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〔夜語り〕第二夜の二つ目のお話になります。

一つ目のお話、
「愛に降る紫雨」を書かれた瑞穂様に
捧げる、アンサーストーリーです。

「愛に降る紫雨」のお話と
対になって読めるように
書きました。

ナイトメアです。

以下、創作になります。

ご理解のうえ、
お読みになられる方は下からどうぞ。










******* 深海に響く雨音 ********



****を抱いている夜




南の濃い色をした藍色の海へ
自分が沈んでいる夢をみる。


沈んでいく俺は、
****の足を捕らえ、
抱きしめながら、
海の底へ道づれにする。


海の中の静寂で
冷たく淋しいのも
お前とだったら、
なにも淋しいことはない。



碇をつけられたピアノが
ゆっくりと沈んでいくように。



海の中で、
その鍵盤を鳴らすような。
そんな鈍い音を聴きながら。



それが、世界の
崩壊の音だとしても。



その音が聞こえなくなるまで、
ずっとずっと、海の底深くに
沈んでしまえばいい。



俺たちを包むものは
どこまでも、深い藍色で。
上を見上げると、
そこには空を映した水色。






全てが「無」に
かえればいい。





そんな夢をみる夜は
必ず、雨が降っている。
俺たちの愛に降る紫雨―――












お前はオレが
どう思っているか
わからないだろう。




お前がオレに
溺れていくたびに
もっともっと、
オレで窒息すればいいと
心の奥底で願う。



その命さえ、
いつか枯れてしまうのなら、
今この瞬間、俺のことを見つめて
ぎりぎりの愛を告げるお前を。



この瞬間で永遠にしてしまおうか。





どんな手段を使っても
手に入れると決めた。


そして、俺しか
見えないように。


俺しかいらないと、
お前が思うようになるまで。


なんでもお前に与えた。


過剰なほどの愛情
行過ぎる束縛
そして溢れて零れていく幸せ。



お前がそれに
慣れてしまうまで。
それが当たり前だと
思うようになるまで。



それがないと、もう
生きていけないと思うまで。




沢山の罠を仕掛けた。



お前は俺を疑うことを知らず、
無邪気にその罠を
1つ1つ踏んで、
俺に絡めとられる。



気がついたら
出口のない場所まで
俺に追い詰められたことを
気づくはずだ。




後悔はさせない。





「いつまで、執事なの」


苦しげに俺に問いかける
****を、俺はじっと見つめる。


「いつまでも、俺はお前の執事だぞ、****」


俺がいなくなる日が不安なのか。


それとも、こうやって
ここまで、行き場のない
2人だけの袋小路に
導かれたことを
怒っているのか。


こうやって行き場のないところに
2人がいることが。


苦しくとも逃げられない
逃げたくないと想う自分を
直視させられてるのが
痛いのか。




今、俺の目の前で
赤い目で怒る彼女は
どうしようもなく美しい。



頬から流す、
一筋の血でさえ。


その血は涙だ。

彼女の心が
俺によって
ずたずたに引き裂かれた印。





全てが愛しくて。


そして、壊したくなる。






「****の全てが、俺にとっては甘いんだ」



****の1つ1つ、
全ては俺のものだ。



いつか、****の心だけではなく
身体までも全て
食べてしまいたいほど、
俺はお前を愛してる。


お前の命でさえ、
欲しいと願う。



お前の身体から流れる
1滴の血でさえ
俺にとっては
愛しくてしょうがない。



****の頬から流れた
一筋の血の跡を舐める。



その美しい身体を傷つけたことを
