2017 08 / 07 last month≪ 12345678910111213141516171819202122232425262728293031≫09 next month
スポンサーサイト  --/--/--  
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
 | スポンサー広告  | Page Top↑
大木隆也の誕生祝に書いたお話です。

長いので分割にしております。

前編(その1、その2、その3)
後編(その4、その5、その6)で
こちらの記事は、その5になります。

1つの記事で読まれたい方は
こちらからどうぞ。


以下、創作になります。

ご興味のある方のみ
どうぞお読み下さい。





******* 夜の遊園地 その5 *******














ディナー後、計画通り
藤の花を観にいった。



もともと、
藤の花のライトアップを
夜に観にいこうって計画を
樫原さんが出してくれた。



誕生日の前日だって
ばれないように、
1週間ほど前から、
予定に組み込んでくれて
それとなくわからないようにしてくれた。



だから、あたしが
ディナーの席で
藤の花が見ごろなんだって、
って話題にだしたら、
つかさず樫原さんが、
そろそろ見ごろが終わるから
早めに、なんなら
今日の夜でも、と
話題を繋いでくれた。






夜のドライブ。






いちお平日の夜だから、
そんなに遅くならないうちに
帰るんですよ、と
玄関先で樫原さんが
笑顔で見送ってくれる。




(樫原さん・・・めっちゃ演技派だね)




