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『4月の雨、夜語り』に
ご参加ありがとうございます♪

第四夜は山科晶さんのお話で、
『月夜の晩は』です。

激甘です。
最初で注意しておきます。

晶さんと2人で
山科家の別荘へ
出かけることになったお話です。


長いので、分割にしております。
1つの記事で読みたいかたは、
『月夜の晩は』こちらからどうぞ。



以下より創作になります。
ご興味のある方のみ、
どうぞお読み下さい。




↓↓↓↓









******** 月夜の晩は ********





数日前まで、季節の変わり目で
風邪をひいてた。



熱をだして学校を休んでいる間
あたしの隣には、晶さんがいてくれた。



あたしの専属執事で、
あたしの大事な恋人、山科晶さん。


そんなに高い熱じゃないけど、
ぐったりしている間、
晶さんが傍にいて手を握ってたり
「よく眠れるよ」と
クラシックの音楽をかけてくれたり
お水やお薬、ご飯を食べさせてくれた。


自分で出来るのに・・・・って言っても
自室で食べるときは
誰もみていないから、って
思いっきり晶さんが、
あたしを甘やかす。


そんな晶さんの手厚い看護で
元気になったあたしは。








学校休んで数日。



明日からゴールデンウィーク。



もうすっかり元気だったけど、
連休に入るんだし、と
そのまま学校を休んで。




今日から、山科家の別荘がある
海辺の浜に来ている。



ゴールデンウィークだから、といっても
仕事が忙しい義兄さんは休みじゃない。
姉さんも、会社の仕事を
まだ片付けているところだから
ゴールデンウィークも連休じゃないみたい。


連休はどう過ごそうかな。
お屋敷で、晶さんとのんびりしようか。
ウォルフさんとか、
お客さんもいるから
九条院家の屋敷で過ごす
連休も楽しいかもしれない。


そう想っていたあたしに、
晶さんは意外なことを言った。



「どこにも行く用がないなら、いっそのこと、山科家の別荘でも行ってみる?」


どうせ連休だし。
別荘まで着くのに時間がかかるから
日帰りでいけない。
****ちゃんさえ良いなら、
山科家の別荘へ数日行ってこよう。


(そこまで行ったら、誰にも邪魔されないしね)


そう小声で付け加えた晶さんが
とても可愛いと想った。
そして、その提案に胸を躍らせる。


そうだね。
お屋敷で過ごす休日は
いつだって出来る。


でも、晶さん家の別荘で過ごすなんて
滅多に出来ない。


2人きりに・・・なれる。




あたしは、すぐさま返事をした。


晶さんとだったら、
どこに行ってもいいんだけど。


この連休は、
執事じゃなくて恋人の晶さんと
ずっと一緒に過ごしたい。


そう想っていたのが、叶った。











そして、あたしと晶さんは
屋敷の車に送られて、
都心から3時間。


プライベート付の
海辺の別荘へやってきた。








来ることがわかっていたから、
きちんと手入れされた別荘。


連休の3日ぐらいしかいない、
料理もほとんど出来るし、
食料もあるから、
僕と2人だけで大丈夫だよ、って
晶さんがメイドさんも断って、
本当に2人だけで過ごす
別荘での休日になった。




あたしは・・・・・。



本当はとてもそれが嬉しかった。
料理とか、そんなことは、
あたしでも出来るから。



だって、九条院家に来るまでは
姉さんとの生活で料理もしていた。


晶さんと2人で過ごせる場所だから、
他の人にはきて欲しくなかった。
2人でいたかった。


それは晶さんも同じだったようで
2人揃って、一生懸命、
義兄さんと樫原さんに
誰もついてこなくてもいい、と
説得したのを思い出して、
くすっと笑った。



結局最後は、晶さんが
執事じゃなくて、山科晶として
あたしを招待するということで
別荘行きに許可が下りた。


(最後の手段、使っちゃったね、晶さん)

そう笑ったあたしを、晶さんが
少し拗ねたような顔で睨む。


「本当に慎一郎は君に甘いんだから」
僕の恋人なのに、束縛しちゃって困るよ。


小さな声のぼやきの方が、
あたしにはとても嬉しかった。










晶さんのおうちの別荘は。


南フランスの海辺の家のような
洒落た別荘で、白い壁に青い屋根だった。


ここ使ってね、と案内された部屋は
天蓋付のベッドに、白い壁にこげ茶色の床で
とても、シックで素敵な部屋。


僕の部屋はここだから、と指した先は
扉1枚のところだった。


え?


