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思わず書いてしまいました。
「真壁がパパになったら?」って
メッセできょうさんと話していた話題から
思わず、ひとつのお話が生まれた(笑)

このお話は、真壁がヒロインと結婚して
娘ができた設定です。
なので、娘視点から真壁パパや
その周囲の人たちを語ってます。

なので・・・。

ぱぱは真壁、
ままはヒロイン(もとい読んでくださってる方)
娘は、その娘ってコトで(笑)

普通の公式のシナリオから
10数年後を予想してください。

真壁と愛し合って
彼と結婚して
娘が生まれて・・・
その女の子が
10歳のお誕生日のお話です。

いつもの恋愛のお話じゃなくて
ほのぼのとしたお話として
読んでいただけると嬉しいです。

長いので分割を作っています。


分割は(その1その2その3その4 その5
こちらからどうぞ。

以下、創作になります。
オリジナル要素もありますので
(真壁の娘など)、ご了承いただける方のみ
どうぞお読みください。

****** I love you, Daddy !!! *********



あたしのぱぱはだんでぃだ。

だんでぃ、って
しんし、みたいな
意味があるんだって。

おうちでお手伝いしてくれてる
しゅんが言ってた。


だんでぃでとてもカッコいい。
いつもきれいにしてて
おしゃれ。
お友達のぱぱとは全然違う。
とてもきれいな顔をしてて
眼鏡をかけてる。

ぱぱ、すごくカッコいいんだ。


あたしはそんなぱぱが
大好きだ。








ぱぱの名前は真壁直樹。
あたしとぱぱとままは
九条院家の屋敷のお庭にある
小さなお家に住んでる。



ままは、九条院家のおじょうさまで
専属執事だったぱぱと結婚したの。


せんぞくしつじ、て難しいことばだけど。


ようするに、ぱぱは
ままのしつじだったんだって。

ぱぱとままが結婚して
あたしが生まれて
それでこのおうちを
慎おじちゃまが建ててくれて
お引越ししたんだって聞いた。


ぱぱは、今は
ままのしつじじゃなくて
慎おじちゃまの仕事の
おてつだいをしてる。

おうちには
いつもままがいて
ままの用事は
しゅんがやってくれる。


お庭の手入れはたかや。
たまにしゅんのおてつだいで
せいごもやってくるよ。


大きなおうちに住んでるからか
いつも色んな人が
学校から帰るとうちにいる。

みんな、あたしのことを
****お嬢様、って呼んでくれる。

たかやも、せいごも
しゅんも遊んでくれる。

3人とも、あたしよりお兄ちゃんだけど
名前は呼び捨てでいいんだ。

小学校に入るまでは
「たかやおにいちゃん」
「せいごおにいちゃん」
「しゅんおにいちゃん」
って呼んでいたけど、
小学校入ってからは
呼び捨てにするように言われた。


おじょうさま、だから
呼び捨てでいいって
よくわかんないけど
でもそのほうが良いっていうから。

3人ともあたしを可愛がってくれて
ままごとに付き合ってくれたり
鬼ごっこしてくれたり
かくれんぼしたりもする。


3人があたしと遊んでくれて
あたしは大きくなった。


みんな、あたしを
可愛がってくれる。


あたしは九条院家の人がとても好きだよ。













今日はあたしの10歳のお誕生日。
お誕生日パーティを
慎おじちゃまが開いてくれた。

みうち、だけだから、って
今日はあたしのおうちに
お屋敷の人達が
かわるがわる来て
プレゼントをくれた。


慎おじちゃまは、
ままのおねえちゃんの
夏実おばちゃまと結婚してる。


夏実おばちゃまと
慎おじちゃまのところには
子どもがいないから
あたしのことを、自分の子どものように
すごく可愛がってくれてる。


特に慎おじちゃまはすごい。

あたしのことが大好きで
毎日顔を見に来る。
毎日お仕事に行く前とか
帰ってきたときに
あたしに会いに来る。

あたしにとっては、
オジサン?だけど、
毎日顔を見に来るから、
ぱぱみたいな感じ。


あたしも、慎おじちゃまが大好き。


とってもすごい人だって
聞いてるけど
でも、いつもそんな
威張ったりしてなくて
にこにこしてて優しい。
おっとりしてて
あたしに会うと、とても笑顔になる。

生まれた頃から毎日会いに来て
慎おじちゃまがあたしを抱いたり
あやしたり、散歩させたり
歌をうたってみたり。

沢山遊んでくれた。
いつも「***ちゃん大好きだよ」って
ほっぺにキスしてくれる。

ちょっと大きくなるまで
あたしはぱぱが2人いるんだと思ってた。



慎おじちゃまは
あたしを、「できあい」
してるんだって
夏実おばちゃまが笑う。
すごくすごく
大事にしてるって意味みたい。


うん、わかるよ。
あたしも慎おじちゃま大好きだもの。



そんな慎おじちゃまが
あたしのために
誕生日パーティを開いてくれた。
沢山のパステルカラーで
ピンク色の風船が部屋に浮いてる。
ばるーん、って言うんだって。

ごはんもおいしい。
あたしが大好きなものばかり。
プレゼントが山盛りだよ。

あたしが大好きな人達が
沢山来てくれて
ゲームをしたりして
楽しませてくれる。
楽器を演奏してくれる人も
何人かいるし
あたしが大好きなピエロの
マジックをしてくれる人とか
面白いものも沢山ある。


今日は九条院家だけで
お祝いパーティだからって
慎おじちゃまや夏実おばちゃま、
慎おじちゃまのしつじのゆーとさんに
なかおかさん、たかやに
せいごにしゅんもいる。


いつもあたしの世話を
してくれるメイドさんも。
キッチンでご飯を作ってくれる
コックさんもいる。

母屋のお屋敷で働く人達も
今日はパーティだからと
かわるがわる顔を出して
部屋には人がいっぱいだ。


大きなケーキの蝋燭を吹き消して
写真を撮ったり、音楽弾いたりして。
みんな、それぞれおしゃべりし始めてて。

すごく楽しそうだよ。







HAPPY BIRTHDAY! ****ちゃん!