なんて感心する。
車に乗り込みながら、
樫原さんに軽く会釈をしつつ
(おねがいね)って
口だけ動かして伝えた。




そしたら、樫原さんが
にっこり笑いながら
(お任せ下さい)と
声無しで伝えてくれた。



















藤棚は見事だった。


もう花の盛りは終わったかな?と
思っていたんだけど、
例年より冷え込みが
残っていたらしく
まだ花は大丈夫だった。



ライトアップされた藤の花たち。




ほんのりと香ってくる
藤の花の甘い匂い。





「すごく綺麗・・・・」





藤の花って、普通の花よりも
すごく色気がある気がする。





桜の花のライトアップは
華やかですっきりした
美しさがあるけど
藤の花のライトアップは、
まさに艶やかって言葉が
ぴったりだと思う。




ライトアップされた
藤の花を見ながら、
すぐ横を歩く隆也君をちらりと見る。





「ね、隆也君、いい匂いするね」



その言葉で、隆也君が
鼻をくんくんさせながら、
にっこり笑う。



ほんとだ、いい匂い。




「お嬢さん、匂いのある花が好きなんですね」



さっき部屋で充分に
隆也君に甘えて
いつも通りをしたせいか、
隆也君の態度が
少しだけ柔らかい。





にっこり笑って、
こっちを見つめてくれる。




「え?」



「いつも、お嬢さんは花を見ると、その匂いのことをいうから」



「あ・・・・そうだっけ?」



あたしは、自分のことだからか
そんなこと、気がついたこと無かった。



言われてみれば、確かに。


お花を差し出されたら、
その匂いを一番に嗅いでみるかな。



「そういえばそうだね」



「でしょ?」


「ふふ。隆也君、あたしが気がついていないところもよくわかってるんだね」



「当然です。だって専属執事だし、それに恋人ですから」




にっこりと笑って
胸を叩きながら言う隆也君。



たくましいな~。
思わずその笑顔に
釣られて笑ってしまう。



隆也君があたし自身も
気づかなかったクセを
知っていたことが
ほんのちょっぴり嬉しかった。



「隆也君ってさ。あたしのこと、本当によく知ってるよね」



執事さんとして
傍にいることもあるけど。
あたしが感心するくらい、
隆也君は、
“あたしメモ”を持っていて、
あたしの好き嫌いを、
細かくメモしてる。




執事の仕事のうちだから、
といわれても、
そんなの、
恋人に言われると、
あたしはくすぐったくて仕方ない。




「だって、俺はお嬢さんに関しては、もう世界一っていうほど知っていたいんですよ」




「え?」




「つまり、お嬢さんの隅から隅まで知りたいってことです」




にこっと笑った顔が
ほんの少し赤い隆也君。



あたしの隅から隅までって・・・。
その意味がなんだか、とても甘くて。
あたしも、釣られて赤くなった。




「あたしは・・・・隆也君にそう言ってもらえると嬉しい」




「俺だって、お嬢さんのことを沢山知るたびに」
もっともっと好きになるから。だから
もっと知りたいっていつも思うんです。



なんか、すごく恥ずかしくて。
あたしは、その隆也君の言葉に
顔を上げきれなくて。



だから、そのまま、
すとんと、
隆也君の胸に
あたしの頭を預けた。




今は・・・誰も周りにいない。
お屋敷の人は誰も。


だから、こうやって
もたれて甘えても。
見咎められない。




(今日は・・・ずっと隆也君と距離を置いてたから)




なんか、こうやってしているだけで、
すごく落ち着く。



隆也君はその大きな手で
あたしの背中を支えてくれて、
髪の毛を撫でててくれる。
甘えっ子だな、と微笑みながら。




あたし、やっぱり
隆也君と離れるとか
(そんなこと一度も考えたこと無いけど)

だめだな、って思う。




今日だって、目的があって
隆也君と少し距離を置いただけで、
こんなに・・・欠乏気味だもん。




「ほら、あっちの方にも行ってみよう」




あたしがいつも通りに
甘えてきたせいか
隆也君がさっきよりもっと
柔らかく笑ってる気がする。



足元がぬかるんでいたりするので、
気をつけてくださいね、って
手を出してくれる隆也君。






「手を繋いでくれる?」



あたしの言葉に、
隆也君がにこっと笑う。



そしていつも通りに
エスコートしてくれる。


あたしは、この優しい恋人に
本当に大好きだ、って
伝えたくてしょうがなかった。



だから、人目につかないところへ
隆也君と歩いていった。




藤の香りが漂う。



夜の方が、
匂いがこもる気がする。


空を見上げると、
満月に近いお月様。



夜遅くて、
ライトアップを
観に来てる人も少ない。






「お嬢さん、ちょっと上向いて」




「ん?」





人目を盗んで、隆也君が
あたしにキスをしてくれた。
啄ばむようなキス。




藤棚の下で。




垂れ下がる藤の花に隠れて。





ちょっとびっくりしたけど、
でも、そのキスは優しい。



両頬を隆也君の
大きな手で包まれる。
見つめられて微笑む。






誕生日前日のキス。







ねえ、隆也君。
今日の夜は特別だけど、
でも、特別なのは、
この藤棚だけじゃなくて
もっともっと、
あれこれあるからだよ。





意味深にふふっと笑ったあたしに
隆也君が目を丸くする。


そして、にこっと笑った。


それってオレの誕生日のことっすか?



単刀直入に訊いてくるものだから、


(誕生日の話題だしちゃったけど・・・・でも、ごまかせばいいか)


「ん?それっていつのこと?」

と訊き返した。


もちろんわかってるけど、
でも、あと少しで
サプライズの時間なのに
ここでばらすわけにはいかない!




(それにしても、ここ数日、ばらさないように大変だな・・・・自分)



そう思いつつも、
質問をするりと抜ける。



隆也君が、すこし残念そうで、
なにか言いたげなのがわかるけど。


それ以上
何も言わせなかった。



(わかってるよ、隆也君!)



あたしは、心の中で呟いた。



それ以上の質問はだめ、とばかりに
あたしは、自分から背伸びして
隆也君にキスをして、口を封じ込めた。











・・・・・・・・・・









藤のライトアップを2人で
手を繋ぎながら歩いて。

途中何度も
隆也君をキスで防ぐ。


こうやって2人で
いちゃついていたいから
もう少しここにいようよって誘うと
隆也君は、もちろん嬉しそうな顔で
あたしにキスをしてくれる。




そうやってキスしている間に
時間がどんどん過ぎて。










あたしは、
こっそりと時計を見る。



時間は11:30.


