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5月12日の大木隆也の
誕生日祝いに書いたお話、
「夜の遊園地」の後編になります。

前編はこちらから。


長いので分割を作っております。

前編(その1、その2、その3)なので、
後編は(その4 、その5 その6 )です。
この記事は、その4になります。


プチ企画として、
ゆんさんのイラスト、
そして、このヒロイン視点の
「夜の遊園地」を受けて、
NANAさんがアンサーとして、
隆也視点のお話を
対で書いてくださる予定♪

NANAさんのアンサーは、
後日♪




以下、創作になります。
ご興味のある方のみ、
お読み下さい。







**** 夜の遊園地 後編 *****





















11日、誕生日の前日。




あたしは、白凛の制服を着て、
鏡の前でしかめっ面をしていた。



(・・・・・隆也君に明日のこと、気づかれないようにしなくちゃ)




だから、わざとそっけなくすることにした。


朝ごはんの時間だと
部屋に呼びにきた隆也君に
いつもは、おはようのキスをするけど、
今日はちょっとだけ軽めに。
挨拶程度。



本当は、いつも通り
首に抱きついて
キスしたいくらいだけど、
我慢我慢。



いつも、抱きついて
頭を撫でてもらったり
優しくキスしてもらう時間がなくて
寂しいけど・・・・。



でも、今日は少し距離を置いて
隆也君の口から
自分の誕生日の話題が
出ないようにするの!



だからいつもは、
朝のキスで甘えて、
ご飯の時間ぎりぎりまで、
隆也君といちゃついてるけど、
今日は、わざと、それもスルー。




あれ?って顔を
隆也君がしている。



それはわかってるけど、
わざと見ないふり。




ご飯を食べたあと、学校までの道。



鞄を持って一緒に歩いてくれる隆也君と
いつもだったら、歩調を揃えて
一緒に歩きながら、
それもゆっくり歩きながら、
分かれるまでの時間を惜しむ。



でも今日は、すたこら歩いて、
隆也君とあまり話しもせず。




(あんまり話をすると、ボロが出ちゃうかもしれないからね!)



あれれ?って顔で、
また隆也君があたしの背中を
見つめているのがわかる。




ちょっとその視線が痛い・・・・。




でも、わかって。


今日はあとで喜ばせるために
ここで、すこし
距離を置いてるだけだよ。




あたしの多分、そういう目論見は
通じてないと思うけど。




教室前で鞄を
奪い取るようにして、
隆也君にさよならをいう。



隆也君は一瞬なにか
言いたげな顔をしてたけど、
もう授業始まるから、と、
自分から先に切ってしまった。




隆也君を見送って。


あたしは、自分の席に
鞄をおいた後
そっと窓際に行き、
校庭を歩く隆也君を探す。





いつも隆也君とやっている合図。




今日は、それさえも
スルーしようかと
思っていたんだけど・・・・。


でも、これはあたしの大好きな
毎日の日課だから。







大好きな人はすぐにわかる。


目印が上がってるかのように。


カメラのピントが合うように。







隆也君の後姿。




あたし、隆也君の執事姿、
すごく好き。



なんていうか、
たくましいし、
背も高いし。


そしてなによりも
雰囲気がいいと思う。




隆也君は、あたしの
クラスメートからも
意外と人気がある。



専属執事として、
教室まで鞄を持ってくれて
帰りも迎えてくれるんだけど、
その時に、ちょっとだけ
他の女の子から視線を感じる。




隆也君はすごく
マイペースな人だから
そんなことに
気づいてないだろうケド。




(あたしの恋人なんだよ、このかっこいい人)




堂々と言えたらいいのに。


いつも、そう思う。




隆也君が校庭を
横切りながら、振り向いて、
あたしの教室の方向を見た。



いつも2人だけの内緒の合図。



教室まで送られた後、
あたしは隆也君が車に戻るのを
窓から見送って手を振るの。



もちろん、隆也君も手を振ってくれる。



2人だけの合図。


普通の「お嬢様・執事」の
関係だけじゃなくて、
あたしたちは恋人同士だから。



いつものことながら、
あたしは隆也君が
振り返るのを
ドキドキしながら、
背中を見詰める。




そして、振り返ったら、
その姿にドキッとする。



まっすぐに隆也君の視線が
あたしの姿を
探しているのがわかる。


こんなに遠くにいるのに。



あたしを見つけて
すぐさま笑顔になる隆也君。



あたしは、いつも通り、
隆也君にだけわかるように
ちょっとだけ手を振った。



それを見て、隆也君が
笑顔で手を振るのが見えた。




その姿に、あたしは
胸がドキドキしてくる。



本当だったら、
今すぐ隆也君のところに
走っていきたい。
そして、抱きつきたい。





今日は・・・・ちょっと
隆也君とあまり触れてなくて
寂しいな。




でも、夜中の0時を過ぎたら。
2人でデート。
それも、遊園地で!



