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大木隆也の誕生日祝いに書いたお話です。

長いので、分割にしております。
この記事は、その3になります。

その1 その2 )はこちらから。

1つの記事で読まれたい方は
こちらからどうぞ。


以下、創作になります。

ご興味のある方のみ、
お読み下さい。



↓↓↓




****** 夜の遊園地 前編 その3 *****













5月12日まで。
タイムリミットは2週間ほど。


(2週間でカーネーションを種から育てられるかな?)


それはちょっと不安。


とりあえず、専属でついている
隆也君の目を盗んで
あたしが、こうやって
プレゼントを準備するなら、
これは、協力してもらう人が
いないと出来ない!



そう想ったあたしは、
あの人に相談することにした。














「―---2週間で育てられるかな、ね、樫原さん?」



「そうですね。育てられるといえば育てられますが、種子からですと、少しお時間が心配ですね」




あたしは、執事長の樫原さんに相談した。



なんで樫原さんにしたかっていうと、
隆也君のお父さんやお母さんのことを
聞くときに、樫原さんに頼んだし。



それに、隆也君が
専属執事だとはいえども、
さすがに樫原さんだったら、
その執事の仕事を
どっかに振り分けて、
敢えて、あたしが動きやすいように
してもらえるじゃないかなって想ったから。




案の定、相談したら、樫原さんは
いつもの柔和な笑顔で笑った。



「お嬢様、種子からではなく、苗から育てられたらどうでしょうか?」


それなら、2週間ありますし、
苗の大きささえ選べば大丈夫です。




樫原さんは、確かに有能だ。



あたしが、隆也君の誕生日に
自分の育てた
カーネーションをあげたいって
相談をしたら、あと2週間の間で
どうやったらいいのか、など
すぐさま、カーネーションの
苗を手配してくれた。





そして、届いた苗の世話を
九条院家の庭の
一角にある花壇近くで
出来るようにしてくれた。




ついでに、毎日隆也君に
仕事を言いつけて、
あたしが自由に動ける時間を
作ってくれた。




その間の時間、
あたしは、こっそり苗の世話をする。



そして、隆也君は樫原さんに
言いつけられて、仕事をする。



真壁さんと一緒に銀食器を磨いたり。


真壁さんから紅茶のおいしい入れ方を教わったり。


真壁さんから革製品の正しい手入れの仕方を習ったり・・・・。




ようするに、隆也君は、
樫原さんから言いつけられて、
あたしから離れる時間は、
執事としての職務の基本を
真壁さんから仕込まれていた。



執事としての仕事に関しては
完璧主義者の真壁さんを先生に、
隆也君は毎日苦戦していた。



毎日一定時間、
専属の仕事から解かれて
真壁さんに執事の仕事を教わる。



そうすることが、一人前の執事に
早く近付く方法だから。



教育という名目で、樫原さんが
隆也君に話をしたらしい。



もちろん、一人前の
執事に早くなりたくて
自分でも努力している
隆也君のこと。



その話を断るわけはない。




「もう真壁さんったら、こんな顔でみるんですよ、俺のこと」




失敗したときの隆也君を見る
真壁さんの冷静かつ沈着で
眉に皺がよった顔を真似しながら、
隆也君が話してくれる。



その顔がおかしくて、
あたしは思わず笑ってしまう。



(真壁さんにしごかれてるんだ)



ちょっと悪いかなって想ったけど、
でも、隆也君はこのことには、
結構前向きで
「頑張ります!」と言う。



本人が前向きだからこそ、
ちょっとだけ原因を作ったあたしは
少し罪悪感。



でも、多分、いいよね。
これも、執事の勉強の機会として。



まさか・・・・あたしが隠れて
カーネーションを育ててるって
想わないだろうな・・・・。



隆也君が真壁さんに
たっぷりとしごかれている間、
あたしは、部屋で
のんびりしてることに
なってるから。



毎日、決まった時間に
隆也君が真壁さんのところへ行く。


たまには樫原さんの
ところにも行くみたいだけど。




「それじゃあ、お嬢さん、時間ですから」



そう断って出て行く
隆也君を見送ったあと、
あたしは、こっそりと
庭の隅にある苗を
置いてるところへ。



水遣りしたり、
たまに肥料を入れたり。
日当たりを調整したりする。


とりあえず、毎日様子を見に行く。









5月に入って。



あんまり沢山苗を
置いているとばれるから、
10苗だけ。


1苗から1本ずつでも
カーネーションが咲いたら
10本に出来るし。


10個の苗のうち、
5苗ほどに蕾がついた。




(咲いてくれたらいいな。12日ごろ・・・・)