そろそろかな。









「もうこんな時間だから、帰ろう?」


そう言うと、少し隆也君が目を丸くした。



「もう少し、ここにいない?」



「え・・・・?」



「ほら、もう少しで日付変わるし・・・・」



(あ!そっか。隆也君、もしかして、ここで誕生日の0時を迎えようと・・・)




思わずあたしも目を丸くする。



隆也君が少し赤い顔をして、
少しだけ口をへの字にして、
どっかの方向を見て言う。



「俺、もう少しここにお嬢さんと一緒にいたいっす」



(それはあたしもだよ!)




で、でも!!
お誕生日の0時は、
ここじゃなくて
別の場所で過ごすんだから。



隆也君、サプライズを
気づいていないにしても、
とりあえず、ここを離れて・・・

移動して
遊園地に行かなくちゃ!!




ここにいたいっていうのを
断る理由もない・・・ないけど、
でも、とりあえずここを出ないといけない。




焦ったあたしは思わず


「あ、あたしはもう疲れて眠いから、早くお屋敷に帰りたいんだ」



なんて言ってしまった。


その言葉を聞いた途端に
隆也君が、がっかりした顔をした。




(あ・・・・傷つけちゃった・・・?)



そりゃあそうだよね。


あと30分ぐらいで
自分の誕生日だし。
その誕生日の0時に
大好きな人といたいって思うのは、
それも2人だけのロマンチックな場所で、
隆也君だけじゃない。



(もちろん、あたしも)


でも、少しがっかりした
顔をした後に、
隆也君は、すぐさま
またにっこり笑ってくれた。




「お嬢さんがそう言うなら。帰りましょうか?」




「そ、そうしてくれると助かる」




思わず焦り気味に言うあたしを
隆也君が不思議そうな顔で見つめる。




「ごめんね、隆也君」



がっかりした顔を見たからか、
思わず謝ってしまってた。



「そ、そんなお嬢さんが謝ることないっすよ」


そう言ってくれる
隆也君はすごく優しい。



思わず、どうしようもなくなってしまって
あたしは隆也君の顔を
じっと見つめた。




「ほら。そんな顔をしていたら、可愛すぎて、俺」
まだここに2人でいたいって思うから。




そういって、隆也君が
あたしの頬を包んで、
おでことおでこをくっつける。



至近距離で見つめる。




思わずその言い方にドキってしてしまう。



隆也君って、本当に・・・・
てらいもなく、ストレートに
好き、とか、可愛い、って言うから。
その度にドキドキしちゃう。




頬が赤くなるのがわかる。
隆也君の言葉が嬉しくて
そしてこそばゆいから。




(ちょっとずるいよね。あたし、負けてばっかりだ)



思わず口をすぼめて、
軽く睨んだ。



そんなあたしの顔を見て、
隆也君がくすっと笑う。



そして、おでことおでこをくっつけて
見つめた視線を外さないまま
少し甘く囁く。




「疲れたんだったら、抱っこして車まで行く?」



だ!だ!だっこ!!



「疲れたんだったら、甘えていいよ」



その言葉で、
あたしは余計に赤くなる。
そんな子どもじゃないんだから!



