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連載している〔執恋〕の創作、
「ダンスのお相手は?」12になります。
長くなってきました・・・・。
でも、大丈夫です(!?)
終盤ですからww (←誰に言ってるのやら)

いつもは、数日空けて数日連続で
深夜枠UPなんですが、
13は、連続でUPできないので、
また1~2日空きます。




【前回までのリスト】

・ダンスのお相手は?1 幕開け
・ダンスのお相手は?2 レッスン開始
・ダンスのお相手は?3 甘やかしてくれる人
・ダンスのお相手は?4 誘惑
・ダンスのお相手は?5 揺れる心
・ダンスのお相手は?6 告白 
・ダンスのお相手は?7 情熱
・ダンスのお相手は?8 好きという気持ち
・ダンスのお相手は?9 イアリング
・ダンスのお相手は?10 嘘の数 
・ダンスのお相手は?11 涙色の空


以下、創作になります。
どうぞ、ご了承の上、お読み下さい。








↓↓↓↓


******** ダンスのお相手は?12 ********












+++++++ 中岡久志がみる景色 +++++++






お嬢様!と、玄関先で
古手川が叫ぶ声が聞こえた。

メイドへの連絡事項で1階にいた俺は、
なにかあった気配を察知し、すぐさま玄関へ走った。

玄関には、古手川と真壁と、お嬢様がいた。
お嬢様は真壁に抱きかかえられている。
ぐったりと、全身濡れているのが見える。

濡れた髪の毛から雫が滴っている。

顔色が青ざめてて、そして力の抜けた腕が
抱きかかえられた傍から下へだらりと垂れていた。

抱きかかえている真壁は、眼鏡をかけてない。
そして、同じようにびしょ濡れで、こちらも
水が滴るぐらいに濡れている。
表情がこわばっていて、血相が変わっている。


なにか重大なことがあったかのような雰囲気を、
俺はすぐに察知した。



その2人の横で古手川が近くにあったタオルで
少しでも、と濡れた2人を拭こうとしているが、
なにか真壁が言って、古手川がすぐに下がった。



「真壁!どうしたんだ?」



すぐさま、傍に駆けつけようとすると、
それを真壁が目線だけで、さっと合図する。

抱きかかえたお嬢様を
真壁が彼女の部屋まで運ぶ。

俺は一足先に部屋を開け、
バスルームからタオルを出してきて、
お嬢様を寝かせる準備をする。



「なにがあったんだ?」

「どうしてこんなに濡れてるんだ?お前も?」


真壁は答えない。

長いすに寝かしたお嬢様の濡れた顔をタオルで拭き、
少し頬を叩くようにして、話しかけるが、
お嬢様は、かすかに頷くだけで、
ぐったりとしている。

身体が熱い、と
囁くようなか細い声が聞こえた。


呼吸が荒い。


息が苦しそうな様子だったから、
ブラウスの胸元を少し開けようと
ボタンに手をかけたら、
その手をいきなり払いのけられた。




「触るな、中岡」



真壁から鋭い声が飛んできた。


え・・・・?


この状況でこう言われるとは思わず、
俺は一瞬固まった。

そして、伸ばした手元を見る。

お嬢様の首元に、少しはだけた胸元に
濡れて透けているシャツの下に、下着のすぐ傍にも
赤い斑点のような、痣が散っている。
その印は、鎖骨のところにも、両肩にもある。


