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「執事たちの恋愛事情」の
二次創作になります。

不定期連載で更新してます、
「ダンスのお相手は?」19話です。

真壁と樫原さんが
出てくるお話なんですが、
現在樫原さんワールドww

樫原さん、意外に好きなんですが、
その気持ちが伝わるといいなぁ。

3夜連続で、17-19まで更新したので、
数日休んで、週末頃にでも
20を更新する予定です。

長いお話なので・・・
今までも読んでくださっている方にも
本当に感謝です。



【前回までのリスト】

・ダンスのお相手は?1 幕開け
・ダンスのお相手は?2 レッスン開始
・ダンスのお相手は?3 甘やかしてくれる人
・ダンスのお相手は?4 誘惑
・ダンスのお相手は?5 揺れる心
・ダンスのお相手は?6 告白 
・ダンスのお相手は?7 情熱
・ダンスのお相手は?8 好きという気持ち
・ダンスのお相手は?9 イアリング
・ダンスのお相手は?10 嘘の数 
・ダンスのお相手は?11 涙色の空
・ダンスのお相手は?12 熱
・ダンスのお相手は?13 廃墟の中の2人
・ダンスのお相手は?14 2人だけの世界
・ダンスのお相手は?15 口紅
・ダンスのお相手は?16 夕暮れ
・ダンスのお相手は?17 どこまでも
・ダンスのお相手は?18 禁止の言葉




