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『4月の雨、夜語り』の第二夜です。

本日の夜語りは、
2つのナイトメアになります。


どちらも、真壁直樹です。


1つ目は、いつも仲良くしていただいている
『CLOVER』の瑞穂さんから戴いた
『愛に降る紫雨』です。


2つ目のお話は、瑞穂さんから戴いた
『愛に降る紫雨』に対して、
あたしがお返事として献上しましたお話、
『深海に響く雨音』です。


2つのお話が対になっていると想います。

どうぞ、先に『愛に降る紫雨』からお読み下さい。



以下より、頂き物のお話になります。
創作ですので、ご了解下さいませ。



↓↓↓↓↓








******** 愛に降る紫雨 **************


瑞穂様より頂き物。














私はひとつ寝返りを打った。

ぱふん、と渇いた音が暗闇に響く。

それが気に入らなくて、ベッドの天蓋を見上げる。

白い布が何本ものドレープを描く姿は、今の私には何とも煩わしかった。

音を立てぬよう、爪先立ちでベッドを降り、パウダールームに入る。

電気を点ければ、余りに眩しい光に思わず強く目を閉じた。

鏡台の前に立ち、自分の顔を覗き込む。


そこには、別段変わらぬいつもの私の姿。

変化のない自分に軽い苛立ちを覚え、私は頬に爪を立てた。


―――ガリッ


みるみるうちに頬には赤い筋が浮き上がり、そこからじわりと血が滲み出してくる。





この鮮血が

赤い糸に為れば

私は一生

貴方の側に





コンコン

暫く後、物音が聞こえ、ドアが開く。


「…お嬢様」


彼は驚いたらしく、目を軽く見開いている。

いつも纏めて後ろに流している髪は下がっていて。

サラサラで青みの強い黒髪が、私の赤とは対称的に見え、虚無感に苛まれる。


「……」


私は無言で、真壁さんの部屋に入り、後ろ手に鍵を閉めた。


「どうなさいましたか?」

「いつまで執事なの」


私は唇を噛み締め、精一杯睨み付け低い声で呟く。

すると真壁さんはふっと顔を緩ませて、私に歩み寄ってきた。


「いつまでも、俺はお前の執事だぞ、*****」


射るような鋭い視線。

私はそれだけで動けなくなる。

わかってる。

わかってるのに…。


凄く、悔しい。

私だけこんなに真壁さんに埋め尽くされていて。

真壁さんももっと私に溺れてしまえばいいのに。


だらんと下げた手で、拳を握り締める。

すると頬に、温かい感触を覚えた。


「!……まかべさ…」


真壁さんの赤い舌が、私の頬の傷口を舐め取っている。


「…甘い」

「…何が?」

「*****の全てが、俺にとっては甘いんだ」


その囁きは、距離の近さも相俟って、私の心臓をがくがくと揺さ振る力を持つ。


「どうして…傷を付けた」


どうして…?

理由なんか必要なの?

いいえ、寧ろ私が知りたいわ。


何故、真壁さんは

理由なく私の中に巣くっているの?

そして私は

何故こんなにも翻弄されてしまうの?


―――答えなど要らない。

無駄な自問だけが、頭を廻っていく。



「私一人居なくても、地球は回るのよ」


世界は動き、時は刻まれる。

私のこの想いが、何処へ行こうとも。

私のこの想いが、どれだけ大きく育とうとも。


「それは俺も同じだ、*****」


真壁さんが、私の両頬を覆い、視線を絡めてくる。

逃れられない。

囚われていたい。

その瞳に、私だけを映してくれれば良いのに。


「俺が今居なくなろうと、何等変化など無い」

「嫌よッ」


頭を振る私を抑え込む如く、真壁さんは私に口付けた。

深い、甘い、中毒性のあるキス。

真壁さんの舌が、私の舌と絡み合う度に

私はまた、真壁さんに堕ちて行くの。

例えるなら、底の無い井戸のような。

深い深い、深海に沈みゆくような。

限りなく『無』に近い世界。



真壁さんが、ゆっくりと私の歯列をなぞる。

美味しい食事を味わい尽くすかのよう。


もういっそのこと、食べちゃってくれればいい。

そしたら、私は真壁さんとひとつになれる。

さみしい思いをすることも、きっとないわ。


「でも…」


もう一度唇が触れそうな距離で、額をくっつけながら真壁さんが重く呟く。


「朝日が昇らなくとも」

「…うん」

「暗闇に覆われても」

「うん」

「何もかも全て無くなっても」

「…うん」

「俺は、*****と共に居るから」


鼓膜を震わせる言葉を噛み締める為、私は真壁さんの瞳を縋るように見た。

瞳孔の奥の眼底まで見透かすつもりで。


―――そうか

結局綺麗事ばかり並べたって、そんなに上手く行く筈も無いわ。


「愛してる、*****」


そうだね。

所詮教科書が教えてくれるような言葉でしか、愛を語ることが出来ないんだ。


「私も、愛してる」






































恋は美しいとは限らない

けれど見た目などではなく

そこに至る経緯などでもなく

例え醜くとも

嘲笑されようとも





私は

貴方と共に

囚われの身と為りましょう





流れる血を

赤い糸にして結んで

咲き誇った美しい花が

いつか枯れて土に還っても





私と貴方は

狂おしくも輪廻する

離れる事等有り得ない


愛に降る紫雨 (私の赤と貴方の青が融合する時)



************* Fin. ************





瑞穂さんへの恋文、お話への想いと、
あとがきは、このお話の
お返事として書いた、
〔夜話〕第二夜-弐『深海に響く雨音』のお話の後で。












依存症




急に只 寝息が欲しくなって
冷凍庫にキーを隠したのです
夢の隙に現を殺し
戦う不条理なレッドカフ
・・・今朝の二時

シャーベッツのロゴが溶けている
黄色い車の名は「 」
明け立ての夜を強請る
品川埠頭に似合うのです
・・・今朝の五時


あたしが此のまゝ海に沈んでも
何一つ汚されることはありませぬ
其れすら知りながら
あなたの相槌だけ望んでいる
あたしは病気なのでしょう


甲州街道からの渋滞が激化して
日本の朝を見ました
覚醒を要する今日と云う
厳しい矛盾に惑うのです
・・・つい先(さっき)も

どれ程 若さの上に丸で雲切れの
笑顔を並べど変わりませぬ
孤独を知る毎に
あなたの相槌だけ望んでいる
あたしは あたしは


あなたの其の瞳が頷く瞬間に
初めて生命の音を聴くのです
天鵝絨(びろうど)の海にも
仕方のないことしか無かったら
あたしはどう致しましょう



翻弄されるということは状態として
美しいのでしょうか

いいえ 綺麗な花は枯れ
醜い過程を嘲笑うのです


・・・何時の日も






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