これは・・・・キスマークだ。



よく見ると、髪の毛にもだいぶ木の葉や
ごみが絡まっているのが見える。


思わず、それに
見入るようになってしまった俺の視界を
真壁がお嬢様をタオルで包んで
隠してしまった。


「・・・・すまない。俺が全部やるから、お前はあっちに行っててくれ」


その、すまない、がどういう意味なのか、
俺にはわからなかった。


ただ、真壁とお嬢様の間で、
なにかあったことがわかった。

「いや、着替えは・・・メイドを呼ぼう。医者も呼ばなくてはいけない」

さすがに、専属執事だとはいえども、
この濡れようのお嬢様の着替えを、
全てやるというのは、問題だろう。

恋人同士だとはいえ、それでは、
屋敷のものに示しがつかない。

メイドを呼び、お嬢様の着替えをさせようと
傍を離れて、廊下に出ようとしたとき、
ぐいっと腕を掴まれた。

「多分、大丈夫だ。熱で倒れたんだと思う」

「え・・・・?」

「身体がすごく熱をもってる」

熱・・・・、そう言われてみてお嬢様をみると、
熱を出しているときのように、
すごく顔が青ざめて、そして呼吸が荒い。
ぐったりしているところも、そう見える。

「しかし、どうして、こんな状況に?」

俺が問い詰めても真壁は答えない。
こっちを見ずに、ただじっと、
ぐったりしたお嬢様の身体を
タオルで押さえるように拭いている。

「真壁!」

答えたくない、のはわかってても、
俺は聞かずにおれない。


手出しをするな、と無言の境界線を引かれ、
俺はその外で、真壁とお嬢様を見ているしかなかった。

問い詰める俺にかまわず、真剣な表情で、
濡れたお嬢様をタオルで拭く真壁。

耳元で、大丈夫か?と囁くのが見えた。
お嬢様は少しだけ頷いたが目は閉じたままだった。
頭が痛い、と小さな声で呟くのが聞こえた。

俺は痺れを切らして、
メイドを呼び、お嬢様の着替えを言いつけた。
真壁がお嬢様の傍を離れないのを引っ張り、
部屋の外に出す。

じっと、閉じられた扉を見つめる真壁の横で
俺は息が苦しくなった。

何があったのかはわからない。
しかし、何かあったことは確かだ。
それは恋人同士のことであるのか?
触れてはいけない様な気がした。

「とりあえず、医者は呼ばなくてはいけない」
「あれだけ濡れていたのだから、風邪をひいたのかもしれないし」

「お前も着替えて来い。びしょ濡れだぞ」

話しかけても、真壁はそこから動かない。
濡れた服を伝って、廊下の絨毯に水溜りを作っている。
にらむように、閉じられた扉を見つめている。

とりあえず、お嬢様はメイドが着替えさせるにしても、
この男も着替えをさせないと、と、
俺は真壁の腕をひっぱり、
真壁の部屋に連れて行こうとした。



「俺が・・・」



搾り出すような声が聞こえたけれど、
その続きはなかった。



無理やり部屋に連れて行き、
バスルームからタオルを出して、
真壁に放り投げる。
投げつけられたタオルで、
真壁がしぶしぶ身体を拭き始める。

「とりあえず、着替えてからだ」



部屋を出た後、俺は、
となりのお嬢様の部屋のドアの前で
これをどう報告すべきか考えていた。


見たとおりに報告するしかないにせよ。


樫原さん・・・・。


多分、騒ぎを聞きつけて、
もうすぐここにやってくるだろう。

なんて言い訳をすればいい?

言い訳、いや、俺じゃなくて
なんて説明するんだろうか、真壁は。


2人ともびしょ濡れで、
なおかつ、お嬢様は熱があるのか、
ぐったりしていて、様子がおかしい。
真壁も、何かがあった様子だ。







―――、俺は、この数日前のことを思い出す。



真壁と樫原さんが、お嬢様の専属執事を
数日だとはいえ、交代していたときのことを。



真壁が非常に腹を立てていたこと。

激しい感情が内にあるのか、
黙り込んでしまった貝のようだったこと。

樫原さんが、なぜかとても嬉しそうで、
お嬢様の世話を意気揚々と焼いていたこと。

旦那様や奥様にも見せたことがないほどの笑顔を
お嬢様に向けていたこと。

お嬢様も戸惑った様子で、当惑しながらも、
樫原さんの傍で微笑んでいたこと。

ダンスの練習で、樫原さんがわざわざ
メイドも庭師も人払いをさせて、
ホールも、ホールの周辺も全て。
2人きりにしていたこと。



旦那様と真壁の数日の出張だって、
多分、急に決まったことじゃなくて、
樫原さんは知っていたはずだ。


ダンスの練習が終わった頃だったのか、
ものすごく動揺した様子で部屋に駆け込んだお嬢様。

心配で様子を見に行った俺の胸の中で泣いていた。

真壁からのメールの返事が来ない
ただそれだけなのに、あれだけ泣いて。
自分のことを責めて。

どうしてそこまで思いつめるんだ。

あれほど不安になるような恋を
しているということか。

どうして、あんなに不安にさせるんだ。
俺は真壁にそう言いたかった。

真壁と恋人同士だというのは、
真壁の様子から察してはいたが、
あの様子は・・・・。



俺は、お嬢様のことが心配だった。


彼女の笑顔が好きだった。
妹のように、思っていた。
真壁が専属に選ばれたときは、
少し悔しい思いさえした。

真壁とお嬢様の関係が、
主人と執事だけじゃないようになってからも。
俺は、お嬢様を大事に思っていた。
恋とかではなくて、ただ親愛の気持ちで。
妹みたいな、小さな守るべき存在として。

時折見せる、真壁のプライベートな感情が
彼女に一直線に向いているのも、
俺は感じていた。


どれだけ大事にしているか。


執事馬鹿で、執事の枠を超えないだろうと思っていた
あの男が、こうやって、恋人までなった理由。

恋愛に関しては不器用な男が、
ここまでお嬢様に心を傾けているのは、
不思議でもあったけれども・・・・。


真壁に向かって微笑むお嬢様の笑顔を見れば。
そして、真壁が彼女を見る優しい視線を見れば。


その理由は一目瞭然だった。



一度心を決めたのなら、
ここまで徹底して愛せるものなのか、と
俺は真壁に対して思っていた。

俺といるときにはけっして出さない、
強い愛情を彼女に対して与えているのか。

そして、その愛情に彼女が応えているのか。



・・・・なのに、どうして彼女があそこまで不安がる?




