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大木隆也の誕生日祝いとして
プチ企画をしました。

ヒロイン視点からの「夜の遊園地」
そして、これは、アンサーに
Cream-kei」のNaNaさんが書かれた
隆也視点からの「夜の遊園地」です。

長いので分割にしています。

1つの記事で読みたい方は、こちらから。

あたしが書いたヒロイン視点の
「夜の遊園地」 前編 後編
こちらからどうぞ。


この隆也視点からのお話も
分量あるので、分割を作っています。
この記事は、その2になります。

その1その3



以下、創作になりますので、
ご興味のある方のみ、お読み下さい。


******** 夜の遊園地 その2 ******









****の迎えの時間。

いつもどおり教室の前で
待って、鞄を受け取る。

あのおかしな態度が
直っていることを期待したけど

やっぱりそれは
放課後になっても
変わらなかった。

必死に話題を探して
話しかけるけど

冗談みたいにそっけない態度で
返される。

だんだんと話しかける
気力もうせて来て
最後には2人とも
黙ってしまった。

車に乗り込んでからも
沈黙は続く。
何か言おうと思うけど
何を言えばいいのか
わからない。


「お嬢さん」

たまりかねて
ストレートに
聞くことにした。


「え?なあに?」

「オレ、なんかお嬢さんの気の障ることでもしたっすか?」

「え・・・・」

「なんか変ですよ、今日」

「う、ううん。なんでもないよ」

「なんでもないって、態度じゃないって思うんですが」

****は明らかに動揺してる。

「・・・・ううん、本当になんでもないんだってば」

「・・・・それならいいんすが」

何をいっても無駄なのか。
もう、訳わかんねえ。

なんだってんだよ。

考え出すと一気に
気分が沈んでいく。

どうしたらいいのか
わからないまま
車は屋敷へと走り続けた。

------------------------

部屋に戻ってから

たまらず後ろから
抱きしめた。

オレ、本当になんかしたっすか?

苦しくて
声がすこしかすれる。

なにかオレに隠してることはある?

何度聞いても
****は答えない。

「ねえ、答えて」

「・・・・本当になんでもないよ」

そういう瞳は
明らかに動揺でゆれている。

「嘘。態度にすぐ出てるぜ」

「・・・・・」

それでもだんまりを
続ける****に
そのままキスをする。
何回も何回も。

それなのに・・・
何も言ってくれない。

出てきた言葉は
ただ、言えるときが来たら言うから。

それだけだった。

さすがにイラつく。
そして言いたくなかった言葉が
口から零れてしまった。

樫原さんの部屋に昨日の夜、何しにいったの?

