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★:゚*☆※>('-'*)お誕生日おめでとう!(*'-')<※★:゚*☆

いつも仲良くしていただいている、
『Sunflower』のSuger Saltさま に捧げます。

お誕生日・・・・、
実は4月29日でいらっしゃったのですが
私情でその日までに書くことができず、
今頃のUPになってしまいました。

最初、誕生日の夢をリクエストされた時には
(書けるだろう!)と引き受けたのが、
夜語り期間や、あれこれとありまして、
書ききれず。

遅れてしまってごめんなさい!

かなり遅れてしまいましたが、
無事に昨日お届けできて良かったです!

リク内容は、中岡さんと海でデート♪

(*´ェ`)、デートアプリに被ってる?

ということで。

お話を書く上で、
中岡さんと海でデートしてから
1年後ぐらいの設定で書きました。

甘いです。
激甘です。
耐えられなくなって
走り出しても
気持ちわかります!(爆)←

お誕生日リク夢なので、
名前は「サト」で、****とかじゃないので
ご了承くださいませ。

長いので分割をつくっております。
その1 その2 その3



以下、創作になります。
ご興味のある方のみ、お読み下さい。


↓↓↓↓

******* キスの数だけ *******

FOR Suger Salt !
HappyBirthday!









海に行きたい。


中岡さんにあたしの誕生日のある週末、
どこに行きたいか?って訊かれて、
すぐさま、そう答えた。


豪華なランチを食べに行ったりとか
遊園地に行ったりとか、
遠出のデートもできるよ?


あたしの答えを聞いて、
中岡さんがすこし目を丸くした。


でも、あたしはそれを断って。




2人で海に来た。
あたしの誕生日。













・・・・・・・・・・・・







「うわ~。まだ夏の海には早いね」


海に行くからと、
今日は大き目の帽子に
花柄のワンピースを着た。


海に似合うように。
淡い色のワンピース。


裾が海風で揺れるから、
ロングのワンピース。


足元は、細いサンダル。


海に行くからといって
カジュアルな格好はしたくない。


隣にいる中岡さんには
いつも可愛いって
思ってもらいたいから。
だから、海のデートに似合うように。
デートらしい格好。


休日の今日。
あたしの誕生日。

お屋敷を朝早く出発した。

もちろん、中岡さんが運転してくれる。
2人でデート。

出かける前に
お弁当を準備してくれて
それを持って、
今日は一日、
海のピクニックだ。






朝早くから出てきたけど、
海はなかなか遠くて。

でも、そんな長い道のりも、
中岡さんと2人っきりでいられて
あたしは、幸せだった。



何気ない会話。
2人だけの空間。
執事じゃない恋人の顔。


どれもこれも特別だと思う。







着いた先は、誰もいない春の海。

波の音だけが聞こえる。



中岡さんがエスコートしてくれる。





・・・・・・・・・







砂が入るから。


そういって脱いだサンダルを
片手で持とうとしたら、
先に中岡さんが、
そのサンダルをつまんだ。


そして、にっこり笑って、あたしに
反対の手を差し出す。


「砂に足をとられないように気をつけて」


差し出してくれた手を握る。
あたしのサンダルを持ってくれてる
優しい恋人の姿に、
少しあたしは、胸がじーんとする。


こういう“恋人同士”って感じが
とても好き。


差し出してくれた手をぎゅっと握り、
少しだけ急いで、
中岡さんの腕に、
あたしの腕を絡めた。


「っ・・・!」


腕をいきなり組んできたあたしに
中岡さんが少しびっくりした顔をする。
そして、次の瞬間、
少しづつ顔が赤くなっていく。



あれ・・・?



「中岡さん、どうしたの、照れてる?」


「あ・・・いや、その・・・」


「え?」


「な・・・なんでもないよ」


「そう。なら良かった」


そうにっこり笑ったあたしを
中岡さんが眩しそうに見つめる。


最近、特にこうやって中岡さんが
あたしのことを見つめる。


その瞳があたしの中のなにかを
見ようとしている気がして、
あたしは、恥ずかしくなってしまう。


「・・・・中岡さん、見つめるの禁止だから」


思わず恥ずかしくて
そう言ってしまった。


その言葉に一瞬
目を丸くした中岡さんが
くすっと笑う。


「わかりました、サトお嬢様」


少しかしこまって言う。


「もう!なんでそんな執事さん口調で話すの?」

やだよ、今は。
お嬢様なんて、呼ばないで。


思わず、口を曲げて訴えた。


冗談でも、今日一日くらいは、
執事じゃなくて、恋人として
傍にいて欲しいから。


そんな口調聞きたくない。


思わず激しい口調で言ってしまった。


困ったような笑顔を
浮かべた中岡さんが
拗ねたあたしの頬に手を当てる。


「ごめん。その・・・・つい・・・・」


その言葉でちょろっと
中岡さんを見ると、なんか、
この雰囲気を壊してしまって
気まずい・・・。
後悔してる・・・って表情してる。


あ・・・・。


「め、命令じゃないよ」


「え?」


「あれは、恋人として、中岡さんにお願いなの」


さっきまで少し
拗ねていた気持ちより
一緒にいる
中岡さんの笑顔の方が大切。


あたしは、ちょっとだけにこっと笑った。
中岡さんのそんな傷ついた顔は
見たくないから。


特に今日は。


「怒ってない?」


「怒ってないよ」
でも、お嬢様って言わないでね。


そう軽く笑いながらも、
中岡さんに告げたら、
いつも通りの優しい笑顔が
帰ってきた。

中岡さんが
ほっとしているのがわかる。


(中岡さん、すぐあたしの機嫌を気にするんだよね)


