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『執事たちの恋愛事情』の創作になります。

連載している『ダンスのお相手は?』・・・・、
ついに13です。
終盤なので、書きながらも寂しいです。

書きながら、あたしも苦しいです(苦笑)
でも、真壁が大好きです。
早く、真壁とラブラブしたいです。

予定より大幅に長いお話になり、
読んでくださっている皆様にも・・・
本当に恐縮な気持ちでいっぱいですが、
ぜひ見守っていただけますと、本当に嬉しいです。


14は明日深夜枠でUPします。
15、16もほぼ出来ているので、
出来るだけ連日UPしたいと思っています。





【前回までのリスト】

・ダンスのお相手は?1 幕開け
・ダンスのお相手は?2 レッスン開始
・ダンスのお相手は?3 甘やかしてくれる人
・ダンスのお相手は?4 誘惑
・ダンスのお相手は?5 揺れる心
・ダンスのお相手は?6 告白 
・ダンスのお相手は?7 情熱
・ダンスのお相手は?8 好きという気持ち
・ダンスのお相手は?9 イアリング
・ダンスのお相手は?10 嘘の数 
・ダンスのお相手は?11 涙色の空
・ダンスのお相手は?12 熱



以下、創作になります。
どうぞ、ご了承の上、お読み下さい。




↓↓↓↓
↓↓↓↓↓





********** ダンスのお相手は?13 **********





・・・・・夢をみているんだろうか。



どこだろう、ここは。


暗くて、黒い空間が、
ぐにゅっとゆがんで、
窓のように・・・・なにかを中に映し出す。
空間が、そこにある。

あたしはその窓を覗き込んだ。
少し濁った・・・古めかしいガラス窓。


暗い部屋に、あたしと真壁さんが見える。
あたしはここにいるのに、あそこにもいる。





この部屋は・・・・どこだろう。



目を凝らしてみるけど、
その部屋がどこかわからない。
とても、豪華な家具が置かれて、広い部屋。

あたしの部屋に似ているけど
あたしの部屋じゃない。

なんだか、壁が崩れ落ちているかのような
沢山の・・・・壊れたものが・・・
部屋の向こう側の窓は割れて、
そこから、伸びきった木の枝やら、
ツタやらが張っている。
廃墟のような・・・・・。
すごく、なんだか古い、と感じる。


天井からきらきらと、
光の粉が落ちてくるのが見える。

でも、その部屋は静かでひんやりと暗い。
家具も、壁も、全て古ぼけた色で。
忘れ去られたものたちの気配が漂っている。


真壁さんがあたしを抱きしめている。
目を閉じて、動かない。

雨の音が聞こえる。

雨は降っていないのに、雫が落ちる音や
ざわめくような微かな雨だれの音。


あたしを抱きしめている真壁さんは動かない。
あたしも・・・動かない。

2人とも、死んでいるかのように。
そこはとても静かで。
なにも生きていなくて。

光が射さない空間。



ただ、静かにあたしと、真壁さんがいる。
閉塞感と静寂な空気が重い。




でも・・・・小さな窓から覗いて目を凝らす。





真壁さんの表情はとても穏やかだ。
そして、あたしも。
抱きかかえられて眠っているあたしも。
とても幸せそうだ。
真壁さんの胸に頬を寄せて目を閉じている。







2人だけで完結している世界。






不意に、香ってくるはずもない
花の香りがあたしを包むのを感じた。
いつも、あたしの部屋で、
朝起きたときにする香り。

部屋の中に・・・・百合の花がある。

壁際に飾られた花だけが、
色鮮やかに、そこにいる。
それだけが生きているかのような。

あれは、あたしが好きな百合とコスモス。
真壁さんがいつも、あたしのために
部屋に飾ってくれる。

そのコスモスの花びらだけが
吹いていない風に乗せて、
ゆらりとしているのが見える。

けして香ってくるはずがないのに
百合の柔らかい香りが、
あたしの想い出の中から匂いたつ。



あたしは想い出す。


真壁さんが、毎日朝、百合の花を生けてくれる姿を。
この匂いが好きだと言ったその日から、
ずっと毎日飾ってくれることを。

百合のような香りがする、と
真壁さんがあたしに近づいてキスをすることも。
そのキスが毎日毎日、
あたしを幸せにしてくれてることも。


いつか、真壁さんがあたしにいった。
俺にとってお前は百合のように
大輪で、美しくて、そして香り高い女なのだと。
いつか、それを俺のものとして奪う、
俺だけのために咲く花になれと、言ったことも。