「何が欲しい?****ちゃん」
僕が何でも叶えてあげるよ。

パーティの間。
あたしの定位置は
慎おじちゃまのところ。

沢山プレゼントもくれたのに。
まだそんなことを
慎おじちゃまが
膝に座ったあたしに聞く。

「もう10歳だからね」

「うん。今日で10歳だよ、あたし」

****ちゃんが生まれてきて
10年間、僕はすごく毎日
幸せだった。
だから、その記念になにか
もっと大きいのをあげたいんだ。


にっこりと笑う慎おじちゃまの目が
ちょっとウルウルになってる。


「慎おじちゃまがありがとう、大好きだよ」

首に手を回して抱きついた。
周りの人達が
にこにこしながら見てるのがわかる。

あたしと慎おじちゃまが
すごく仲良しなのは
みんな知ってる。
こうやってすぐ
スキンシップすることも。


ぱぱはちょっと仕方ないなって
顔をしながらも微笑んでる。

ままはにこにこしながら見てる。

夏実おばちゃまは
相変わらずな慎おじちゃまの
愛情表現に苦笑してる。



「僕も****ちゃんのことが大好きだよ」

「うん」

「本当に、****ちゃんを母屋に連れて行きたい」

もう僕の子になろう、****ちゃん?

可愛くてしょうがない!と
いう慎おじちゃまが、
あたしを強くハグする。


「ちょっときついよ、慎おじちゃま」

「だって****ちゃんが可愛いんだもの」


その言葉で隣にいた
夏実おばちゃまが
にっこり笑いながら告げる。


「ほら、慎一郎さん。あまり****を独占すると、真壁さんがヤキモチ焼くわよ?」


ハグされてる腕から
ちょろっと顔を上げてみたら
ぱぱがちょっとだけ
眉を細めてこっちを見つめていた。


いつものことだけど。


慎おじちゃまが
あたしのことを
あまりにも可愛がりすぎるから
ぱぱがたまに、「ふくざつ」な顔をする。


そんなぱぱの隣にいた
ままが、ぱぱに笑いかけた。


ままがぱぱの手を握る。
ままとぱぱはとても仲良しだ。



そんな様子を見ていたら・・・・・。


急にほしいものが浮かんできた。








ねえ、慎おじちゃま。

なんだい、****ちゃん?





「あたし、せんぞくしつじがほしいの」

「え?」

いきなりのあたしの言葉に
慎おじちゃまが少し驚くのがわかる。


「しつじがいい」

でも、ほしいものはなに?って
聞かれたから、
今一番ほしいのを言ってみた。



「****ちゃん?」

だって、ほしいもの、
なんでもいいんでしょ?

そう言って笑ったら
慎おじちゃまが
少しわかった顔をした。


そして優しく聞いてくる。


「どんな執事が欲しいのかな?」


どんな?
どんなって、どんな?
ん・・・・。



ほら、優しい執事とか
しっかりものの執事とか。

慎おじちゃまがあれこれと
提案してくれる。


でも・・・・・

あたしが欲しいなって思う
しつじさんって・・・・。



「愛してるって毎日言ってくれる人」




「え?」


せんぞくしつじって
毎日愛してる、って言ってくれるんでしょ?


ぱぱが驚いた顔をしてる。

慎おじちゃんも
びっくりした顔をして
あたしを見た後に
ぱぱの方を見た。


周りのみんなは、
あたしの答えに
一瞬びっくりしたあと
くすくすと笑い始める。


???
なんか変なことを言ったっけ?

ぱぱが赤くなってる。
慎おじちゃんも苦笑してる。



本当は・・・・
ぱぱみたいなしつじが欲しい。
でも、なんだか恥ずかしくて
そう言えなかった。

だから、いつも
ぱぱがままに言ってるのを
言ってくれる人がいいとおもったんだ。


「ぱぱは、ままのせんぞくだったんでしょ?」


結婚するまえ
ぱぱは毎日ままに
愛してるって言ってたって。
ままがあたしに自慢してたもん。

ままとっても幸せだったって。

あたしもそんなせんぞくが欲しい。

毎日、あたしに愛してるって
言ってくれるせんぞくしつじが
あたしも、ままみたいに欲しい。


あたしの言葉に
ぱぱの顔は
もっと真っ赤になった。

傍にいるままの顔も
真っ赤になってる。


「お前、そんなことを***に・・・」

ぱぱがままを赤い顔をして
小声で、少し睨んでいる。


その様子を見て
また周りの人達が笑ってる。

慎おじちゃまもくすくす笑いながら


「それだったら、****ちゃん。僕の子になれば、毎日愛してるって言ってあげるよ?」

執事じゃなくても、
僕が毎日愛してるって言って
****ちゃんのことを大事にするから。

そう言って慎おじちゃまが
あたしをもっとぎゅっと抱きしめた。

あああああ、違うよお!

あたしはその腕から
もがれるように出て
慎おじちゃまを睨んだ。


「ちがうのー!慎おじちゃまはだめなの!」


「ええ・・・・・」


「やだやだやだやだ」

「そんな・・・・****ちゃん・・・・」

しーつーじーがいいの!

し、つ、じ!!!!


そう言うあたしを見て
ちょっとだけ慎おじちゃまが
がくんとうなだれる。

「しつじが、欲しいの。」


それに慎おじちゃま
結婚してるじゃない。


慎おじちゃまがしつじになっても
あたしをお嫁さんにしてくれないもん。

毎日愛してるっていってくれて
そしておよめさんに
してくれる人じゃないとやだ。



「そんな・・・・」

慎おじちゃまが
なんだか少し傷ついた顔をしてたので
慌てて、フォローする。


慎おじちゃまは、あたしの
おじちゃまでいいの!
慎おじちゃまは
今のままでいいから。
大好きだよ。


ぎゅっと抱きついたら
慎おじちゃまが
また機嫌を直してくれた。


「わかったよ。執事ね」

「うん!!絶対だよ?約束だよ?」


思いっきり頷く。

慎おじちゃまは
あたしの言うことをなんでも
叶えてくれる。
このお願い事も
叶えてくれるかな?

わくわくしながら
慎おじちゃまの顔を見つめてたら。


慎おじちゃんが
なにか閃いたように
にっこりした。



「じゃあ****ちゃん。」

「なあに?」


「九条院家には執事が何人かいるから、そのうちの誰かを君の執事にしようか?」


「旦那様!」

ぱぱが驚いたようにいう。

「ほら、中岡もいるし大木も高口も古手川もいるよ」

ぐるりと慎おじちゃまが見渡す。


なかおかさんが
にっこり笑って小さく手を振ってる。

たかやは、ガッツポーズをして
あたしににっこり笑ってる。

せいごは、なんだか恥ずかしそう。

しゅんは、いつものように
にっこり笑ってる。


あれ?
しつじになるひとって、確か・・・
あと1人いた気がするよ。



「ゆーとさんは?」

「え?」


そうだよ。
しつじ、といえば、慎おじちゃまの
せんぞくしつじのゆーとさんがいる。


名前を言ったら
慎おじちゃまがちょっとびっくりしてた。


なんで?