それは、多分・・・あたしのことを
すごく好きだから、っていうのは
わかってるけど。


その気持は嬉しいけど、
でも、すぐ落ち込んじゃうから
あたしも言い方に
気をつけないとな。


中岡さんは、すごく気がきく分だけ
あたしの機嫌をすごく気を使う。


恋人として、それはすごく嬉しいけど、
でも、たまにあんまりにも
気を使わせてる気がして
それが他人行儀なように感じられて、
少し寂しいと感じたりするよ。


もっと、あたしの前では
気を使わなくていいんだよ。


思わず、あたしは、
握った手をぐっと
自分の方に引いた。


「え?」


中岡さんが少しバランスを崩す。
それをぎゅっと後ろから抱きしめた。


「ねえ、中岡さん」


「っ・・・・!サ、サトちゃん・・・?どうしたの」


「・・・・・中岡さん、あたしに気を使いすぎ」


「え・・・・?」


「あたしたち、恋人なんだよ?ちょっとあたしが拗ねただけで、あんなに気を使わないで」



あたし・・・
気を使ってもらうのが多いほど
中岡さんから距離を感じるよ。


思わず言ってしまった。


だって、中岡さんに、
あまり気を使って欲しくないから。


言ったあとに
すごく切なくなって、
余計にぎゅーっと
中岡さんの背中を抱きしめた。


わかってる。
こうやって言ってることさえ、
あたしの我がままで、
あたしが勝手に拗ねてるってこと。


「サトちゃん・・・・」



しばらく抱きついていたら、
中岡さんが、後ろから抱き付いている
あたしの手に優しく自分の手を重ねた。


「ごめんね」
オレ、そんなこともわからなくて。
オレから距離を感じてた?



「・・・・謝って欲しいんじゃないの」


好きだから、
あたしの一字一句に左右される
中岡さんの気持ちはわかる。


でも、あまりにも
気を使われすぎると
なんだか、あたしも困るよ。


自分のお腹の前で
組まれたあたしの両手に
中岡さんの両手が
ぎゅっと重ねられる。


「・・・・オレ、不安でさ」


「え・・・・?」


思わずその言葉で
びっくりして顔を上げた。


背中越しで、
中岡さんの表情は見えない。


「不安・・・って・・・?」


あたしの言葉が
少し動揺しているのを
わかったのか、中岡さんが、
あたしの両手を
優しく撫でながら言った。


「オレ、君のことが好きすぎて、それで不安になるんだ」


恋人として一緒にいる
幸せと同じくらい。
たまに不安になる。

大事にしたいと思ってて、
いつも幸せにしてあげたいと思ってるから。
だから、ちょっとでも傷つけたかと思ったら、
すごく自己嫌悪に陥るんだ。

すごく大事に、
大切に思ってるから。


素直な、中岡さんの気持ちだと思った。


あたしは、ゆっくり
背中から抱きしめていた
腕を解いて、
中岡さんの正面に回った。


そこには、
すこし困った顔をしている
中岡さんがいた。

「ごめん。せっかくの誕生日なのに、こんなこと言っちゃって」


なんか、あたしには
そんなに複雑で
難しいことはわからないけど、

でも、あたしは、
中岡さんのことが好きだよ?

だから、簡単には傷つかないし、
中岡さんのこと、すぐさま
キライになったりしないから。

そんなやわな気持ちじゃないよ
あたしがあなたに抱いている気持ちは。


「あたしは中岡さんが一緒にいてくれるだけで嬉しいの」


不安そうな色を
湛えている中岡さんの
瞳を覗き込んで、
あたしは強く言った。


「あたしが拗ねるのは、嫌いになるとかじゃなくて、ただ中岡さんに甘えたいだけなの!」


だから、あたしが拗ねたら、
中岡さんはよしよしって
してくれればいいの。

それで、気持ちが治まるんだから。


にんまりと笑いながら伝えた。

満面の笑みで。
だって、これは嘘じゃない。


一生懸命訴えてるうちに、
中岡さんが最初は
びっくりしていたけど、
だんだんと、いつもの
中岡さんに戻ってきた。



でも気づいた。


あっ・・・・。

あたし、今、
もしかして、
すごく恥ずかしいことを
言っちゃった・・・よね?

うわああ・・・・・。


思わず頬が赤くなる。

そんなあたしをみて、
中岡さんが意外そうな顔をして
嬉しそうに訊いてくる。


「サトちゃん・・・・それって」


「あー!もう、それ以上聞いちゃだめ!」


恥ずかしくて、
逃げ出そうした途端。


中岡さんにぎゅっと抱きしめられた。



「こら。逃げないで」


赤くなった顔も。
多分、耳まで赤くなったのも。
全部ひっくるめて抱きしめられる。


「サトちゃん・・・・」

中岡さんの温かい息が耳にかかる。


「ありがとう。気を使わせちゃってごめんね」


なんだかしんみりと言われると、
少し恥ずかしかった気持ちも治まって。

多分、これでよかったんだと思った。


きちんと、あたしの気持ち、
伝わってるよね?