毎日世話をしに来るうち、
愛着がわいてきた。


綺麗に咲いたらいいな。


これをプレゼントするときの
隆也君の嬉しそうな笑顔が
今から目に浮かぶ。



プレゼントは大丈夫そう。


と。


あとは、会場の遊園地だ。









・・・・・・・・・・・・








遊園地の手配も、
樫原さんにお願いした。



写真に写っていた遊園地は、
九条院家から、まぁ近いところにある。


一日貸切でもいいと
思ったんだけど、
でも、よくよく考えてみたら・・・・。



隆也君はあたしの
「専属執事」って立場で、
それも、両親ともに
九条院家で働いている。



その・・・・他の人からみたら、
“使用人”である隆也君の誕生日を
ご主人様であるあたしが、
九条院家の力を使って、
遊園地全体を貸切にして、
派手に誕生日パーティを
開いたとしたら、
多分・・・・隆也君は
どう思うかなって思ったんだ。



他の人の手前、
仕事や屋敷での立場が
やりにくくなったら、
こうやって誕生日パーティを
開く意味がない。



そりゃぁ恋人としては、
隆也君に最高の誕生日を
過ごさせたいから
本当は、2人っきりの
遊園地にしてしまいたい。



夜の遊園地を
2人で気兼ねなく
デートするって、
とても素敵だと思う。



樫原さんに頼めば、
すぐさま1日ぐらい遊園地を
貸しきりにしてもらえるって
わかってる。





でも、そうじゃなくて・・・・。





今回は。

この誕生日は、
できるだけ、あたしの力だけで
隆也君を楽しませてあげたい。




そう、あまり派手じゃなくて。





だから、樫原さんにお願いしたのは、
夜中0時の誕生日の時間。
遊園地の観覧車だけを
貸切させてもらうことだった。



ちょっとだけだったらいいよね。



そして遊園地を、
隆也君のお誕生日の日の
0時あたりに
数時間開園してもらうこと。



(あまりハデにしてばれないように)



ちょっとだけね。
貸切の時間は。





樫原さんにお願いしたら、
すぐさま了解してくれた。











・・・・・・・・・・・・・・・・









準備は完了。


あたしの作戦はこうだ。


まず、隆也君の誕生日前日の
11日の過ごし方。


普通どおり学校に行く。
もちろん、
「明日は誕生日ね」
なんて言わず、
忘れているふりで。



(だって、サプライズだから)




そして、学校が終わったあと、
普通どおりにディナーの時に。
「藤の花が夜ライトアップされて
綺麗なところがあるんだって。行きたいな」


と、夜のドライブに行きたいと
ほのめかす。

つかさず樫原さんのバックアップ。

(もちろん、樫原さんはOKで、GOサインをだす)




あたしと隆也君がほかの車で
夜の藤のライトアップを見ている間、
樫原さんは、遊園地に行って
準備をしてくれる。



樫原さんの車には、
あらかじめ準備した
隆也君へのプレゼント、
カーネーションの花束を積んである。



準備ができたあと、
あたしは連絡を受けて、
藤のライトアップを見た帰りに、
遊園地前に車で寄ってもらう。



遊園地の入り口あたりに
あらかじめ、樫原さんと相談して
ある場所に隠してあった
プレゼントを持って、
0時になったら隆也君を出迎えて






「サプラーイズ!」





って叫びながら、プレゼントのお花を渡す。



ちょっと、夜に
藤のライトアップを観にいくから、
夜のドライブなんて、
苦しい言い訳だけど、
でも、とりあえず、自然な流れで、
0時には遊園地前にいること。





・・・・隆也君のお誕生日に
他の誰よりも最初に
おめでとうをいうのは、
あたしでいたいもん。






色々考えて、
カーネーションの花束に、
お誕生日のメッセージカードを書いた。



メッセージカードを
買いに行くのも大変で、
とりあえず、
ファンシーな文具を買いたいと
学校帰り、街に出たときに、
隆也君の目を盗んでこっそり買った。



お買い物の御代は全て執事の
隆也君が払ってくれるんだけど、
そのときは、かなり女子高生しか
入らないようなお店で、
恥ずかしがる隆也君を
入り口に待たせて、
任務を完了した。




