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『執事達の恋愛事情』の創作になります。
いつも、ブログに遊びに来ていただいてる
きょう様に捧げます。

リク内容は『ヒロインの卒業祝いをする真壁』
とのことでした。

なので、時間軸はいっきに1年飛び越して
白凛学園を卒業する頃のお話です。

携帯からだと、全文が読めないとのことで、
前編を2分割しております。
(その1、その2)

1つの記事で読まれたい場合は、
〔執恋〕リク夢:Graduation ~all for you~ FOR KYOにて。


以下、創作になります。
どうぞ、ご注意してお読みくださいませ♪


↓↓↓↓






***** Graduation  ~ All for you ~ 1 ******

FOR KYO!









あたしが九条院家にやってきてから
2度目の春がやってきた。


今日は、白凛学園の卒業式。
そう、あたしは、今日で白凛を卒業する。


ずっと、この日を待っていた。
あたしの執事で・・・・、
恋人の真壁さんとの約束があったから。



(今日が最後だね、この制服も)


あたしは、制服のリボンを愛しそうに撫でた。


早く制服を脱ぐ日がこればいいと思ってた。
でも、いざ、こうやって制服とお別れの日が来ると、
なんだかとても寂しいというか切なくなる。



明日からは、高校生じゃない。



卒業した後は、しばらくイギリスへ
留学することが決まってる。


4年ほど・・・・イギリスの大学へ行く予定。



もちろん、専属執事の真壁さんも一緒に行く。

日本を離れることを決めたのは、あたし。


九条院家での生活が大好きだけど、
でも、もう高校も卒業するなら、
自分と真壁さんしかいない環境にしたかった。


日本にいる間は、他の誰かの目を気にする必要が
あるかもしれないから。


だから、2人でいても誰にも何もいわれない環境へ。

そう思って、白凛を卒業したら、
海外へ行こうと決めていた。


イギリスに決めるときは、真壁さんと一緒に決めた。

あたしが興味のある分野を学ぶために。


でも、一番考慮したのは、真壁さんの意思。
一生、あたしの傍にいると誓った真壁さんは
あたしが住むところしか住めないから、
真壁さんが住みたいと思う国を選んだ。


それでイギリスに決めた。




今日の式が終わったら、
すぐ準備して、1週間後には日本を発つ。


義兄さんがイギリスでの滞在先は準備してくれた。
九条院家と懇意にしている一族の屋敷に
しばらく滞在した後、九条院家の別荘として
新たに購入したマナーハウスに移る。

まず、現地の生活になれるまでは、
真壁さんと一緒に、知人の屋敷にホームステイをして、
半年ほどで、九条院家のマナーハウスでの生活。




(本当に2人っきりになれるまで、あと半年か)



