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ゆん様に捧げる夜語りのリク話です。
お題はキス、『「すき」が流れ込む』。

サイトでの収録は
カテゴリー「Night Story」にあります。
名前変換で読まれたい方は
そちらでどうぞ。

このお話はその5になります。

長いので分割を作っています。
その1その2その3その4 その5

1つの記事で全文を
読まれたい方は
こちらからどうぞ。


以下、創作になります。
ご了承の上、
ご理解いただけた方のみ
どうぞお読みください。
******* 夏の夜の約束 その5 *******








不意に唇が離れる。


「中岡さん・・・・?」

離れ方がいきなりだったから
思わず名前を呼んでしまった。

ゆっくりと開けた目に映るのは
ちょっと赤い顔をして
恥ずかしがっている中岡さん。

え・・・?


「・・・・どうかした?」

「あ・・・・」

あたしの疑問に中岡さんが
少し戸惑った顔をしたり
目を伏せたり、どぎまぎしたり。

「・・・・・??」

思わず不思議なほど
ころころ変わる
中岡さんの百面相を
ずっと見つめていたら。

中岡さんがあたしの腕を
ぎゅっと掴んで
顔を覗き込んだ。

「中岡さん・・・?」
どうしたの?

「ごめん。****ちゃん」

「え?」

・・・・何を謝られてるのかわからない。
さっきの続き?

「ごめん。オレ・・・・君のことが好きすぎて、間違い犯したくなる」


「っ・・・・!!」


「樫原さんには・・・・・分別ある付き合いをするように、と遠まわしに言われてるのに」


ごめん。君を目の前にして
こんなキスをしてたら
理性が保てないよ、オレでも。

そう言って
あたしをじっと見つめる
中岡さんの瞳には
さっきの優しい様子より
もっと熱情的な
そんな色が浮かんでるのがわかる。


そんな中岡さんに
どきっとしながら。


「・・・い、いいんだよ、あたしは」

中岡さんと今以上の関係になっても。


そんなあたしの言葉を
遮るように中岡さんが言う。


「いや、オレがだめなんだ」

****ちゃんはまだ高校生で
オレは25歳の大人で
****ちゃんが大人になるまで
待つつもりなんだ。


君のことを大事に思ってるから。
大事にしたいから。

手を出したくないわけじゃない。
そうじゃないんだ。


こうやって
キスしたり
ハグしたり
ただ傍にいるだけで
・・・・・満足できるから。

満足できるうちは・・・・。

目を伏せて
途切れ途切れで聞こえる
中岡さんの言葉。



・・・・中岡さん。
なんだかすごく迷ってる?


思わずそう思ったけど
でも中岡さんが目を伏せて
あれこれと考えてるのがわかる。



「・・・・ねえ、中岡さん」

「・・・・・・****ちゃん」

「中岡さんは樫原さんが言っていたように・・・・間違いは冒さないの?」

「え・・・・・っ!!」


あたしの質問で
中岡さんがすごくドギマギして
顔が赤くなっていくのが
こんな暗い中でもわかるよ。

中岡さんがゆっくりと
深呼吸するのがわかる。

息を吐き出すのが聞こえたと同時に。


「ごめん。優しくしたいのに」
乱暴にしてしまったらごめん。

中岡さんがあたしを
ぎゅっと抱きしめた。

力の入り方が
さっきとは全然違う。
もうどこにも行かさないという位の力。


「君のことが好きなんだ」
オレだって男だから。

「だからあまり可愛いこと言わないで」

「えっ・・・・」


顔を上げて中岡さんを
見ようとしたけど
抱きしめてる腕の力が
とても強くて。

あたしはそのまま
中岡さんの腕の中にいた。
中岡さん・・・・今、
どんな顔してるんだろう?