なにかが、あたしの胸を衝く。
涙がぽろぽろと零れてくる。




想いだしてみると、記憶の中のあたしたちは、
あたしはいつも真壁さんを見つめてて、
真壁さんもあたしのことを見つめている。

こうやって窓から覗いて見える二人のように。
ただ、お互いがお互いしか見えてなくて。


そのことが、とてもとても・・・・
心の底から切ないと感じた。


なぜかわからない。
そう感じる。




あたしは、覗いていた窓を強く叩いた。
必死で叩いた。




不意に窓が吸い込まれていく。

黒い空間の中に、部屋が吸い込まれていく。
あたしは、必死で手を伸ばしたけど、
その窓は・・・小さくなってつぶれた。



なにもなくなった、黒い空間で、
あたしは、手探りで前に進む。

黒い波が押し寄せてきて、
あたしを連れ去ろうとする。
身体の両側を引っ張られるような
そんな感覚に襲われる。




やめて、ひっぱらないで。
あっち側に行きたくないの。



何かが追って来る。
すごく、怖くて、大きくて、そして・・・・
言葉で表せないもの。

あたしのことを飲み込もうとしている。

助けて。
あたしは、まだ、
それに飲み込まれたくない。


あたしは一生懸命走る。
後ろを振り向かないように走って走って。

足元がぬかるむ
暗い中を、前に走ってるのか、よくわからない。

ずっと走っていると、なんか、
人の姿みたいな、白いのが見えてきた。



・・・あたしだ。


“あたし”が、窓から覗いている。


場面が急変して、
そして、後ろに樫原さんがいる・・・・。
抱きしめられている・・・・?


これは・・・・。
あの日だ。






傍におります
私のことが必要でしょうから






空間がまた歪む。
墨が立ち込めるように
あたりがどんどん黒く染まっていく。


樫原さんの声が聞こえる。
そばに居ないのに、
耳元で囁かれてるかのように
何度も、何度もリフレインする


その声が、耳にまとわりつく



やめて




あたしは、その声を振り払うように
目を伏せた。

でも、その声はあたしの指の間をすり抜けるように
耳の中へ言葉を続ける。





どうして1人で泣くんだ?

なぜ、その手を振り払わなかった?






それは・・・・・。





(あたしを助けてくれると思ったから)





別なあたしの声がした。
ぎくり、とした。




(樫原さんとだったら、あたしは多分幸せになれる)

(不安になることはない)

(愛されて、沢山愛されて、それでいいじゃないか)



反対側からも、別のあたしの声がする。



いいえ。
あたしは。
真壁さんが好きなの。

彼だけしか要らないの。


じゃあなぜ?
なぜ、樫原さんの手を振り払えなかったんだ?


延々とエンドレスに言い合いが続く。





もうやめて。




これ以上、あたしを責めないで。


もうやめて。
お願い。




頭が痛い。


考えることが沢山あって。
頭が痛い。



頭の中でサイレンがなってる。



このままじゃだめだ。
このままじゃだめだ。





あたしは――-。














・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




ふっと浮上してくるような感覚がして
目が覚めた。



夢だったんだ・・・・。
あたしは、心の底から安心した。
ふぅっと息を吐く。

とても・・・・怖い夢だった。



ふと見ると、ベッドの傍にある椅子に
真壁さんが座って、静かに眠っていた。

じっと動かず、自分の手でぎゅっと包み込んだ
あたしの手の甲に口づけている。


ここは、あたしの部屋だ・・・・。
外は・・・暗い。
カーテンの隙間からは暗闇しか見えない。

サイドボードの光だけがついている。



真壁さん・・・ずっとそばにいてくれたんだ。

お薬、飲ませた後も・・・。
執事服を着ていない。
眼鏡もはずしている。


音がしない静寂な夜。


さっきまでの身体の熱さと頭痛が
少し収まっていた。


変な汗を全身にかいているのがわかる。

熱・・・・下がったのかな。
額に濡れたタオルが置かれてて、
首元に冷えた氷嚢がある。

だいぶ・・・楽になってる。
さっき、起きていたときは息も苦しかったけど、
今は平気。少し荒いだけ。



風邪・・・・じゃないだろうな、多分、あの熱。
なんか、沢山色んなことがあって、
それでパンクしちゃった気がする・・・。




ただでさえ、最近は思うことが多くて
あんまり眠れてなかったし、
真壁さんとようやく、元通りになれたという安心感や、
雨の中、あんなに真壁さんから、求められるとは
思ってもなかったから。