隆也君におやすみなさいをした後、
そのメッセージカードに
日ごろからのお礼と、
あたしの気持ちを書く。




(いつも傍にいるけど、カードを書くって照れるね)




カードでちょっとだけの文章に
しようって思ったのに
書き始めたら、
あれこれと書きたくて。




考えに考えて、
ちょっとした手紙になってしまった。




(よし。カードの準備は完了!)




あとは、無事に当日を迎えるだけだった・・・・。



そう、迎えるだけなはずだったのに。














・・・・・・・・・・・・・・









前々日の夜。



ディナーも食べ終わって、
隆也君と2人、
お茶をいれてもらって
部屋でのんびりしていた。



もちろん、あたしの関心は
いつも隆也君だけど、
この日の一番の関心は
明後日のサプライズな誕生日祝い。



(明日の夜は、どうにか理由つけて藤のライトアップにいかなくちゃ・・)
樫原さんがいてくれるから、
どうにか大丈夫かなぁ・・・・。



いちお、自室だから、
隆也君があたしの傍に座ってくれて、
お茶を飲むあたしの
話し相手をしてくれてる。



誰も見ていないあたしの部屋だから
恋人同士・・・なことをしてもいい。



あたしは、隆也君の肩に
もたれかかって
甘えながら、
隆也君とお喋りする。




・・・・いつもだったら、
この時間が一番楽しいのに
あたしの心は上の空だった。



だって、明日の準備で樫原さんに
隆也君へのメッセージカードを
預けなくてはいけない。



それに・・・・。



話が弾んで、隆也君が
明後日は俺の誕生日~、なんて
言い出したら・・・・。



もちろん話の流れ的に
「おめでとう」っていうはずなんだけど、
サプライズなお祝いを
準備している身としては
そのようなことは!!



断じて避けるべき。



そのサプライズを明かす時間までは
「お誕生日?ん?誰の?」
ぐらいの勢いで
とぼけておかなくては、
全然驚かせる楽しみがない!




ちらっと隆也君を見る。




いつもだったら、お喋りなあたしが
沢山喋っているのに、
今日は口数が少ない。



だから、隆也君がにこにこしながら、
自分の話をしてくれてる。
でも、自分の誕生日の話は
一切なし。


それが不思議。


(隆也君、あたしが気づかなかったら誕生日のこと、自分から言わないつもりかな?)


もうそろそろ誕生日だから、って
自分から言ってくれてもいいのに。
遠慮、とか、恋人同士にはいらないよね。


やっぱり、あたしが“ご主人様”だから、
それで言えないのかな?




そんなことをぼんやり考えていたら、
不意に、片方の頬をつままれた。



「いたー」


「何考えてんだよ?」


「ん?あ、な、なんでもないよ?」


笑ってごまかす。


そのあたしの様子を
じーっと見ている隆也君。



(う・・・疑われてるかな?)




最近、ちょっと隠れてお花を育てたり
樫原さんと打ち合わせしたりで、
実は、なかなか隆也君と
2人っきりの時間っていうのが
少なかったりする。



(それはそれで・・・寂しいだけどね)




でも、全てはサプライズな誕生日のため!


顔では笑って、心は鬼に!!




作り笑いで、にっこりした
あたしの頬を
隆也君がまた、
いーって横にひっぱる。



「い、いたいよ、隆也君」


「・・・・だって、なんか、その笑顔怪しい」


「え・・・・?」



「お嬢さん、なんかオレに・・・・」


「っ・・・・・!!」




そ、それ以上言わせたらだめだ!
思わず、それを遮るために
あたしは嘘の咳払いをした。


「ご、ごほごほごほっ!!!」




真似だけのはずだったけど、
思わず一気に
咳払いをしたものだから、
むせてしまった。



大丈夫?って隆也君が
背中を撫でてくれる。
とりあえず、
誤魔化されてくれたかしら、今ので。



ごほごほと、涙目になるように
(嘘だけど)
ちらりと、隆也君を見ると、
すごく真剣そうな顔をして、
あたしの心配をしてくれてる。




(あ・・・・・・)




風邪?
お茶が不味かった?
気持ち悪い?