腕の中から顔をあげてみると、
中岡さんが優しく
あたしのことを見つめていた。


「これから、サトちゃんが拗ねたら、こうするから」


くすっと笑って、
抱きしめている片手で、
中岡さんがあたしの髪の毛を撫でた。


その仕草がとても優しくて。
甘くて。

途端に恥ずかしくなる。
固まってしまった。


「な、中岡さん!!」


「なに?」


「こ・・・こ、こ、これを見られたら」


「え?ここ、海だから誰もいないから大丈夫だよ」


撫でてくる手をやめない。

すっごく大事そうに
大事そうに撫でるから。

恥ずかしい気持ちは
たっぷりなんだけど・・・。


あたしは、急に甘えたくなって、
そのままにして、
赤くなった顔を見られないように
また中岡さんの胸に顔をうずめた。


そんなあたしの甘えっ子を
中岡さんがくすっと笑うのがわかる。


(なんかなぁ。急に中岡さん、大人の男の人に変わるもんなぁ)


よしよし、って感じで、
中岡さんが、
あたしのことを撫でてくれる。


自分から言い出したことだけど、
それが少し恥ずかしくて。


あたしは、しばらく
中岡さんに抱きついたままだった。


中岡さんは、
そんなあたしを抱きしめててくれて。
ずっと優しく撫でててくれた。


「やっぱり・・・サトちゃん、すごく可愛い」


「え?」


「さっきの言葉、すごく嬉しかった」


「・・・・・」


なんでこんなに素直なんだろう。
中岡さんって、本当にあたしより
年上なはずだけど、
すごく純粋なところがあって。


照れ屋さんで。
気配り上手で。
あたしのことが大好きで。


切ないほど好きで。


もちろん、あたしも
それくらい好き。


「今度から、サトちゃんが拗ねたら、こうやって抱きしめてもいい?」


・・・あたしになくて
中岡さんにあるのは、
たまにこうやってみせてくる
大胆さかな。


「・・・・・・///」


「ねえ、サトちゃん?」


「・・・・・中岡さんのイジワル」


「え?」


「・・・・あたしが断れないの知ってて、そういうんだから」


「あ・・・・・」


その言葉で、中岡さんが
くすくす笑い始めた。
もう、中岡さんったら。


軽く睨むようにして
顔を覗き込むと。

どきっとするような
深い瞳の色で
反対に中岡さんが
あたしの目を覗き込んだ。


「抱きしめたら拗ねるのが治るっていうの、おしえてくれてありがとう」


「っ・・・・!」


「オレ、たまにサトちゃんのこと、好きすぎて」


「あああああ、もう、それ以上言っちゃだめ!」


あまりにも甘い発言な
中岡さんの口を
あたしは、両手でふさいだ。
もぐもぐして、目を白黒させてる。


その姿が・・・なんだか、
ちょっと可愛くてくすっと笑ったら。


反対に、口をふさいだ手を掴まれて
軽く指を甘噛みされた。


「っ・・・・!!」


予想していなかった刺激で
思わずびっくりした。


「この手、可愛い」

「っ・・・!!!な、中岡さん!!!」

「ん?」


「ゆ、ゆ、ゆ、ゆ・・・ゆび!!」


「あっ・・・!」


言われて気づいたように、
中岡さんが、あたしの指から
唇を離した。



そして、すこし照れてる。


「でも誰も見てないから、大丈夫だよ」


ほら、って中岡さんが
周りを見渡す。


春の海は、人なんかいない。
ただ、波の音がしているだけ。
少し肌寒い浜辺で、
砂浜にいるのは、あたしたちだけ。


でも、動揺のあまり、
どもってしまったあたしを見て、
不意に中岡さんがくすっと笑う。


その頬は赤くなってるのに。
でも、しっかりあたしを見つめている。

「だって、サトちゃんがとても・・・・その・・・かわいいから」


「か、可愛いからっていって!!!」

指を食べられるかと思った。
その動きがとても、
エロティックで・・・



もう、なんか恥ずかしくてたまらない。



あたし、今すごく赤くなってる。


(恥ずかしいよ・・・だって)


もっとそれ以上して欲しいと思ったから。
そしたら、それがすごく
すごく、なんかエロいっていうか、
何考えてるんだろう、自分!!って
本当に、恥ずかしくてたまらなくて。



「もう!ついてこないで!」



するっと中岡さんの腕を抜け出して
先に歩こうとした。

「え?」

あたしは、一人、
ずんずん、砂浜を歩き出す。
ちょっとびっくりした様子の
中岡さんを後ろに。

「どうしたの、サトちゃん?」

中岡さんが慌てて、
追いかけてくるのがわかる。


「は、恥ずかしいから、ちょっとしばらく・・・」


その言葉に、中岡さんが
くすっと笑う。

もう、なんで余裕で笑ってるの?

こうやって、たまにあたしよりも
すごく大人の男の余裕みたいなのを
見せ付けられる。

(それはそれでかっこいいと思うけど)

すごく、自分が子どもで
いたたまれなくなるし
恥ずかしい。


中岡さんのことが好きすぎて。


なんか、こんな甘いことをされたら
頭が沸騰しそうになる。










でも、サトちゃん。



顔のほてりが消えるまで、と思って
無言でずんずん歩いていたら
不意に中岡さんが
あたしの名前を呼んだ。


「言ってることと、やってることが反対だよ?」


「え?」


はっと気がつくと、
あたしは、中岡さんの手を
繋いだままだった。


あ!

ついてこないで、って言いながら、
ちゃっかり手を繋いだままだった!


