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ゆん様に捧げる夜語りのリク話です。
お題はキス、『「すき」が流れ込む』。

サイトでの収録は
カテゴリー「Night Story」にあります。
名前変換で読まれたい方は
そちらでどうぞ。

このお話はその3になります。

長いので分割を作っています。
その1その2その3その4

1つの記事で全文を
読まれたい方は
こちらからどうぞ。


以下、創作になります。
ご了承の上、
ご理解いただけた方のみ
どうぞお読みください。


******** 夏の夜の約束 その3 *****






食後のデザートは無しで。



だって、日付が変われば。
零時になれば
中岡さんの誕生日。

ケーキも準備してきた。

せっかくだから
手作りのケーキを作りたかったけど
なかなか上手く焼けなくって。

見かねてパティシエさんに相談したら
ケーキの土台を焼くから
お嬢様はデコレーションをと
提案してくれた。

それで、あたしが
一番最後のデコレーションをした。


勿論。

『HAPPY BIRTHDAY!! HISASHI』

チョコレートペンで書いた。
少しゆがんだけど
でもきっと味は美味しいはず。

I love you なんて言葉は
さすがにパティシエさんの前では
書けなかったから・・・・控えめにした。

可愛い砂糖菓子も載せた。
ハートも沢山書いた。
別荘で2人で食べるから、と
ちょっと小さめのサイズ。

沢山ドライアイスを箱に入れて
クーラーボックスで運んできた。

あと、プレゼントは・・・・
中岡さんが欲しがっていた
懐中時計にした。
シンプルだけど
でも丸い形が洒落てて
執事服に似合うと思って選んだ。



サプライズのパーティには
ならないけど。

でもきちんと零時になったら
中岡さんの誕生日を
祝うために準備して。


あたしと中岡さんは
星を見るためにベランダに出た。



・・・・・・・・・・・




頭上に星が沢山輝く。
キラキラしている星が
空一面に広がる。

薄雲が空を左右に走るけど
でもそれで隠すことが
できないほどの星。


少し大きめのお月様。
秋に近いから
余計に大きくなっている気がする。

柔らかい黄色がとても素敵。




星の数も月の大きさも
いつもお屋敷で見ているより
すごい気がするよ。

思わずベランダの手すりにもたれて
星空に魅入ってしまった。


「星の数すごいね、中岡さん」

「ああ、そうだね」

「すごく綺麗・・・・」


うっとりと空を見つめ続けるあたしに
中岡さんがくすっと笑うのがわかる。

すごくロマンチック。

こんな星空の下を
中岡さんと過ごせるなんて。

今日の夜は・・・・
中岡さんと2人きりで過ごせる。
零時を過ぎたら
中岡さんのお誕生日だ。


「寒くない?」

答えるより先に
中岡さんがあたしを後ろから
優しく抱かかえるようにして
包んでくれる。

自然にそんなことをしてくれる。

中岡さんの温かさが
背中から伝わってきて。
ドキドキするけど
でも気持ちいい。

中岡さんの両腕が
後ろからあたしを抱きしめる。

ちょっと背の高い彼の
首元あたりに
あたしの頭がおさまって
全身包まれてしまう。


静まり返った森からする
木々の匂いと共に
中岡さんの香水の匂い。


こうやって包まれているのが
すごく安心するんだ。

暖かいブランケットのように。
あたしは中岡さんの腕の中で
少しもたれるようにして
一緒に星空を見上げていた。


「いちお望遠鏡も準備してきたけど、これだと望遠鏡も要らないね」


確かに、こんなに綺麗に
はっきりと星が見えるのなら
望遠鏡で星を探す必要はない。


沢山の輝く星空を見ていると
たまに流れ星がある。



流星群の時期?


流れ星を見つけるたびに
あたしは心の中で願う。


今この時間がもっと長く続きますように。

この人とずっと一緒にいられますように。

この恋がもっと幸せになりますように。

この人があたしのことを
もっと好きになってくれますように。

この人にふさわしい自分になれますように。


こんなに優しくて
あたしのことを包んでくれるような
素敵な大人の中岡さんに
似合うような女の人になりたい。


今のあたしは
まだまだ、だから。
大人の彼の恋人らしくは
振舞えてないから。


8年の年の差さえ
大きく感じてしまう
あたしだから。

そんな年の差なんて
恋人同士になったら
関係ないでしょ、とわかりながらも
でもこだわってしまうあたし。

こだわってしまうところが
「子ども」だってわかってる。


そんなあたしでも
中岡さんは好きでいてくれるかな?

あたしが大人になるまで
待っててくれるのかな?






「どうしたの、****ちゃん?」

「え?」

星を見上げているはずが
気がついたら
何も見ていなくて
考え事をしてた。


後ろから抱きしめてくれてる
中岡さんが少し心配そうに
あたしの顔を覗き込むのがわかる。

「なんだか気になることでもあった?」

「ううん」

なんでもないよ。
うん。なんでもない。

「そう?」


「うん」




ねえ中岡さん。

あたしたちの間にある
8年の年の差って
とても大きく感じられるのは
あたしだけかな?

あたしが生まれてくるまでの間
その8年を中岡さんは
どう過ごしていたの?


あたしより8歳年上の
中岡さんからみた
17歳のあたしは
いったいどんな風に映ってるの?


この星の光たちが
この地球に届いて
あたし達に降り注ぐまでの時間より
あたしと中岡さんの間に
横たわる時間は
ほんの瞬きほどの一瞬。

なのに・・・・。

8年の歳月があたしには
とてもとても
深い溝のように思えるんだ。


こんなことを感じてるのは
きっとあたしだけ。


この望遠鏡で
遠くの空にある星を
近くで見ることができるように
あたしと中岡さんの心の距離も
もっと縮めてしまえればいい。


ちょっと切なくなった。

すぐ傍にいるのに
どうして距離を
感じることがあるんだろう?


明日が中岡さんの誕生日だから?
零時を過ぎたら
あと1歳、あたしと中岡さんの間に
年の差が増えてしまう。

なんだかもっと
置いてかれる気がしちゃうの。

中岡さんが誕生日を迎える。
あたしの誕生日が来る。
追いついたと思っても
すぐまた季節が巡って
中岡さんの誕生日が来る。

その8年の差は変わらない。
そう、ずっと。



後ろから抱きしめられていたのを
身を捩って正面から抱きついた。


「****ちゃん・・・・?」

少し怪訝そうな声がする。


なんでもないんだよ、中岡さん。
あたしが一人で考えてるだけ。


大好きな中岡さんの
誕生日が来るのを
心のどこかで
少し嬉しく思わないなんて、
あたしは、ものすごく
子どもなんだと思う。










*****その3 おわり ********


その4はこちらから。

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