「ゆーとさんはだめなの?」


さっき、おじちゃまがあげてくれた名前に
ゆーとさんが入ってなかったから。
思わず聞いてみたら。
慎おじちゃまは少し考える顔をした。


その代わり、ゆーとさんの声が
後ろから聞こえる。


「私がいいのですか?****お嬢様」


「ん・・・・?」


いきなり名前を呼ばれたから。

振り返ると
ゆーとさんが柔らかい笑顔で
こっちを見つめていた。



ゆーとさんは・・・
慎おじちゃまのせんぞく。

毎日、慎おじちゃまと
一緒にあたしに会いに来る。


慎おじちゃまのように
あたしに手放しで甘くはないけど
でも「遊んで」ってくっつくと
ゆーとさんも遊んでくれる。


あたしが小さいときに
よく本を読んでくれたりした。
そして・・・・小さい頃は
よく抱っこしてくれた。


ゆーとさんは、他の人と違うの。

慎おじちゃまが「ゆうと」って
呼んでるから、あたしも
ゆーとさんって呼ぶ。

小さい頃は、
ゆーとって呼んでた。

前にぱぱやままから、
「かしはらさん」って
呼ぶように言われたけど
でも、ゆーとさんが、
「ゆーと」でいいって言ってくれて
慎おじちゃんも頷いてくれた。

でも、ぱぱとままからは
「さん」つけるように言われた。

だから、「ゆーとさん」ってよんでる。


ずっとゆーとさんは
ゆーとさんなの。

このお屋敷で、ゆーとさんを
ゆーとって呼ぶのは
あたしと慎おじちゃまだけ。

だから「特別なんですよ」って
ゆーとさんが、2人きりのときに
こっそりと言ってくれたことがある。

2人きりのときは
前のように、ゆーとと
呼んでいいんだよ、とも。

ゆーとさんは誰もいないときに
あたしに沢山の「とくべつ」をくれる。

ゆーとさんは
あたしに会うと
すごく嬉しそうな顔をする。





でもね。


あたし、知ってるの。


ゆーとさんが
あたしをたまにじっと見てることを。

ただ見ているだけじゃなくて
なんか不思議な目でみてることも。


しゅんがちょっとだけ
教えてくれた。

ままとぱぱが結婚する前、
ゆーとさんがままのこと
好きだったってこと。

慎おじちゃまは、
ままとゆーとさんを
結婚させようとおもっていたって。

でも、せんぞくしつじだった
ぱぱがままのことを
とっても好きになって
ままもぱぱのことが
とっても好きになって
それでぱぱとままが
結婚したんだ。


・・・・ゆーとさんが
ままと話してるのを
ぱぱがちょっと気にしてる。


多分まだゆーとさんは
ままのこと、好きなんだとおもう。

だって、ゆーとさん、
ままにとっても優しいもの。
ゆーとさん、結婚してないし。


ままのことがとても好きだったから
きっとゆーとさんは
誰とも結婚しないだろうって
しゅんが言ってた。


あたしは・・・・
ままによく似ているって言われる。


小さい頃のままに
「げきに」だって
夏実おばちゃまが言ってた。


だから、ゆーとさんは
あたしのことを、たまに
じーっと見つめているんだと思う。

ゆーとさんは
そうやって誰もいない時
2人っきりのときに
そういうことをする。


2人だけのひみつの時間。


そういう時って
ちょっと恥ずかしいけど
でもゆーとさんは嫌いじゃないから。




・・・・ゆーとさんがしつじかぁ。

なんだか慎おじちゃまも
ちょっとビックリしてる感じで
これって言っちゃだめだったのかな?って
思った。


でも。
だれかのものでも
ほしいっていったら
慎おじちゃまはくれると思う。

慎おじちゃまは
あたしのこと
「できあい」してるから。

きっとゆるしてくれる。




するっと慎おじちゃまの膝を抜け出して
あたしはゆーとさんのところにいった。



「ねえ、ゆーとさん」

「なんでしょう、****お嬢様?」


膝を折って、目線を合わせてくれる。


ふわふわの茶色いクセッ毛の
ゆーとさんの髪の毛が目の前にあって
思わずそれに触ったら
ゆーとさんがくすっと笑った。


小さい頃から。


ゆーとさんの
この髪の毛が大好き。


ぬいぐるみの毛みたいに
ふわふわしてるから
よく触らせてもらってた。

ゆーとさんも
それを怒らなかったから。

ふわふわだ~。


えへへ♪と久しぶりに触りながら
あたしは訊いてみる。



ねえ、ゆーとさん。

はい?




「ゆーとさん、あたしに毎日愛してる、って言ってくれる?」




くすっとゆーとさんが笑った。
そして、あたしの頭を撫でてくれる。



「****お嬢様がお望みなら」



「ゆ、侑人・・・。」


慎おじちゃまがちょっと驚いたように
ゆーとさんを見るのがわかる。


おのぞみなら?
んー、そっか。
言ってほしいっていえば
言ってくれるてこと?


なんだか言葉の意味が難しくて
ハテナ顔になったあたしを
ゆーとさんがにっこりと笑いかける。



「他に何がお望みはありますか、****お嬢様」



ほかに?
んーっと、えーーっと。



「それじゃあ、ゆーとさん、あたしをおよめさんにしてくれる?」



「え・・・?」


「だめ?」

目を丸くしたゆーとさんが
びっくりしたあと、
にっこりと笑って、言ってくれた。


「****お嬢様が大人になられたときに、それを望まれるのなら」


「・・・・・・」

のぞまれるのなら。
また同じことば。

難しいよ。


「きっと****お嬢様は、お母様にそっくりですので、大人になられたらさぞ美しくなりますからね」


そんな***お嬢様が
私と結婚したいと
言ってくださるのなら。

にっこり笑いながら
ゆーとさんが目を見つめて
約束してくれる。


ことばは難しいけど、
でもわかる。


・・・やっぱり、ゆーとさんは
まだままのことがすきなんだ。




ちょっとだけもやもや。

黙り込んでしまった。


ゆーとさんはぱぱみたいに
だんでぃだし、とてもかっこいいけど
でも、ままのこと好きなんだよね?


あたしのしつじになったら
あたしのこと、一番に
好きになってくれるかな?


ままより、あたしのこと
好きになってくれるかな?


