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『執事たちの恋愛事情』の創作になります。

このお話は、執恋お友達の、
HP『Cream―kei』NaNaさん に捧げます。

彼女から頂いた夢『以心伝心』(真壁SS)のお礼として、
書かせていただきました。気に入っていただけるといいな。
お待たせしてしまって、申し訳ないです。

リク内容は取り立ててなかったのですが、
キャラ指定をしてもらったところ、「中岡さん」。
なので、季節柄を考えて、桜を入れてみました。

甘いです。


最後にあとがきをつけました。


以下、創作になります。
どうぞ、ご注意の上、お読みくださいませ。




↓↓↓↓
↓↓↓↓↓





********** KISS With Cherry Blossoms ! ***********

For NANA!





ある春の日の九条院家の庭園にて。



「お花見に行こう!」



急に思い立って、あたしは、あずまやで叫んだ。



「え?お嬢様?」



時は昼下がり。
学校が午後休みの日で、
あたしはあずまやで、
中岡さんに紅茶を入れてもらって、
お茶をしていたところだった。

こういう2人っきりの時間が
あたしは大好き。
たわいもない会話をして、
中岡さんの入れてくれたお茶を飲み、
本日のオススメのケーキを食べる。

こうやってずっと傍にいてくれる執事が
あたしの恋人だなんて、
本当にラッキーだと想う。

だって、24時間一緒にいようと思えば一緒にいられる。
そして、誰かが見ていなかったら、
恋人同士の時間にすることだって出来るのだから。



今日も、そんな午後だった。



ただ違ったのは。
あずまやから見える、庭の奥にある桜の木。
よく手入れされた枝垂桜や、染井吉野や
桜が綺麗に咲いているのを見たから。


この九条院家の庭園だったら、
十分にお花見はできる。


でも、・・・・できれば
こんな気持のいい午後は
中岡さんと別の場所で
2人っきりで、桜を眺めたいなと想ったんだ。



だから、言ったの。
お花見に行こうって。



いきなり叫んだあたしに
中岡さんはびっくりした顔をしている。


・・・あたし、そんなに大きな声で叫んだかな?


紅茶をカップに注いでいた中岡さんが
驚きのあまりこぼしたらしく、
急いで布巾で拭いている。


「どうなされたんですか、いきなりお花見など?」


驚きのあまり紅茶をこぼしてしまった中岡さんが
少し慌てる様子が可愛い。


くすっと笑ったあたしの笑いに気がついたのか、
中岡さんが顔を上げて、わざと、メッって顔をする。

「お嬢様。いきなり大きな声を出されてははしたないです」


そんなことを言っても、きかないもーん。

あたしは知ってる。
だって、この人、あたしの恋人だもの。

こんなことを言っても、そんなに怒ってるわけはない。
あたしに甘くて、優しい・・・・中岡さんだもの。


怒ったフリをしても、最後には絶対
あたしの言うことを聞いてくれる。


「えへへ。だって今日、すごくいい天気だから」


だから、中岡さん、今、これからお仕事休みね。


そう続けたら、中岡さんが目を見開く。
そんなに驚くことあるかしら?



「ななちゃん」


じっとこっちをみながら、
絶対にこう思ってるはず。

(まじで?)ってね。

でも、それは知らんぷり。


「なあに?」



「それはいきなり、乱暴じゃないかい?」


戸惑った顔で聞いてくるもんだから、
あたしは、いつもの通り、
わがままな口調で続けた。


「だって、お花見に行くんだもん。お嬢様と執事では行きたくない」


ぷーっと頬を膨らませる真似をして
拗ねているように思わせたら、
中岡さんが、少し慌てたように続けた。


「いや、俺だって、ななちゃんとお花見に行きたいよ?でも思いついてすぐってワケには・・・・」



「大~丈~夫!」


すぐ弱気になるんだから。
あたしは、太鼓判を押した。



「それに、最近・・・デートらしいデートもしてなかったから・・・」

「な、ななちゃん・・・!!」



少し落ち込んでいる風に言ったら、
またその言葉で、中岡さんがアワアワするのなんて、
全てお見通し。


こうやって言ってしまえば、
中岡さんはあたしの我がままを聞くしかないもんね。


あたしはにんまりと笑った。



「あたしから、樫原さんに言うから」


にっこりとそう告げると、
ぎくっとしたように中岡さんが固まる。


「あたしが中岡さんとデートしたいから、今日これからの時間、中岡さんは仕事休ませますって」


「やや、それは、まずいよ!」


慌てる中岡さん。
何考えて焦ってるか、わかってるよ?

