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( ゚Å゚) ああ・・・核心に迫りつつある。

樫原さんの良いところを
沢山沢山書きたいんです!
樫原さん、大好きだから。

なのに、なぜか書いていると、
樫原さんが腹黒に見えるという
大変なはめに・・・(T∀T;)アセアセ
違うだろ、自分・・・。

樫原さんはもっと素敵で
もっと優しくて、もっともっと・・・・
とりあえず、素敵なはずなんだ!

激しくキャラ崩壊を
しているような気がします。

それだけは避けたいのに!!
大好きなのに、樫原さん。
だから?上手く書けないのは・・・?

もう、樫原さんへの謝罪の気持ちで、
樫原さんLOVEなSSを書きたくなりました。
ごめん、樫原さん・・・。

(すいません、以上、樫原さんに捧げる懺悔でした)


長くてすいません(←恒例)
でも、一生懸命なの。
ちゃんと蛇行しつつも、
終わりに向かってる。
うん、大丈夫。

溜息が出るけど、でも・・・。

ぐたぐたをどうにか抜け出して
きちんと終わりを書きたい!
そう願うあたしがいます。
この21話、かなり、格闘しました。
22話も、格闘してます。
ああ、かなりの精神力使ってるよ。

真壁・・・・(ノДT)アゥゥ

読んでくださる方がいて、
本当に嬉しいです。
長くなって、本当に申し訳ないのに、
それでもいつも応援してくれる
方がいてくれて、
いつもいつも感謝してます。



【前回までのリスト】

・ダンスのお相手は?1 幕開け
・ダンスのお相手は?2 レッスン開始
・ダンスのお相手は?3 甘やかしてくれる人
・ダンスのお相手は?4 誘惑
・ダンスのお相手は?5 揺れる心
・ダンスのお相手は?6 告白 
・ダンスのお相手は?7 情熱
・ダンスのお相手は?8 好きという気持ち
・ダンスのお相手は?9 イアリング
・ダンスのお相手は?10 嘘の数 
・ダンスのお相手は?11 涙色の空
・ダンスのお相手は?12 熱
・ダンスのお相手は?13 廃墟の中の2人
・ダンスのお相手は?14 2人だけの世界
・ダンスのお相手は?15 口紅
・ダンスのお相手は?16 夕暮れ
・ダンスのお相手は?17 どこまでも
・ダンスのお相手は?18 禁止の言葉
・ダンスのお相手は?19 ワルツ
・ダンスのお相手は?20 知らなかったこと


以下、創作になりますので、
ご了承の上、お読み下さい。


↓↓↓
















********** ダンスのお相手は?21 ********






「どうして・・・・・樫原さん」


あたしは自分の声が
掠れているのがわかる。

背中に当てられた樫原さんの手。
それにも、あたしが震えているのが
伝わるはず。

あたしの言葉に
樫原さんは答えない。

「ねえ、どうしてなの、樫原さん!」

思わず、そう責めてしまった後、
言葉と一緒に涙がこぼれた。

「お嬢様・・・・」

あたしの顔を
じっと見つめる樫原さんの表情は
ライトが逆光で見えない。

でも、そんなの関係ない。

「樫原さんは知ってたんでしょ?」

「緑川さんと縁談ってどういうこと?」

「ねえ、答えて、樫原さん・・・・」

矢次に質問しながらも、
あたしは悲しくて
苦しくてしょうがなかった。


樫原さんは黙ったままだ。
どうして答えてくれないの?


