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2009年7月22日の皆既日食。

その想い出を残したくて
書きました。
真壁のお話です。

長いので分割にしています。
この記事はその2になります。
その1その3

1つの記事で全文を
読みたい方は、こちらからどうぞ。

以下、創作になりますので、
ご了承の上、お読みください。



************ eclipse of the love その2 **********






「お嬢様。10:57ごろピークだそうです」


「そうなんだ~」


じゃあ、まだ時間があるね。


そう言って、真壁さんが
入れてくれた紅茶を飲みながら、
部屋でのんびりしようとしたら、
既に10時前にもう
庭に移動するように言われた。


場所はいつものあずまや
じゃなくて、もっと広いところ。

観測するときに
邪魔にならないように
高い木や建物がないところ。


幸い九条院家の庭は広いから
高い木をあまり植えてない
庭の奥の噴水のところに
ガーデンテーブルを置き
そこでティータイムをしながら
観測することにした。




今日の真壁さんはちょっと不機嫌。



カップにお茶を注ぐ
真壁さんの様子を
ちらりと盗み見る。


昨日、ああやって
眉間にしわ寄せて無言で
難しい顔をしたあと。


あたしが義兄さんから
許可をもらって(ぶんどって)
「明日は学校休んでもいいんだ」
だから観測の準備してね、と
頼んだ後。

少しびっくりした顔をして
その後、執事の仮面を
すっと被ってしまった。



今日はズル休みを
しちゃってるから。

多分(真壁さん理想の)
お嬢様にあるまじき行為なんだと想ってるんだわ。



(・・・確かに学校休んじゃったのは悪いけど)



でも、今日は真壁さんと一緒に
この皆既日食を見たかったの。


無理に頼み込んで
堂々と見たかったの。


だってそうじゃなければ
専属執事の真壁さんが
抜け出して
あたしも学校抜け出して
一緒に観測、なんて
出来るわけなかったから。


最初から真壁さんと
一緒に皆既日食を
みたいのなら、
こういう手を使うしかなかった。


今日のこの貴重な時間は
あたしと貴方のものなんだよ。



そう告げたかった。


でも、ちょっと不機嫌になった
真壁さんは昨晩から
むっつりしてて。


いつもだったら、執事として
一日の終わりの挨拶をした後に
恋人として挨拶で
額にキスしてくれて
おやすみなさいをしてくれる。

たまにはそれから先も
部屋にいてくれて
キスしたり・・・それ以上したり
そのまま一緒にいてくれたりするのに。



昨日はむっつりしたまま、
出て行ってしまった。



(なんで、こんなに怒るかわかんない)


わかんないけど・・・・。



でも滅多に見れない皆既日食を
真壁さんと一緒に見れるっていう
楽しみや喜びで、あたしは笑顔だった。




「ねえ、真壁さん」

「はい?」


「黒いフィルム貸して?」


そう言って真壁さんが
急遽準備してくれた
太陽を見る黒いフィルムを
貼った眼鏡みたいのを取ってもらう。



不機嫌でもいいの。


一緒にダイアモンドリングを見たいから。




特別な日を一緒に過ごしたいから。


きっと一生の想い出に残る体験だと想う・・・。




真壁さんがあいかわらずな
執事の顔で表情も変えずに
フィルムを取ってくれる。


眼鏡みたいにかけれるように
真壁さんが昨日のうちで
工夫して作ってくれていた。



それをかけてみる。



視界は黒い。


空を見上げる。

星も何も見えない。






太陽は確かこの位置だった・・・。




そう想って顔を上げて
黒い視界に太陽を探す。


どこだろ・・・、確かここらへんかな?



そう想ってよく目を凝らしたら。



いつも見ているサイズの
太陽じゃなくて、もっと
小さくなって、はっきりと
その形がわかる、太陽があった。


燃えるような赤いオレンジ色。


少しだけ欠け始めているのがわかる。


三日月のような朱色の太陽。


(素敵・・・・神秘的だわ)






「うああ!!すごい!!」


真壁さん、見てみて!!
もう欠け始めているよ!!


そう言って横にいるであろう
真壁さんを捕まえようとしたら、
ずっと上を向いて
太陽をみていたせいか、
ふらっとした。


あ・・・・!!


思わずふらついた体を
つかさず真壁さんがぎゅっと
捕まえてくれる。
その手は力強い。


「ほら、危ないだろう?」

思わず恋人の口調で
話しかけられて
あたしはどきっとする。


近い・・・・。
距離が近い・・・!

転びそうになったから
支えるために
すぐ傍にいるにしても、
急にこうやって
大好きな人から
抱きしめられると
さすがに恥ずかしい。


「あ・・・・ありがとう」

思わず口ごもってしまう。
多分、見えてないけど、
あたしの頬は、赤くなっているはず。


興奮のあまり、
真壁さんを呼ぼうとして
ふらつくなんて・・・。


(子どもっぽかったかな)


それもまだ黒いフィルムの
眼鏡をかけたままだから、
真壁さんがいるであろう方向を見ても、勿論視界は黒いまま。


急いでその眼鏡を外して
真壁さんにその眼鏡を
渡そうとしたら
その手をさえぎられた。

ぎゅっと握られる。

(え・・・・?!)