恥ずかしいし、樫原さんから
後でからかわれるからでしょ?



「でも、あたし、久志さんとお花見に行きたいんだもん」


こういうときは、下の名前を呼ぶに限る。

最後の一押しで、あたしは、中岡さんの腕に
自分の腕を絡ませて、彼の腕にほお擦りして。
甘える素振りで、顔色を窺う。

そしたら、彼は照れて、
絶対ごまかされるはずだから。



「っ・・・・!」


案の定、顔が真っ赤になった。


「ね、いいでしょ?」


首をかしげて、中岡さんの顔を覗き込む。
赤くなった中岡さんはあたしから顔を背けて

「・・・・ななちゃん、それ、わかってやってるんでしょ?」

なんて聞いてくる。
耳まで赤くなってるよ、中岡さん。
ほんと、可愛い。


「えへへ、わかっちゃった?」


ばれても、こうやって言えば、
中岡さんが許してくれるのだって、
もうあたしはわかってる。


中岡さんは、あたしにベタベタに甘いのだから。


顔を赤くしながら、コホンっと咳払いした中岡さんが
あたしの頬を軽くつねる。

「もう。本当にしょうがないお嬢様だな」


そんなこと言って。
本当は嬉しいくせに。


彼の腕に絡ませた腕だけじゃなく、
あたしは猫ぱんちのように、
軽く彼の髪の毛を触りながら言う。

「あたしが、しょうがないお嬢様なのは、中岡さんは百も承知でしょ?」


その手を優しく掴んだ中岡さんが、
いきなり、手の甲にキスをした。



「・・・・そんな、ななお嬢様に、私の心は釘付けですよ?」


形勢逆転。


頬を赤く染めながら、そんな風に、
そんな紳士的に言われると、
あたしのほうが赤くなっちゃう。

キスされたところが、
手の甲が、すごく・・・熱い。


いきなりキスしてくるなんて、反則だよ。


ぼっと赤くなったあたしをみて、
中岡さんがくすっと笑う。



「い、いきなりキスだなんて、は、反則だから」



そんな余裕のある表情が
なんだか少し悔しくて、思わず慌てて言ってしまった。


その呟きを聞いて、中岡さんが
仕返ししてやった、って顔をしている。
くすっと笑うのがわかる。


いたずらっ子ぽく目を輝かす中岡さんをみていたら
ここで拗ねるのも可愛くないなと想って
あたしも顔をあわせて笑った。



中岡さんは突然こんなことをするから、
恋人のあたしは、たまにたじたじになる。

いつもは、あたしがわがままをいって、
それを聞いてくれてるだけだけど、
時々こうやって、余裕のある年上の男の人に
戻る瞬間がある。



あたしは・・・・その瞬間もたまらなく好きだ。



「ね、中岡さん。早くお花見に出かけよう?」


瞳を覗き込むようにおねだりすると、
中岡さんもあたしを見つめ返して、微笑んだ。


「わかったよ。俺から樫原さんへ断ってくるから」


そう言いながら、まだ頬を赤らめている
中岡さんが可愛くて。


年上の男の人に、可愛い、だなんて、
似合わないかもしれないけど。

こんな、あたしにべったりと甘い恋人が、
あたしは、すごく好きだ。


あたしに困らされるときの彼の表情や、
我がままを聞いてくれるときの優しさ。
すぐに機嫌を取ってくれる気配りのよさ。

どれをとっても、あたしの恋人は満点だわ!