驚いて聞き返すと、
晶さんが説明してくれたのは
あたしが使う部屋と
晶さんが使う部屋は繋がってて、
元々は夫婦が使う部屋だったってこと。



「どうせなら、一緒のベッドで寝る?」


軽く笑いながら余裕で訊いてくる
晶さんにあたしは赤くなってしまった。



冗談だよ、って晶さんがあたしの髪の毛にキスをする。



少し眠りなよ。
移動で疲れてるだろう。
荷物は後で片付ければ良いから。


そういって、ベッドへ連れて行ってくれた。


ベッドの中に滑り込んだあたしに
布団をゆっくりかけてくれる。
温かい手でゆっくりと
髪の毛を撫でてくれる。


目が覚めたら声かけて。


そう遠くで聞こえた。

額にキスされる。
おやすみのキス。

ぎゅっと握ってくれた手にも
キスをしてくれる。


やっぱり風邪で体力が
少しなくなっていたあたしは、
長時間の車での移動でぐったりして
そのまま眠ってしまった。


























ぐっすり眠ったせいか、
夢も見なかった。




目が覚めて気がついたら、
外は夜だった。














・・・・・・・・・・・・











「晶さん・・・?」


慣れない別荘の中を
ちょっとづつ歩いて、
階段下に降り、リビングに行くと、
晶さんがいた。


本を読みながら眠ってしまったらしく
本を傍に置いて眠っている。


その寝顔が・・・・
とても整ってて素敵。


晶さんって、本当に
綺麗な顔をしてる。


思わず、その寝顔に見惚れてしまった。
男の人にしているのが
もったいないくらいの美形だよね。


それに・・・・
口を開けば結構辛口だけど、
でも、社交辞令的な場面では
いつも微笑んでいる晶さんは
誰から見ても王子様そのものだと想う。


(でも、あたしだけの王子様だよ、晶さんは)


ちょっと傍に座って、
晶さんの寝顔を見つめる。


少しだけ開けた窓から
まだ少し冷たい風が
ひんやりと入ってきて、
カーテンレースを揺らす。


海の、潮騒の音だけが聞こえる。


プライベートビーチがあって、
別荘の敷地も広いから、
本当に誰もいない。


人の気配がしないって、
こんなに静かなんだと気づく。


九条院家では、どこかしこに
他人がいるのが普通だから。

少し寂しいなって想う気持ちと、
なんだか少し期待する気持ちがある。




(だって、晶さんと2人っきり・・・・)



そこまで考えて、
あたしは、1人、
頬が赤くなるのを感じた。


(キス・・・・してみようかな)


思わずそう思いついた自分に、
また恥ずかしくなる。


(でも・・・・いいよね。だってあたしたち恋人だし)


ちょっとづつ顔を近づける。
ドキドキする。


いつもキスはしているけど、
こうやって・・・・自分から
晶さんにキスするなんて
あんまりない。
それも、寝込みを襲うような形なんて。


ちょっとドキドキしすぎて、
息切れしそうなのを押さえて、押さえて
ゆっくりと近付ける。


(晶さん、本当に綺麗な顔・・・)


思わず見惚れてしまう。
唇までもうちょっと、1cmぐらい。


あたしも瞼を閉じて、
少し触れるだけのキスをした。


ちゅっとして、すぐに離れようとしたら









いきなりぐっと抱きしめられた。
ひっぱられるかのように、
ソファに眠っている晶さんに重なる。




え!!




びっくりして瞼をあけると、
そこには赤い顔をした晶さんが
目をパッチリ開けていた。




あ・・・・!




もしかして、起きてた!!??