以下、創作になりますので、
ご了承の上、お読み下さい。


↓↓↓











******* ダンスのお相手は?19 *******






「さあ、手を出して、お嬢様?」


そう促され、握られた手が
ホールドになる。


そっと樫原さんの正面に立ち、
そして、もう片手を
彼の肩越しの背中に添える。


目と目が合った瞬間、
ゆっくりしたワルツの曲と共に、
樫原さんがリードし始めた。




いつも練習のときに使っている曲だ。



ゆっくり目の三拍子で、
最初に練習していた頃、
よくこの曲で踊った。


「この曲で沢山練習したね」


音楽で、ぎゅっと過去に
引き戻される。



思わず、最初の頃の
自分の踊り具合の
下手さを思い出して、
あたしは苦笑する。



根気良く樫原さんが教えてくれたから、
ワルツのステップをすぐに
覚えることが出来た。



ワルツのステップを
覚えた頃のことを思い出す。



あの時は・・・・
真壁さんが何も言わずに
出張についていってしまって
そして、樫原さんと2人で
ホールの練習。



すごくドキドキしたな。



すぐ最近のことなのに、
遠い昔のように感じられる。
たった数日前の出来事。



あれから・・・・
色んなことがあったから。



この曲を聞くと、
色んなことを思い出してしまう。




樫原さんとドキドキしながら
ダンスのレッスンをした時の
樫原さんの香水の香り。



足を踏んで倒れてしまったときの
樫原さんの体の温かさ。



樫原さんが告白してくれたときの
呼び捨てにされた自分の名前の響き。



真壁さんからのメールが来なくて
不安になって、中岡さんの
胸の中で泣いた。
中岡さんがなだめるように
背中を叩いてくれた手のぬくもり。



樫原さんに抱きしめられているときに
真壁さんが来てしまった時の気まずさ。



真壁さんから、息が止まりそうなほど
抱きしめられ、呼吸がとまる感触。



雨に濡れながらも、
真壁さんに愛撫されて
その肩越しに見た雨の落ちてくる様。


首筋を這う温かくてざらついた舌。



熱をだした時のひどい頭痛。



夢の中、2人だけがいた廃墟に
きらきらと輝く光の粉。



むせかえるような百合の香り。


泣きそうになりながらも
一生懸命に窓を叩いた音。



あたしの横で看病しながら
眠っていた真壁さんの寝顔。



裏切るのは許さないと告げたときの
真壁さんの瞳に映った炎。



真壁さんに閉じ込められたいと
願ったときの狂気に近い感覚。


真壁さんの顔にひっそりと浮かんだ
嬉しそうな微笑み。



カチリと鍵がかけられる音。



2人だけの空間になった時の
息苦しさ。


食べられてしまったかのように
むちゃくちゃにキスされる感覚。



真壁さんの口元を汚した
あたしの口紅の紅。


部屋から出て行くときに
背中に突き刺さった視線の痛さ。










どれもこれも。
全てに繋がる。




一週間前。


ダンスのレッスンを始めることになった
あの日から、色んなことが
急展開で動き出して。




そして、あたしは今
樫原さんと共にパーティに来ている。


そうっと、踊っている
樫原さんを盗み見る。


彼がじっとあたしを
踊りながらも見つめているのがわかる。


その視線に頬を赤くさせながら。
顔を上げることができなかった。


あたしは、ただ、
罪悪感と、
そして胸苦しさを覚える。



こうやってこの誕生日パーティに
招待されていなければ。



樫原さんと共にここにいることはなく。


彼の気持ちを知ることもなく。



そして、樫原さんの存在が
あたしと真壁さんの間に
影を落とすことは無かった。




そうわかっているのに・・・・・。



真壁さんと2人きりの世界に
どこかで樫原さんの侵入を
待っていたような気がする。




なぜか、そんな気がする。
多分、キッカケに過ぎない。
樫原さんは。





でも。




樫原さんとこうやっているのが
必然的なように感じるのは
どうしてなんだろう。



あたしの心はただ
真壁さんにしか
向いていないというのに。
















もう何度も一緒に踊っている曲。



相変わらず、樫原さんは
ダンスが上手だ。


スマートなエスコートで、
とても踊りやすい。


ふわっとターンをさせられて
そして引き寄せられるように
また樫原さんの胸に戻ってくる。



少し額が近付きそうなほどのところにある
樫原さんの肩や首元。


そして、少し顔を上に上げると
こちらを見つめる樫原さんと目が合う。




とても大事そうに
あたしを見つめるその瞳。
その瞳にあたしは、
吸い込まれるように
見つめてしまう。



でも、次の瞬間、
そこから目を逸らす。



いくらダンスのときだとはいえ、
こうやって樫原さんと目を合わせて
親しげに踊っているのが
真壁さんへの裏切りだと感じるから・・・。




流れてくるバイオリンや
ピアノの音にのせて
ステップを踏む。



2人でターンをしながら、
少しづつ場所を移動して、
会場をぐるっと回っていく。




踊りながら、あたしは
ふんわりと香る樫原さんの香りに
気がつく。


久しぶりに、
樫原さんの匂いだと感じる。




ひっそり香ってくる
樹木のようなスパイシーな香り。


この香りが・・・・。



あたしからしていたんだね、真壁さん。



確かにすぐわかる。
あたしのいつもつけている
香水とは違うから。



真壁さんがつけている
ほんのり香る香水とも違う。



あの時の真壁さんの抱きしめる
腕の強さを思い出す。



息が出来ないほど苦しくて。
切なくて。
そして、哀しかった。



あんなことをさせてしまったのは、
あたしがいけないせい。



そうわかりながらも、
何度も謝っていた
真壁さんの苦しそうな呟きが
耳元でまた聞こえる気がする。



雨の中、暗いホールの中で。
熱をだして倒れて
眠っていたベットサイドで。





(謝らないで)