あたしが慌てるように、
そう言うと、隆也君がまた笑う。



冗談だよ、って。



その少し頬を赤くして、
あたしのことをからかうなんて、
隆也君のイジワル。




「だって、抱っこしてる時に俺に甘える姿がとても可愛いからさ」


な、な!!!
なんて恥ずかしいことを
隆也君ってさらりというんだろう。




もう、ほんと。
隆也君のストレートさには
あたし、勝てないや。



・・・そりゃあ、たまに隆也君に甘えて
抱っこしてもらって、喋ってるときに
そのままもたれて、気がつくと
寝てしまうこともあるけど。



隆也君って、
たまにあたしのこと、
ほんとヌイグルミみたい
っていうか、
そういう小さい
可愛いものみたいに
扱うんだよね。



それはそれで嫌じゃないけど。



隆也君はすごく逞しくて。
頼りになるし。
すごく体つきもいいし。



だから、あたしは余計に
隆也君に触りたくなったり
もたれたり、甘えたくなったりする。



でも、それは、あたしの部屋とか
隆也君の部屋だけのこと!
こういう外で、それも車に行ったら
お屋敷の運転手さんもいるんだし。




「ねえ、抱っこして車まで行く?」



「隆也君!もう!」
行きません、絶対!!




恥ずかしすぎるよ、隆也君。




隆也君の手を振り切って
あたしは歩き出す。
その後ろを隆也君がついてくる。
ちゃんと手を繋いでくれる。


もう。本当に。
ちょっと赤くなりながら、
頬を膨らますあたしを
隆也君がくすくす笑う。




たまにこうやって、
ちょっとイジワルだったり
からかったりするんだよなあ、
隆也君って。



そういうところも、嫌いじゃないけど。




でも、あまりにもストレートな
愛情表現で、あたしは
負けちゃう。

いつも、いつも。



それに負けちゃうのが
悔しい気持ちもあるけど、
でも、こういう隆也君が好きだから。




そして、わかるの。


隆也君も、こうやって
ストレートに表現して
その愛情を恥ずかしがりながら
受け止めているあたしのことを
好きだってこと。


あたしがストレートすぎる表現に
少し恥ずかしがりながらも
嬉しがっていることを
わかってるから、
隆也君は、こうやって
愛情を告げることをやめない。




(どっちもどっち?)



そう思うと、少し笑いたくなる。



あたしの愛情表現は、
隆也君よりストレートじゃないけど。



でも。



あたしは、あたしなりに
隆也君のことを大事に思ってる。
隆也君のストレートさには
負けるかもしれないけど。



でも、今日のあたしの
隆也君への愛情表現は
結構すごいものじゃないかな、って思う。









時計の針は11:40.





あたしと隆也君は、
それぞれ
ほんわかした気持ちで
藤棚の下を歩いた。




車まですぐそこ。
繋いだ手が温かい。








・・・・・・・・・・・・






車に乗り込む前に
運転手さんと目が合う。



(あの目的地までよろしくお願いします)



そう会釈した。



いつもは助手席に座る隆也君に
もう、今日は仕事終わりの時間だから、
一緒に後ろに座ろうよ、っていう。




そしたら、一瞬戸惑った顔をしたけど、
でも、嬉しそうな顔で頷いてくれた。



2人で、後部座席の
ふかふかなソファに座る。
あたしは、隆也君の肩に
頭をもたれさせる。



隆也君は、さすがに車の中だから
運転手さんが見てるわけないけど、
でも、いつもみたいに
髪の毛を撫でてくれはせず、
そっと、あたしの手を
自分の手で包み込む。



その幸せにあたしは目を閉じた。





(もう少しで、0時だ)




藤棚から遊園地までは
車で10分もかからない。
それに、今は夜中だから、
交通量も少ない。




ちゃんと0時少し前に
遊園地前に着くようにって
お願いしていた。



早く着きすぎてもだめ。
0時を越してもだめ。




そうお願いしていたから、
あたしたちを乗せた車が、
遊園地近くで、わざとぐるぐる
時間を潰しているのがわかる。



(0時前に、車がついたら、すぐさまプレゼントだね)




むふふ、ってあたしは
自分の計画ににっこりする。




そんなあたしに隆也君は
気がつかないで、握った手を
愛しそうに撫でてくれてる。










乗ってからしばらくして。



車が停車した。























****** 夜の遊園地 その5 *******

その6は、こちらから。

 | 【執/恋】創作ー分割  | Page Top↑

Blog状況

最近の記事

カテゴリー

訪問者数

メールフォーム