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木漏れ日に泳ぐ魚  10/09/2007  
木洩れ日に泳ぐ魚木洩れ日に泳ぐ魚
(2007/07)
恩田 陸

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『木洩れ日に泳ぐ魚』 恩田陸

ある一晩の物語。
明日引越しをする部屋にて対峙する一組の男女。
二人はお互いに、相手があの男を殺した、と思っていた。
そして、一緒に暮した部屋を出る、その前の晩、
今日こそは、真実を話し合うんだと決めていた。

この作品は、男女、ヒロとアキの視点から代わる代わる語られる。
最初はお互いがお互いを疑っているが、それを聞けずにいる緊張感。
緊張感がはじけた後は、お互いに、自分が「あの時」どうしていたか、
自分の記憶にはなく、相手が見た「あの時の自分の行動」を思い出し、
そして、やがて記憶の糸が解かれていく。

こういう心理描写が多い、緊迫したお話は好きです。
それも一晩設定なのも好き。
密度の濃い、一晩、と設定された時間内で、
人間の心理がどう変わるのか、と丹念に書かれているのが
興味があって、深層世界を覗くように面白いんですよね。

色々、小さな罠が仕掛けられている文章なので、
あれこれと感想を書くと、ネタばれになってしまって、
面白みが減ってしまうので。

この本を読んで思ったこと。
男性、ヒロ側からの気持と、女性、アキ側からの気持が
書かれているのですが、なんというか・・・。
ヒロはアキを愛しているのだけど、アキにはそれが伝わっていなくて。
疑惑でしか、相手の愛を受け止めるしかない、
そのぎこちなさと、すれ違いが後半、読みすすめてて辛かったです。
ヒロにとっては嬉しくて幸せな瞬間が、
アキにとっては水をかけられたような冷静で醒めた目で見ていたり。
相手の愛の言葉をリップサービスでしか受け取れない、
心の底にあるのは、いつまでたっても消えない疑惑なのか。

愛してた気持が醒めた後の寒々とした気持と、
愛していた頃の残り香、愛の欠片に決別の意を込めて
決着するクライマックスは、哀しかった。
新たなスタートは光が満ちているようで、そして哀しみもあって。
アキは強いと思いました。
所詮、最終的に土壇場では女のほうが心は強いんだろうか。
ヒロからすると、最後は、納得いく答えなんだろか。
アキの方が数歩先に行ってしまって、ヒロが取り残されたような、
そんな気がしました。



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