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『4月の雨、夜語り』、
第五夜は、ナイトメアです。

『春が来るまで』というお話で、
執恋のストーリーでは
絶対ありえない
シチュレーションの恋です。

ネタバレするのもなんですが。
とりあえず、執恋キャラでてきます。

禁断の恋を描いてみたかった。
あと、献身的な愛も。



このお話は、暗いです。
ひたすら、暗いです。



以下、創作になります。
どうぞ、ご興味のある方のみ
お読み下さい。





↓↓↓↓

************  春が来るまで **************











いつからだろう。



一緒にいるのが、こんなに辛くて
いっそのこと、あたしの心臓が永遠に
止まってしまえばいいとすら
思うようになったのは。


辛い恋なんて
誰もすすんでしない。


あたしの恋はどこまでも不毛で。
そして、誰に告げることもない。


ただ、あたしの中で暴れるだけ。
なにを傷つけることもなく、
あたしの心を引き裂くだけ。


いつか、この思いを
誰かに気づかれることがあったら・・・。


あたしは多分
生きていけないと思う。


こういう自分自身を、
自分でも許せないのだから。



誰かが不幸になってまで、
手に入れたいと願う
「愛」があるだろうか?


誰かを傷つけてまで
手に入れることが、
「幸せ」だろうか?




早く大人になりたい。

そして、ここから出て行きたい。





あたしは心の中で切望している。



彼の傍にさえいなければ。


あたしの中で吹き荒れる
この嵐が収まるのに。




きっと。



いいえ、きっと・・・・きっと。



こんなに苦しくならない。








あたしが好きな人。


大好きで大好きで
しょうがなくて
恋焦がれてしまう。


だめだと自分に禁じても、
始まってしまった恋は
あたしの手に負えなかった。




あたしが好きになったのは、
姉と結婚した男。



気がついたら
好きになっていた。



誰よりも。


その瞳が、あたしじゃなくて
あたしによく似た姉を見つめてて、
彼が全身で姉を
愛していることをわかりながらも。










この恋は滅びなくてはいけない。



そうわかりながら、
あたしは、それが出来ず。


少しでも傍にいて
その笑顔をみていたいと
彼から離れられない自分がいる。


いっそ、あたし自身が滅びるまで
この恋心は付きまとうのか。












この恋が苦しくてしょうがなくて。


どうしようもなくなったとき。


あたしは、一番傍にいる男に助けを求める。



専属でついている執事である、この人に。




「おいで」


彼は優しい声をしている。


叶わぬ恋に心を引き裂かれ
1人で泣いていたあたしは
彼が伸ばしてくれた手に、
すがりついた。



この人は、
あたしのことを可哀想に思ってて
そして、あたしを愛しているから。


つかの間の優しさだけで
癒せるものではないとわかりながらも、
彼の優しさに溺れてしまう。


あたしは、
どこまでも罪深いんだろう。




そもそも、あたしの罪は
どこからはじまった?



あの人を好きになったときから?


自分の寂しさや空しさや
辛さを埋めるために
彼を利用するようになってから?


いいえ、この家に来たときからかもしれない。


もしかしたら、姉の妹として生まれたときから。





(あたしに優しい言葉をかけないで)


何度もそう言うのに、
この人はやめてくれない。


この人があたしを
抱きしめてくれる腕を許した日から
もっともっと、
あたしは苦しくなった。





わからない。



わからないことが多くて、
あたしは混乱している。


ただ、ただ。


あたしにわかっていることは・・・・



あたしが大好きだと思うほど、
義兄さんにも大好きな人がいて、
それが、あたしの姉であること。


この恋がどこにも行き場のないものであること。



苦しくて仕方がないのに、
それでも、義兄さんと姉さんが暮す
九条院家から離れられない自分自身がいること。



たまらなく寂しい日に、
あたしのことを
愛してくれる男に抱かれること。


その男があたしに愛の言葉を囁くこと。
そして、なにもかも了解していること。


あたしが違う男のことを想って
自分に抱かれていることさえも
全部知っている。


知っていて、
知らないふりをするのは
優しさだろうか。


あたしが義兄さんのことを愛してるように
彼はあたしのことを愛している。


沢山の見えない傷がある。
あたしにも。彼にも。




不毛なこと。


もっと、こんなに黒くなくて、幸せで
誰も傷つけなくて、祝福されて、
誰にでも話が出来る恋をしたかった。





(それはまだ遅くない)

そう心で声が聴こえる。



物思いで眠れないあたしを、
執事である彼は、
毎日仕事が終わったあと、
執事ではなく、1人の男として
あたしの部屋を訪れる。


鍵はかけてない。
いつ了承したかわからない。


忍び込む彼の物音を
あたしは、じっと待っている。


ただ、彼はするっと
あたしの部屋に入ってきて、
そして、あたしを抱きしめる。


髪の毛を撫でて、
あたしを癒そうとする。


言葉は要らない。


ただ彼から伝わってくる優しさが
その日一日のあたしの痛みを
その時、少しだけ軽くしてくれる。


毎晩、彼に抱かれるたびに
あたしはどうして泣いてしまうんだろう。


伝わってくる体温が辛くて。
優しい腕が哀しくて。


心の奥底から流れてくる涙が、
今、あたしを抱きしめている人を
傷つけているとわかりながら。



涙がとまらないのはどうしてだろうか。


あたしは義兄さんに傷つけられ、
この人はあたしに傷つけられている。


それなのに、あたしから
離れないのはなぜ?
その傷は、とても深くて
血を流すほど痛いはずなのに。







(きっと、いつか俺のことを好きになる)