結局、限界で倒れちゃったか・・・・。





握り締められている手と反対の手を
そっとシーツから出して、
真壁さんの指に触れようと思った。

でも、今は・・・・・。
もう少し、このままでいたい。

繋がれた手から伝わる温もりが
とても優しくて。

もう少し、こうやって、手を繋いで
傍にいる真壁さんを見つめていたい。




傍にいてくれた。
このことが、あたしをすごく幸せにしてくれた。

あんなに苦しい夢をみて、
目が覚めたときに一番最初に目に入ったのが
真壁さんで嬉しかった。



あたしの声が聞こえたのかな。
ずっと手を繋いでてって、言った言葉。


そっと窺う真壁さんの横顔が
とても愛しいと思う。

どれだけ見ても、心を奪われる。
好きで好きでしょうがない。


真壁さんがあたしに向ける優しい視線。
大胆に誘惑してくる甘い囁き。
抱きしめるときのきつい腕の力。

真壁さんの口からこぼれる言葉1つ1つが
あたしの心を見えない糸のように、絡めとる。
その甘い鎖が、あたしの心を
ゆっくりと溶かしていく。





でも、あたしは思う。




いつからだろう。


そういう優しさに、
苦しさや辛さが混じるようになったのは。



好き、というまっすぐな気持ちに
嫉妬や不安や独占欲、束縛、寂しさ、
色んな感情が混じってきて、
だんだん、2人の距離が近付いていくたびに
もっともっと好きになっていくたびに
あたしたちは、多分苦しくなっていったんだよね。



でも、それを2人とも気づかないフリをしてきた。



気づいたら、だめだと思っていたから。
知らないふりを通そうとしていた。
あなたにも。そして、自分自身にも。




どうしてなんだろう。



あたしがあなたのことを
好きでたまらなくて辛いように、
貴方もあたしのことが
好きでたまらなくて、辛いんだと思う。



好きだから、本当はまっすぐ、
その気持ちだけでいたい。

でも、それではいられない自分がいて。
もう1人の自分をもてあましてしまう。


好き以外の感情が自分では止められなくて。


たまに、それが心の中で大きく広がる。
悪循環のように、
あたしたちの心をいつか蝕んでいく気がした。

そして、それがいつか、
あたしたちの仲を壊してしまうような・・・・。


あたしも、貴方も不器用だから、
どうしても、上手に自分の気持ちを
コントロールできなくて・・・・。


真壁さんがこんなに苦しそうな顔をしているのは、
辛そうなのは・・・・・あたしのせいだ。


あたしのことを愛してるから、
この人は、時々こんな辛そうな顔をする。


辛いことなんか、何もないよ。
貴方は、あたしのことを全力で信じてくれればいい。
あたしは、それを裏切らないから。
あたしも、貴方がこの手を離さないと
ずっと信じているから。


何度、そう唱えたら、
この人に伝わるだろう。



ごめんね。
不安にさせて。
心配させてごめんね。


あたしは、この人に何をしてあげられるだろう。


不安にならないで。
あたしは貴方のものだから。

そう、言葉で言うだけでは足りない。
もっと、確証のあることを――-。






涙が出てきた。
とても切なかった。



言葉では到底言い表せない
あたしのこの気持ちが。

全て完璧にこの人に伝えることができない。


こんなに傍にいるのに。

どれだけ言葉を使っても。


共有できないものがある。
どれだけ好きでいても。
どれだけ大事に思っていても。


それが、とても哀しい。


繋がれた手も震えそうになる。
嗚咽が出てきそうになるのを
あたしは、必死で我慢した。

今のあたしを、真壁さんに見られたくなかった。
もう少し、眠ってて。
あたしは、じっと動かずに
涙があふれてくるのを、そのままにしていた。





こんなにも・・・・、この恋が苦しいから、
無意識にあたしは樫原さんへ
逃げ出そうとしたんだ・・・・。


だから、抱きしめてくる手を払えなかった。
むしろ、このまま連れ去ってくれたのならと
心のどこかで想っていた。

こんなに誰かを好きになって
苦しい思いをするのなら、逃げたかった。
誰かに頼りたかった。

無意識のうちに、誰かに助けを求めるあたしに、
樫原さんが手を伸ばしてきたんだと
そう感じていた。


そのことが、もう、よくわかる。
誰から責められなくても。




樫原さんといると、
あたしは、多分幸せになれる。

彼なら、この愛しているが故の矛盾さえ
理解してくれるだろうから。
そして、それを受け入れてくれるだろうから。


あたしが、充分に彼を愛していない分だけ、
あたしは、その矛盾を、
樫原さんを傷つける自分自身を、
許すことができるだろうから。


好きだから苦しい。
好きだから離れたくなる。
一緒にいたいから苦しい。

こんな矛盾、どうしてなんだろう。

どうして、「好き」だけでは終わらないんだろう。


一緒にいれば、愛だけじゃなくて
嫉妬や疑惑とか、色んなことがある。
それさえを抱く自分自身を許せないなんて、
あたしたちはどれだけ、お互いにお互いを
愛し合ってるんだろうか。