何度そう言っても。
きっと彼は―――。



樫原さんの香りがするたびに、
あたしは、少し目を逸らす。



樫原さんが悪いわけじゃない。
でも・・・その香りが蘇らせる
色んなことが、
今のあたしにはとても痛い。



真壁さんに今すぐ会いたいと思う。



部屋で別れたときの、
彼の表情を思い出すと
胸が痛むから。


後ろから抱きしめられて
耳元で呟かれた言葉が
呪文のように
あたしの心を縛るから。


何度も何度も。


(必ず戻って来い、俺の元へ)
ひっそりと耳元で囁かれる声。
掠れるような切ない音。



いたぶるように、心の中で
リフレインされるから。




早く真壁さんのところに帰りたい。









・・・でも、今のあたしは
やらないといけないことがある。


あたしと真壁さんのために。




樫原さんと決着をつけること。
樫原さんの想いへの返事をすること。





たった、それだけのことなのに、
あたしはまだ躊躇ったり、
そして、この決断が
正しいと思いながらも
なかなか切り出せないでいた。




そのタイミングを計りながら。


今、ここで
樫原さんとダンスを踊っている。





踊るたびに、ターンをするたびに
その動きで、耳元につけた
真壁さんからプレゼントされた
イアリングがきらりと光るのがわかる。






「今日は考え事が多いですね?」
少し顔を近づけるようにして
樫原さんがあたしの耳元へ
口を寄せる。


「え?」

樫原さんを見ようとしても、
彼の頭があたしの耳元近くで
表情が見えない。

その代わり、耳元で聞こえる
樫原さんの声だけが。


音楽なんか聞こえないくらい。
やけにはっきりと聴こえた。

「ずっと真壁のことを考えていらっしゃる」

さらりと言う言葉。
そこに問い詰める響きはない。

「・・・・・」


「それを気づかない私だと思いますか?」


疑問でありながらも
疑問じゃない言葉。


「・・・・いいえ」


「まあ、考えてしまうのは仕方がない」


「・・・・・・」



「でも、ただこの時だけでも、私のことだけ考えててください」


私はあなたに想いを寄せる
一人の男なんですから。
せめて、踊っている間だけでも、
夢を見させてください。

そう真剣み帯びた言葉が聞こえる。
少し切羽詰ったような・・・。


なんか、いつもの大人の余裕たっぷりな
樫原さんからは想像がつかなかった、
切ない響きだった。


「・・・・樫原さんらしくないセリフだわ」



思わずそう茶化してみた。
いつもとのギャップで
ドキドキしてるから。
敢えて、無感情に聞こえるように・・・・。


「ふふ。確かに」
樫原さんも少し笑った。


なんか、今日の樫原さんは
いつもの樫原さんより・・・・
もっとプライベートな気がする。

さっきん寂しそうなところとか。
にやりと笑ったところとか。
切ない言葉を聞けるなんて
思わなかった。

樫原さんって、いつも余裕で、
にこやかで、大人で。
言ってみれば、心の中で
何を考えてるか
すごくよく隠している気がするの。


それが、今日はオブラート無しで
素の樫原さんが沢山見れてる気がする。



思わずドギマギしてしまう。

あたしは・・・・
こういうギャップに弱い。




「夢をみるか・・・」

不意に樫原さんが呟いた。

「え・・・?」


本当のことをいうなら。


そう言葉を切った後、
しばらく沈黙があった後、
樫原さんが、真剣な顔をして
踊りながら、あたしを見つめていた
視線を外して、耳元へ口を寄せる。




そして囁いた。




私が夢をみるのではなくて。



「踊っている間だけじゃなくて、君が私のものになるなら、ずっと幸せな夢を見させてあげようといってるんだ」



「っ・・・・!」


「君はただ、私の愛で溺れていればいい」
愛されてる安心感で。
ただ受け入れるだけだよ、
私からの愛を。



どうしてそんな簡単なことがわからない?