半年、って、6ヶ月。
長いと思うけど、でも苦にはならない。


だって、それだけ待てば、
真壁さんと一緒に、人の目を気にせずに
付き合える生活になるんだもの。


これまでずっと、我慢していた。


まずは白凛を卒業するまで、と。
大人になるまで、真壁さんはあたしのことを
奪うのを待つと誓ってくれた、あの日。


心を通じ合わせたあの日から、
あたしはその日が来るのを、心から楽しみに、
いえ、ずっと夢見ている。



まずは、卒業すること。
これが、ずっとこれまでの目標だった。






6ヶ月なんて、すぐだ。







・・・・・・・・・





「きょう、卒業おめでとう!」
「きょうちゃん、卒業おめでとう」



姉さんと義兄さんが卒業式に来てくれた。


2人ともこなくてもいいよ、って言ったのに、
義兄さんは無理に仕事を片付けて、
(そしていつも通り樫原さんも一緒に)
卒業式に来てくれた。


中岡さんも、仕事が休みだったらしいのに
お嬢様の卒業式ですから、と勤務以外で来てくれた。


あたしの専属執事でもある真壁さんもいるから、
卒業式に来てくれたのは、
姉さん、義兄さん、樫原さん、中岡さん、真壁さん・・・・。


こんな5人も来てくれるなんて、
あたしは少し恥ずかしかったけど、
でも嬉しかった。


ずっと、お父さんもお母さんもいなくて。
中学校の卒業式に来てくれたのは
姉さんだけだったから。

それが、あれから3年の間に
姉さんが結婚して、九条院家での生活が始まり、
今、あたしの家族は・・・・こんなに沢山いる。



それが、ただただ、嬉しかった。



沢山の人に囲まれて、
こうやって高校の卒業式を迎えられるなんて
思ってもなかったから。


思えば、九条院家のお嬢様になるなんて、
本当に想像することもなかった。
姉さんが、財閥の御曹司と結婚するなんて・・・。


そして、あたしもお嬢様になって、
専属の執事をつけてもらって、
毎日使用人達にかしずかれる生活をするなんて。


この白凛学園にきた時も、正直、とても戸惑った。
でも、あたしには、支えてくれる専属執事がいて、
九条院家の沢山の優しい人がいてくれて。




(あたし、すごく幸せだよ・・・)




義兄さんと姉さんが記念写真を写す、と
あっちがいいだの、こっちがいいだの言っている。
樫原さんは、白凛の文字が入るように
カメラを片手に、義兄さんと姉さんに
写真を写す場所を指差している。

そして、中岡さんがその横で
またいくつか花束を持っている。
なんだか、沢山・・・・。
多分、隆也君や誠吾君、瞬くん、
その人たちからの花束なんだと思う。


思わず、白凛学園の入り口で
卒業式の花吹雪のなか、あたしは少し涙ぐんだ。


その様子を見て、
傍で片時もはなれずついている
真壁さんがくすっと笑う。


そして、少し前に立って、人目から
あたしを隠すようにして、
さっとあたしの目に浮かんだ涙を
指でぬぐってくれる。


「泣くのはまだ早いぞ、きょう」


優しくあたしの顔を覗き込んでくる。


執事服が、相変わらず真壁さんはかっこいい。
こういう格好しているのに、
たまに誰も見ていないのを確認して
恋人して接してくれる真壁さんが大好き。


「だって、嬉しくて」


その答えに、真壁さんの表情が、
その瞳が、もっと優しくなる。


「感激して涙ぐむ姿は可愛すぎるから、早く泣きやめ」


からかい混じりの声で、そうあたしに呟く。
そして、少しだけ、あたしの髪の毛を撫でた。

その手が優しくて、あたしは一瞬、
ここが白凛で、周りが卒業式で
沢山の人がいることを忘れてしまう。
思わず目を閉じた。


「だって、今日が来るのを、すごく楽しみにしてたんだよ?」


真壁さんが、執事の仕事のように
春の風に散らばるあたしの髪の毛を直すフリをして
髪の毛や服を整えるように触る。


そしてあたししか聴こえない優しい声で言う。



「俺だってそうだよ、きょう」



しんみりする気配がして
ゆっくり目を開けると、
目の前に真壁さんの顔がある。
その瞳は、あたしをじっと見つめている。



「卒業おめでとう」



今日聞いたお祝いの言葉のなかでも
これが一番嬉しかった。


あたしの大好きな人。
ずっとあたしの心を掴んで離さない人。
たった、それだけの言葉なのに、
あたしの心はすごく満たされていく。




「これまで、長かったな」


スカートの裾や、あたしが持っている
証書を受け取りながら、真壁さんが
そう呟くのは聴こえる。


(ようやく、あたし、卒業だね)