「好きだ」


大好きだよ、****。





中岡さんがあたしの名前を
呼び捨てにする。


たまにしかしないけど
でも、そういう時は
中岡さんがあたしを
好きでしょうがなくて
たまらなくなってる時。

好きすぎて
余裕がなくなってる時。


それがわかるから。

中岡さんの中で
激しい葛藤があるのが
伝わってくる。




「・・・・・久志さん・・・・」


あたしも中岡さんの名前を呼んだ。
めったに呼ばない下の名前。



「****・・・・」


中岡さんが何度も
あたしの名前を呟く。
切なそうに。
でも、とても愛しそうに。




・ ・・・それだけで十分。
ちゃんと「すき」は伝わってくるよ。




だから。



「ねえ、久志さん・・・・」

お願いがあるの。


あたしの声に
中岡さんの腕の力が緩む。

「今日お誕生日の久志さんにあたしがお願いするのもおかしいけど・・・」


迷っているなら
今、あたしとの関係をここで
無理に進めなくていいんだよ。


大事にしたいって気持ち
伝わってるから。


ありがとう、中岡さん。



でも・・・・。
せっかく今日は
2人で過ごす夜だから。



「今日の夜は・・・・・朝が来るまであたしのこと抱きしめてキスしてて」

さっきみたいなキスをして欲しいの。

中岡さんの「すき」が
わかるような。

あんなキスで
今日は朝まで満たされてたい。


「****ちゃん・・・・・」

揺れていた中岡さんの瞳が
だんだんいつもの優しい瞳に
戻るのがわかる。

それと同じように。

少し眩しいものを見るように。

あたしのことを
じっと見つめてくれる。


「その代わり、いつか中岡さんがあたしと今以上の関係になりたいと迷いがなくなった時には・・・」

言葉の続きは要らない。


中岡さんはわかってくれる。
あたしの言いたいこと全て。
あたしが今願ったこと全て。


だって、中岡さんだもの。



あたしの顔をじっと見つめて
少し赤い顔をして

「わかった」

優しく微笑んでくれた。


男の顔をした中岡さんも好きだけど
でもあんなに葛藤した顔をするほど
迷うのなら・・・・。

「約束するよ」

ふんわりと笑顔になる。
あたしは、この笑顔が大好き。



中岡さんが躊躇せずに
手を出してもいいと
自分に許せるほどに
あたしが大人になったら。

その時にきっと
今日の想いも叶えられるはず。

それまでは無理しないでいい。
これからずっと・・・
一緒に過ごす時間があるのだから。
焦らなくても、きっと。


きっとさっき約束した
8年の間には・・・・













その夜。

あたしと中岡さんは
初めて同じベッドで
絡み合った。


薄いネグレジェに
着替えたあたしを
中岡さんがキスしてくれる。


唇だけじゃなくて。

額。
頬。
瞼。
鼻先。
髪の毛。
耳元。
首筋。

鎖骨にも。
胸も。
腕も。
指一本一本。
うなじも。
背中も。
腰も。
太ももを撫でられて。
足の指先が大事に包まれる。


吸われるように。
舌を這わせて。
あちこちに
中岡さんがキスをする。


中岡さんの手が
優しくあたしの服を
ゆっくりと脱がせながら
キスで身体全体を包んでくれた。


それ以上はしないけれど。
でも、それ以上より
もっともっと・・・・・。


中岡さんが
中岡さんの唇が
あたしに触れる。

触れたところが熱い。

触れ合っている肌が熱い。


中岡さんの体温が
上がってる。
あたしの体温なのか
わからない。

ただ熱いに近い暖かさ。



中岡さんのキスで包まれながら
あたしは中岡さんから
彼の「すき」が
沢山あたしの身体に
流れ込むのがわかる。


触れるところから。


その気持ちが血流にのって
心臓に戻ってくる。
心臓をドキドキとさせて
あたしの心に伝える。


「****」

中岡さんの口から漏れる
あたしの名前。


どれだけあたしのことを
この人が好きか。

どれだけこの人が
あたしを大事にしているか。



好きだよ、って言葉より
もっとあたしに伝えてくれる。



「久志さん・・・・大好き」


「****・・・大好きだ」


何度も繰り返される
キスと愛の言葉。


熱に浮かされるように
中岡さんの気持ちで
あたしの身体と心が
満たされていく。


これからもずっと
この幸せは続いていく?
・・・うん。きっとずっと続いていく。

続いていく中で
もっとあたしは
彼のことが好きになるし
彼もあたしのことを
もっと好きになる。


あたしと彼の間にある
年の差や・・・・
それ以外の色んなものさえ
きっと全て・・・・なくなってしまうわ。






こんなにも「すき」だから。
こんなにも「すき」をくれる人だから。





その幸せに包まれて。

中岡さんが生まれた日。

あたしは中岡さんと
8年後の約束をした日。



彼と初めて一緒に朝を迎えた。

日が高く昇るまで。
中岡さんはずっと
あたしにキスしてくれてた。


溶けるような甘いキス。

一晩中のキスが
沢山あたしの身体に残った。
勿論、中岡さんの想いは
あたしの心の中に。









「おはよう、****ちゃん」

「おはよう、久志さん」



目が覚めたら
中岡さんは先に起きていた。

目をこすりながら
キッチンに行くと
愛しい人がいる。

片手でティカップをもって
ティオレを作ってくれてた
中岡さんが
あたしの前に
