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きつねのはなし  09/16/2007  
きつねのはなしきつねのはなし
(2006/10/28)
森見 登美彦

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不気味な話、4篇。

第1話の「きつねのはなし」では、芳蓮堂という古物屋でバイトをする
主人公が、ある特殊な客である天城さんとの取引に取り込まれる話。
きつねのお面がモチーフのように、ところどころ出てきて、気味が悪い。

けして小さなものでも、彼とは取引はしてはいけない。

その取引が最後にはどうなるのか、そして、それを止めることが出来るのは。

恐ろしいです。大したものではないから、と、取引をしてしまうと、
最終的に一番大事なものを取引に引き出されてしまう。

本当にニンゲンなのか、天城さん!?と聞きたくなる不気味さでした。
ナツメさんの人物設定が、弱弱しいようで強く、そして巧妙で実に人間らしい。
生きている「物」に取り憑かれた人々の話、といいましょうか。
人間じゃない「物」を巡る奇妙に歪んだ話、と言い換えたほうがいいかもしれない。

そして、第2話。

「話すに値する人間」とはどういう人間なんだろうか。
話始めると、とても魅力的で、そして面白く、彼の話を聞いているだけで
自分はなにも成し得てないと思うような相手。
そんな登場人物が出てきます。
彼の話は、確かに色々なエピソードが満載で面白い。
面白いんだけど、実は、その話は・・・、という展開。

話しがつまんなくてもいいじゃんー、って思う一作。
主人公が尊敬する話の上手い先輩って、話している内容が全て
「過去の出来事」であるのが、自分的に「過去の自慢話ですか?」みたいな
そんな印象を抱きました。過去の話ばかりしている人間は、あんまり好きじゃない。
これまでの人生、どれだけ起伏があって、色々な出来事や事件があって
そして自分はこういう奇妙な人生を歩いてきた、なんて、吹聴すればするほど、
その過去は、ただの飾り物に過ぎなく、その人本人を空虚にしてしまうね。

あと、印象的だったのが、第3話の「魔」。

街をぶらぶら歩くのが好きな主人公が出会う、「魔」のケモノ。
あいつは昔からここにいたんだ、という過去の出来事を思い出す街の人々。
ケモノはどこにいるのか、ケモノはいったいなのをしたのか。

こんなん読んだら、街ブラとか怖くて出来ないですよー!
最後にケモノは倒されたんだろうか。
ケモノとの対決シーンで、あっと驚く結末があります。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

森見作品にハマって、それでこの作品を図書館から借りてきたのだけど、
一風変わった作品でした。京大半径3kmを舞台にしたご都合主義な
ドタバタ・ファンタジーとは一味違って、大正時代や昭和初期などの
あの日本の空気を感じさせる作品ばかり。京極夏彦の妖怪の世界とは違うよ。
一番最後の第4話「水神」で琵琶湖の流水を堰き止める役目を果した
樋口一族のその後の話など、非常に濃密な話もあります。
水神、ってタイトルからしても、まさに昔の日本にあった民間伝承のような
滅びる前の静けさを湛えるダムに沈んだ村など、キーワードがちりばめられた作品。

全体的に、この本1冊の中の4話が、ところどころ繋がっていて、
それを読み進めるうちに、1話では知りえなかったこと、そしてその後の展開など
謎が明らかにされていくのが、面白いかな。

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