あまりの自分の矛盾に
また、かーって赤くなっていたら、
不意に、その繋いだ手をひっぱられて、
中岡さんに抱きしめられた。


「こうしたら顔見えないから」


「な、中岡さん!!!」


「恥ずかしいんだろ?」

優しく笑ってるのがわかる。
あたしは抱きしめられて
真っ赤だ。


本当に、中岡さんったら
純情で可愛いなって思ったら
次の瞬間は、
すごく大胆な行動をしてくれる。


こうやって・・・・
誰も見ていないからって
抱きしめるのは嬉しいけど・・・。


普段から、それも外でこうやって
抱きしめてくれることってないから、
あたし、すごく、ドキドキしてるよ。


ドキドキしてるあまり
固まってると、
不意に中岡さんが耳元で囁いた。


「名前で呼んでよ」

「っ・・・・・!」


「せっかくのデートなんだし」


「・・・・・・」


な、中岡さん!!??


いつも、あたしが押せ押せなのに、
こんな時は、中岡さんの方が大胆・・・。


「ね?」


「・・・・う、うん」


「オレ達、もう付き合って1年になるのに、なかなか君の口からオレの名前を聞けなくて」
本当は寂しいってわかってる?


その言葉はからかいとか、
滲んでない。
本当に、中岡さんが想っている言葉。


思わず何も言えなくなる。
だって、名前を呼べないのは・・・・。

呼んだら、すごく切なくなるから。
好きだって気持ちが
溢れてくる気がするから。


「久志さん・・・・」


呟くだけで、
その響きが、一番に
あたしの胸を苦しくさせる。


「サトちゃん・・・・」


中岡さんがあたしの名前を呼ぶ。
その響きが・・・とても好き。


思わず切なくなって
もうどうしようもなくなる前に
話をずらそうと、
あたしは、一人話し始めた。


どうしてここに来たのか。
どうして今日ここに来たかったのか。


「ねえ、覚えてる?」



「ん?覚えてるよ、もちろん」


「あたしが飛ばしたスカーフを取ろうとして中岡さんが海で濡れちゃった、1年前のデート」


「そんなことも覚えてたんだ」


「もちろんだよ。忘れない」

だって、すごく大事な思い出だもん。
中岡さんとの初めてデートだったから。


「あの時、キスしてくれたの、覚えてる?」


「もちろん」


「すっごく嬉しかった」

切なくて、胸がきゅんとした
あのときのキス。


「サトちゃん・・・・」


「あの日から、この海はあたしにとって、久志さんとの特別な場所なの」


だから、今日、あたしの誕生日に、
ここへ二人で来たかった。


大好きだよって、気持ちを
ここでまた確認したかったから。
あの日の思い出が
とてもステキで、愛しかったから。


そう告げたあたしに
中岡さんがくすっと笑いながら、
目を覗き込む。


「あの日の海の想い出より、今日の誕生日の想い出の方がもっともっと」
記憶に残るよ・・・・


そう呟く声と一緒に、
中岡さんがゆっくりと顔を近づけてきた。


「記録更新」


ちゅっと少しだけ唇にキスされて、
中岡さんが笑う。
すごく幸せそうな笑顔。


「違うよ。記録更新中」


あたしも、思わず笑顔になって、
中岡さんの首に腕を回して
抱きつきながら、キスをした。






少しだけ・・・・
海の匂いがする。
中岡さんから。




多分、あたしも・・・・。
海の匂いがしてるね。



海風があたしたちの横をすぎていく。
風が通っていくたびに、
あたしと中岡さんを包んでいる
温かい空気を揺らしていくの。


春の海は誰もいなくて。

2人で歩く砂浜。

立ち止まっても、
聴こえるのは波の音だけ。
柔らかくあたし達に降り注ぐ
太陽の光が、すごく気持いい。


明るくて。


こんな明るい中で、
それも、想い出の海で
中岡さんと白昼堂々と
キスしている自分がいる。

それが、たまらなく
幸せだって感じるよ・・・・。












・・・・・・・・・・・








ちょっと歩こうか。

中岡さんに手をひかれて
砂浜を歩く。


波打ち際で見つけた棒で
濡れた砂にお絵かきする。


子どもみたいって思うけど
自分と中岡さんの
名前を描いてみた。


もちろん、2人の名前を
ハートで囲ってみる。


それを見て、
中岡さんが赤面しているのがわかる。





誰もいないからいいじゃん。
描いても大丈夫だよ。




そうだね。お絵かきしよっか。



あたしの言葉に中岡さんが
少し悪戯っ子ぽく笑ってくれる。




これ、相合傘なの。




にっこり笑って
砂に描きあがったのを見せたら
中岡さんが、相合傘の上に
ハートを描いてくれた。



ハートを描かないと
相合傘じゃないよ、サトちゃん。



あ、ただの傘になってた?




そう笑っている先から、
押し寄せてきた波が
砂をさらっていく。




あー!消えちゃった。




傘の半分までが消されてしまって
がっかりするあたしを
中岡さんが、頭をぽんぽんとする。


こっちに描こう。



そしてにっこり笑って、
少し波から離れた場所に
さっき半分まで消されてしまった
相合傘を描いてくれた。



ここだったら消えないよって。



思わず嬉しくて、
中岡さんに抱きついた。



そんなあたしを、
また中岡さんがぎゅっとハグをして
頭をぽんぽんとしてくれる。


子どもみたいに
甘やかされてる、って
わかりながらも、
こうやってされるのは大好き。




その後、2人でまた
砂にお絵かきする。



これ、中岡さんの顔だよ。


ちょっと難しかったけど、
どうにかカッコよくかけたのを見せる。


ちょっと可愛く描いて、
もちろん、頬は照れているように
斜線を描いた。


髪の毛はあたしが
大好きなふわふわ。
目はきらきらお星様を入れた。


頭にクラウンを載せる。
ちょっとだけ王子様みたいな感じ。




似顔絵の横に沢山ハートを描いたら
中岡さんが真っ赤な顔をして
そのハートを消そうとするから、
思わず笑ってしまった。




これ、すこし可愛すぎない?