そこまで言って、
樫原さんがゆっくりと
あたしの耳元から
頭を上げる。

そして、じっと見つめてる。


その瞳に浮かんだ色は。
今まで見たことがない色だった。


しっかりとあたしを見つめてて
嘘とか、弱気とか、ためらいとか
そんなのが一切なくて。
鋭くあたしの心まで見透かすような
そんな視線だった。



でも、あたしは
その言葉には
簡単に否定ができる。



だって。



「ふふ。樫原さん、それは無理だよ」


「どうしてだい?」

あたしの答えが意外だったらしく
樫原さんが少し目を丸くした。


あたしは、樫原さんのリードで
ステップを踏みながら、
少しだけはっきりとした口調で
告げた。



「私は、誰かを愛したい人間だから」
だから、愛されるだけでは無理なの。



その答えを聞いた樫原さんは。

一瞬、じっとあたしを見た後。


少し無言でステップを踏みながら。


くるっと回った瞬間に
次の言葉が聞こえた。


「そうかな?」



「え・・・?」

回って樫原さんの胸に
戻ってくると、
ちょっとだけぎゅっと
背中に回された
樫原さんの腕が、
あたしをきつく抱きしめた。


まるで、逃がさない、と
言っているかのように。


じっと見つめながら。
樫原さんが告げる。


「私には、****は誰かに愛されたくてたまらない人間だと感じられるよ」


だから、自分に思いを
寄せている真壁に
あれほどまでに執着して
真壁ではないとだめだと、
自分から思い込んでるんです。

誰かに愛されたくてたまらないから。




最後の方は、
ただあたしにだけ
聴こえるような声で。

でも、はっきりと伝えてきた。




意外な反論で、
あたしはその言葉の意味に
眉をひそめた。



「・・・・・それは樫原さんの思い違いだわ」


あたしはそんなことで、
真壁さんのことを
好きになったんじゃない。



そのあたしの反論を
樫原さんは少し目を細めて、
切なそうに見つめながら、
受け止めた。


目を閉じてそっと告げる。


「時として、人間は自分が思っているよりも、他人がわかる“その人”というのが、本当の『その人』だったりすることもあるんですよ」




「あたしは・・・・」


思わず言葉に詰まる。



あたしは、真壁さんをどうして
好きになったかわからないけど、
ただ、真壁さんのことが好きなの。



好きに理由なんて要らない。




そう、理由なんて・・・・。




そこまで言って、
あたしは唇を噛んだ。



うまく伝えられない歯がゆさ。
言葉に乗せてしまうと
軽々しくなってしまう
気持ちの重さ。





「樫原さんにはわからないわ」

かろうじて、
そう強がりを言えるだけだった。





その言葉を樫原さんは
くすっと笑って受け流す。



わからない、というのは
君自身がわかってないからだ。




謎かけのように
何度も樫原さんが
あたしを説き伏せようとする。


いやいやとする
あたしを抱きしめるように
背中に回された手が
力強くて。

あたしを離そうとせず。


そして、この場から逃げることを
許さず。

樫原さんの言葉1つ1つに
胸がざらつく思いがする。


それが怖くて
不安で、あたしは踊りながらも、
その予感で胸が苦しくなってきた。



表情を曇らせたあたしに
そっと樫原さんが告げる。



「そうだから、****をさらってしまいたくなる」


その言葉の甘い響きに。


「えっ・・・・?」


一瞬、言葉が理解できなかった。


そんなあたしを
樫原さんがじっと見つめて、
一つ一つの言葉を
きちんと区切って
あたしに囁く。


流れている音楽も
何も聞こえず、ただ、
樫原さんの言葉だけが
あたしの耳に響いた。



「こんな****だから、私が本気を出せば、いつだって君を、真壁の下から浚えるということだ」



その言葉が秘めている
自信のある響きが
あたしの中に残る。


不調和音のように
ざわつきながら、
樫原さんの言葉が
あたしの中に侵入してくる。



「さらうって・・・・」



目を見開いたままのあたしに
樫原さんが、軽く笑って
言葉を流した。



「文字通りの意味ですよ、お嬢様」



ふふっと笑いながら、
樫原さんがいつもの敬語に戻る。




これでこの話は終わり、というように。




踊るステップをやめて、
立ちすくんだあたしに合わせて、
樫原さんも立ち止まる。



じっと見つめあう視線が絡まりあう。


「どうして・・・・そんな・・・」



あたしは当惑した瞳で。
樫原さんは余裕を浮かべた瞳で。





「なぜ私がそういうか知りたいですか、お嬢様?」





「・・・・・ええ。」




このワルツの曲が終わる。



踊っていた人たちが
笑いながら、会場に散っていく。

その姿をぐるりと見渡しながら。



「じゃあ、あちらで。」


(2人きりで話せる場所でお話ししましょう)



そう言いながら、
樫原さんがあたしの背中に
手を当てて、エスコートする。

あたしはそれに
逆らわなかった。

ううん。

逆らえなかった。

今、ここで聞かなければ
多分ずっとこれを
思い悩むことになると
感じていたから。



背中にまわされた手の強さで
押されるように歩き始めた
あたしと樫原さんを。







後ろから
いきなり呼び止める声が聞こえた。












********* ダンスのお相手は?19 ******


続きは数日後。
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