よくわかんない。




「****ちゃん、侑人がいいのかい?」

慎おじちゃまの声が聞こえる。

「ん・・・・考えとく」


あたしのその答えに
周りの人達が笑った。
ゆーとさんも苦笑してる。

んー、難しいよ。

また定位置に戻って
慎おじちゃまと話をする。


「****ちゃんが執事ほしいというのはわかったから、僕も考えておくよ」

「・・・うん」

「どうしたの?」

ほしいって言ったけど
誰がいいのか?って
考えてなかったから
少し迷ってた。

「ううん。なんでもない」

「そう?」

「うん」







「ちょっと、オレンジジュースいれてくる」

あたしは慎おじちゃまの膝から降りた。

部屋にもオレンジジュースは
沢山あったけど
あたしが欲しいのは・・・・
絞りたてなんだ。


部屋をすり抜けて
キッチンに行こうと
たったったって走って
行こうとしたら、ふっと
ふわっと抱きかかえられた。


「ん?」


あれ?


ふわっと後ろから
抱っこしてくれた人を見たら
ゆーとさんだった。


「****お嬢様、走られては危ないです」

にっこり笑ってる。

「転んだりしないもん」

「おてんばなお嬢様ですね」

「そうかな?」

「走って転ばれたら危ないので、私がキッチンまで連れて行ってあげますよ」


そういってゆーとさんが
あたしを抱っこしたまま
歩き始めた。

「****お嬢様、大きくなられましたね」

「ん?」

「前はこうやってしても、小さかったのに」




昔は・・・・こうやって
よくゆーとさんに抱っこされて
色んなところに行った。


あたしが廊下とか
ばたばた走って転ぶから。
まだ小さかったあたしに
走るなっと言っても走るから
ゆーとさんは見かねて
よく抱っこして連れて行ってくれた。



「えへ、久しぶりかも。こうやってゆーとさんが運んでくれるの」


「そうですね」


「・・・でもあたし、もうこんなってしなくても、1人で行けるよ。それに大きくなって重いから」


「ふふ。まだもう少し大きくなっても、大丈夫ですよ?」

「そっか。なら、キッチンに連れてって」


もうそんな子どもじゃないよ。
あたし、10才になったもん。

そう言いたかったけど。

ゆーとさんに
こうやってしてもらうのは
久しぶりで嬉しかったから
黙ってた。


慎おじちゃまも
あたしのことを
甘やかしてくれるけど
ゆーとさんも
結構あたしに甘い。



たまにたかやとか
せいごとかしゅんを
叱ったりするときは
笑顔だけど目が怖かったりする
ゆーとさん。


いつもあたしには優しくて
すごく「とくべつ」だけど・・・
でも本当はとても
仕事ができて、すごくすごく
ゆーのうな人なんだって
ままが言ってた。


ゆーとさんといるときは
なんか、「とくべつ」なの。


もう大きいのに
小さい子どもみたいに
ゆーとさんは抱っこしてくれる。


ちょっと恥ずかしかったけど
でも、ゆーとさんって
いい匂いするから
大好き。

首にだきついて
そのふわふわの柔らかい髪の毛に
鼻をつけてみたら
ゆーとさんのにおいがした。

ずっと前から大好きなにおい。

「ゆーとさんのにおいだ」

いいにおい。

そう言ったら
ゆーとさんが
あたしのことを
もっと大事そうに
抱っこしてくれた。






キッチンで、自分のコップに
オレンジジュースを入れてもらって
お部屋に戻ろうとしたら、
ゆーとさんがコップ持ってくれた。


片手はあたしの手を繋いでくれる。


「さあいきましょうか、****お嬢様」


おうちのなかだから、
手を繋がなくても
迷子にならないよ。

そういったら、ゆーとさんが
にっこり笑った。

「可愛い****お嬢様の手を握れる、めったにない機会ですからね」


そんなもんかな?

にっこりといってくれた
ゆーとさんが
すごくやさしかったから
嬉しくなって、あたしは
握った手をぎゅっと握り返した。




ねえゆーとさん。
あたしにやさしいのは
ままのことがまだ好きだから?
それともあたしのことが
すきだから?

ままとあたしの
どっちがすき?


ききたかったけど
きけなかった。

きっと、ゆーとさんを
こまらせてしまう。





ぎゅっと繋いだ片手が
あったかかった。



歩きながら、ななめを見上げると
ゆーとさんが先に
ちいさいあたしを見つめてて
目が合ったらふんわりと笑った。


小さい頃から
ずっと傍にいた人。

慎おじちゃまや
ぱぱとは違うけど
すごくあたしを
甘やかしてくれる人。


あたし、ぱぱだいすきだけど
ゆーとさんもだいすきだよ。











ジュースを持って部屋に戻ったら
みんな、遊戯室に移動してた。

ビリヤードをしている
慎おじちゃまのところに
ゆーとさんが行ったから
あたしはなかおかさんを
探した。

(しつじって言ったら・・・・ゆーとさんとなかおかさんだもんね)

なかおかさんに
しつじのことをきこうと思ったの。



隣の部屋を覗くと。


なかおかさんが一人で
道具の手入れをしてる後姿。






思わず嬉しくなった。
よし。



そうっと近付いて・・・・・。




「だーれだ?」


後ろから目隠しをした。


「え?!!」


「****お嬢様?」
なかおかさんがびっくりしてた。



「えへへ」
ばれちゃった?

なんでばれちゃったの~あれ?

でもいっか。


背中から抱きついて
なかおかさん~って
名前を呼んだらそのまま、
おんぶされた。


「なんで、すぐわかったの?」

肩ごしになかおかさんを
にっこり笑ってた。

「あんなに小さくて可愛い手は、****お嬢様しかいませんからね」

あ、そっか。

思わず笑ってしまった。
このお屋敷に子どもは
あたしだけだもんね。


「もう、本当にお嬢様はいたずらっ子ですね」


笑いながら立ち上がった
なかおかさんが
おんぶしたあたしを
左右に大きく振って
振り落とす真似をする。

それがとても楽しくて
きゃっきゃっと
思わず笑ってしまった。


ひとしきり、
落ちるのか落ちないのかと
遊ばれた後、あたしはそのまま
なかおかさんの背中に
ぴったりくっついた。

笑いすぎて
息切れしてる。

おんぶされて
なかおかさんの背中が
あったかい。
はあはあしている顔を
当ててみる。

気持ちいいよ~。

なかおかさんの心臓の
音が伝わってくる。

背中に頬を当てて
ぎゅっと抱きついたら
しばらくそのままでいてくれた。



ちょっと背が高い。

おんぶされてみる高さは
ぱぱのより低いけど
でも、ぱぱとは違うんだ。


ぱぱより、なかおかさんのほうが
こうやって抱きついたときに
遊んでくれる。


なかおかさんが
おんぶしてくれるのが好き。


だから、いたずらしちゃう。
わざと背中狙うの。

小さい頃から
いつもなかおかさんを見たら
抱きついたりして
ぐるぐるぎゅーってして
遊んでもらってた。


なかおかさん、だいすきー。


そう言ったら、
なかおかさんがふんわりと
笑う感じがした。


よく、おうちに遊びに来てくれる
九条院家のしつじさん。
おうちに来るときは
いつもあたしにちいちゃい
お土産を忘れない。


ずっとずっと前から
あたしを可愛がってくれる人。


お嬢様、そろそろ下ろしますよ?