あたしはじっと
樫原さんを見つめた。
頬に涙が伝う感覚がある。

ああ、そうだ。
泣いているんだ。

背中に回された手が
そっと降りた。
そして、樫原さんのその手が
あたしの涙をぬぐう。

「お嬢様・・・すいません」


樫原さんがいつもとは
違う声で謝る。



どうしてなの?
樫原さん、どうしてそこまでして
あたしと真壁さんを
引き離そうとするの?
どうしてそんなに
あたしを傷つけるの?
どうして、そんなに
あたしを困らせて・・・。

ひどいよ、樫原さん。
ひどい・・・・。



涙をぬぐわれるままに、
あたしは顔を背け、
思わずそう呟いた。


ひどい、としか、
言葉が出てこなかった。


その言葉で、樫原さんの顔が
少し歪むのがわかる。

でも、顔を背けても、
樫原さんが
あたしの頬を伝う涙を
ぬぐうのはやめなかった。


その指が優しく頬を撫でるたびに
あたしの心は余計に荒立っていく。


今まで、こうやって樫原さんに
きつい言葉をいたり
罵ったりするようなことをいうことは
なかった。

多分・・・樫原さんが
全て悪いわけじゃないって
あたしにもわかってる。


でも、あたしは混乱と怒りと
そして、悔しさや苦しさで
目の前にいる樫原さんに
その気持ちをぶつけた。


「・・・誤解です、お嬢様」

あたしの責める言葉に
樫原さんが苦しそうな声で
否定をする。


「じゃあ、どうして?」

あたしは、とても悲しくて
仕方がなかった。

知らなかった縁談の話も
執事との恋愛を卑下されたことも、
樫原さんが緑川さんを
止めてくれなかったことも。


全て全て。


涙はいつの間にか
とまっていた。

涙をぬぐってくれた
優しい指が
そっと下ろされるのを
見つめていると。


あるひとつのことに
気がついた。
なぜ、今こんなにここで
傷ついているのか。


それは樫原さんが
あたしを裏切った気が
するからだ。


真壁さんのことで
色々あったし、
このダンスのレッスンの間も、
樫原さんに想いを寄せられたり
いろんなことがあった。


でも、こうやって
あたしが知らないところで
なにかが動いているのを
樫原さんが知っていて、
それをあたしに告げなかったことが
裏切りのように思えた。


樫原さんは、いつも
あたしの味方でいてくれたから。

九条院家に来たときから。
樫原さんのことを
お兄さんのように頼ってた。

あたしを支えてくれてて、
苦しんでいるあたしに
手を伸ばしてくれたり、
庇護してくれる人だと
想っていたから・・・。


「樫原さん、緑川さんから縁談の話を聞いたわ・・・」


「それは・・・・」


あたしが告げた言葉を
さほど驚かなかった
樫原さんの態度に
あたしは、やっぱり、と想う。

やっぱり、樫原さんは
緑川さんからの縁談の話を
知っていたんだ。


じっと樫原さんを見据える。
樫原さんも、じっと
あたしを見つめているのがわかる。


「ねえ、樫原さん、本当のことを教えて」

あたしが引き下がらないのを見て、
樫原さんが少し困っているのがわかる。


でも、あたしは、
今ここで聞かないと
気がすまなかった。


「・・・・お嬢様、お話しますので、とりあえずここではないところで・・・」

手を差し伸べて
奥の方に促そうとするのを
あたしは断った。

「いやよ」

話すまで、ここを動かない覚悟を
樫原さんに伝えると、
樫原さんがさらに困ったように
小さな溜息をついた。


「・・・・・ここでは人目がはばかられます」


そう言われてみて、