思わず隆也君の
疑問を遮るための
演技だったんだけど、
なんかすごく心配されてしまって。





・・・隆也君ったら。




だ、大丈夫だよ。
ちょっと慌てて
お茶を飲んだから
むせたみたい。



そういって見せたら、
隆也君が
本当に慌てん坊なんだから、って
にこっと笑って
背中を撫でてくれる。




・・・・そう簡単にあたしの言葉を
信じちゃうんだね、隆也君。



その、絶大な「信頼」が、
今のあたしにはちょっと
後ろめたいっていうか・・・。



ううん。
なんていうか、
隆也君に隠し事してるのが
ちょっぴり苦しい。



申し訳なくて凹んだあたしを、
不意に隆也君が
ぎゅっと抱きしめた。



え?



抱きしめられながら、
隆也君があたしに呟く。



最近様子がおかしいけど、
どうかしたって。


・・・・どうかしたことあるけど、
それが隆也君の
誕生日のためだって
いうのは、言えないよ、まだ。




ごめんね。
言える時になったら
隆也君にちゃんと言うから。




なんか、微妙な濁し方で答えた。




(明日になったら・・・・明日の誕生日祝いさえ終われば!)



問い詰められて
への字口になって
黙ったあたしをみて、
隆也君が少しため息をつく。



最近、本当に様子がおかしいぜ?



(ごめんね、まだ言えないの・・・・)

それならいいけど。



そう言って、
あたしのお茶のお代わりを
入れようと後ろを向いた
隆也君の背中にあたしは
テレパシーを送る。



明日になれば!


最近あたしが変だった理由はわかるはず!
(ついでに真壁さんにしごかれてる理由も!)


あたしの不審な動きも!



あたしのへの字口が
伝染した隆也君に
あたしは、ぎゅーって
後ろから抱きついた。



20090511172510



心配することなんて、
なんにもないよ。



今はまだ内緒だけど、
明日はきっときっと特別になって、
そして、全て疑いが解けるから!



そう心の中で呟いた。



隆也君は、なんか
勘づいてるっていうか、
ちょっとあたしの様子が
最近おかしいのを
気づいてるみたいで・・・・。


誤魔化されないっていうか、
納得していない顔をしていたけど。



でも、あたしがぎゅっと抱きついて



「なんでもないよ」


って言ったら、ちゃんと
いつもの笑顔を返してくれた。











・・・・・・・・・・・・・









隆也君におやすみなさいをした後。





あたしは、こっそりと
部屋を抜け出した。




(樫原さんにカーネーションの花束に入れてもらうカードを届けなくちゃ)



こっそりと自室のドアを
開けて確認する。



カチャ。




鍵の音さえ響かないで!って思う。
隣の部屋には隆也君がいるから。



(・・・いつもだったら仕事終わったらすぐにシャワー浴びるはずだから)


そう計算して、あたしは、
物音を立てないように
そっと自室を出た。



こっそりと廊下を歩きながら、
あたしは隆也君の部屋の前で
ちょっとだけ忍び足になる。



絨毯が厚いから
別に忍び足にならなくても、
足音が聞こえるとは思わないけど。



気持ちだけ。


ドアの下からは、
部屋の光が見える。


(隆也君・・・ごめんね)


でも、明日までの辛抱だから!



目指すのは、
執事長の樫原さんのところ。


多分、まだ執事室にいると思う。
いつも、樫原さんがお仕事をする部屋。



部屋の前まで来たときに。


ドアがいきなり開いた。


真壁さんが、
するっとドアから出てくる。




ぶつかりそうになったけど、
直前で真壁さんが避けてくれた。



「お嬢様、いかがなさいましたか?」


顔色ひとつ変えずに尋ねられる。



しっかりと目を見据えて訊いてくるから。



(こ、これが隆也君の言っていた無表情ね・・・・)


思わずどぎまぎしてしまう。



「あ・・・いえ、たいした用はないんだけど」

「そうですか」


・・・・・・・・。


「お嬢様のお部屋まで、お送りいたします」

っ・・・!