軽く睨みながらも
照れてるのがわかる。



あたしからみたら、
いつも中岡さんはこうなの!



そのまま、似顔絵の中岡さんの隣に
あたしの横顔を描く。




中岡さんの頬に
キスしているように
見えるような横顔。
目を瞑って
唇をちゅって出している。







キスさせてみた。




どう?って振り向くと、
中岡さんがこれまた
真っ赤な顔をしている。




ん?これくらい、どうってことないよ?




自分がキスされている砂の絵を見て
赤くなる中岡さんが可愛いと思う。



だから、吹き出しで
砂の絵のあたしに言わせた。



「ひさし カワイイ」



そのセリフに、
中岡さんが思わず吹きだした。


あたしも笑った。


それがあまりにも面白かったから
思わず調子にのって
その隣に、またセリフの吹き出しを描いて



「だいすき」



って描いた。


もちろん、沢山ハートも散らして。


笑いながら、
棒を貸して、って言われて
貸したら、今度は中岡さんが
あたしの描いた、
自分の砂の絵の横に





「サト だいすきだ」




と書いた。




ちょっと照れたような顔をして
でも、ちゃんと書いてくれた。


それが嬉しい。
目を合わせて、
2人で子どもみたいに笑う。



今度はあたしがまた棒で書く。




「あたしのほうがすき」




中岡さんが書く。



「おれのほうが もっとすき」



あたしが書く。





「すき すき すき すき」




中岡さんが書く。





「あいしてる」















2人でイラストの周りに
たくさん文字を書いた。
もう書くところがなくなって、
2人で笑った。



描いていた棒を
近くにぽいっとして
手を繋ぐ。



海風が気持いい。



目を上げると
海面が午後の光で、
柔らかく光ってて、
キラキラとしている。


少し眩しい。


そっと隣に寄り添う人を見ると、
彼も同じように少し目を細めて
海を眺めている。



柔らかそうなライトブラウンの髪の毛。

優しそうな顔。瞼にかかる前髪。

見た目以上にしっかりしている肩。


その1つ1つがとても好きだと思う。



手を繋いだまま、しばらく、砂に
自分たちが描いた絵を眺めていた。




沢山描いたね。

うん。

これって・・・見られたら
すごく恥ずかしくない?

うん、恥ずかしい、かも。

帰る前に名前だけは消していく?

ううん。恥ずかしいけど、いい。

そっか。じゃあ、
そのまま残してから帰ろう。










中岡さんがあたしを見つめて笑う。

あたしも中岡さんを見つめて笑う。





すごく、幸せだと感じる瞬間。




「ねえ、久志さん?」

「ん?」

「さっきの。文字じゃなくて、言葉にして言ってよ」


いつ?今?

そう訊きながら、
ぎゅーっと中岡さんが
あたしを抱きしめる。


いつでも!今すぐ!


元気よく返事をしたあたしを
眩しそうにみつめる中岡さん。


あはは、元気だな。


子どもに言うみたいにいう中岡さん。
でも、その目はすごく優しくて。


たまらなくなって
あたしは、自分から
ちょっと背伸びして
中岡さんの首に抱きつき、
キスした。





















ちょっと先に
少し大きめの流木がある。


そこに座ろう。


中岡さんに促されて、
あたしは、そこに座った。


もちろん、座る前に
中岡さんが自分のハンカチを広げて
敷いてくれる。


あたしは、その優しさが嬉しくて
中岡さんに寄り添うように
くっついて隣に座る。


ぴたってくっついて
一緒に海を見る。











2人で見ている海。


1年前も、こうやってずっと2人で
のんびりと海を見ていたね。



いつも一緒だけど、
執事とお嬢様で、
こうやって隣に座って
のんびりと同じ景色を
見ることはない。



中岡さんがいつも見ている景色は、
少し前を歩くあたしの肩越し。


それが、今日は同じところから
同じ景色を見ているのが嬉しい。










少し退屈?






そう心配そうに窺う彼に
あたしは微笑んで見せる。


中岡さんと一緒だったら、
何をしなくても、
どこでも楽しめるの。


ずっと、こういう時間が続けばいい。


うん。
ずっと、中岡さんの隣にいれて
寄り添っていられる時間が
もっともっと続けばいい。


中岡さんの肩に頭をもたれさせて、
少し目を瞑る。



中岡さんが優しく肩を抱いてくれる。



特に何を喋らなくてもいい。
こうやっているだけで、
あたし、すごく・・・・幸せだから。



中岡さんもきっとすごく今
幸せだよね・・・・?

