そう声をかけられて
ん、って返事をしたら、
近くのソファに下ろされた。


そして、乱れた服や髪の毛を
なかおかさんが手で直してくれる。

乱れたスカートの裾も
きちんとされて
ほこりも払われる。

目隠しする前に
ボードに置いたオレンジジュースを
取ってきてくれて
飲ませてくれる。


ふう。
おいしいよー。


オレンジジュースをこくりこくりと
飲む様子をなかおかさんが
じっとみている。

オレンジジュースを片手に
気になったことをきいてみた。


「ねえ、なかおかさん?」

「はい」

「慎おじちゃま、あたしにしつじ、くれるかな?」

ちょっとむずかしいかな?と
あたしが首をかしげると
なかおかさんがにっこり笑ってくれた。

「大丈夫ですよ、****お嬢様」

慎一郎様はお嬢様との約束でしたら
必ず守られる方です。


そういってじっと見つめてる
なかおかさんのことばに
ちょっとだけ安心した。



でもね。

あたしがほしい、せんぞくしつじは
なかなかみつからないと思うんだ。

慎おじちゃまでも
大丈夫かな。

だって。


「あたしに毎日あいしてるって言ってくれておよめさんにしてくれるしつじだよ?」


みつかるかな。
ぱぱみたいなしつじ。



ぱぱみたいにカッコよくて
ぱぱみたいにすてきで
ぱぱみたいにだんでぃで
ぱぱみたいに・・・んー、
とにかく、ぱぱみたいな人。



あたしが難しい顔をしていたのが
おかしかったのか
なかおかさんがくすっと笑う。


飲み終わったオレンジジュースの
グラスを受け取ってくれた。


そして、膝をついて
あたしの目線を合わせて
おでこをごっつんこさせて
言ってくれる。

その声はとてもやさしい。

顔のすぐ近くに
なかおかさんの顔があるよ。


「もし見つからなかったら、私が****お嬢様の執事になります」


「えー、中岡さんが?」

「ええ」


・・・それも、いいかも?
んー、でも。



「****をおよめさんにしてくれるの?」

「****お嬢様なら、喜んで」

くっつけたおでこを離して
なかおかさんをじっと見てみる。






うん。

悪くない。


でも、気になるよ。


「んー。中岡さん、ぱぱよりとしうえだよね?」

「そうですね。真壁より年上です」


なかおかさんは、
ぱぱのことを苗字で呼ぶ。
ぱぱがままの執事だったころ
一緒に働いていたから。


「・・・****より、すごく年上?」

「ええ、そうですね」



なかおかさんって何さいなんだろ?
ぱぱよりも、もっと
わかもの、に見えるよ。

でも、あたしより
ずっと何年も年上だよね。


「・・・・****が大人になって結婚したら、中岡さん、もうおじいちゃん?」


「そ、それは・・・・」

なかおかさんが
少し気まずそうに笑ってる。

「けっこんできるのかな?」

あたしの質問に
ちょっとなかおかさんが
考えた後。



「お嬢様が大人になって、結婚したいと思われるのなら」

くすっと笑いながら言ってくれた。


けっこんしたいと
おもわれるなら、って
なに?

思ってたら結婚できるってこと?
よくわからないな。



「なんか難しくてわかんないな」


首を傾げたあたしに
なかおかさんがにっこり笑った。
そして、ほっぺたを撫でてくれる。

おやゆびで優しく。
少し目を細めてて。
すごく優しい、なかおかさん。


いつもなかおかさんは
あたしにすごくやさしい。
こうやって撫でてくれるのも。

あたしの話を
1つ1つちゃんと
聞いてくれるところも。

だきついたら
ぎゅーっと抱き返して
遊んでくれるところも。


あたしのしつじになっても
毎日こんなにやさしくしてくれるかな?


ゆーとさんも好きだけど
なかおかさんも好きかも。


「ねえ、なかおかさん」

「はい?」

「毎日、あたしにお花くれる?」

ぱぱが毎朝ままに
お花をプレゼントするように。
ままの好きな花を
毎日飾ってくれる。


「ええ、忘れずに毎日お花をプレゼントしましょう」

約束、1。


「毎日帰ってきたあと、ハグしてくれる?」
仕事から帰ってきたぱぱが
ままをハグして、キスするの。
あたしにハグしてくれるのは
いつも、その次。


「ええ、いつでもハグしますよ」


約束、2。



「手を繋いで歩いてくれる?」
ままとぱぱはすごく仲良しだから。
いつも傍にいるときは手を繋いでる。



「お望みなら」


約束、3。


「毎日、あいしてるって言ってくれる?」



「愛してますよ、****お嬢様」


あ・・・。


「今じゃないよ!」


思わず笑ってしまった。


「何回でもいいますよ、****お嬢様」
いつだって、今だって。

そう言いながら
なかおかさんが
ぎゅーっとしてくれる。



なんか変なの。

これって、約束、4?



でも・・・・・。

今のなかおかさんの
「愛してる」は
ぱぱがままにいうときの
「愛してる」、じゃないみたい。


なかおかさん、にこにこしてるし。


ぱぱがままにいうときは
もっと違うのにな。
なんか・・・もっと違う声。


ぱぱがままに言う時を思い出す。


ぱぱがままだけを
じっと見つめて
目を少し細めていうの。
愛してるって。
すごく大事そうに。

ままもぱぱを見つめてて
すごく嬉しそうに微笑む。

ままとぱぱは
ぎゅっと手を繋いでるの。



あたしは、そんなぱぱと
ままみたいになりたい。

だから、毎日愛してるって
いってくれるしつじがほしいの。

ぱぱがままに愛してるって
いうように、あたしに言ってくれる人が
あたしのしつじになるといい。



・・・なんか、今のなかおかさんの
愛してる、は、ぱぱみたいな
愛してる、じゃないけど
でも、愛してるって言ってくれてるしな。


なんかちょっとちがうけど
でも、あたしが大人になったら
なかおかさんが、ぱぱみたいに
あたしに愛してるって
いうのかな?