そういった瞬間、
****の顔は凍りついた。
その顔を見て、
すっげー嫌な気分になって
その言葉を取り消した。

困ったように黙り込んだ
****をぎゅっと抱きしめる。

好きだ。

そんな顔をさせたい
訳じゃない・・・。
ただ話して欲しいだけなのに。

「あたしも隆也君のこと、大好きだよ」

じっと目を見つめられて
同じように見つめ返す。

きっと、この言葉は嘘じゃない。
それでも
心のもやもやは晴れないまま。

無理に笑った。

****も笑って俺に
抱きついてくる。
それをぎゅっと抱きしめ返す。

抱えあげて膝に座らせて
思い切り甘やかす。
胸から消えない
もやもやを
かき消すように。

それでも・・・
俺の心は沈んだまま
戻っては来なかった。


------------------------

ディナーが終わると
俺とお嬢さんは
出掛ける準備をする。

今日の夜は
樫原さんの提案で
藤の花の
ライトアップがあるからと
少し前から
出掛ける予定が
はいっていた。

俺の誕生日の前日。

平日の夜だから
あまり遅くならないようにと
樫原さんに言われた。

もし休日なら
そのまま
藤のライトアップで
****と誕生日を
迎えられたのにな。

少し残念な気持ちを
押し殺す。

樫原さんは
俺と****の関係を
知っている。

だからお願いしてみようかとも
思ったけど、
あくまで今日の夜は
執事として
お供するのだから
それはやっては
いけないことだと
自分に言い聞かせた。

それに今
樫原さんと****の話なんか
したら、俺は・・
何を言うかわからない。

感情を抑えるのは
苦手だけど
今日だけは
根性で押さえ込む。

それに****の口から
ついに今の今まで
俺の誕生日の話は
出てこなかった。

きっと忘れて
しまってるんだろう。

用意された車に
乗り込みながら
俺は延々と
鉛のような思いを
抱き続けていた。


目的地に到着すると
****は目を輝かせて
藤棚に見入っていた。

「ね、隆也君、いい匂いするね」

そういわれて
鼻をくんくん、と動かす。

ほのかに甘い
匂いが漂う。

今までいろんな花に
触れて、その匂いを
嗅いできたけど、
今夜の藤の
甘い香りは特別な気がした。

それはきっと
隣に****がいるからだと思う。

その匂いに、
抱えていた不安が
少しだけ和らいで
自然に笑えた。

ほんとだ、いい匂い。
そう答えてから
ふと気付く。

「お嬢さん、匂いのある花が好きなんですね」

「え?」

「いつも、お嬢さんは花を見ると、その匂いのことをいうから」

「あ・・・・そうだっけ?」

いつも俺が花を用意すると
鼻をつけて香りを楽しむ姿が
思い出される。

「そういえばそうだね」

「でしょ?」

そういうと幸せそうに笑う。

「ふふ。隆也君、あたしが気がついていないところもよくわかってるんだね」

「当然です。だって専属執事だし、それに恋人ですから」

そう、俺達は恋人なんだ。
言葉にすると、胸がじんわりと
温かくなった。
やっぱり何も心配することは
ないんじゃないかって。

笑って胸を叩いてみせると
おかしそうに笑う。


久々に見る本当の笑顔。
ここ最近の作ったような笑顔じゃない。

「隆也君ってさ。あたしのこと、本当によく知ってるよね」
「だって、俺はお嬢さんに関しては、
 もう世界一っていうほど知っていたいんですよ」

「え?」

可愛らしく首をかしげる。

「つまり、お嬢さんの隅から隅まで
 知りたいってことです」

自分で言っておきながら
少し照れて、笑ってごまかす。

そんな俺を見て、
****も顔を赤くする。

「あたしは・・・・
 隆也君にそう言ってもらえると嬉しい」

その言葉が胸いっぱいに
広がってく。
あぁ、大丈夫だ。

「俺だって、お嬢さんのことを沢山知るたびに
 もっともっと好きになるから、だから
 もっと知りたいっていつも思うんです。」

今度は照れることなく
ストレートに俺の想いをぶつける。

こういうのが俺らしいと思うし。

すると、俯いたまま
近づいてきて
その小さな身体を寄せてきた。

胸に当たる頭。
そこに流れる綺麗な髪を
ゆっくりと撫でる。
背中に手を添えて。

甘えっ子だなって。

「ほら、あっちの方にも行ってみようか」

なんだかすっかり
元通りになった気がして
思わず笑みがこぼれる。

見ると足元が少し
ぬかるんでいて、
注意を呼びかけながら
手を差し出す。

「手を繋いでくれる?」

手を出してるんだから
当たり前だろ?
そう思いながら
にこっと笑って
手を繋ぐ。

そして手を繋いだ俺達は
人目につかないところへ
歩いていく。

立ち止まって
空の月を眺める****は
とっても綺麗だった。
いつもは可愛いとか
そう言う風に思うけど
この場所と香りのせいか、
その顔は大人びて見えた。

「お嬢さん、ちょっと上向いて」
「ん?」

そう言って、こちらを
向かせて
その唇に口付ける。

俺達の姿は
藤の花が隠してくれる。

屋敷を出ている今、
何にも縛られず
恋人としてそばにいられる。

それが嬉しくて
幸せで

その頬を両手で
包み込んで見つめる。

するとふわっと
微笑み返してくる。

そして。

ねえ、隆也君。
今日の夜は特別だけど、
でも、特別なのは、この藤棚だけじゃなくて
もっともっと、あれこれあるからだよ。

そんなことを言いながら
ふふっと笑う。

俺は一瞬意味が
わからなくて固まる。

でも、気がついて
にこっと笑う。

それってオレの誕生日のことっすか?

そう言ってみた。
忘れられてなかったんだと
嬉しく思いながら。

でも・・

「ん?それっていつのこと?」

って言われた。

え・・?
違うの?

勘違いした恥ずかしさより
やっぱり忘れてるんだという
淋しさが勝っていて
俺の顔はきっと
とても残念な顔になっている。

明日は俺の
誕生日だぜって言いたくて
口を開こうとしたら

背伸びしてされた
可愛いキスに防がれた。


------------------------

そろそろ、
時間が遅くなってきた。

もっと2人きりで
いたいのは
やまやまだけど

樫原さんに言われている手前
そういう訳にもいかず
何度も帰りを
促そうとするけど

その度にキスをされる。

帰りたくないとでも
言うようなキス。

こうやって2人でいちゃついていたいから
もう少しここにいようよ

そんな可愛いことを言う。

それに負けて
俺からもキスをする。

ここに来てから
何度キスしただろう?