「本当にやんちゃなんだから」



そう呟く声が聞こえた次の瞬間、
すばやく唇が奪われた。



「っ!!!」


黒い眼鏡の下で
あたしは目を見開く。



「っ・・・・!!!ま、真壁さん!!!」



思わず動揺した声を出した
あたしに、またまたくすっと笑う
声が聞こえる。



心臓がどきどきする。




「やんちゃなお嬢様には、これくらいしなくては、騒ぎが収まりませんからね」



わざと困った風に笑いながら
あたしの専属執事兼
恋人は言ってくる。



その言葉に響いている
少しからかうような
甘い響きに心が跳ねながらも
子ども扱いは嫌だと
あたしは訴えようとした矢先。


またキスをされた。


それも覆いかぶさるように。




「!!!!!!」


一瞬何が起こったか
わからなかった。

気がついたら
唇がきつく吸われている。
舌で割られる唇。


(ま、真壁さん!!こ、こ、庭だから!!!)

誰かに見られたら・・・・
と考える前に
そのキスの甘さに
一気に心がさらわれた。




「・・・・んん・・・あ・・・」


ぎゅっと口腔に入ってきた
真壁さんの舌で
舐められるように吸われて
ふらつきそうになる。

その強烈さに目を見開きながらも。


次第にそのキスに酔い
気がつくと
あたしは目を瞑っていた。


黒フィルムの眼鏡で
顔が見えない分だけ。
感じてしまう。


真壁さんの息遣いや。
その唇の感触や
舌の動き・・・。


他から見えないように
わざと覆いかぶさるように
抱きしめられている温かさや
執事服がする真壁さんの匂い。


息が詰まりそう。


急に訪れたこんなキスに。
全て奪われたように
思考停止した。



やがて、ゆっくりと唇が離れる。



強引なキス。



あたしの言葉さえ
全て飲み込んでしまう。


大胆不敵な真壁さんそのもの。


でも・・・・それはすごく甘くて。
ここでそんなのダメだよって
責めたいけど
でも、もっとして欲しくて。



「・・・・・・真壁さん、もっとして」

あたしは思わず訪れた
恋人同士の時間をもっと
長引かせたくて・・・・。


太陽観測用の眼鏡を外して
愛しい人の今の表情をみようとした。



それをすっと遮られる。



「だめだ」

「・・・・え???」


その手が眼鏡を取るのを防ぐ。


両耳を押さえるように
眼鏡を外すのを
両手で塞がれて
あたしはびっくりした。



「な、なんで?」


「お嬢様、今は学校をズル休みしてまでも見たがっていた皆既日食の時間ですよ」


想いっきり嫌味をこめながら、
そしてからかいながら
真壁さんが意地悪そうに
あたしに言う。


「この眼鏡がないと、太陽の光で目をやられてしまいますし、欠けている太陽を見ることは出来ないですよ?」



「せっかく旦那様にも“おねだり”をしてズル休みしたのに、日食をみなくては勿体無いではないですか」



おもいっきり、「おねだり」の部分に
意味ありげな力が込められる。



「っ・・・・・!!」



真壁さん、あたしが義兄さんに
抱きついておねだりしたのを
知ってるんだ!

思わずぱっと気づいて、
言い訳しようとしたら


「ま、真壁さん、あれは・・・・」


その唇を真壁さんの指で
しーっとふさがれた。

唇に立てられた指が
ゆっくりと唇をなぞる。

それ以上喋るなと
暗に示している。

思わずその仕草で
黙り込んでしまった
あたしに、そっと
真壁さんの顔が
近付くのがわかる。



顔の近くで囁かれる。
その息遣いが
あたしの顔に触れるのがわかる。


「わかっておりますよ。どうしても皆既日食が観たくてたまらなかったんですよね?」


執事調の落ち着いた声で
言われたすぐ後に耳元で


「とはいっても、他の男に抱きついたなんて、いくら義理の兄の旦那様だとはいえ、恋人としては許せないがな」


むっつりした恋人の声が聴こえた。


あ・・・・・。


もしかして。


昨日から真壁さんが
むっとした感じで
怒ったまま
夜の挨拶も抜きだったのは
こういう理由だったのかな?


「真壁さん、違うの」


日食をどうしても見たかったのは
訳があって・・・・っ!

言い訳しようとするあたしを
真壁さんが見つめているのがわかる。

う・・・・眼鏡をしているから
顔まで見えないから、
真壁さんがどんな気持ちか
ちゃんとはわからないよ。






*********************


その3はこちらから。
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