ちょっと考えていた
あたしをなかおかさんが
にっこり笑う。


ぱぱのほうがいいけど
でもなかおかさんも
やさしいからいいのかもしれない。



ねえ、なかおかさん?

はい。




なかおかさんだったら
大好きだから
せんぞくしつじになってもらって
大きくなったら
けっこんしてもいいよ。



「****お嬢様」


さっきの約束守ってくれるなら。

そう言ったあたしに
にっこりとなかおかさんは笑う。

「約束しなくても忘れません。あんなに素敵な約束は」

****お嬢様なら
目に入れても痛くないですから。


・・・ん、また難しい。
またへの字口になって
なかおかさんを見つめたあたしの
あたまを優しく撫でてくれた。



しかし・・・・・
執事にしろ・・・・私はよくても、
****お嬢様のパパが
許してくれそうにありませんね。



そうかな?
ぱぱ、反対する?

ええ、反対するでしょうね。


じゃあ、はんたいされても
だいじょうぶなように
約束しよっか、なかおかさん?


ゆびきりしますか?



そう笑ったなかおかさんの
言葉に手を出そうとしたら。



「****!」


あたしを呼ぶ声が聞こえた。


ん?って振り返ると
あたしの後ろには
いつの間にか
ぱぱがいる。


え?


ぱぱがぐっとあたしを
後ろから抱き上げた。
なかおかさんと引き離す。


「こら。中岡。うちの娘に手を出すんじゃない」


ちょっと無表情のぱぱが
なかおかさんに言う。
そしてあたしには
優しい顔をしてきく。

「ほら、****。中岡になにかされなかったか?」

くすっと笑いながら
ぱぱがあたしに聞いてくる。


「なにか、って、おい、真壁!」

なかおかさんが
ちょっと慌てたようにいうのを
横目でちらりとみる、ぱぱ。


ちょっといたずらしてるみたいに
目がキラキラしてる。
ぱぱ、ままに
意地悪するときみたい。
ちょっと嬉しそう。

ぱぱ、中岡さんにたまに
ちょっとこうやって
意地悪するんだよね。

それはわかってるけど
楽しそうなパパに
だっこされてるのが嬉しくて
あたしは、ぱぱのほっぺたに
ふたつ手を当ててにっこりした。


「ううんー。何もされなかったよ」


あたしがにっこりすると
ぱぱもちょっとだけにっこりする。


・・・ぱぱはなかおかさんみたいに
いつも笑ってはいないけど
でもたまに笑ってくれるのが
とてもカッコいいの。


思わずぱぱをじっと見てしまう。



なかおかさんがね
あたしのしつじに
なってもいいよって
言ってくれたんだ。

だから、****を
およめさんにしてくれる?って
きいたの。そしたらね。

「そうしたら?」


「してくれるって!」


うんうん、と話を
パパが聞いてくれるのが嬉しくて。



ねえぱぱ、なかおかさんに
せんぞくしつじになってもらって
****が大きくなったら
およめさんになってもいい?


思わず勢いよく訊いたら。


ぱぱはさっきまで
笑ってたのに
ちょっと怖い顔をして


「中岡」

と呼んだ。

あれ?ぱぱ、不機嫌?
でもなかおかさんは
上機嫌?


「いいだろう、真壁?」

「だめだ」

えー!!??


「なぜ?」

なかおかさんが
笑いながらも
ちょっと驚いた風に言う。


「なぜって・・・お前、年が離れすぎてるだろう?」


ぱぱがちょっと言いづらそうに
しかめっ面をしながら、そう言った。

ちょっと顔が赤くなってる。


「ふふっ。真壁、お前も父親なんだな」

からかうような、なかおかさん。

「なっ・・・・」


ことばにつまったぱぱ。
????

目をパチパチさせながら
ぱぱをみていたら、
なかおかさんが話しかけてきた。


「さっきのお約束しますか、****お嬢様?」


にっこりあたしを見つめる。
なんだかめちゃくちゃ
なかおかさんが
機嫌よさそうだよ?

なかおかさんが
手を出してきた。

さっきのゆびきりの続きかな?


うん。あの4つの約束
守ってもらえるんだったら
なかおかさんとゆびきりするんだ。


思わず手を出そうとしたら、
ぱぱがあたしをだっこしたまま
身体をよけて
中岡さんの手が遠くなった。


「あ・・・・・、ぱぱ?」


「こら。勝手に約束するんじゃない」

ぱぱがなかおかさんを
軽く睨みながら
背中をむけた。

「****も。見ていないところで、あんな約束をしたらだめだ」

「?なんで?」

「・・・・なんで、でも!」

「? だってなかおかさんだよ?」


「・・・・誰だってダメだ」

「???ぱぱ、意味わかんないよ?」

ぱぱの顔を
そーっと覗き込むと
目のところに皺を寄せて
目を瞑ってる。

なんだか急に
機嫌が悪くなったぱぱと
あたしの会話をきいて
なかおかさんがくすくす笑い始めた。


「・・・・何がおかしい?」


ぱぱの顔がちょっとだけ
赤くなってる?


「いや・・・。本当にお前って」


そこまでいって、中岡さんが
それ以上いえないのか
くすくす笑ってる。

ますます、ぱぱが
むっつりしてきたよ。


「もういい。****、部屋に行くぞ」

子どもはもう寝る時間だ。


そう言われて
部屋の時計を見ると
9時だった。


ぱぱはあたしを
抱っこしたまま
なかおかさんから離れた。

あれー?
なんか、ぱぱったら
変な態度。

今日はあたしの誕生日パーティだし
もうちょっと起きていたいよ。


そう言おうとしたんだけど
でもこの様子だったら
きっとこのまま部屋に
つれていかれるんだろうな。


こういうぱぱになったら
わがままとか聞いてくれないの
わかってるから。

もうおとなしく、
ぱぱの言うとおりに
部屋に戻ることにした。



あたしは、抱っこされながら
ぱぱの肩越しに
遠ざかっていく
なかおかさんに
ちょっと手を振った。

(なかおかさん、またねー)

なかおかさんもちょっとだけ
手をふってくれる。

(ばいばい)