疎ましく思いながらも、
そこまでの想いを彼女が
抱いていることに狂喜する。



その血が、赤い糸になって
俺の生命から
お前まで繋がるといい。


見えない赤い糸が絡まるように
俺たちの運命は、
その絡まりから
逃れることはできない。



もし俺がいなくなったら、
お前は、その世界を
終わりにしてしまうだろう。




それこそが俺の望み。



いつか、確かめてみよう。

俺が居ない世界で
お前が生きていけるか。




そこまで縛って、
俺に溺れさせるのは、
醜いほどに愛しているからだ。




*****。


お前が俺を
こんな風にしたんだ。


こんなに、醜く。
そして厭わしいほど
お前を愛してる。





お前は俺に翻弄されてると
想っているが、それは違う。


お前が俺の心に侵食して
俺の心を巣食ってしまったんだ。


俺はお前に
食われてしまったんだ。



いつのまにか。


心も身体も
思考回路でさえ
お前に捕らえられて。




俺は息さえ出来ない。




自分の中に宿った
激しい愛で。





愛に美しいものなんて
ひとかけらもない。


そう、ひとかけらも。





あるのなら、どうして
俺が抱くこの気持ちは
こんなにも、醜く、
そして、狂ったように
燃えさかるんだ。





お前が不安になるたびに、
その不安が俺の中に宿る炎を
いっそう燃え立たせる。



お前が俺のことを
想って泣くたびに
その涙は、その切なさは
俺の中にある深い闇へと
溶けていく。




夜が深く、その闇に心をあずける間
俺は、こんな狂った自分を
抑えることができない。




俺の狂気は
俺たちを侵食する。






俺の腕の中で口づけされる
お前は、なんて可愛くて
脆くて、そして、儚い。







お前の全てを
焼き尽くしてしまいたいと
願う真朱の炎。

全てを「無」にかえしたい
群青色の海。














全てが終わって。


空が露草色に染まる頃。




泣きつかれて子どものように
しがみつきながら
俺の腕の中で眠る
****を抱きしめながら。


もう離さないと何度も誓う。


聴こえていようと
聴こえていなくても。







俺は、2人を包む
静寂さの中で一人、
息を潜める。




朝が来る気配に。




自分の中の凶器が
静かに眠っていく音を
聴きながら。






朝日が昇らなくても
暗闇に覆われても
何もかも全てなくなっても
俺は****と共にいる。



いつか、言葉でさえ
全て消えてしまうといい。



この気持ちを全て
お前に伝えられないものなど。



そんなものなど、
全て、全て。





「愛してる、*****」


その言葉さえ。



朝焼けに染まり
明け方の空色と
染まりくる曙色に
流れる紫色の霞に
溶けてしまえ。





綺麗な言葉など、
俺たちにはいらない。




俺たちが欲しいのは
ただ――---。










ただ―――、ひとつだけ。
















********* 深海に響く雨音 Fin. *********




























◇あとがき◇

このお話は瑞穂さんに捧げます。

彼女から戴いた「愛に振る紫雨」への
アンサーストーリーです。

このお話と「愛に降る紫雨」は、
椎名林檎氏の2枚目のアルバム、
『勝訴ストリップ』に収録された
「依存症」という曲をモチーフに
書かれています。

『依存症』はあたしが、
瑞穂さんにリクしました。

『幸福論』や『ギブス』も上がっていたけど、
あたしは、彼女の文章で、
是非『依存症』を読んでみたくて、
思い切って、アルバム収録曲で
ほとんど知られてない曲ではありながらも、
『依存症』でお願いをしました。