2人がうまくいくといい。
そう思っている自分と、
2人をうらやましく思う気持ち。
どちらもあった。


ただ、見守っていたかった。


だから、真壁が旦那様との出張で留守の間、
樫原さんがお嬢様に対して、すごいスピードで
接近しているのを、見て見ぬフリはできなかった。



以前、旦那様が奥様にお嬢様のことを冗談で
「侑人だったら、まかせてもいいんじゃないか」
なんて言っていたのを聞いていたからか。

傍に控えた樫原さんが無言で微笑んでいたことも。

奥様が、それも良いわね、と賛成するようなことを
言っていたことも。



――このことは真壁には告げられはしない。



樫原さんは、お嬢様のことが好きなんだろう。
きちんとはわからないが・・・・・。

こういうことを、あの人は
色んなオブラートで隠してしまう。
プライベートな一面を見せたりはしない。


でも、もし樫原さんがお嬢様のことを好きであるなら、
確実に樫原さんは、お嬢様を手に入れるだろう、
そう、なぜか確信めいた気持ちになる。
樫原さんは、そういう男だからだ。





真壁に勝算は・・・・?




わからない。




結局、決めるのは、お嬢様の心だ。




それに、俺は何を、他人の恋路について
ここまで関わろうとしているんだろうか。

一緒に働く仲間として、友人として
真壁を心配しているのか。

妹のように可愛がっている
お嬢様のことが心配なのか。

それとも、樫原さんを含めた3人の間で
嵐が吹き荒れていることを恐れているのか。


できれば・・・・、
お嬢様があまり傷つかない結果がいい。
苦しまなければいい。
あんな泣いている姿はもう見たくない。
そう思った。








―――ため息が出る。


とりあえず、この状況は・・・・まずいだろう。
















+++++++++++++++ あたしが見る景色 ++++++++++++++++










息が・・・息が苦しい。


ぐるぐると回る黒い世界。
なんか・・・すごく・・・回ってる。

ぐるぐる・・・・
見ていられなくて、気持ちが悪くなる

息が苦しい・・・・。
だれか、助けて・・・・。

熱に焼かれてるかのように熱くなれば
氷水を浴びたように寒くなる。

身体中が熱い。
とくに、頭痛がする。


大きな波に攫われていくような、
身体がどこかへ連れ去られるかのような
すごい力を感じる。
行きたくない・・・・・でも、身体が・・・・


あたしの名前を呼ぶ声が聞こえる。
あれは・・・







ふっと、目が覚めた。



ぐったりしてて、頭が痛い。
そして、息が苦しい・・・・。
身体が熱いよ・・・・。


目を開けているのに、きちんと見えない。
なんだか、ぼんやりしてて、
焦点が合わない。瞼に力が入らない。


「***、大丈夫か?」

すぐそばで声が聞こえる。



え?



目を開けているのも辛い。
瞼が、とても重い。

息が苦しい・・・、そう伝えようとしたけど、
言葉が出てこなくて、
ただ、どうにか息だけ吐き出した。

身体が重い。
ベッドに沈む込んでいるかのように、だるい。

額に、何かが触れる。
誰かの手だ。

ひんやりしてて、気持ちがいい。
その冷たさが、心地よくて、
あたしは、瞼を開ける努力をやめて、
そのまま、閉じておくことにした。



少し遠くから聞こえる。



「熱が・・・・下がらないな」


熱・・・・?

少し遠くから聞こえる声がそういってる。



「可哀想に、こんなに熱を出して」


「薬を飲ませるから、少し起きて」


ぐっと抱き寄せられるかのように
上半身だけ起き上がらせられた。
誰かの腕が、あたしの背中を支えてくれる。

なんだか、柔らかいものが、
あたしの唇に押し付けられて
唇が割られた。

舌があたしの口腔内をゆっくりと蹂躙する。

苦い味がする。
舌と一緒になにか錠剤を
口の中に入れられた。


これは・・・・お薬?