連行されちゃう!
思わず、慌てたあたしは、

「あ、え、えっと、大丈夫です!樫原さんに用があって」


そこまで言ったときに、
執事室のドアが開いた。
樫原さんが顔を出す。


「お嬢様」

「あ、樫原さん」


その間で真壁さんが、
あたしたち2人を
じっと見つめている。


「お嬢様、お待ちしておりました。どうぞ」


そう言って執事室へ
手招きしてくれる樫原さん。


「真壁は下がってよろしいですよ」


にっこりと笑う樫原さん。
それをじっと見ていた真壁さんは


「それでは、私はこれにて失礼いたします」


丁寧に腰を折って挨拶したあと
行ってしまった。



(・・・なんか、今の誤解されたっぽくないかしら?)



背筋がしゃんと伸びた
真壁さんの後姿を見ながら、
あたしは、ちょっとだけ不安になった。



なんだか、ちょっとだけ
驚いた顔をして、
樫原さんとあたしを
見比べていたよね。



「さあ、お嬢様」

そう促されて、
あたしは部屋に入った。







・・・・・・・・・・・







「お嬢様、どうされました?」

「樫原さん、これ、お願いしたくて」


カードを差し出す。
ちょっと可愛い模様の入ったカード。



プレゼントの花束は、
前もって入り口付近の花壇に
隠してもらうことにしているから。


ちょっと隆也君が
目を話した隙に
あたしがそれをとって、
0時になったら、お祝いを言う。



その間、カードを
花束に入れたりって
時間はないはずだから、
先にカードを預けておくのが
一番だろうと思った。



あたしの手元のカードを見て
樫原さんがやさしく笑う。



「大木も幸せ者ですね」



その言葉で、かーっと恥ずかしくなってしまう。



「あ・・・いえ、その・・・・」



樫原さんにあたしと隆也君が
付き合ってることはばれているのに、
こうやって言われると、
すごく恥ずかしい。



「お預かりして、花束の中にお入れしますね」


にっこりと笑う樫原さん。


「きっと、大木はとても喜ぶと思いますよ」


さあ、もう遅い時間ですので、
お嬢様をお部屋までお送りします。




カードを受け取った樫原さんが、
あたしを部屋まで連れて行ってくれる。



(これで、明日の準備はよし!)



明日の夜中、遊園地で
サプライズに驚かせた時の
隆也君の笑顔が
今から眼に浮かぶよう。



廊下を歩きながらも、
にんまり顔のあたしに、
樫原さんが微笑む。


「お嬢様、明日は楽しみですね」


「うん!」



なんか、カーネーションの苗やら
遊園地の手配やらで色々と
樫原さんには手間をかけさせてしまった。


「樫原さんがいてくれるから・・・・」


できるだけ一人で
準備したかったけど、
なかなか、お嬢様、って立場では
自由が利かなくて。
樫原さんがいてくれて
本当に助かった。



「ありがとう、樫原さん」


部屋の前でお礼を告げると、
樫原さんがゆっくりとドアを開けながら、


「お嬢様のためでしたら、私は何でもいたしますよ」


にっこり笑ってそう言ってくれる。


(樫原さんって・・・・本当に人の心を掴むのが上手だよね)



その優しい言葉に、
あたしもにっこりと笑った。



「じゃあ、明日」


「ええ、明日ですね。」


あたしと樫原さんは
暗黙の了解で、にっこり笑った。




そう、明日は
秘密作戦決行の日なのだから。




「樫原さん、ありがとうございます。おやすみなさい」


「おやすみなさいませ、お嬢様」


ぱたっと、ドアが閉められた。

ふう、と息をつく。



明日の準備はこれで終わり。
あとは、うまく・・・・その時間まで
隆也君にサプライズパーティなのを
知られないようにするだけ。


ちょっと後ろめたい気持ちを
抱えながらも
明日の悪戯と
サプライズパーティのことを思って
あたしは、わくわく気分で寝た。


















*******夜の遊園地 前編 FIN. ***********

Happy Birthday ! Dear TAKAYA !!



後編は、明日5月12日。


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