そしたら、快く書いてくださって。

『愛に降る紫雨』が生まれました。

雨は、あたしが好きだから。
紫は、そのお話での、
血と真壁の髪の毛の濃紺から。
紫雨、と書いて、しう、と読みます。

彼女からこのお話を戴いて、
すぐにあたしが思い浮かべたのが、
2人が海へ沈んでいくシーン。

奈落の底、ではありませんが、
2人しかいなくて、
もうどこにもいけない海の底に
2人が落ちていくような気がしました。

閉塞感、息苦しさ、それをますほどの
ぎりぎりすぎる愛情、そして束縛。

書きあがった『愛に降る紫雨』を
あまり色彩がないよね、
と話していた瑞穂さん。

あたしは、その無機質的なところが、
このお話をとても際立たせてると想います。


それで。


戴いたお話を読んだ後、
むくむくと自分の中で、
お返事のお話が書きたくなり、
それで書いてしまいました。

瑞穂さんの素敵な無機質で
硬質な世界があるのなら、
あたしは、あえて色を使ってみようと。
意識して色を入れています。

そして、真壁からの独白で。

対になって読めるお話に
なればいいなと想いました。

こうやって、初めて
誰かとお話を一緒に作ってみて。
いえ、それぞれで書いているんだけど、
気持ちとしては、お話の往復やりとりでも、
とても、新鮮でした。
そして、楽しかった。

こういう風に誰かと関われるんだという
新たな発見でもありました。
瑞穂さん、ありがとう。

ここまで読んでくださった皆様にも
心より感謝申し上げます。


ナイトメアな夜。
このお話は、
いかがでしたでしょうか?

苦しくて仕方のないのような世界でも、
そこにいる2人が愛し合っているのなら。


ぎりぎりでしか愛せなくても。

苦しいほどに増す愛であったとしても。

相手を渇望してたまらない愛であっても。

逃げたいほどの愛情であっても。

ただ単に「愛」という言葉だけで
片付けられない感情であったとしても。

その狂気に近い世界を、
愛ゆえに選ぶのなら。


ナイトメアも、本当は
すぐそこにあるものかもしれません。


「幸せ」や「愛」の形は、
人の数だけあるものだから。





24.APRIL.2009 つぐみ




以下、私信となります。


++++++ 瑞穂さま +++++


2度目のラブレターになりました(笑)
どうして手違いが起こったのか
わかりませんが、またまた恋文を書く機会を
得られたので、思う存分に
語ってみたいと思います。

あたしは、瑞穂さんの文章が好きです。

最初に贈った恋文でも
そのことを書きましたが、
瑞穂さんが描く世界、
選ばれる言葉たちが
1つ1つ、
瑞穂さんの世界のピースとして、
きちんと当てはまってる様子が
あたしからすると、
すごく気持ちがいいです。

そのはまり具合がしっくりきている
様子が、読んでいて安心するというか。

言葉遊びのように
詩やお題を書いてしまうのも、
すごく素敵だと思います。
あたしは、瑞穂さんのように
漢字をうまく使えない方なので、
その漢字や単語選びのセンスに
いつも脱帽しています。

「依存症」をモチーフに
書いて欲しいなど、
今考えると、よくもあの歌を
お願いしたものだと
思いながらも、
瑞穂さんが書き上げた
「愛に降る紫雨」は、
あの世界をすごく
きちんと描いてて、
出来上がったお話を読んで
あたしは圧倒されました。

そして、その感動のまま、
アンサーストーリーとして
このお話を書きました。

本当はもっと、
依存症の世界に近づけたいけど、
瑞穂さんの世界の色を少しもらって
あたしなりに、色付けしたのがこのお話です。

瑞穂さんには、何か共通するものがある。
そう感じています。
書いているものから流れてくる
感情や想いなど、あれこれでしょうか。

沢山メールやあれこれで
お喋りしている間に、
お互いのことを色々知ることができて
とても楽しいです。
お姉さんのように(!)
瑞穂さんに心を開いている
あたしがいます。

瑞穂さんには、なぜか、
今まであまり話したことがないことや、
誰にもいえないことを
伝えたくなります。
これはあたしの一方的な思いであって
それを押し付けるのはどうだろうと
不安や迷いや、遠慮などありますが・・・。
心が向いたときには、
相手してやってくださいませ(苦笑)

今回、1つの曲がテーマで
対になるように書くなど、
本当にとても楽しい試みでした。
また瑞穂さんとこういう作業をしてみたいな♪
どうぞこれからも仲良くしてください♪


瑞穂さんファンで
愛を叫んでみたつぐみより
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