。




初めて侑人さんと
交わしたキスは
あたしの涙の味だった。


閉じた瞼には
真壁さんの姿が
浮かんでいた。

















大好きだった。
初めて心から好きになった
彼はあたしの専属執事だった。




恋の始まりは
突然訪れた。


気がついたら
とても好きになっていた。




彼もあたしを愛してくれた。



何度も繰り返された言葉。

「好きだ」
「愛してる」


彼の口から出るこの言葉は
全てあたしのものだった。


その言葉は何度も
あたしの心を震わせて
切なくなった。

切なくてしょうがなかった。




どれだけ人を
好きになっていいのか
わからなかった。


気がついたら
ずるずると一人だけの沼に
引きずり込まれるように
あたしは彼だけしか見えなくて
苦しいほど、
彼を愛するようになっていた。



彼と過ごした日々。
彼が傍にいてくれて
あたしがその隣で笑っていた。

幸せだった。
なにもかも。
完璧で。

何が起きても
大丈夫だと想ってた。




―――何も本当は起きなかった。



だけどあたしの心で・・・・

あたしの中の海が
大嵐になり
そして船が転覆した。








気がついたら
あたしは彼にまつわる全てを
自分にしたくて
彼を独占したくて
その想いに心を絡めとられて
がんじがらめになっていた。






他の誰も見ないで。
あたしだけ見てて。
あたしのことしか
考えないで。




専属執事であれども
屋敷の使用人には
かわらない彼は
もちろん、屋敷に働く
色んな人たちと話をする。



そんな当然のことでさえ
嫌でしょうがなかった。



あたし以外の誰かに触れないで。
あたしのものだけでいて。
だってあなたは
あたしのものでしょう?


屋敷の中で
他の使用人と話をしている
彼を見るたびに
心がざわついた。



嫌でしょうがないの。
あなたが他の誰かと
仲良くしているのを見るたびに。


あたしと付き合うようになって
彼は少し変わった。

ポーカーフェイスだった
その表情でさえ
たまに優しい笑みを
浮かべるようになった。


好きになった欲目かもしれない。



あたしだけしか
しらなかったはずなのに
あなたの魅力なんて。




彼にはあたし以外にも
大事にしているものがある。


彼が誇りに思っている
執事の仕事。
彼が好きな音楽。
彼が好きな遊戯。
彼が入れる紅茶でさえ。


彼が心を注ぐもの全て。



その全てが消えてしまって
ただただ、それが
あたしだけであればいいと
心の底から望んだ。





許せなかった。


こんなにあたしが好きなのに
彼があたしだけじゃなくて
他のものにも時間をとられてることが。


彼があたし以外を見ていることが。



むやみやたらに
嫉妬した。


彼の目に映る物全て。
彼が話す人、男女かまわず全て。



あたしの姉にさえも。



そんな醜い嫉妬心で
心に嵐が吹き荒れる。
黒くて、そして
燃えるように熱い。


真壁さんは
きっとそんな
あたしの中に吹き荒れる嵐を
気づいてた。



気づいていたからこそ
何度も言葉をくれた。





愛してる。
俺が愛してるのはお前だけだ。
お前だけがいればいいんだ。
俺もお前を愛してるだろう?





そんな言葉は
あたしの中の一時的な
慰めにしかならなかった。


だから。

何も言わずに
よく彼の胸の中で泣いて
声にならない声で叫んだ。






あなたなんか好きになるんじゃなかった。






自分の中に宿った
鬼のように残酷で
そして恐ろしいものは
もう自分でも手に負えなかった。


止め処も無く
疑い深くなる。

情緒不安定になって
無言でただ泣くあたしを
彼はただきつく
抱きしめてくれた。



抱きしめているうちに
この嵐が過ぎ去って
きっとあたしが
心穏やかになるようにと
願いを込めて。



何度も耳元で
名前を囁いてくれた。
愛してるといってくれた。




そんな風に泣いた夜は
泣き疲れて、気がつくと
彼の胸で眠っていた。




明け方、あたしは
真壁さんの腕の中で
目を覚ます。


少し疲れて眠っているような
そんな表情に
あたしは一人
切なくて、また泣いた。



(離れた方がいいのかもしれない)



心の中で誰かが告げる。

でももう一人の自分は
彼がいない人生なんて考えられない。



そう叫んでいた。




もう、どうして
こうなってしまったのか
わからなかった。










苦しくて辛くて不安で
後悔して泣いて切なくなる。
そんな日々を繰り返し。





幸せを感じるたびに
それが壊れてしまうかもしれない
そんなことばかり考えてた。



もう、幸せを幸せと
感じられなくなっていた。


何か些細なことでも
あたしの心は
ぐちゃぐちゃになる。


その混乱から暴れて
そして真壁さんを
傷つけたくなる
どうしようもなく。



こんな苦しい思いを
あたしにくれないで。
あたしにさせないで。



あたしのことが好きなら
こんなあたしにしないで。
いつもあなたと笑っていられる
あたしにしてよ。




些細なことで
不安になる。
些細なことで
嫉妬に駆られる。

そして苦しくなる。
辛くなる。
苦しくなる自分に
また苦しくなる。



苦しい。
とても苦しい。


こんな思いをするなら
出逢わなければ良かった。


出逢いたくなかった。


真壁さんにも。
そしてこんなあたしにも。




何度も何度も思った。


好きだから
許せないことが沢山ありすぎた。




・ ・・なのに、同じくらい
あたしは真壁さんの
ちょっとした一言や微笑とか
ただ普通の日々が
とても愛しくて仕方なかった。



それを失いたくなかった。


どうにかこの二人の世界を
守りたいと想えば想うほど
こうやって許せなくなることが
多くなってきて最後には
真壁さんを責めていた。



この世界の秩序を乱すあなたを。



全てを排除してしまいたい。
あたしとあなた以外。


そうしたらあなたは
あたし以外を見つめたり
あたし以外に話しかけたり
あたし以外を
大事にすることはないでしょう?