にっこりとカップを差し出す。

コテージに光が差し込んでくる。

気持のいい朝。



「ねえ、久志さん。今日はなにしよっか?」


「****ちゃんは何したい?」


向かい側に座った中岡さんが
カップに注いだティを飲みながら
こっちを見て微笑む。


こうやって過ごす朝が嬉しくて。

あたしは中岡さんに
にっこりと笑いかえした。





昨日の余韻が残ってる。


ずっと1つのように
くっついていた身体は
離れたけど・・・・
でもなんだか離れた気がしないの。


すごく不思議。
昨日のことは夢みたいな出来事だけど
でも夢じゃなくて。

中岡さんがくれた暖かさや
「すき」ですごく心が満たされてて・・・
とても幸せなの。



「ねえ、中岡さん」


「ん?」


「まず、おはようのキス、しようよ」

あたしの言葉に
中岡さんがくすっと笑って
テーブル越しじゃなくて
隣の席に来てくれた。


「****ちゃん、おはよう」

「久志さん、おはよう」

昨日の夜みたいなキスじゃなくて
もっと軽く。でも気持ちは伝わる。
啄ばむようなキス。

その幸せに顔が緩む。


昨日の続きの今日だけど。
でも何か変わった。

あたしが気持ちを伝えたから?
それとも中岡さんが約束してくれたから?


どっちかわからないけど
多分両方なんだと思う。


一緒にいる間に
毎日毎日変わんない気がするけど
でもちょっとづつ
あたしと中岡さんの関係は
変わっていくと思う。


変わる、より
深くなるのかも。

お互いを思っている気持ちが。


昨日より中岡さんが好き。
そして明日は今日より
中岡さんのことが好きだわ。


中岡さんも
きっとそうなはず。

だって昨日より
もっと優しくて甘いもの。


中岡さんが
じっとあたしを見つめる。
すごく大事そうに。
愛しそうに。

あたしは中岡さんの気持ちが
いっぱい詰まったティオレを
カップごと両手で包んで
その愛をゆっくりと飲み込む。

そして傍に座る
中岡さんの肩に
自分の頭をもたれさせた。


中岡さんが何も言わずに
あたしの肩を抱いてくれる。
そして・・・・・
髪の毛にキスしてくれた。


(****ちゃん、すきだ)


聴こえないはずなのに
聴こえてくるよ。





昨日の・・・・・
夏の夜の約束が
叶えられるのは
きっと遠からぬ未来。








******* FIN.*********















◇ あとがき◇


ゆん様に捧げる夜語りの
リクエスト夢でした。
お題はキス『「すき」が流れ込む』。

中岡さんの「すき」が
沢山流れ出るような
キスのシーンを沢山書きました。

本来なら・・・ゆん様への
夜語りリク夢は、別のお話を
考えていました。
4月にリクを戴いた時点で
ある1枚のイラストをもらっていて
そのイラストに沿ったお話を
書く予定で・・・実際6月終りから
書いていました。

しかし、今回このお話に
急遽変更になりました。
それは・・・・途中ではさんだイラスト。
これを見つけたからです。

以前書いた『キスの数だけ』という
夢を読んだゆん様から
その夢を読んで
こんなイラストを描いてみました~と
戴いていたイラスト。

このイラストを久しぶりに見て・・・・
(このイラストにお話をつけたい)と
強い想いがあたしの中で生まれて
それでこのお話が書きあがりました。

イラストでの中岡さんの優しい視線。
この優しさを書きたかったです。

丁度時期的に8月10日の
中岡さんの誕生日が来ていて
夏休みのシナリオもあり
それを踏まえて、このお話を書きました。

色々なものを詰め込んで。
本来なら2つ分のお話を
ここに詰めています。
それなので、まとまりが
ないんじゃないかと
何度か調整したのですが・・・
結局短くするより
荒くはあるけど、この長さで
行くことに決めました。

8歳という年の差。
誕生日だから意識してしまう。
好きな人だからこそ
その距離を縮めたい。
沢山の「すき」が感じられる、
そんな風にあれこれと
書きたいテーマがあり
最終的に落ち着いたのが、このお話です。


8歳の年の差。

これはきっとヒロインが
大人になったら
きっと気持ち的に
解決するんじゃないかな。

追いつきたい、
年の差を縮めたい、というより
一緒に過ごしていく時間が
きっとその年の差分の時間を
埋めてくれると思っています。

一緒に過ごして
積み重ねていく時間や思い出が
きっと生まれてきて
出会うまでの時間より
2人にとっては尊いはずだから。

大好きな人と過ごす時間が
キラキラと輝いて
時間が経ってもそれだけは
褪せない大切な想い出に
なりますように。

あたしたちが生きている時間は
たゆみなく流れて
その一瞬一瞬が次へと
繋がっていくものだから。

今抱いている気持ちを大事に
大好きな人に気持ちを伝えて
一緒にいられる幸せを
大切にすることができたら。

きっと「永遠」や「見えないなにか」を
掴めるんじゃないでしょうか。

物理的な年の差という
年月を乗り越える何か。

それを2人で見つけていくのも
きっと恋とか愛じゃないかな。

そんなことを思いつつ。

夏の終りではあるけれども。
夏の空気を含んだお話を
お届けできていたら嬉しいです。
最後まで読んでくださって
ありがとうございました。

15.August.2009 つぐみ
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