「ねえ、中岡さん」

「ん?どうしたの?」

「ありがとう」

「え・・・?」

「いつもあたしのそばにいてくれて」


「・・・・それはオレのセリフだよ」


肩に乗せた、
あたしの頭を、すこしゆっくり
中岡さんが撫でてくれる。

こうやって猫みたいに
中岡さんには甘えたくなる。


「ううん。あたし、中岡さんが、久志さんが傍にいてくれるから頑張れるの」


1年前に九条院家にきたとき、
新米お嬢様だったのを
中岡さんが支えてくれた。


色んなことを教えてくれたし
いつも傍に居てくれた。


今は、専属執事でありながら
あたしの恋人だけど、
本当に・・・・その優しさに、
あたしはいつも感謝してるの。


「サトちゃん・・・」


少し頭をみて、
中岡さんの目をみて告げる。


「執事としてだけじゃなくて、恋人としても、中岡さんは最高の人よ」


あたし、中岡さんを好きになって
良かったって、本当に心から思ってるの。
そして、中岡さんがあたしのことを
好きになってくれて、とても嬉しい。


あたしの言葉に、
中岡さんが赤面する。

すごく照れてるのがわかる。


「・・・・それはオレのセリフだよ」


照れてるのがわかるから
目を覗き込もうとしたら
軽く睨まれた。
睨んだって怖くない。
だって、すごく赤くなってるもん。


「そうかな?」


「そうだよ」


もうこの話は終わりって感じで
中岡さんが、ぎゅっと
あたしの肩を抱き寄せた。



「誕生日プレゼント何が欲しい?」


不意に訊かれる。


「中岡さんとの時間」


すぐさま答える。

これぐらいしか欲しいのはない。
お金で買えるものは
なんだって義兄さんが買ってくれるから。


あたしが本当に欲しいのは
モノじゃない。


中岡さんの愛情だったり
中岡さんの優しさだったり
2人で過ごす時間だったりするんだよ。



「え?」


「あたし、中岡さんと恋人として一緒に入れる時間が一番欲しいの」


たとえば、今日みたいな時間が
もっとあるといい。
それだけなの、あたしの願いは。


「・・・・・・・」


あたしの言葉に、
久志さんがすっと真面目な顔をして
こっちを見つめる。


「ずっとこうしていたい」


そういってあたしは、
傍に座っている
あたしの肩を抱きしめている
中岡さんの手をぎゅっと握った。


「ずーっとこうしていたいの」


その切実さは
どれだけか、ちゃんと
中岡さんに伝えられないほど。


「サ、サトちゃん・・・」


あたし、中岡さんといるときだけ、
こうやっている時に
本当に思うの。


生まれてきて良かったって。
中岡さんに出会えてよかったって。


思わず真剣に語ってしまって
中岡さんの顔を見たら、
あっちを見たり、こっちをみたり、
視線を泳がせている。


今までみたことがないくらい
動揺して、顔が赤くなっている。



「え?どうしたの、中岡さん?すごく赤くなってるけど?」


「・・・・・」


「もしかして、照れてる?なんで?」


くすっと笑った。

ほんと、中岡さんったら
あたしから、こんな風に言われると
ものすごく照れてしまう。


まあ、あたしも中岡さんが
照れるとわかってて
堂々と言っちゃうんだけど。


だって照れたときの中岡さんが
すごくカワイイって思うから。


もう、思わず笑いが出てきちゃって
くすくす笑った。



「こら。大人をあまりからかうもんじゃありません」



あたしがわざと照れさせるように
ストレートに言ったことに
気づいた中岡さんが
軽くあたしを睨みながら言う。


「そういっても、中岡さん、だって可愛いんだもん」


その言い方さえも、
すごく可愛いと思う。


あたしより8歳も年上なのに
中岡さんは、あたしより照れ屋で
恥ずかしがり屋で純粋だ。


「か、可愛いって・・・・!」


動揺することないよ、中岡さん?


「だって」


くすくすと笑いが出てきちゃう。


こんなにちょっとしたことで、
赤くなるって、中岡さん、
あたしのこと、すごく意識してて、
多分・・・すごく好きなんだと思う。


「中岡さんがあたしのことで赤くなったり恥ずかしがったりするのを見るのが好きなんだ」


思わずにやりと笑って
横目で見た。


「っ・・・!君って子は・・」


あたしの笑いに目を丸くして
焦っている様子で
そう言いながらも、
自分もくすくす笑い始めた。


瞳はすごく優しい。


中岡さんは、あたしが
どんなに生意気なことを言っても
それさえも許してくれる。


あたしの全ての言葉を
受け入れてくれて、
そしてそれを可愛いと思ってくれる。

そんな人だから
大好きなの。

安心して好きでいられる。


「だから、ずっとこうやって一緒にいたいの」


もう一度、中岡さんの腕を
ぎゅーっと抱きしめる。
その肩に顔を埋めてしまうと、
少しだけ中岡さんの肌の匂いがする。


その匂いがすごく安心する。
大好き、久志さん。


そんなあたしの頭を
中岡さんが、すこし
ぎこちない手つきで
撫でてくれる。
きっと・・・・恥ずかしいんだね。



「ね?あたしの誕生日プレゼントは、今、言ったのでお願いね」


にこっと念押しで笑ってみた。

そしたら、中岡さんは
すこし困った顔をしながら
微笑んでくれる。

「でも、サトちゃん。それってプレゼントにならないよ?」


「え?そうかな?」


あたしにとっては、
すごく嬉しいプレゼントだけど。

ちょっとハテナ顔になった
あたしを中岡さんが
頬を染めながら、しっかり見つめる。


「だって、それは、オレがプレゼントもらってるようなものだから」


「え?」



「オレが嬉しすぎるって、そのプレゼント」


「っ・・・!」


あたし、多分真っ赤になってる。
いきなり形勢逆転。

そんなあたしを、
中岡さんも赤くなりながら
目を覗き込んできて
なおも言う。


「一緒にいることが一番のプレゼントだって思ってるのはオレの方だよ、サトちゃん」


「中岡さん・・・」


嬉しい・・・・より先に、
中岡さんの言葉で
一気に心がさらわれてしまった。


そんなあたしの頬を
中岡さんがちょっとつつく。

その仕草がたまんない。



「目を瞑って?」


「え?」



「いいから」



目をキラキラして
頼んでくる。


「あ・・・うん」


目を閉じる。
瞼を閉じる瞬間、
中岡さんがふっと笑ったのがわかった。


(もしかしてキスしてくれるのかな?)