そう、胸の中であたしは叫んだ。


あたしは、中岡さんが恋人で良かったって
本当に心から想ってる。
こんなに・・・毎日ラブラブな生活を送れるのも
中岡さんのお陰だから。

よし。今日はこれから久しぶりにデートだね。
にんまりした。
なにを着ていこうかな。


すごくワクワクしてきた。





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



思ったよりもすんなりと、
中岡さんは休みが取れた。


樫原さんに休みを告げると、
にんまり笑われたらしい。
そして、どこそこの桜が今見ごろで、と
場所まで教えてくださったそうだ。


さすがは樫原さん!

ぬかりないわね。
あたしは、樫原さんの有能さに、
あらためて感心した。


あたしと、中岡さんは、
樫原さんがオススメしてくれた
九条院家から車で30分ほどのところにある
川原を歩いていた。


もちろん、中岡さんがお仕事休みになったし、
あたしも、誰にもこの時間を邪魔されたくなかったから、
中岡さんが運転する車できた。

運転している中岡さんの横顔・・・、
いつもはみない、きりっとした表情で
とても素敵だったなぁ。



そんなことを思いながら、
車の中ではドキドキしっぱなしだった。

いつもの執事服じゃなくて、私服の中岡さん。

あたしは、中岡さんに合わせて、
少しだけカジュアルに、それでいて
女の子らしい格好をした。

彼がくれたホワイトデーの白いキャスケットにあわせて
Aラインのワンピースを選んだ。

春らしい、ふわふわした素材の白いワンピ。
桜色とかぶらないようにしてみた。



もちろん、中岡さんは、
あたしの格好をすぐに褒めてくれる。


中岡さん好みの服を選んだんだよ?


そうわざと言ってみると、
また照れるのがわかる。
これ以上喜ばせないでくれ、って
顔を背けたけれど、あたしが見ていない隙に
あたしの格好をチラチラみているのなんて
わかってるんだから。



中岡さんと並んで、川原を歩く。

樫原さんがオススメしてくれたように、
確かに花が見ごろだった。

染井吉野がずらっと一列に土手に植えられていて、
それが河のほうへ枝を落としながら、
花びらが散る。
水面に浮いた花びらが、薄紅色の川を作っている。

川原はお花見シーズン真っ盛りだからか、
場所取りをしているような、シートが敷かれていたり、
昼寝をしているおじさんがいたり、
小さい子どもをお散歩させながら、
ゆっくり歩いているお母さんたちとかが居る。



その中に混じって、あたしと中岡さんも歩く。



中岡さんが迷子にならないように、
あたしの手をしっかり握る。
あたしも、指を絡めて、握り返した。
握った手を2人で見つめて、笑いあう。


こうやって・・・屋敷を離れてしまえば、
あたしと中岡さんは、お嬢様と執事じゃない。


ただのカップルにしか過ぎない。


そのことが、あたしを喜ばす。



こうやってデートするときだけ。
中岡さんが執事服を脱いだときだけ。
誰の目を気にしなくてもいい。


その自由さが、あたしは、
とてもとても嬉しかった。



もっと、こういう時間が沢山あればいい。



散りゆく桜の花びらが
あたしたちの前で、花吹雪の渦を作る。
その中を歩いていくあたしたちは、
ちょっとしたウェディングロードみたいだ。

と、そこまで考えて、
ウェディングロードだったら、
あたしが手を組んで歩くのは、
あたしのお父さんは居ないから、
義兄さんじゃないとだめか、と
思わず1人で思いついて笑ってしまった。

「どうしたの、ななちゃん?」

つい、考えごとをして、くすっと笑った
あたしに気がついたらしい。


「この桜吹雪の道、ウェディングロードみたいだな、って思ったの」

こんなに沢山花吹雪がある中を歩く赤い絨毯。
綺麗だろうな。


素直にそう言ってみた。
どう反応するか見たくて。


「・・・・・・・・」

不意に中岡さんが足を止めて、
黙り込んでしまった。

え?そこ、黙るところじゃないよ?


思わず怪訝そうになった中岡さんの顔を
あたしは前に回りこんで覗き込んだ。



「どうしたの?中岡さん?」




「・・・・・・ななちゃん、今、俺たち、恋人同士だよね?」


ん?