一旦唇が離れて、
今度は、またキスしたときに液体が
口の中に流れ込んできた。


「飲んで」

そう言われても、いきなりのことで
思わず咳き込みそうになったけど、
あたしは、それさえできなくて、
ただ、されるがままだった。

ごっくん。

飲み込んだ後、またキスされる。
苦い味が口の中に広がっている。
それさえも、おかまいなしに、
キスされている。

舌の上に苦い味が残っている。
こんな苦い味のキス、いやだ。



ゆっくりと、また寝かせられる。



なにか話しかけられても、
答えることができなくて。


ベッドに横たわったあたしは、
そのまま、自分の中から
なにか吸い出されるかのように、
口づけされた。ディープキスだ。


え・・・・?


うっすらと瞼をあけてみると、
目をつぶった真壁さんが
あたしにキスしている。


真壁さん・・・・?

ゆっくりと息を吐きながら、
唇が離れる。



視線が合う。



心配そうにこっちをみているのは
あたしが、とてもとても大好きな人。

「起きたのか?大丈夫か?」



聞かれても答えられないから、
あたしは、少しだけ微笑んだ。

真壁さんがそれを見たのか、
すごく優しい表情をして、
あたしに顔を近づけて・・・。



またキスをした。



さっきみたいな、深いキスじゃなくて、
優しい、ゆっくり味わうようなキス。

ちょっと冷たい手が、あたしの額に触れる。



「うつしてしまえ、俺に」


少し離れた唇がそう呟く。

「そしたら、熱が引いて楽になる」

呪文のように、あたしの耳元で声がする。

真壁さんの声、だ・・・。
あたしが大好きな声。
求めて止まない声。


「大丈夫だ、俺がそばにいる」

何度もキスされる。

「言っただろう?看病してやるって」


あたしは答えることができないけれど、
唇から流れ込んでくる真壁さんの気持ちを感じた。

添い寝じゃなかったんだ?って
冗談めいて言いたかったけど、
この状況では、全然喋ることすら苦だった。



額に冷たいものが当てられる感覚がある。
冷たくて気持ちがいい・・・・。


でも、それよりも、髪を撫でる
大きな手の感触が、すごく安心できて、
ずっと撫でてて欲しいと思った。


「早く良くなってくれ」

苦しそうに呟く声が聞こえる。
何度も唇にキスされる。
頬にも、額にもキスされる感覚がある。

「熱さえ、下がれば・・・・」

「早く、下がれ」

その言葉が、とても苦しそうで、
あたしは、聞いておれなかった。


心配かけてごめんね、って言いたいけど、
思うように、口を動かせない。


「***・・・・」

あたしの名前を呟く声が聞こえる。

真壁さんの手が、あたしの手を包む。
その手が、ひんやりとして気持ちがいい。


ううん、あたしの身体がすごく熱いんだ。



熱って・・・。


あたし、熱を出してるのか・・・・。



そうだ。
思い出した。


雨に打たれて、真壁さんとキスをしていて
そのまま抱きしめられてて・・・・。
途中から肌にシャツがべっとりつくほど濡れてた。


そのシャツを真壁さんが、ボタンはずして
雨があまり降ってこない木陰で、沢山・・・・・。





もう、ぼんやりしてて。



頭がとっても痛くて。



そう、頭が痛くて。



そのまま・・・・。



そのまま、どうしたんだっけ?


覚えてない。
多分倒れてしまったような気がする。

ほわ~っとなってしまって、
ふっと意識が飛んだのは、覚えている。

あれから?

どれくらい経ったの?

わからないけど、


とても・・・・・頭が痛い。



頭が痛くて・・・・そして熱い。
とても熱い。
体中が熱い。

握られた手の感覚だけが、
しっかりあった。

心細くて。


(ずっと手を握ってて)


そう言いたかったけど、
もう、なんだか、とてもだるくて。
何も喋れなかった。




「・・・・悪かった」

震えるような、小さく呟く声が聞こえて
あたしは少しだけ瞼を開けた。



真壁さんがあたしの手を握って
うつむいていた。

なにに謝っているのか、わからない。

その表情は見えない。
でも、とても辛そうだった。



あたし、真壁さんに
いつも、こんな風をさせてばっかりだね。

なんで、そんな顔をしてるの?


・・・あたしが、あなたを苦しめてるの?



大丈夫だよ、って言ってあげたい。
でも、きつくて、それすら言えない。




身体が熱い。



だるい。


頭が刺すように痛い。





なんでだろう・・・・。




急激に襲ってくる睡魔に勝てなくて。
痛みをこらえながら。






あたしは、再び意識を手放した。








********** ダンスのお相手は?12 ******

続く。




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