そう思ったら、
すごくドキドキする。


ふっと、中岡さんが
近付く気配がした。
すごくドキドキして、
目をぎゅっと瞑った。




そしたら。








パチ。





耳元でぎゅっとされた。



え?
耳?


思わず目を開けたら、
顔のすぐ傍で中岡さんの顔がある。



「まだ目を開けちゃだめだよ」


そういって、片手で目を覆われた。

慌てて、またぎゅっと目を瞑ったら、
中岡さんがくすくす笑ってるのが聴こえる。


そして、あたしが
目を瞑ったのを見計らって
目を覆っていた片手が外された。








パチ。






もう片方の耳がぎゅっとされる。

この感覚は・・・・。








「目を開けてもいいよ」


その言葉で目を開けた。


中岡さんがにっこり笑ってる。
ほんのり、頬が赤い。



「それ、オレからのプレゼント」


前にサトちゃんと
買い物に行った時のネックレスと
お揃いになるように選んだんだ。


どんなプレゼントがいいか迷って
とりあえず、これを買ってきたけど、
でも、今日また欲しいのを教えてもらって
後でまたプレゼントするから。


ちなみにさっきのお願い事は、
あれは、プレゼントにならないからね。



そう、中岡さんが微笑む。



思わず、耳元を触ると、
なにか、アクセサリーが触れた。
しゃらん、って音がした。


「あ・・・ありがとう!!」


嬉しくなったあたしの顔を見て、
中岡さんがにっこりと笑う。


そして、ちょっと体を離して、
ちょっと遠目から、
あたしの全体を見る。


「うん、似合ってるよ」


その言葉が嬉しくて、
あたしも、にっこりした。



「ほんと?どんなのか見たいから外してもいい?」


外してあげる。


中岡さんが優しく
あたしの耳たぶに触れる。
その指は、すこし冷たい。
その冷たさに、すこし目を細めた。


かちっと音がして、
中岡さんがイアリングを取ってくれた。



「これ、気にいってもらるかな?」


手のひらに乗せられたイアリングは
可愛いお花の形をしている。
垂れ下がるような感じで、
いくつかのお花が波になってる。


「うわあ、すごく可愛い!ほんと、あのネックレスとおそろいみたい!」


思わず嬉しくなって、
あたしはそのイアリングを
太陽の光にかざしてみた。


きらきらと、埋め込まれた天然石が
太陽の光で輝く。


「すごく綺麗・・・」


思わず嬉しすぎて、うっとりと見ていたら、
中岡さんが、あたしの頭を
後ろからぎゅっと抱きしめた。


「そのイアリング、オレといるときだけつけて?」


思わずその言葉に頬が赤くなる。


「・・・う、うん!」


それって独占欲だよね、中岡さん?


確認してみようかな、って思ったけど、
ぎゅっと肩に押し付けられた頭を
上げることはできなかった。


多分、今、すごく中岡さん、
照れてるんだと思う。
顔をみられたくないんだね。


本当に可愛い。


思わずくすくすと
また笑ってしまう。


そのあたしの笑いに気づいて、
中岡さんも、くすくす笑いながら、
腕の力を緩めてくれる。


あたしは、顔を上げて、
中岡さんの顔を見つめる。


その優しい表情、瞳。
そして上気した頬。


全てが、あたしのことを
好きだって言ってる。


「中岡さん、顔、赤いよ?」


答えを聞く前に、
いきなり
中岡さんがあたしの唇を奪った。




ちゅっ。




「えっ!?」



いきなりされた突然のキス。


思わず目を丸くした
あたしの顔を覗き込んで
中岡さんが、軽く睨んだ。


「あんまりにもからかうから、仕返し」

その言葉に、
今度はあたしの方が
照れてしまう。


仕返しって・・・・!