「片付け終わったら、ビリヤードのところに行くよ」



さっきの件は
ビリヤードの勝敗で決めよう。


笑い声が混じった
なかおかさんの声が
聞こえてきた。


でも・・・・その声にも
ぱぱは返事しなかった。


へーんなの。






遊戯室を出た後
やっぱりぱぱは一直線に
あたしの部屋に行く。

階段を上る振動に揺られながら。
ちらりとぱぱの顔を見ると
無表情だった。



ん・・・・。



なんか、ぱぱ。

さっきのなかおかさんとのこと
怒ってるのかな?
何も話してくれないし。



ぱぱが怒ると悲しい。


「ねえ、ぱぱ?」

「・・・・・・」


「ぱぱ、怒ってるの?」


「・・・いや」


たまにこういうぱぱを見る。
大体は、ままに対して
ぱぱがこんな感じ。

大好きなパパに抱っこされて
部屋に戻るっていうのに
なんだか寂しくなった。


(ぱぱ、笑ってくれたらいいのに)

廊下を渡って
あたしの部屋に着く。


「ほら、部屋に着いたぞ」


自分の部屋のベッドのところに
優しく下ろされた。


「もう寝る時間だからな」


「慎おじちゃまや、なかおかさんとかゆーとさんたちはまだいるの?」

「ああ、もうしばらくいるだろうな」

「あたし、寝なくちゃダメ?」

あたし、もっと慎おじちゃまや
ゆーとさんや、なかおかさんと
遊びたいよおおおお。


「****は、もう寝る時間だ」

そう言って、ぱぱがあたしに
着替えを渡す。


白いパジャマ。
あたしが大好きな
メリーゴーランドの刺繍が入ってる。



あー着替えたら
今日が終わっちゃう。


「ほら、あっち向いて」

今日は誕生日パーティだったから
ぱぱが選んでくれた
赤いドレスを着ていた。

後ろで結んだワンピースのリボンを
解かれて、背中のファスナーが下ろされ
頭から脱がされる。

脱いだワンピースをパパに渡して
頭からパジャマを被った。

裾すれすれの長さの
パジャマ。

お姫様みたいで可愛いって
ままが買ってくれたパジャマ。


ぱうだーるーむで
顔を洗ったら
ぱぱがタオルをくれて
ごしごし拭かれた。

かみのけを結んでいた
りぼんをとられて
ぱぱがお片づけした後
ブラシをしてくれた。

はみがきをごしごししてたら
ぱぱがカーテンしめて
眠るじゅんびをしてくれた。



「さあ着替えも終わったし、布団にはいって、もう寝るんだ」

「・・・はあい」


返事はしちゃったけど

でもねむくないよ?


ぱぱがそんな風だから。

ぱぱ、ちょっと機嫌が悪そうで
そのまま、もうおやすみなさいの
挨拶をしそうだ。


でも、あたしはまだ
もうちょっと一緒にいたくて。




ちょっとだけ思いついた。



・・・いたずらしたら
一緒にいてくれるかな?






あたしは、ぱぱの洋服の裾をひっぱった。

ぱぱは今日はパーティだから
たきしーどを着てる。
とてもカッコいいの。



「ぱぱ。お願いがあるの」

「ん?」

「ちょっとだけ、目を瞑ってて!」

「???」

「いいから!おねがいー」


そうお願いしたら、
ぱぱはあたしに
目線を合わせるように
しゃがんでくれた。

いつもきびしそうなぱぱだけど
あたしが「おねがい」したら
大体やってくれるの。

目を瞑ったぱぱに。
あたしは。




そうっと近付いて。


耳の横の眼鏡のふちを
両方、一緒につまんで、
ぱっと取った。


「**** ???!!!」

「えへへへ」


びっくりして目を開けたぱぱに
眼鏡をとられないように
あたしは両手で後ろに隠して
鬼ごっこのように
部屋のすみまで走った。

驚いた顔のぱぱが嬉しくて
思わず笑った。


「ぱぱ、驚いてる!!!」



一瞬びっくりしてたぱぱだけど
歩いてきたと思ったら
でも、次の瞬間、
ぎゅっと抱きしめてきた。


「こら。いたずらっ子」


「!!」


びっくりして、両手で持ってた
眼鏡をぽろって落としてしまった。

「あ!!」

驚いて落としてしまった眼鏡を
ぱぱがさっと拾う。


「ほら危ないだろう、落としたら壊れるかもしれない」


そういって眼鏡をかけなおした
ぱぱがあたしを見つめる。


あー、一瞬だけだった、
いたずら成功したのは・・・・。


ぱぱってスキがないから、と
ままはいってるけど
本当にそうだと思う。


眼鏡を落としちゃったから
怒るかな?と思って
もじもじとしてたら。

何も言ってこないパパが。
いきなり、ふっと笑った。


「****・・・・・・眼鏡を取ったのは、かまってほしかったからなのか?」


声が優しい。
あれ?
なんでわかるの?

・・・・ぱぱって
たまに、あたしの心を
読んじゃうことがある。


ぱぱにはウソつけない。



「・・・・うん」

もうちょっとだけ
ぱぱと一緒にいたかったんだ。
ぱぱ、怒ってるみたいだったから。



そういって謝るように
ぱぱの顔を見たら
ぱぱが苦笑してるのがわかる。


そして、あたしをもう一度
ぎゅっと抱きしめた。


ぱぱの匂いがする。
ぱぱ、なのに、ぱぱって
とてもカッコいいから
ドキドキするよ?


あったかくて大好き。


ぎゅーッと抱きしめながら
あたしの髪の毛も
撫でてくれる。

「****」

とても幸せになる。



「・・・ほんと似てるよ」


見た目もそうだけど
中身もそうだとはな。


ぱぱが呟く声が聞こえる。
なんだかとても嬉しそう。



????