「うん、そうだよ」



「呼び方。中岡、になってるよ」


少し拗ねたように言う。
そんな彼に、目をぱちくりさせたけど、
すぐ言いたいことはわかった。
名前で呼んでもらいたいんだね、久志さん?


「久志さん?」


そう呼びかけると、
すぐ機嫌を直してくれるかな?と思ったけど、
まだ表情は硬いままだった。


「久志さん、どうしたの?」



「・・・・いや、今の言葉を考えてて」


そう、言葉を切った久志さんが、
いきなりあたしの両腕を掴んで
ぎゅっと抱きしめた。

「ちょ、ちょっと・・・!こ、こ、ここ、人がいるって!!」


思わぬことで、あたしは動転してしまった。



「・・・・・だって、さっきウェディングロードだって・・・・」


え?・・・・ん?
あたし、なんか変なことをいったっけ?

「俺・・・、ななちゃんが誰かの花嫁になる姿を執事としてみていられる自信ない」


は?

必死そうに言ってくる
久志さんの言葉の意味を理解しようとした。

「誰かの花嫁」?
「執事として」?
「見ていられる自信ない」?



・・・勘違いしてるよね、久志さん?
あたしが誰かと結婚するかもしれないのを
執事として見守るかもって心配してるの?
そんな意味で言ったんじゃないけどな。


ぎゅっときつく抱きしめている久志さんが、
勘違いしてるとはいえ、すごく愛しくなった。


「あたし、ウェディングロードだねって言ったけど、
義兄さんと腕を組んで歩くつもりだから、心配しないで」



「・・・・・・」



「それに久志さん・・・・・、あたし、誰かの花嫁になんかならないよ?」



「え・・・?」



「久志さんの花嫁にはなるかもしれないけど」



普通にそう言ってみた。

すると、がっと抱きしめていたのをやめて、
久志さんがあたしの顔を見つめる。


心配そうな顔をしていたのが、
すごくびっくりした顔になってる。



どうしてびっくりするかなぁ?
あたしは、あなたの恋人なのに?


すぐ不安になっちゃうの?


こんなすぐ勘違いしてしまうところ、
裏の裏を読みすぎてしまうところ、
少し押しが弱いところも・・・・全部好きだって
わかってるかな。


あたしも、久志さんにベタ惚れなんだよ?


しょうがないな、とあたしは、笑って見せた。


「執事としてみてる、ってなにそれ?」
「あたしの結婚する相手は、結婚式でも執事なの?」


強気で、少し意地悪に言ってみる。


だって、こうやってすぐに
勘違いしてしまうところは可愛いけど、
いつも勘違いされて不安になられたら、
あたしだってたまらない。



「あたしが結婚するとしたら、久志さんしかいないと思うんだけど」

いまのところ、ね。



そう付け加えてみた。
だって、ベタ惚れしているとはいえ、
そんな、すごく甘い言葉を言うのは、
あたしの性格にはあわない。


少しぐらい、余裕を匂わせておきたいもん。


でも、その言葉を聞いて、曇っていた
久志さんの表情が、すこしづつ戻ってきた。



「ななちゃん、それって・・・・?」


嬉しそうに、そういう風に聞かないで。
あたしが、言ったこと、全て、その場で理解して。



「さあね~」

もう、教えてあげない。



あたしは、わざと目線を逸らせて、
川原の下、桜の花びらが散る中で遊ぶ
子どもたちに目をやった。


久志さんが、あたしのことをじっと見ている。


花吹雪が、すごく綺麗。
春の突風が、薄紅色の風を作ってる。
いきなり吹くその風が、とても気持ちよくて、
あたしは目を細める。


ふっと微笑む気配が感じられた。
そして、急に腕を引っ張られて――---






久志さんが、あたしの唇に軽くキスをした。


「!!!!!」


思わず、びっくりして、かあっと赤くなる。

い、今のはなに?!