頬が熱くなっていくのがわかる。


「****ちゃん、キス泥棒したの?」

少し掠れた声が聞こえる。
寝てたから、かな。


「ごめんなさい、晶さん」


眠っていたの起こしちゃったかな。
ごめんね、晶さん。

抱きしめられたびっくりよりも、
やっぱり眠っていたところを
悪戯でキスして起こそうとしたのに
少し反省して、しょげてしまった。


そんなあたしを、
抱きしめている晶さんが
近距離から覗き込む。



「なんで謝るの?」


「え、だって、晶さんが寝ているところを襲う・・・、あ、襲おう・・・違う!違うの!!」


思いっきり動揺しているあたしに
晶さんがクスっと笑った。

抱きしめられている腕が
しっかりあたしを包んでて、
離してくれない。


「どうせキス泥棒してくれるなら、これくらいのキスで盗んでいってよ」


そういって、晶さんがいきなり
ぐっとキスをしてきた。


唇を押し付けられる。
少し無理やりに開かせられた唇に
晶さんの舌が入ってくる。


唇全体を食べれちゃったかのようなキス。
何度も何度も少しづつ場所をかえて
吸われる唇。



「ん・・・んん」



思わずぼーっとなってしまう。
溶けそう。
ううん、溶けちゃう。


ゆっくりと唇を離した晶さんが、
あたしの額に自分の額をくっつけて
優しく告げる。


ちょっと赤くなってるけど、
でも、目はキラキラ輝かせてる。


「今度から寝込みを襲うなら、これくらいの勢いで」



「!!!」



思わず真っ赤になって
口をぱくぱくさせてるあたしを見て、
さらに晶さんが付け加える。


「ごちそうさまでした」
とってもおいしかったよ。



にっこり満点の笑顔で笑う。



晶さんッったら!!
もう!!



もう恥ずかしくてしょうがなくて。
こっそりと寝込みにキスをしようとした
ことだけじゃなくて。


晶さんの言葉、1つ1つでドキドキしちゃう。

真っ赤になって
動揺してしまう。

そんな自分が恥ずかしくて。

(あたし、いつか心臓発作で死んじゃうよ)


思わず恥ずかしくて、
抱きしめている晶さんの腕から
逃げようともがいて、
腕をはずしたら、
今度は自分の腕を掴まれた。



「どこ行くの?」


「し、知らない!」


あたしの慌てぶりに晶さんが
くすくす笑う。
もう、居心地が悪すぎ!