あたしは気づく。


テラスだとはいえども。
人がいないとはいえども。

テラスのドア越しには
さっきのパーティ会場があって、
誰か人が来てもおかしくないってこと。


少し周りを見渡した。
目が慣れてきて、
暗いテラスの中でも
テラス越しの外の様子や
中がよくわかる。


「きちんとお話しするには、ここはふさわしくありません」

そう言われると、
あたしも、そう思う。

多分、緑川さんの縁談の話は・・・
きょう、この緑川邸宅でするにしては
とても微妙な話なのかもしれない。


それに、さっきのあたしの失態も・・・。


少し気づいたあたしが
おとなしくなったのを見て、
樫原さんが、少しだけ笑った。

多分、あたしが責めたのを
怒ってないよ、って
顔なんだと思う。


「・・・・ごめんなさい」
大きな声を出して。


そう謝るあたしに、
樫原さんがそっと近付いてきて
背中に手をまわし、促した。

「あちらへ参りましょう」


あたしは、その樫原さんの
エスコートのまま、
歩き出した。

長く取られたテラスを、
入ってきた場所じゃなくて、
反対側からパーティ会場に出る。


テラスを出て、パーティ会場に戻ると
そこはまだ人が沢山いて、
踊っている人や、
ソファで談笑している人がいる。


その人込みを掻き分けるように
樫原さんがあたしをエスコートしてくれる。


あたしは、目線を下げたまま、
そのパーティ会場を歩こうとしたら、
小声で樫原さんから囁かれた。


(お嬢様、顔を上げてください)


(え・・・?)


(沈んだ顔をすると、ここでは目立ちますので・・・)


「・・・・・・」


こんなパーティ会場で
人目につく場所であるのなら、
九条院家の令嬢にふさわしいように
振舞わないといけない。


それはわかっているのに。


何度もそれは真壁さんからも
言われていることなのに、
こんな気持ちのときに、
仮面を被るように、
「お嬢様」でいることが、
あたしはとても苦痛だった。


いつも、人目にさらされて。
対面的なことばかり
取り繕わなくてはいけなくて。
けして本心を見せてはいけない。




前に晶さんからも言われた。



本心を見せるのは
自分が決めた人だけでいい。
全ての人に
自分をさらけ出すことはない。



その言葉が今、
急に思い浮かぶ。



・・・姉さんが九条院家の
御曹司である義兄さんと結婚したから、
あたしはこちら側の世界に入った。


この世界に入らなければ・・・・。


そこから得たのは、
義理の妹を目に入れても痛くないくらい
大事にしてくれる義兄さん。

そして、恵まれた生活。

いつもあたしの傍にいて
世話をしてくれる専属の執事。

真壁さん。

大好きで大好きで仕方なくて
いつも心惹かれてしまう人。
この人しかいらないと想うほど
大好きな人。

こんなに誰かを好きになるとは
想わなかった。
ここまで好きになった人から
沢山沢山、あたしが想っている以上に
愛される幸せも、
真壁さんから逢うまでは
わからなかった。



だから・・・・
あたしは、九条院家の令嬢になって
後悔はしていない。
この世界に来たことも。




でも・・・・。




自分の知らないところで
縁談が進んでいたり
大好きな人との恋が
叶うはずがないなんて言われて。


あたしの中で
改めて、義理だとはいえ、
九条院家の令嬢となった
自分に対して、
自分のこれからに対して
不安が生まれてきた。




(真壁さんに逢いたい・・・・)