周りの人たちに見られたかと、
あたしはどぎまぎする。


そんなあたしにお構いなしに
久志さんは、にっこりと微笑む。

思わず片手でキスされた唇を押さえて
目をぱちぱちさせているあたしに、
赤く頬を染める久志さんが言う。



「桜の花びらが唇についていたから」



目をキラキラさせてる。


なんかすごく、それってラブラブすぎませんか?

そ、そんな目で見つめてこないで。
恥ずかしすぎるよ。


あたしは、自分のことながら、
自分自身でツっこんでしまった。


いきなりの不意打ちのキスで
固まっているあたしをみて、
久志さんがくすっと笑う。



「というのは、ウソ」


!!!!


「え!!??」




「ななちゃんと俺が結婚かと思ったら、嬉しかったから」

どうして、ここでこんなに素直なことを
この男の人は言うんだろう。

本当に、子供みたいに
素直なところがあるんだから。


「・・・・・・・・・///」



「それに、ここがウェディングロードだったら、その最後の締めは、誓いのキスだろ?」


な、な、な、なんてことを!!!!


あたしは、久志さんのあまりの大胆発言に
顔が赤くなって、アワアワしてしまった。
それにもお構いなしに、久志さんは続ける。


「俺、ななちゃんを、いつかさらうから」

執事じゃなくて、ただの男として。
少し真剣な表情で、久志さんがそう囁く。



「!!!!」

「いつか、迎えに行くよ、って意味で誓いのキス」



にっこりと久志さんが笑う。


頬を赤らめながらも、
久志さんがあたしの目をじっと見つめてる。


予想もしてなかった
久志さんからのラブラブな攻撃に、
あたしは、卒倒しそうだった。


その優しさに、射抜かれてしまったようだった。



こ・・・・この人は・・・・!!



ずるい!




やっぱりあたしより年上の男だ。
予想もしなかったことを、
軽くやってくれる。


ドキドキが止まらないよ。




「で、ななちゃんの答えは?」



「!!」


赤くなって、どぎまぎしているあたしの瞳を
久志さんが覗き込む。
その瞳は悪戯っ子のようだ。



もう!意地悪なんだから。
あたしは、ぷいっと顔を背けた。
頬が熱い。

さっきからずっとドキドキがとまらない。



「ねえ、なな?聞かせてよ?」



少し面白がっている声がする。
くすっと笑ってる。



もう、悔しすぎる。


あたしは、こうやって意地悪されても、
こうやってくすっと笑われても、
こんな風に恥ずかしい言葉を沢山言われても、
この人のことが嫌いになれなくて。



ううん、嫌いになるどころか、
余計に好きになってしまう。
もっともっと好きになってしまう。



こんなに好きにならせるなんて、
ずるいんだから。



答えなんかわかっているくせに
言わせるなんて、本当に、もう!