訳わかんない。



でもぱぱに
「もうちょっと一緒にいて」
作戦は成功したから。

あたしをぎゅっと
抱きしめてくれるから。

嬉しくて。

ぱぱーって呼んだら
抱きしめられた背中を
あやすように、トントンと叩かれた。


「**** は本当に甘えん坊なんだから」



ぱぱ。

あたし、ぱぱのことが一番好きだよ。












ベッドの中に入ったら
ぱぱが布団をかけてくれた。

布団からちょっとだけ手をだす。
その手をぱぱが握ってくれた。



今日の誕生日パーティ。

ぱぱやまま、慎おじちゃまや
なかおかさんやゆーとさん。
大好きな人たちが
みんな来てくれて嬉しかったな。


思い出して、ほんわかする。

沢山のきらきらしたもの。
沢山のプレゼントもある。

積まれているあれを
(ほとんどが慎おじちゃまからのプレゼント)
明日は、1つ1つ見ていこう。

しゅんに手伝ってもらって
ラッピングをあけて
何が入ってるか見てみなくちゃ。

お外で遊ぶのが入ってたら
それを持ってお庭に行って
たかやにお願いするの。

そうだ。
今日はたかややせいごと
遊べなかったから
明日お庭に行ったときに
遊ぼうって誘おう。

今日、お部屋にたくさんの
あたしが好きなお花を
つんできてくれてありがとうって
伝えなきゃ。



思わずにっこりしながら
眠りそうになるあたしの頭を
ぱぱが撫でてくれる。


いつも眠るまで
ぱぱがこうやって
傍にいてくれる。


昼間いつも傍にいられないからって。
眠る前は必ず一緒に過ごしてくれる。


撫でてくれる手が
あったかくて
気持ちいい。




「ぱぱ。今日楽しかったね」

「ああ」

「沢山の人来てたし、みんな楽しそうだったよ」

「ああ、そうだな」


段々と瞼が下がってくる。



「ねえ、ぱぱ」

「ん?なんだ?」


眠ろうとしてたけど
でもどうしても
ききたいことがあった。


「いつかあたしにも、せんぞくしつじが出来るかな?」


あたしの質問に
ぱぱがくすっと笑うのがわかる。


「本当に専属執事が欲しいのか?」


うん。

そうか。

ぱぱが呟く声が聞こえる。

もう少し大きくなったら
専属執事つけても
いいかもしれないな。



あこがれのせんぞくしつじ。


「・・・・・あたし、ぱぱみたいなせんぞくしつじがほしい」


ままに毎日愛してるっていう
ぱぱみたいな人がいい。
あたし、ままみたいに
大好きな人とけっこんして
毎日ハグしてもらうの。

そんな人が
あたしのせんぞくになるといいな。


眠くてしょうがなくて
話してることばも
ごにょごにょ
上手に話せてない。



ぱぱは何も言わずにずっと
あたしの頭を撫でてくれた。
その手の温かさが好き。


返事は聞こえなかった。


「おやすみ、****」

そっとあたしのベットから離れて
部屋の電気を消す。


「おやすみなさい・・・」


ドアが静かにしまる。
眠くなってぼーっとしているけど
耳を澄ましていると
廊下を歩くぱぱの足音が
別のドアの音と共に消えた。

きっとパーティの方に
戻ったんだ。


あたしはまだ子どもだから
先に眠っちゃうけど。
おとなの人達は
パーティを楽しむんだろうな。

あたしも大人になったら・・・・。



(いつか、あたしもぱぱみたいに素敵なしつじが・・・)


眠気の波にゆらゆらとしながら
ふと、なかおかさんの顔が浮かぶ。


・・・愛してるって言ってたけど
あんな、愛してる、じゃなくて
あたしがききたいのは
もっと特別な感じで、だよ。


ぱぱが毎日ままに言うような。



・・・・なかおかさん
あたしのしつじになるのかな?



でもなかおかさんは
ぱぱがままを好きなように
あたしを好きじゃないのに。

あいしてる、の種類が
違う、気がするよ。

あんなにかんたんに
ぱぱはままにいわないもの。



・・・・よくわかんないや。





・・・・いつか、あたしにも
ぱぱみたいなしつじができるといい。

(それで、ままみたいに愛されるの)

何度も何度も
そればかり思い浮かぶ。




毎日あいしてるって言われて
幸せになるの。



眠くてしょうがなくて。
目を瞑ったら、すうっと眠った。






夢の中で、あたしは
ぱぱじゃないけど
ぱぱみたいに
あたしのことだけを
見つめてくれて
愛してくれる人に
抱きしめられて
愛してるって言われた。


ほんわかしてて、
ふわふわしてて
あったかいんだけど
なんだか、ちょっと苦しいの。
ぎゅーと抱きしめられたみたいに
なんか不思議な気持ち。


苦しいよ~。

涙が出るかなって思ったら
涙とか悲しくならなくて
すごく幸せな気持ちになった。




ままは、こんな気持ちを
毎日ぱぱからもらってるの?






ぱぱとままが出会ったように。
いつか、出会えるといいな。



あたしのことを
心から愛してる人に。


ぱぱみたいに
毎日愛してるって言ってくれる人に。


あたしもその人のことを
とてもとても好きになるの。

毎日あたしもままのように
あたしも愛してるって返事するから。

ままがぱぱの手を
ぎゅっとにぎって
やさしくささやくように。



世界で一番好きな人に
めぐりあいたい。







きっと、いつか。






・・・・・きっとそれまでは
ぱぱがあたしの一番。




ぱぱ、だいすきだよ。













****** I Love You,Daddy!! Fin. *********














◇ あとがき◇

思わず書きたくなって
あれこれと自分の中で
こうだったらいいな、と
想うものを詰めました。

真壁がパパになったら。

きっと娘ができたのなら
娘にはとっても甘いと想う。

パパになっても
きっと恋人同士の時のように
真壁は接してくれるはず。
多分、恋人>妻じゃないかな。
そう想う気持ちが
このお話を書かせてくれました。

途中で出てくる樫原さんと中岡さん。
彼ら2人は、あたしの中で
特別枠なので、敢えて
娘と絡ませたかった!

特に樫原さんとのちょっとだけ
特別な関係や、
中岡さんとの優しい関係も。

いつか、ママとパパが出会ったように
自分もとても愛する人に出会いたい。

相手から愛されて大事にされ
自分も相手のことを心から愛して。

そんな風に想う娘を
描きたかったです。

「ぱぱだいすき」ってタイトルと
「I love you, Daddy!!」のどちらも
このお話のタイトルで迷いました。
どっちも同じ意味なんだけどね。

いつものように
恋愛話じゃないんだけど・・・・
たまにはこういう話もいいかな。

気に入ってくださる方がいたら
とても嬉しいです。
オリジナル要素も強いので
書いてUPするのを迷ったのですが
あたし自身、このお話を書けてよかったと
想っているので、こちらブログでも
UPしました。サイトのほうでも
UPするので、娘の名前を入れて読んだり
もしくはご自分の名前を入れて
読んでみてください♪

最後まで読んでくださって
読んでくださってありがとうございます♪
心より感謝申し上げます。



12. August. 2009.つぐみ


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