卒業する、という意味を、
真壁さんも、もちろん覚えている。


これまで意図的に止めていた、
あたしたちの仲が、
今まで以上になるということ。



17で真壁さんに出会ったとき、
真壁さんは22だった。
今度あたしは19になる。


出逢ってから春が2回来た。
この春がすぎたら、あたしの誕生日が来る。
そして、誕生日をすぎたら、
真壁さんのお誕生日が来る。


ずっと5歳の年の差は変わらない。


でも、この5歳は大きくて。


あたしたちが気持ちを確認しあったとき、
真壁さんはあたしが大人になるまで
手を出さない、と約束した。


高校を卒業するまでは・・・・と
真壁さんが少し切なそうに、
あたしをぎゅっと抱きしめて
約束してくれたのを思い出す。


大人な真壁さんに似合う女の子になりたくて、
あたしは精一杯背伸びしたけど、
でも、もう、そんな必要はなくなる。


あたしは、真壁さんのものになるし、
彼を独り占めする大人の女性になる。


あたしはもう大人だよ。
真壁さんのことが好きでしょうがないから、
真壁さんに奪って欲しい。


何度そう心の中で言ったか。


あたしに手を出さない真壁さんに
じれることはよくあった。
真壁さんにそのことで迫ることも。


でも、いつも真壁さんは、
あたしを優しく包んでくれた。


焦らなくていい。
大人になるまで待つ。
時がたてば自然にそうなるから大丈夫だ。
美味しいものは最後に取っておく性分だと
笑うこともあった。


(卒業したら・・・・あたしは真壁さんと・・・)


これまで長かった、って言葉が
真壁さんも実は我慢してたんだ、って
すごく伝わってきて。


これまでそんな素振りはあんまり見せなくて
ただ、あたしだけが求めているような、
あたしだけが焦っているような感じだったのに。



こんな日にそういうなんて、ずるいよ。



でも・・・・嬉しい。




真壁さんもきっときっと、
今日まで指折り数えて待っていたんだね。



そう感じられて、あたしは嬉しかった。
少しだけ恥ずかしくて、はにかんでしまった。


「・・・・その顔は俺と2人っきりの時だけにしてくれ」


苦笑するようにこっちを見つめて
笑う真壁さんがいる。

そういう独占欲さえ、あたしの心を
時めかせる。




「きょう!こっちで写真を写しましょう」

夏実姉さんがあたしたちを呼ぶ。

そっちの方を向くと、にこにこ笑顔の義兄さんに
カメラを構えた樫原さん。
そして、手を振っている姉さんの傍に
沢山の花束を抱えた中岡さんがいる。


「はーい!」


嬉しくて元気よく返事をしたあたしを
真壁さんが、微笑みながら見つめていた。



「お嬢様、あちらへ」


さりげなく手をとってエスコートしてくれる。
桜の花吹雪がさっと押し寄せる。

白凛のホールから校門までの間の桜並木。
とても綺麗。
思わず見惚れてしまう。
あちらこちらで、卒業を祝う同級生と
その家族が楽しそうに話をしていたりする。



(ようやく、卒業だもんね)


あたしの手をとり、真壁さんが、
姉さんたちの輪の中に連れてくる。



「お嬢様。記念撮影の前に。」

優しく微笑みながら、
髪のついた桜の花びらを取ってくれた。


その花びらをあたしに見せて、
そっと花びらを下に落とす。

その仕草がとても優しくて、
あたしは真壁さんを見上げて微笑んだ。
真壁さんもすごく優しい目で
あたしのことを見てる。


その様子を見ていた義兄さんが、

「真壁がこんなにも、優しそうなのは初めて見たよ」

なんて、にこにこしながら言うもんだから。


「っ・・・!だ、旦那様!」


「あら?真壁さんはいつも、きょうには特別優しいわよ?」


夏実姉さんが含んだ言い方をして、
こちらを見る。


真壁さんは少し慌てるし、
あたしは、くすっと笑った。



あたしと真壁さんの事情を知っているのは
樫原さんと中岡さんだけ。
その2人も、なにか思い出し笑いのように
くすくすと笑ってる。


姉さんには、真壁さんとの仲を言ってないけど、
さすがに妹のことだから、勘付いてるみたい。


そんな中、真壁さんが顔を赤くして
うつむいていた。
眉間に皺が入ってるし。
多分恥ずかしいのを隠そうとしてるのね。


久しぶりに見た真壁さんの赤面した顔。
その様子がとても可愛くて、
頬を緩む自分をとめられなかった。





***** Graduation  ~ All for you ~ 1 ******


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