中岡さん、本当に可愛い。
ちゅってしておきながら、
中岡さんもすごく赤くなってる。



思わずこんな甘い展開が嬉しくて。
あたしは、中岡さんにぎゅっと抱きついた。



「サ、サトちゃん!!??」



うふふ。
中岡さん、絶対また恥ずかしがってる。
アドバンテージはあげないんだから。


中岡さんの困った顔、
あたしがすることで
恥ずかしがって困る顔を
もっと見てみたいんだもん。


困りながらも
嬉しがってるのを
見たいんだもん。


ぎゅっと抱きついたあたしは
中岡さんの耳元で囁いた。



「大好きだよ、久志さん」



わざと、下の名前で呼ぶ。



ぎゅーっとしながら、
中岡さんの胸に頭を押し付ける。


思ったよりも広くて、
温かい場所。


こうやって中岡さんに
抱きついているのが大好き。


中岡さんがあたしの背中に
手を回して
そっと大事そうに抱きしめた。
ぎゅーっとじゃなくて、そっと。


でも、その抱きしめ方は、
嫌がってるとか、
遠慮しているわけじゃなくて
胸の中にいるあたしが
愛しいからだと思う。


小さなものを愛しく思うような、
そんな柔らかくて、
温かい抱きしめ方をする。

あたしは、それが好き。


「サトちゃん・・・好きだよ」


どくどくしている
中岡さんの心臓の音が
聞こえる。ちょっと体が熱い。


「あたしも大好きだよ」


何回言っても
この言葉は呪文だと思う。


あたしの言葉に中岡さんが微笑む。


「サト。大好きだ」


恋人同士の呼び方で呼ばれ、
すこしだけ腕の力が入る。


「うん。わかってる」


ドキドキしてくるから、
そう、すこしだけ
余裕を見せて答えた。
きっと、中岡さんは
全てわかってると思うけど。


「サト」


「なあに?」


「・・・・お誕生日おめでとう」


「ありがとう・・・・!!」


「これからも・・・ずっとオレの傍にいて。一緒に誕生日は過ごそう」
サトの誕生日はオレが、ずっと祝いたいんだ。


そう聴こえた。


「うん」


嬉しくて嬉しくて。


「中岡さんの誕生日も・・・・あたしがずっと毎年、毎年祝ってあげる」


「ありがとう」


抱きしめられながら、
にっこりとした。


嬉しい。


これからも、
誕生日の日はずっと
中岡さんが傍にいてくれる。


もちろん、中岡さんの誕生日は
あたしが傍にいて、一番最初に
「おめでとう」っていうの。


そのことを想像したら、
とても幸せな気持ちが
胸の中を満たしていくのがわかる。



「中岡さん・・・・」


「ん?」


「今の約束が・・・・今年のあたしの誕生日の、一番のプレゼントだよ」



これからもずっと傍にいて、
毎年、毎年、誕生日を祝ってくれること。
誕生日の日は、一緒に過ごしてくれること。


これ以上の嬉しいプレゼントはないよ。
形がない、約束だからこそ、
この言葉が嬉しい。


「サト・・・・」


「ありがとう、久志さん」


(大好きだよ)


そういう前に、
中岡さんの綺麗な指が
あたしの顎を掴んだ。
そして、上を向かせる。


そして、あたしは、目を閉じる。


中岡さんの優しい表情が
閉じる前に見える。




大好きだよ、って言う言葉より。



とても優しいキスが降ってきた。


(約束だ、サト)




キスがおしえてくれる。
中岡さんの気持ち。
あたしの気持ち。






年齢の数だけ、キスして欲しい。




そう、ねだるあたしに
中岡さんが嬉しそうに笑う。



18回じゃ止まらないよって。





じゃあ、もっと沢山キスして。





中岡さんは
あたしの願いを
全て叶えてくれるのを知ってる。

だから
答えはいらない。



ただ、あたしは目を閉じる。




そうしたら、中岡さんが沢山・・・・
数えられないほど
優しいキスをしてくれるから。




すこし笑って
キスの数を数えながら
中岡さんがキスしてくれる。




ひとつ




ふたつ






みっつ








よっつ



















18を越したら
数える呟きが消えた。


そのまま、深くキスをする。
その口付けに酔いしれながら・・・・。


中岡さんが、あたしの髪の毛を
撫でてくれながら、キスをする。
その感触が気持いい。


あたしは、中岡さんの唇と
そのキスだけを味わっていた。



今年の誕生日は・・・・
今までの中でも、
一番だと思う。


だって、こんなに大好きな人が
傍にいてくれて、
抱きしめててくれて
そして、キスしてくれる。



キスの数だけ
中岡さんは
あたしを幸せにしてくれる。



最高のプレゼントをありがとう。



これからも、ずっと傍にいてね。
大好きだよ。久志さん。


















********* キスの数だけ Fin ************
Happy Birthday ! For Suger Salt.






























◇あとがき◇

Suger Saltさまへの誕生日リク夢でした。
中岡さんとのデートでやりたいこと、
もしくは、彼ならやってくれそうなことを
ふんだんに詰めてみました。

恥ずかしいですね~。
自分で書いておきながら、
この糖度の高さに、恥ずかしくて
しょうがないです。

ちなみに、あたしが一番好きなところは
砂に2人が絵を描くところ。
「ひさし カワイイ」
いつも思ってることなので(笑)

デートアプリでの海デートは
2人、海でのんびりして
お喋りした、って感じだったので、
それにプラスαバージョンの
デートにしました。

やっぱりベタに海でデートといったら
こういう風に遊ぶでしょう!!

夜語りが終わって、
少し充電期間を置きつつ、
しばらくお話はかけないな~
と思っていたのが
なぜか、この誕生日リク夢は
すらすらと書けました。
やはり、中岡さんパワーでしょうか?

お話の最初の方で、
中岡さんが気を使いすぎて距離感じる、と
書いたところですが、
あれは、なんていうか、
大事すぎて大切にするあまり、
中岡さんが緊張したり
気を配りすぎるところが
なんだか、嬉しいんだけど
なんとなく距離を感じるからですね~。

恋人って対等な立場なはずなのに、
中岡さんときたら、好きなあまり
大事にしすぎて、気を使って、
なんか、自分をさらけ出してくれないというか(笑)

一方があんまりにも気を使いすぎると、
もう一方も気まずい想いを
たまにするよ、って
いうのを書きたかっただけです。

まあ、中岡さんの優しさや
大事にしてくれるところとか、
あたしは大好きなんですけどね。

中岡さんだったら、
抱きついたら、ぎゅーって
優しく抱き返してくれそう。
なぜか、そう思います。
受け止めてくれる優しさを
感じているのかな。
そういう柔らかいところが、
あたしは中岡さんの魅力だと思ってます。

キスとハグばっかりのお話だけど、
気に入ってもらえると嬉しいです。

キスの数だけ
幸せになる。
ううん、それ以上の幸せを
あなたがくれるから。

大好きだよって気持ちを込めて。


5.May.2009 つぐみ
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