こんな思いを抱くほど
真壁さんのことを愛するとは
想ってもなかった。



・・・疲れる。
嫉妬して。
疲れるんだ。


この想いで
自分が疲れていくのがわかる。





あなたのことを一番知ってるのは
あたしだってことはわかってる。
あなたが一番心を許してるのも
あたしだってことも知ってる。


あなたがあたしのことを
一番愛してることも
わかってる。



なのに・・・・


たまにあたしの
見ていないところにいる
あなたを見ると
その足をひっぱりたくなる。


あたしの知らない話をする
あなたを見ていると。


ひっぱって
引き摺り下ろしたくなる。
ここにいて
あたしのそばにいて
あたしだけを見ていて、と。




どうやったらこの人を
あたしから離れていかないように
できるんだろうか?

失わないですむ為には
どうしたらいい?



そんなことばかり考えていた。




彼に足枷をつけてしまいたい。
あたしから離れていかないように。




醜くて仕方が無いほどに
彼のことだけを
ただただ欲しがる自分がいた。



貪欲に彼自身を
欲しがって。
その全てを。


その世界さえも
自分だけにしてしまうか、
もしそれが出来ないのなら
その世界さえも
奪ってしまいたいと
思う自分がいた。




こんな気持ち。
許せない。

抱いている自分も。
抱かせるあなたも。

苦しい。苦しいよ。
好きだから苦しい。





何度も泣いた。
泣いても泣いても
涙は枯れなかった。






好きだから別れたくなる。

そんなことを
初めて知った。


幸せになるために
人を好きになるんじゃないの?

そんな疑問さえ
打ち消すような
辛さが、この恋にあった。



それでも。

彼があたしを抱きしめる。
愛してると耳元で囁く。

その一瞬は
泥のように闇のように
窒息しそうな
苦しさと辛さの中ででも
あたしはいつも
信じられないぐらい幸せだった。



幸せと辛さは表裏だ。



優しく真壁さんが
あたしを包んでくれるたびに。
あたしを大事にしてくれるほどに。



守りたいと奪いたいが
表裏のように。



理性を吹き飛ばすほど
あたしのことを
好きになってくれたらいいのに。


そう願っていた。



あたしが好きなほどに
あなたがあたしを好きなところを
見せてくれないのなら。


あたしを奪えないのなら。
奪ってしまいたいという
衝動を我慢できるような
そんな気持ちなら・・・・。


どれだけあなたが
あたしに本気なのか見せてよ。





別れてもいい?


何度もそのことを
真壁さんに言いたかったけど言えなかった。




別れてもいいって言ってよ。


言わないのなら
今すぐあたしのことを
その腕であたしを壊して。
こんなあたしを。

奪うだけ奪って
あたしがもう何も
考えないものになるまで。

奪えないぐらいだったら
あたしのもとから去って。




そんな叫びは
彼に届かなかった。

ううん。
届けられなかった。


抱きしめられると感じる
幸せと同じだけ辛くても。


あなたはいつも通り
いつものあなたで。

あたしの耳元で
愛を囁く。


「愛してる、****」





あたしがこんなに黒くて
闇の中に沈んでるなんて
全然気づいていない。


あたしはただ一人
自分だけが
汚れてしまってる気がした。



でも。

幸せそうに
嬉しそうに
そして少しだけ
切なくなったように
あたしを見つめる
真壁さんの前にいると。


どれだけ疲労してても
どれだけ疲弊してても。



彼にあたしが今背負っている
この重荷を一緒に背負って
欲しいと願いながらも
同じだけの気持ちで
彼のことだけが好きだった。


彼を守りたいと思っていた。



あたしの中では
嵐が吹き荒れる。

愛してるという気持ちと
憎んでいる気持ちが。




もう生きていくないぐらい
絶望しているから。
こんな愛に絡み取られて。

大嫌い。
あなたのことなんて
大嫌い。
大嫌い大嫌い。
こんなに嫌いでしょうがなくて。


苦しいぐらい好きなのに
大嫌いなの。

こんなに好きにならせた
あなたが憎い。

あなたがいなかったら。

こんなにも心に
あなたのスペースを
作ってしまう前に
こうなることを
もっと予測すべきだった。

こんなに好きになるなんて
想ってなかったから。


許せないほど憎んでる。
こんな気持ちにさせるあなたを。


でも同じぐらい
愛してる。



何度も何度も反芻した。


ぶり返しが来るように
あたしの中の心は
いつも揺れ動いた。


でもずっと変わらなかった。
最終的に行き着く先は
この恋の苦しさだった。


とても深く、深く。
足なんかつかない。
沼に沈んでいくように。


あたしの中の深い闇や
泥沼は、ただ深くなるだけだった。



***************


その2はこちらから。
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