早く帰りたい。
早く帰って、
真壁さんに逢いたい。
逢って、キスしてほしい。
あたしが安心するまで。
今日の夜のことが
全て忘れてしまえるまで・・・・。

こんな不安をかき消すのが
出来るのは真壁さんだけだ。


泣きそうなほどの気持ちで
想うのは、真壁さんのことだけだった。













樫原さんにエスコートされ、
パーティ会場の部屋を出る。

長い廊下を歩きながら、
樫原さんが空いた部屋を
近くを通ったメイドさんに聞いて
1部屋都合してもらっていた。


あたしの気分が悪いから、
少し休ませたいと。



パーティだと、
こうやって空きの部屋が
ゲストルームが準備されてて
気分の悪い人とか
眠りたい人が
その部屋で泊まることが
あるらしい。





案内された部屋に入ると、
樫原さんが、後ろ手で
部屋の鍵を閉めた。






その鍵のかかる音で振り向く。




カチリ。



・・・鍵をかける音でさえ
真壁さんを思い出させる。

2人きりのパウダールーム。
沢山キスしたこと。
あたしを食べるようにしてくれるキス。
後ろから抱きしめられた腕の強さ。




それさえも、
今は遠い。



切ないほどに繰り返し繰り返し
思い出すのは、
真壁さんへの想いだけ。



早く真壁さんのもとに
帰りたいと思っているのに
まだ帰れない自分がいる。








樫原さんと2人きりの部屋。


さっきまでの
パーティの喧騒が
まったく聞こえない。



緑川家のゲストルームは
あたしの部屋ぐらいの大きさがあった。
ソファにベッドもある。
部屋にもテラスがついている。
パウダールームもある。



「お嬢様、どうぞ」


樫原さんが
ソファを勧めた。

「・・・・・・。」


黙ったまま、樫原さんを
立ち尽くしているあたしを見て、
樫原さんがくすっと笑う。


「ほら、こんなに泣いて」


そういって、手をのばし、
指で頬をなぞる。
その仕草はとても優しい。


2人きりの部屋になったからか、
執事の口調じゃない
樫原さんに戻っているのが
わかった。


戻っているからこそ・・・
今、こうやって対面しているのが
とても、緊張している自分がいる。


訊かないといけないこと、
樫原さんに伝えないといけないこと、
全て、樫原さんに対して
あたしがやらなくちゃいけないことが
沢山あるから。


あたしは樫原さんを
拒否することもせず、
頬に触れる指をそのままにして、
樫原さんを見つめ続けた。



まずは訊きたいことが沢山ある。



「そんなに怖い顔をしないでくれ」


そう言いながら、樫原さんが
あたしの手を引いた。
そして、ソファへ座らせる。


「疲れただろう」
慣れないパーティな上に、
さっきは混乱して
あんなにも泣いていたから。


そう言いながら、
ソファに座ったあたしの前で
片膝をつけて、しゃがんだ。




「しばらく休んでから九条院家に戻ろう」

足を出して。

そう言われて、なにをするかと思えば
樫原さんがドレスの裾から見えた
あたしの足首を優しく引き寄せ、
靴を脱がせ始めた。


「え・・・・」

足首に触れた
樫原さんの手が
温かい。

びっくりして、
足を引っ込めようとしたのを
捕まえられた。


「****、靴をしばらく脱いで、足を休ませよう」

歩きにくいほど、
足が痛んでいるだろう?

そう優しく言われて、
あたしは何も言えなかった。

足が痛いのは、わかってた。

でも、それを気づいてて
話をする前にこうやって
優しくしてくれるなんて
ずるいと思う。


慣れないハイヒール。

いつもは履かない靴で
それも、パーティでは
ずっと立ちっぱなしで
踊ったし、それに・・・・。

会場の中でも
樫原さんを探し回って歩いたから・・・。


本当は靴の中で
足が痛かった。
案の定、足が腫れている。

でも、足の痛みより
あたしは心の方が痛かった。
苦しいほどの怒りと
そして疑いと、心細さと不安・・・。





「さっきは悪かった」


あたしの足を
靴からそっと抜きながら、
樫原さんが言う。


「え・・・・?」

脱がせた靴を傍に寄せながら、
片膝をついたまま、
樫原さんが下から
あたしの目を見つめる。

その瞳は揺らぎもなかった。


「緑川家からの縁談の話は本当だ」


その言葉で、
あたしは眉をひそめた。

やっぱり・・・。

でも・・・・あたしがそうしたように
樫原さんも、苦い表情をした。



ちゃんと話すから、
そんなに怖い顔を
することはないよ。


そう前置きされて、
樫原さんが話し始める。


「緑川家から縁談の話が来ているから、今回、旦那様が私に君のエスコートを命じたんだ」


「えっ・・・・・!?」

思わぬ事実だった。
全然気がつかなかった・・・。


あたしの驚いた顔を見て、
樫原さんがさらに続ける。



緑川家からの招待を
あたしが受けるより前に
水面下で緑川家から縁談のような
打診があったこと。


もちろん、義兄さんが
高校生のあたしには
まだ早いことだからということで
あたしには告げず
緑川家には断りをいれていたこと。



でも同級生のパーティに呼ばれて、
その兄弟として紹介され、
近付いて、手ごたえがあれば
多分縁談の話を持ってくるだろうと
いう流れは、この世界では
たまにある話で・・・・。