毎晩抱きしめてくれるこの人はそう言う。


その言葉が魔法であって欲しいと
心から願う。


いつか、それが本当になるまで。
何度も呪文のように、
あたしの耳に囁いて。




いつか、義兄さんへの募る気持ちが
雪のように消えてしまって、
そして、今、あたしを
抱きしめてくれてるこの人を
心から愛せる日がくるのならば、と。



そういう春が来るといい。



それまでは・・・・・
冬の厳しい吹雪の中に
1人、凍死してしまうような
こんな寂しさと切なさと辛さを
抱えて生きていく。


生きていける、と思う。




だって、あたしの傍には、
あたし以上に辛くて寒くて、
そして切なくて苦しい冬を
あたしから与えられている
この人がいるのだから。




あたしが冬の寒さで死なないように、
この人が一緒にいてくれるから。
この人の温かさが暖めてくれてるから。



自分が寒さで死んでもいいとさえ、
想っているような愛を注いでくれる
この人が傍にいるから。




あたしの中にある永遠に黒くて、
闇のように、泥まみれなところにまで、
この人は降りてきてくれた。



あたしを助けるために。



だから多分、生きていける。






ねえ。


あたし、
これまでも何千回も思ったよ。



貴方を最初から
好きになればよかったって。


義兄さんなんかじゃなくて、
いつも、傍にいて
あたしを愛してくれる貴方を。



どうしてだろう。



何千回思っても、考えても、
なぜこうなってしまったのか
答えは出てこないの。




でもね。
1つだけわかってることがある。




それは。


あたしを助けだせるのは
貴方だけなんだってこと。


だから、貴方があたしをどこかへ
さらってくれるのなら・・・・。



こんなあたしを
貴方が連れ去ってくれるのなら。


あたしはどこまでも
ついていこうと思ってるの。


義兄さんの傍にいられなくなって
心引き裂かれる想いで
あたしの心が
壊れてしまったとしても。


貴方があたしに
自分の心を差し出したように
あたしが貴方にしてあげられることは
これぐらいだから。




だから、あたしをさらって。





お願い、あたしをここから助けて。








いつか、貴方が言った言葉覚えてる


「1人で死ぬなら一緒に死んでくれ」

死なないよ、って答えた。


そしたら、
そんな意味じゃないって
笑ったよね。



わかってたよ。
全て。
貴方の言いたいことは。


ただ、切なすぎて
どう返したらいいのか
わからなかっただけ。






いつか、貴方の気持ちに応えたい。





それが、いつなのかはわからないけど。






ただ―――



今は悲しくてしょうがないから
抱きしめてて欲しい、ずっと。




あたしたちの
長くて辛い冬を
終わらせてくれる
春が来るまで。





きっと、来るであろう。
春が来るまで。









ずっと傍にいて。

































******** 春が来るまで Fin. *************






























◇あとがき◇


やばいです・・・・。なんで、
こんなの書いちゃったの、あたし?
非常に怖い。

本当は別の執事の話で、
もっともっとラブラブな話を
書こうと思っていたのに
気がついたら、これを書いてました。

それも、30分以内。
(あたしにしては、驚異的な速さ)
どんだけ心に言葉が
溜まってたんだ?(汗)

これは読むべきじゃなです、多分。


注意としては、
執恋はヒロインと執事の恋なんで、
慎一郎とヒロインの禁断の恋はありません。


このお話の禁断の片思いは
本当にあたしの中の妄想です。


他のお話とは、
まったく関係ありません。


いちお、独白でお話が
わかりにくいかもしれないので説明するなら、

「義理の兄である慎一郎」と
「ヒロインであるあたし」と
「その執事である~~」の
三人の恋模様です。


義兄の慎一郎に恋心を寄せる
ヒロイン。そのヒロインの専属執事は
ヒロインのことを愛してて、
慎一郎への恋心を許しつつ、
ヒロインを抱きしめる、みたいな。


~~に入る執事は、
読んでくださった方のご想像に
お任せします。



このしょうがないお話を
義兄さんを愛してしまったヒロインを
包み込む執事の話ってことで、
了解してもらえたら嬉しいです。


どこまでも暗い話なんで・・・。


ただ、ヒロインが
義兄さんに禁断の恋をして
苦しんでいるっていう
不毛な恋だけじゃなくて、
もう1人の男、執事である彼の
献身的な愛情も描きたかったことは
事実です。


彼がずっとずっと愛してて、
そのヒロインの全てを包んで
許してしまっているっていう愛も書きたくて。


そういう愛もあるんじゃないかと思って。
いえ、あって欲しいと願うから、
このお話が生まれました。



辛いときに一緒にいてくれた人。

自分の心の闇の部分まで
降りてきてくれる人。


それを許して、
そして一緒に沈んでくれる人。


傷つけても、
その傷さえも許してくれる人。


それほどまでの愛に触れたのなら、
こんな不毛で苦しい恋は、
どこかで、いつか
終わるんじゃないでしょうか。


なんてずるくて、弱くて
潔いところなんかなくて、
こんな、ぐたぐたなヒロイン、
と思うのだけど、
実際、人間ってこのくらい、
ずるくて、弱くて
しょうがないものなんじゃないでしょうか?


あえて、闇の部分を
書いているのだけど。


自分の醜いところ、
誰にも知られたくない闇。


ヒロインが、その闇さえも
受け入れてくれる執事の愛情に
真に心で触れたとき。

気づけると思います。


恋の終わりは、
自分で決めることも出来ると。


止まっている時を
自分で動かすことも
出来るということを。


決着は、自分で
つけれるということを。


このお話のヒロインが
闇さえも見せれる相手を、
彼を、大事にして
愛するようになることを
心から願います。


いえ、そうなるはず。絶対。


そういう意味で、タイトルは、
『春が来るまで』。



いつか、必ず春は来ます。

どんな形にせよ。



巡ってこない季節はないのだから。






27.April.2009 つぐみ

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