「教えてあげない!」


少し大きな声で言って、
あたしは久志さんの腕を振り払って、
足早に歩き出した。


くすっと笑うのがわかるよ。

背中で感じる。

久志さんが、照れて
乱暴な口をきいたあたしを
優しく見つめているのが。


そして、すぐに追いついてきて、
あたしの手をまた握って、
一緒に歩いてくれることが。


あたしは、この人には勝てないな。
完敗だ。
結局、久志さんに最後はやられてしまう。



わかっていたはずだけど、
ちょっと悔しい。


でも、とても幸せ。
愛されてるって思うから。



後ろから繋いできた久志さんの手が、
温かかった。





春風に舞う桜吹雪。


久志さんと一緒に、桜吹雪の中を歩いた。
手を繋いで。


ずっとずっと一緒にいようね。



言葉にならない気持が、
繋がれた手を介して、
あたしから久志さんへ、
久志さんからあたしへ伝わる。



いつか、本当にウェディングロードを歩くのなら、
その先にはきっと久志さんがいるはず。
ううん、きっと、じゃなくて、
彼が立っていることは間違いない。


いつもの優しい笑みを浮かべて。
あたしのウェディング姿に
じっと見惚れる。

あたしも・・・・多分、ううん、きっと
久志さんのタキシード姿に目を奪われるはずだわ。



そして、いつかきっと、
誓いのキスをしましょう。



みんなが見守る中。
幸せな気持ちに包まれて。
沢山の祝福の声を浴びながら。
花吹雪がまかれる中を
一緒に歩いて・・・・。



そんなことを想像しながら、
歩く桜吹雪の川原。


ただ、一緒にいられるこの時が幸せで。



あたしは、歩きながら、ふと
隣を歩く久志さんを見る。

久志さんも偶然、あたしのほうを見る。

そして目でお互いに微笑みあう。



こんな時間が・・・・とても好き。
こんな時間を、共有できる久志さんが好き。



繋がれた手にちょっとだけ力を込めた。
もちろん、ちゃんと握り返される。



あたしたちが見つめる先には
桜の花吹雪。


そこを抜けたら、
あたしたちの未来が広がってる気がする。




ずっとずっと一緒にいてね、久志さん。


あたしは、桜吹雪の中で
にっこり笑って久志さんを見つめた。






******** Kiss with Cherry Blossoms ! Fin. ***********















◇あとがき◇


( ゚Å゚) げ・・・・激甘ですなっ!(爆)

すいません、いつもあとがきは真面目に書くんだけど、
こ、このお話の甘さ、そしてそれを書いた自分が
恥ずかしくて、思わず顔文字を出してしまいました・・・。

中岡さんと桜を観にいくのなら、
お昼下がりの時間が絶対にぴったり。
そういう昼間のお花見デートが彼には似合うと思います。

いつもあたしが書いているお話ではないような、
軽快なタッチで書いてみました。
甘い内容だったら・・・この感覚で書いたほうが
しっくりくるな、と思って。

気負わずにさらりと書いたので、
思わず、素の自分の言葉が
ちらほら見えてる気がします。


なんで結婚ネタになってしまうの?と
自分でもつっこんでたんですが
なぜか、そうなってしまった・・・・。

こういう定番のネタを沢山使うより、
もっと何気ない日常的なネタを使う方が
あたしとしては好きなんだけどな・・・・。

でも、桜吹雪の中で連想する幸せなイメージって
思わず書いているうちにそうでてきちゃったんで。
しょうがないです。

お話の持つ力にひっぱられました(笑)


あたしの中で、中岡さんって甘いイメージがあります。
純情青年大胆仕様ですからね、彼は。
ぜひとも、大胆なところを見せて欲しい!


中岡さんだったら甘い話が書けるのに、
なぜ真壁ではかけないんだろう・・・。
書きながら、その疑問で吼えてました、あたし。

そして、ちょっとだけ悪戯で、
お話の中の「中岡」を「真壁」に変換してみて
読んでみたところ、やばいです、死ぬかと思いました。
(その後すぐに直した)

キャラ違いすぎるから言い回しはあわないけど。
真壁がこんなに激甘だったら、あたし、
多分書いてて倒れます、ドキドキしすぎで、
不整脈で。AEDのお世話になってしまいます。

だから、激甘い話は中岡さんにまかせて
真壁は真剣勝負な恋や切ない系にしようと
心で誓いました。
数日間のもやもやが晴れていく気がする・・・・。


ともあれ、雑談が長くなってしまいました。
全ては、この甘い展開に、こそばゆすぎて
たまらないからですw

NANAさん、お気に召してくれるでしょうか?
あたしからの愛を受け取ってください!

春の日差しの中、桜を眺めながら、
とても幸せなカップルが手を繋いで
ゆっくりとデートをしている姿、
思い浮かべてもらえたら、嬉しいです。

ちなみに、これを書きながら聞いていたBGMは
メンデルスゾーンの「春の歌」です。
この曲を聞けば、このお話の雰囲気そっくりだと
思ってもらえるはず・・・・♪

ここまで読んでくださった皆様、
心より感謝申し上げます。
いつもいつも、ありがとうございます。

桜の季節はこの時期だけ・・・・。
毎年巡ってくるとはわかりながらも、
春が来るって切なくて、嬉しくて・・・。

沢山の別れと同じ数だけ、
いえ、それ以上の出会いが
皆さんに訪れますように。


1, April .2009 つぐみ


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