掴んだ腕を、晶さんが引き寄せて、
あたしをぎゅーっと抱きしめた。
ソファで眠っている晶さんの上に
あたしがいて。

ソファで2人そろって
抱きしめあって、横たわってる感じ。




耳元で囁かれる。




「僕の目が届かないところには行かないで」




思わずその言葉に
びっくりして、
すくんでしまった。



ずるいよ、晶さん。
そんな言葉。

・・・すごくドキドキしちゃうじゃない。



「わかった?」


そんなあたしの心は知らず、
ううん、晶さんのことだから知ってて
絶対言ってる。

晶さんは確信犯だから。



確認するように
訊いてくる声にも、
すごく甘い響きが滲んでいる。


「うん、って言わないと、どこにもいかせてやらない」


その言葉の甘さに
あたしの心は痺れてしまって
何も言えなかった。


ずっと答えないでいると
晶さんがあたしの耳もとの髪の毛を
かきあげながら、少し耳介を噛んで言う言葉。


子どもみたいに拗ねた響きで
ちょっと可愛いな、と
自分の恥ずかしさが、少し収まった。


同時に、甘噛みされた
耳の熱さに、ドキドキする。


このドキドキは、
あたしが晶さんのことを
とっても好きな証拠。


「じゃあ、うん、って言わない」

思わず笑いながらそう言ったら、
晶さんも、くすくす笑う。
そして、さらに少し柔らかく抱きしめる。



「本当に、どこにも行かせないから」



「いいよ」



髪の毛をすべるように撫でる手。



「僕がいないところには行っては、だめだ」


「うん」


髪の毛の中にくぐる指。
もう一方の手は、
あたしの背中を撫でる。



「ずっと傍にいる?」


首元をゆっくりとなぞるように
指が何度も往復する。

背中を抱きしめている手が
あたしの身体の横のラインをなぞる。


「うん。晶さんこそ、あたしとずっと一緒でいいの?」


髪の毛にキスされる。
そのキスが、あたしの額に降りてくる。


晶さんが自分の鼻先を
あたしの鼻先にタッチする。
そして、少し優しく動かす。


小さな動物が鼻先を
くっつけてきてるみたいな
可愛い仕草。


目線が合う。
とても、優しい。
目元がとても涼しくて、
その瞳に見つめられていることに
心臓がぎゅっとなる。


絡み合う視線同士。


不意に晶さんがにっこりと笑う。



「さあ、どうだろう」


歌うようにかわす
余裕のある口ぶり。

いつもこうやって
するっと肩透かしされる。

でも、わかってるよ。
その肩透かしさえ、
あたしのことが大好きでしょうがない
晶さんの愛情表現なんだって。


そして、それは、
もっともっと、あたしに
好きだって言わせたい
晶さん流のポーズなんだってことも。


「そんな答え方、ずるいんだから」
思わず軽く睨むように言う。


でも、その睨みでさえ
晶さんの心には
砂糖菓子のように
甘く溶けていくのがわかる。

晶さんが喜ぶ言い方。
もう、あたし、マスターしてるんだから。


「だってわかってることを答えるなんて、面白くないじゃないか」


あたしたち、すごく大好きで
大好きで。
確認なんかしなくたって、
もうわかってる。

でも。

確認することが楽しいの。

だって、何度貴方の口から
好きって言葉を聴いても、
ドキドキするから。

そして、その言葉が魔法のように
あたしを幸せにしてくれるから。


「面白い・面白くないの問題じゃないもん」


少し拗ねるのもポーズ。
そのポーズは
“あたしともっと遊んで”のサイン。



「じゃあ、なにが訊きたいの?」


それはお決まりの言葉。

いつもあたしに言って欲しい。
大好きだって。
あたしも、貴方のことが大好きだから。


「晶さんがあたしのこと好きなのかどうか」


沢山、あたしのことで困らせたい。
だって、困るのは
あたしが好きだからでしょ?


困るほど、あたしのこと
好きでいればいい。

困らせるほど、
好きにならせたい。


「・・・それ、さっき訊きたかったことと違ってない?」


「そうかな?」


思わず、2人で額をあわせて
くすくす笑う。


こうやって軽口を叩いている瞬間が
とても好き。


ちょっと天邪鬼で
ちょっと意地悪で、
でも、すごく甘くて
ドキドキさせてくれる。


晶さんがとても好き。


にっこり微笑んだあたしに
晶さんが少し眩しそうに目を細める。


最近、特に晶さんがこんな風に
あたしのことを見つめることが多い。


その視線が愛しくて、
そして、少し切なくて、
思わずどうしようもなくなってしまう。

その視線が、
あたしの1つ1つの動作を
目に焼き付けてるのがわかるから。


晶さん。
気持ちが視線に現れすぎて、
あたし、ドキドキしちゃうよ。



だから、その視線を避けるように
晶さんの胸に、ぺったりと
自分の片耳と頬をつける。


そしたら、晶さんが
あたしを優しく包んでくれるから。
晶さんの空気に包まれるから。



「外をごらんよ」


髪の毛を撫でている手が
少し止まった。


「ん?」

ちょっとだけ顔を上げて、
窓をみてみる。


「綺麗な月が出てる」


晶さんがゆっくりとあたしの手をひいて
窓際まで連れて行く。


外は、静かに広がる砂浜。
そして濃い紺のような、
夜空が溶けてしまったかのような
そんな海が、優しく波を打ち返している。

まんまると満月が
その上で、煌々と光る。

月の光だけで十分な明るさ。


「本当だ~」

思わず、その景色に見惚れる。
誰もいないプライベートつきの別荘。
こうやって、海を独り占めできる景色が
すごく素敵だと思った。

こんな素敵なところに
連れてきてくれてありがとう、晶さん。


思わずじんわりきているあたしを
晶さんが見て微笑むのがわかる。


こうやって心をあらわにしている間、
晶さんがあたしを包み込むようにして
見つめている・・・・この時間がすごく好き。



「月の綺麗な晩だから、少し月光浴でもしようか?」


意外な提案だった。


「げっこうよく?」


聴いたことがない言葉だったから
問い返したら、晶さんが
空に光る月を指していった。


「うん、月光浴。月の光を浴びてお散歩だよ」


さっき沢山眠ったから、
あんまり眠くないでしょう?

それに月光浴は
身体の疲れを取ってくれる。
ずっと風邪を引いて、
まだ少し弱ってるんだから、
月の光を浴びに行こう。


歩いてすぐ砂浜だから、
少し海を見ながら、
散歩が出来る。
せっかくの夜だから
2人きりで歩く海辺もいいよね。





晶さんは、恋人同士に必要な
ロマンチックなことを忘れない。


恋人のあたしには
すごく可愛いし、
すごく甘いし
そして、素敵なことを
沢山プレゼントしてくれる。


思わずあたしが喜ぶことを。




「楽しそう」


手を繋いで歩いてもいい?


思わずにっこり笑いながら
そう訊いたあたしに
もう一度、晶さんが優しくキスをした。








************ 月夜の晩は その1 **********


その2はこちらから。

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