それを考えたら。



サプライズで驚かしたときの
隆也君を想像したら。



とりあえず、今、
なんか、あたしたち
雰囲気悪いけど、
でも大丈夫なはず。



隆也君のために。
これまでで、
一番だ、っていうくらい
思い出に残る誕生日を
あたしが作ってあげたいの。




(だって、大好きなんだもん)




大好きで大好きで。
いつも傍にいて
欲しいと思ってて。


これからも
ずっと一緒にいたくて。




いつもの2人の合図を終えて
隆也君が校門を出て行くまで
あたしは、その後姿を見つめていた。











・・・・・・・・・・・





学校が終わって、
廊下に出たら、
隆也君が迎えに来ていた。



いつも通り。



だけど、違うのは、
なんだか、あたしが
朝と変わらず
「よそよそしい」ことだけ。



隆也君がなにか、ちょこちょこ
話題を見つけて話しかけてくるけど、
あたしは、とりあえず、
そっけない態度で流していた。



(やっぱり驚かすためには、それとない演技よね、演技)




しばらく話しかけてきていた隆也君だけど、
でも、あたしが
あんまりにも無反応だから、
だんだんと喋らなくなって。




校門を出るまでの間、
あたしたちはなんだか
気まずい雰囲気だった。







車に乗り込んで、すこしため息をつく。




(なんか・・・・隆也君が言いたそうだけど、でも・・・)





考えたら、今日はまともに
隆也君と話をしてないや。



いくらサプライズの
誕生日パーティを
ばれないように
用心しているからといって
これはちょっとやりすぎかな。




こうやって学校の時間以外は、
ほぼ一緒にいるって言うのに、
まともに話をしてないって、
隆也君と喧嘩をしたときくらい。




今日はそんな日じゃないけど、
でも、喧嘩のときと同じような
態度を取ってるっていうのに、
ちょっとだけ気づいた。




(いくらなんだって、やりすぎかな・・・?)



ちょっとだけ心配になる。



せっかく明日は誕生日なのに、
隆也君ったら、自分の誕生日、
なんて一言も言わない。
(あたしが言わせてないだけ?)



考え事をしていたあたしに
不意に隆也君が訊く。




「お嬢さん」



「え?なあに?」


振り返ったら、
真剣な目をした隆也君が
すぐ傍にいた。



「オレ、なんかお嬢さんの気の障ることでもしたっすか?」



「え・・・・」



「なんか変ですよ、今日」


「う、ううん。なんでもないよ」


「なんでもないって、態度じゃないって思うんですが」




うっと詰まってしまう。
確かに今日のあたしの態度は
さすがに変だよね。



いつもだったら甘えん坊で
隆也君に抱きついて
離れないぐらい
べたべたなあたしが、
自分からそっけなくしてるもん。




そんなあたしに
隆也君は戸惑ってる。




「・・・・ううん、本当になんでもないんだってば」



「・・・・それならいいんですけどね」



それ以後、会話無し。
とても気まずい。


あたしの回答が
腑に落ちないのか、
隆也君のほうも、
思案顔になって、
少し口をへの字にして
考え込んでる。




チラって隆也君の横顔を見る。




(絶対・・・・訳わかんねえって思ってる顔だわ)




いくらなんでも、不味かったかな。
ここまで、そっけなくするのは。



でも、こうやって
距離を置いておかないと、
あたしは、夜中0時の
楽しい計画で
頬が緩んできそうだったから。




隆也君がきっと
喜んでくれるって思うから、
それを想像して、
嬉しくてにやけてしまうから。






とはいえ。




少ししょんぼりとした顔の
隆也君を見ていると、
胸が痛んだ。




隆也君は何も
悪くないんだよ。


悪いどころか・・・・。
こうやって隆也君のことを
サプライズで驚かすためとはいえ、
そっけない演技をしているあたしは、
ある意味、かなりの嘘つきだ。




(ん・・・・なんか、自分でやっておきながら後味悪いや)



早くサプライズ誕生日祝い、終われ!