そのパーティでもし
当人たちが
仲良くなるのだったら、
後日、その縁談を
持ち掛けられることが
あるから・・・・。


それで義兄さんが予防線として
樫原さんをエスコートに出した。


樫原さんの今日の役目は
あたしのエスコートもさることながら
緑川貴志さんとあたしが
出来るだけ接触しないように、
守ること。


「旦那様は****のことを本当に可愛がっているからね」


そういって、樫原さんが
少しだけ微笑む。


義兄さんの方から、
あたしには、この件を告げずに
ただ普通に出席して帰ってくるように
指示があったことも知った。


樫原さんがパーティの流れを見て、
緑川家からのなにか動きが
なかったから、とりあえず
帰ろうとした矢先に、
あの出来事だったということ。



話を聞いていると、
段々と落ち着いてくる。
ぎゅっと握っていた手から
少し力が抜けた。


無理に縁談の話が
進んでいるわけじゃなくて、
義兄さんもやっぱりあたしの味方で
意に添わない縁談など、
あたしにはさせないというのが
わかってきたから。

「良かった・・・・」


思わずこぼれた言葉に
ソファに座ったあたしの前で
片膝をついて、下から見つめていた
樫原さんも、少し表情が緩む。


少し落ち着いて
樫原さんへの怒りが
溶けてきたのがわかったからか、
樫原さんが、立ち上がり
あたしが座っている隣に
ゆっくりと腰掛けた。



そして、こちらをじっと見つめる。


「ただ、あの時、有栖川様がいらっしゃらなければ・・・」

そういって少しだけ、
樫原さんの顔が曇った。


有栖川さんが、樫原さんを
連れて行かなければ、
貴志さんとあたしが、2人で
踊ることもなかったのだから。


さっき初めて逢った
義兄さんの親戚筋だという
有栖川さんを思い出した。

すごく・・・・綺麗な人だった。
黒髪に漆黒の瞳で
美形といっていいのかな。
知的でクールな印象が
真壁さんと似ていたな、と
また思い出した。

すごく印象に残る人だった。

見た感じのクールさと、
話した感じの柔らかさに
ギャップがあって、
ちょっと驚いたけど、
すごく魅力的な人だと思う。

なぜか、また逢いたいと
思わせる人だった。

・・・・あの人が緑川さんの
縁談の話とかに
関わっているとは想いたくない。


「・・・あの有栖川さんは緑川さんに協力したの?」

少し声を潜めて訊いたあたしに
樫原さんが、ふっと笑った。

「有栖川様はそんな方じゃないよ」

有栖川様はここ数年、
海外へのお仕事で
日本を留守にしていると
聞いていたのだけれど、
今日、緑川家のパーティへ
出席されていたとは・・・。
驚いたよ、私も。


それに、有栖川様は
緑川家ではなく、九条院家側の
人間でいらっしゃるし、
なんせ慎一郎様の従兄弟で
いらっしゃるから。


緑川家の縁談の話云々より
ご自分の御用で
お声をかけられたんだよ。


「え・・・・、でも、あんなタイミングで話しかけてくるなんて」


「有栖川様から先ほど呼ばれて話をされたのは、九条院家のことだ」


意外なことだった。
思わず聞き返す。


「九条院家のこと?」


「1ヶ月ほど前に有栖川様から旦那様に依頼があって、その話だよ」

有栖川さんが
義兄さんにお願いって・・・?
思わず身を乗り出して
聞いてしまう。

「依頼って・・・・?」

「まだ詳しくは話せないけど、屋敷に滞在するお客様が増えるということだ」


滞在するお客様・・・・。
そう言われて
すぐに浮かんだのは。

「晶さんのような?」

「ええ、そうですよ」


確かに九条院家は屋敷も広いし
それにウォルフさんなどの
客人が居候というか、
滞在する部屋などが
何部屋もあることは知っている。