そう思いながらも
またキスをする。


そして、****が不意に
時計を見て口を開く。

「もうこんな時間だから、
 帰ろう?」

そういわれて確認すると
時間は11時30分。

あと少しで
俺の誕生日なのに。

執事としては失格だけど
きっと樫原さんに
怒られてしまうけど

「もう少し、ここにいない?」
そう言った。

「え・・・・?」

「ほら、もう少しで日付変わるし・・・・」

意を決して言う。

「俺、もう少しここに
 お嬢さんと一緒にいたいっす」

でも、****は困ったような顔をする。
何かを必死に考えてる顔。

樫原さんに怒られるとか・・
考えてんのかな・・。

「あ、あたしはもう疲れて眠いから、
 早くお屋敷に帰りたいんだ」

続けられた言葉に
落胆する。

全身切り裂かれたくらい
痛いけど
無理に笑って言う。

「お嬢さんがそう言うなら。帰りましょうか?」

「そ、そうしてくれると助かる」

なぜか焦ったようにいう****。

不思議そうに見つめると

「ごめんね、隆也君」

謝られた。

「そ、そんなお嬢さんが謝ることないっすよ」

急いで否定する。
その顔はしょぼんとしていて、

「ほら。そんな顔をしていたら、可愛すぎて、俺」
 まだここで2人でいたいって思うから。

そう言ってそのしょんぼり顔を
両手で包み込んで
おでことおでこをくっつけて
そのくりっとした瞳を見つめる。

するとその頬はどんどん
赤くなっていく。
ほんとかわいいんだから。

なんて思ってると
口をすぼめてこちらを睨んでくる。

でもそんな顔すら可愛くて

「疲れたんだったら、抱っこして車まで行く?」

そう言ってみた。
するとその頬は赤を越えて
真っ赤に染まる。

「疲れたんだったら、甘えていいよ」

声のトーンを甘くして
囁くと、
際限なく赤くなるその顔。

そんな子どもじゃないんだから!
なんて慌てていう姿が
また可愛い。

冗談だよ、って笑ったら
まるでイジワルっていうように
こっちを見てくる。

だからさらに続ける。
少しでも
この甘い時間を延ばしたくて。

「だって、抱っこしてる時に
 俺に甘える姿がとても可愛いからさ」

すると1人で百面相を
はじめる。
赤くなって、焦って
考えて
くるくると表情を変える。

まったく可愛い恋人だよ。

「ねえ、抱っこして車まで行く?」

もっかい聞くと

「隆也君!もう!」
行きません、絶対!!

と叫んで、俺の手を振り切ると
先に車に向かって
歩き出してしまった。

急いでその手を掴むと
歩く速度が少し落ちる。
隣に並んで歩くと
ぷーっと頬を膨らませる。

それが可笑しくて
俺は笑う。


そっと時計をみると
11時40分。

これは帰ってる途中に
誕生日になるかな。

まぁ、そばに****がいるんだから
それだけでいいか。

そう思いながら
藤棚の下を歩く。

車まですぐそこ。
繋いだ手が温かい。



------------------------

車のドアを開けて、
****を乗せようとすると

もう、今日は仕事終わりの時間だから、
一緒に後ろに座ろうよ、と
言ってきた。

その言葉に嬉しくなって
大きくうなずく。

2人で後ろの座席に
乗り込んで座る。

そっと俺の方に
頭がのっかる。

一応、運転手さんがいるから
手だけをそっと握った。

すると幸せそうに
目を閉じる。

(もう少しで、0時。)

時計を確認する。

こうして向かえる
誕生日も
けして悪くはないな。
そう思いながら
****の手を撫でる。

小さな手。
愛しい宝物のように
撫で続けていると

急に車が停車した。

「え?」

着いた場所は
屋敷の前じゃない。

「え?ここ、まだ屋敷じゃないのに」
慌てて運転手さんに
確認しようとすると
後ろからぐっと掴まれる。

「いいから!」

そういって笑う****。

え?
いいからって…。

いや、意味わかんねぇし。

「とにかく、降りよう」
ね、隆也君。

そういって****は
勝手にドアを開けて1人
降りてしまう。

それを慌てて
追いかける。

「隆也君、行くよ!」

そう聞こえた瞬間
****は走り出していた。

な!?

「お嬢さん、ちょっと待って!」

慌てて叫ぶけれど
****は止まらない。

いつもなら足の速さが
負けるはずないのに

突然のことで
身体がびっくりして
うまく走れない。

それでもなんとか
姿を捉えて、全速力で走る。

追いついて
その両手を捕まえる。

「ちょ、ちょっとなんで走るの?
そして、なんで、ここ・・・・?!」

そう、俺が
矢継ぎ早に言った瞬間。

オルゴールのような音が流れて
いきなり、暗かった場所が
ライトアップされて、
そこには遊園地が浮かび上がった。



********* 夜の遊園地 SIDE TAKAYA ******


その3はこちらから。
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