その、まっすぐすぎる気持ちが
あたしたちを傷つける。


「しょうがなく傷つける」こともある、と、
自分に許してしまえれば
あたしと、真壁さんは一緒にいても辛くないのに。



それさえも、許せないほど、
あたしたちはお互いに大事に思ってて・・・。

でも、果たして、
「守りたい」と想っている先にあるものは、
いったい何なんだろう。

いいえ、大事に思っている、だけじゃない。
そうやって傷つけてしまう自分自身に
耐えられないほど弱いから。


相手を傷つけたくないっていう思いが、
あたしと真壁さんを縛って、
お互いに辛くさせている。


樫原さんとなら・・・。
こんなにぎりぎりまで、
好きになっている相手じゃないから
苦しくなることもない。
不安になることもない。


ただ彼の愛に包まれていればいい。



彼といるのならば、こんなに・・・・・・


心臓をもぎ取られるかのような痛みなんかない。
切なさのあまりに身がよじれるほど泣くこともない。
世界が終わってしまったような絶望感で夜を過ごすこともない。



あたしを好きにならなければ。
あたしがいなければ。
真壁さんも苦しまなくてすむ。


もちろん、あたしも真壁さんに出会わなければ
こんなに苦しいほど好きになることはなかった。


涙はいつの間にか止まっていた。

あたしは、傍で目を瞑って
静かに眠っている
真壁さんの横顔を見つめた。



こんなに苦しい顔をして、辛い思いをして、
可哀想だと、本当に思う。


あたしの手を離してしまえば、
この人だって、苦しくないはずなのに。

あたしがこの人の手を離して、
樫原さんのもとへいくのなら、
あたしも、この人も、
多分・・・・、最小限の傷だけで
幸せになれるとわかっている。



でも、どうしてあたしは樫原さんを選べないんだろう。



この繋がれた手の持ち主が
可哀想だから?
きつく繋がれた手を離してくれないから?




いいえ、違う。




あたしは、幸せになれなくても
苦しんででも、この人の隣にいたいと思うから。


あたしのために、ここまで苦しむ人が
他にいるだろうか。

一緒にいることで傷ついても、
この人がいいと・・・本当は思ってる。


あたしにしか、この人は幸せにできない。
そして、この人しかあたしのことを幸せにできない。

真壁さんと幸せになりたいと
本当に心の底から望んでいるのだから。



なぜ、この人じゃないといけないのか。
どうしてなのか。
こんなにまでも切望するのは。



理由はわからない。



でも、真壁さんじゃないとだめなんだ。


1人で幸せになるくらいだったら、
2人で地獄を見たほうがいい。
一緒にいるのなら、苦しいことも
多分、その痛みさえも許せるはず。


この人と離れられないのだから、
苦しくても、今繋いでいるこの手を
離したくない。






ずっと手を繋いでいれますように。


あたしは神様に祈った。



それが、どれだけ喜びと苦痛を与えるか
わかっていながらも・・・・
祈らずにはいられなかった。




もっと、早くに覚悟するべきだったはずなのに―――



一緒にいれば、好きという気持ち以上に
たくさんの感情が生まれてくることも。


愛する人を傷つけてしまう自分の弱さも。


ごめんね、あたし、子どもで。


気づくのが遅くて、今まで、ただ傷つけてきた。
自分が傷ついた分だけ、傷つけて。

そして、今からも、沢山傷つけるんだと思う。


それでも、あたしの隣にいてくれるだろう貴方に、
あたしは、なにができるだろう。


真壁さんのことが大事だよ。

あたしが愛してるのは真壁さんだけだよ。




この気持ちをどういえばいいんだろう。
どう伝えれば、わかってもらえるのか。











じっと考えていたあたしの心の中で、
ある1つの決心が生まれた。










*********** ダンスのお相手は?13 終わり ********

続きはまた明日。




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