「有栖川さんが滞在されるの?」


どう見ても、立派なお屋敷で暮らす
上流階級の人に見えたけど、
海外の仕事が多いというから、
日本に帰ってきたときだけ
滞在ってことなのかしら?

「違うよ、****」

思わず首を傾げてしまった。

樫原さんはそんな
質問攻めなあたしの髪の毛を
くしゃっとする。

その仕草は、
いつも、あたしのことを
可愛がってくれる
義兄さんがするような
仕草だった。

可愛くて仕方がない、
というような仕草を
たまに義兄さんがあたしにする。

でも、それを樫原さんからされたのは
初めてだった。
思わず、どきっとしてしまう。


・・・真壁さんもよく
こうやってあたしのことを
可愛がってくれるけど、
でも、樫原さんとは
いちお距離があるから・・・。


「****も、翠様にやられてしまったのかい?」

樫原さんがにこっと
いつもの柔和な笑顔で
どっきりすることを言う。

「っ・・・・!ち、違います!!」

慌てて否定する。

有栖川さんは、
とても素敵だったけど・・・・。
あたしが好きな人は
真壁さんだけだから。


有栖川様は美形で
もてる方だからね、と
樫原さんが慌てたあたしの
反応を楽しんでるのか
笑いながら言う。



それにしても・・・

「有栖川様とここでお会いするとは想ってもいなかった」


樫原さんが呟くように言う。


「・・・・どうして?」

「あの方はパーティなどが嫌いだからだよ」

「そうなんだ・・・」

そんな風には見えなかったけど。
社交的・・・とまではいかないけど、
そつがなく、パーティ会場を
歩いていたから。

「あそこで連れ出されなければ」
君を緑川さんから
守ってあげられたんだが・・・。


少し口惜しそうにいう
樫原さんに、
あたしはほっとした。

悪意があったり、
なにか策略というか、
なにかを考えて、
あたしと緑川さんを
2人っきりにさせたということでは
なかったということだから。


でも、疑問は残る。


「そう言っても、おかしいわ、樫原さん」


だって、あの場を
有栖川さんに呼ばれて
離れないといけないのは
しょうがなかったにせよ。


あたしが緑川さんと
踊っている間も
その後のことだって、
樫原さん、実はテラスから
ずっと見ていたんでしょう?


有栖川さんとの話が終わったのに
樫原さんはすぐには戻ってこなかった。


あたしは、緑川さんから
言われた言葉を思い出して、
胸が苦い思いで一杯になる。


「樫原さん、どうしてあたしと緑川さんを2人っきりにさせたままだったの?」


樫原さんの説明の中から、
大事な部分が抜け落ちていることに
気がついて、
あたしは、思わず隣に座る
きつく樫原さんを見つめる。


だって、話が終わって
すぐに来てくれれば
もしかしたら、緑川さんと
踊ったりすることもなかったと想う。

それに、ああやって、
縁談の話とか・・・・
あんな風にあたしの恋を
卑下されることもなかった。


「どうしてだと想う?」

あたしの質問に
質問で返す。
そんなの、答えになってない。

「わからないから、訊いてるの」


そのきつい言葉に
樫原さんが少しだけ目を伏せた。
そして、隣に座っている
あたしの手を取って、
自分の手を重ねた。


「****」


真剣な声だ。
思わず、樫原さんの目をじっと見つめる。


「****に真剣に聞いてほしいことがあるんだ」



そう、樫原さんが告げた。

その瞳は。
あたしをじっと見据えていてた。











****** ダンスのお相手は?21 ******


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