隆也君のお誕生日になる、
その日の0時0分には。
一番傍で。
隆也君にごめんね、と
大好きだって告げよう。




少しため息をつきながら、
あたしは、今日の夜の楽しい
サプライズに想いを馳せた。









・・・・・・・・








・・・でも、隆也君は。



あたしが思っていたよりも、
ずっとずっと、あたしの態度を
気にしていたみたい。




学校から帰って
自室で制服を脱いだあと、
宿題をしようとしたら、
不意に隆也君から抱きしめられた。




オレ、本当になんかした?



そう、すこし苦しそうな声で訊かれて
あたしは何も言えなかった。



なにかオレに隠してることはある?



恋人同士の口調で訊かれる。



さっきの車の中での質問とは違う。
あれは、執事としての口調だった。



でも、訊かれても何も答えられない。



だって、隆也君の
誕生日パーティを計画して
サプライズするために、
隠してるんだよ、て
ここで言ってしまったら、
これまで準備した意味がない!



特別な誕生日パーティにしたくて、
プレゼントだって、吟味した。


カーネーションだって、
綺麗に咲いてきてる。
まだまだ蕾もあるけど、
でも、小さな花束にできるくらい
本数はできた。



樫原さんにだって、
遊園地の手配を頼んだり。







「ねえ、答えて」


「・・・・本当になんでもないよ」



「嘘。態度にすぐ出てるぜ」



「・・・・・」



・・・何もいえないあたしを
隆也君がじれたのか、
そのまま沢山キスされて、
白状するようにといわれたけど、
何も言わなかった。




ただ、言えるときが来たら言うから。




そうしか言えなかった。




(あと、数時間の我慢だから、ね、隆也君)





そう心の中で繰り返すあたしに、
隆也君がびっくりすることを言う。


樫原さんの部屋に
昨日の夜、何しにいったの?




え?



硬い声と硬い表情。


思わずびっくりしてしまった。



でも、そう訊いた後の隆也君は
すごく気まずそうな顔をして、
その言葉を取り消した。




・・・・気づいてたんだ。


というより、見てたのかな?
あたしが樫原さんの部屋に
カードを持っていくところを。



(あれは、隆也君への誕生日カードを預けただけだよ)




そう言ってしまえたら楽なのに。




それが言えなくて。
言ってしまったら、
サプライズじゃなくなるから。
計画を全部話さないといけないから。



黙り込んだあたしを、
隆也君がぎゅっと抱きしめた。





好きだ。



耳元で囁かれる。



ちょっとだけ、その声が
いつもより硬い。
いつもの隆也君らしくない。



「あたしも隆也君のこと、大好きだよ」



じっと目を見つめて言った。
それを見て、隆也君がじっと見返す。
そして、ふっと笑った。



・・・・でも、あたしにはわかってる。



その笑顔は、隆也君がちょっとだけ
無理したときにする笑顔だってこと。



そして、口をへの字にして、
納得はいってないけど、
でも、いいや、って
顔をするのもわかる。



(さすがにマイペースな
隆也君でも、あたしが
ちょっと変なそぶりを見せたら、
すぐにわかるんだね)




変なところで、
あたしは感心していた。





あと、もう少ししたら、
あたしの計画がわかるから。



そして、最高の誕生日になるから。




あたしは、微笑みながら
隆也君の胸に抱きついた。
ぎゅーっと抱き返される。



そして、いつも通り、膝に座らされて
あたしは、だっこされて、
甘やかされた。




隆也君からしたら
問題は解決してないだろうけど、
でも、いつも通り、
あたしのことを甘やかす。



それは、多分、
あたしにとても
甘いから、だと思う。





隆也君。



もうちょっとだけ騙されててね。
最高のお誕生日を
プレゼントしてあげるから。





あたしはそんな隆也君の優しさに
頬ずりするようにして甘えた。











******夜の遊園地 後編 その4 ********


その5はこちらから。

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