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執恋の創作です。
連載してます、「ダンスのお相手は?」の11話になります。

真壁が出てきます。
ドロドロ・・・中なんですが、
ようやく、LOVEな感じが出せたかと思います。
いつも読んでくださっている方々、ありがとうございます。

いよいよ、深夜枠になりつつあるんですがねーww
いつも夜中の更新ですいません(><)



【前回までのリスト】

・ダンスのお相手は?1 幕開け
・ダンスのお相手は?2 レッスン開始
・ダンスのお相手は?3 甘やかしてくれる人
・ダンスのお相手は?4 誘惑
・ダンスのお相手は?5 揺れる心
・ダンスのお相手は?6 告白 
・ダンスのお相手は?7 情熱
・ダンスのお相手は?8 好きという気持ち
・ダンスのお相手は?9 イアリング
・ダンスのお相手は?10  


これより下は、創作になります。


↓↓↓↓



↓↓↓↓




******** 「ダンスのお相手は?」11 *********



ずっとつぶっていた瞼をゆっくり開けた。
間近に真壁さんの顔がある。



・・・・・・こっちを、見ていると思った。


でも、違った。


真壁さんは、なぜか苦しそうな顔をして、
ぎゅっと目をつぶっていた。


いつの間にか、頬に添えられていた両手が、
身体がゆっくりと離れていった。



どうして、そんな顔をするの?


さっきまで一緒にいたのに、
急に1人ぼっちになったかのような
孤独感があった。
雨が伝ってきて、まるで泣いているように見えた。


「俺は・・・・・・・・。」

苦しそうに、搾り出した小声が、聞こえた。
そういったきり、黙ったままだった。
飲み込んだ言葉が、真壁さんの中ですごく、大きくなっていって
彼の身体を全身、冒しているような気がした。

触れている部分から、なんだか哀しい気持ちが
流れ込んでくる気がした。
どうして?

「真壁さん・・・・?」

あたしは、たまらなくなって、少し背伸びして
眼鏡をはずして、
真壁さんの両頬に、両手を当てた。

そう、いつも、真壁さんが、あたしにしてくれるように。

頬に添えられたあたしの手に、
少しだけ、真壁さんがびくっとした。


でも、ずっと、目はつぶったままだ。


あたしは、頬に添えた両手の親指で、
ぎゅっとつぶった、真壁さんの瞼を、そっと、優しく撫でた。

「大丈夫だよ。」


どうして、そう言ったのか、自分でもわからなかった。
ただ、この言葉が出てきた。
そんなに、苦しそうな顔をしないで?
・・・あたしが、あなたに、こんな顔をさせてるの?



「あたしの傍に一生いる、って真壁さん、言ってたよね?」



そっと何度も撫でているうちに、すこしづつ、瞼の力が抜けていって。
穏やかな顔になってきた。



あたしは。
もう少しだけ背伸びして、
真壁さんの冷えた唇に、
そっとキスをした。


軽く、触れるだけのキス。



「大好きよ、真壁」



わざと、呼び捨てにした。

そういって、微笑んだあたしを、
ゆっくり目を開けた真壁さんが見ていた。


穏やかな顔に戻っていて、ほっとした。



ああ、いつもの真壁さんだ。

恋人のときの。
あたしに優しくて、甘くて、自信たっぷりで、
大人で、そして、ちょっとセクシーで。
見つめられるだけで、溶けそうになる。



見詰め合っていたら、
不意に真壁さんが微笑んだ。


そして、片手であたしの腰を引き寄せて、
もう片手で、あたしの顎をしゃくる。
そして、あたしの目を覗き込むようにして、言う。



「私の方が、もっと愛しておりますよ、お嬢様」



そういって魅惑的に
目を輝かす真壁さんに、
あたしの心は高鳴った。


「この髪の毛も」

一筋すくった髪の毛にキスをしながら、
こっちをじっと見ている。
その仕草に、胸がどきんっとした。

濡れた、真壁さんの肌に、
髪の毛に、雨のしずくが落ちて、
艶やかで・・・、すごく色っぽい。


「この首筋も」



「この耳も」



「この頬も」



「この唇も」



「すべて、愛しております」


そういって、真壁さんは、
あたしの首筋、耳もと、頬に、唇に、
キスの嵐を降らした。



雨で濡れて、冷えてきた身体。
首筋に熱い吐息がかかって、
真壁さんの唇が、あたしの首に吸い付く。

少し、痛いくらい、吸われる。

温かい舌が、ざらり、と動く感触が、
そのまま、耳元へ。

耳朶をゆっくり噛む。
愛してるって耳元へ囁かれる。
吐息が耳元で熱く感じられて。


力が抜けて、首を傾けてしまう。



思わず、息が漏れる。



「雨の味がする」



暗い空から、雨が線のように、降り注いでくる。
雨が地面に吸い込まれる、
じーんとした音が、聞こえる。



真壁さんの肩越しに見える景色は、とても静寂で、
この世に2人しかいないような、そんな、気持になった。
それは、とても切なくて、でも、とても幸せな気持だった。



あたしは、そっと目を閉じた。



「俺は、おまえのこと、今・・・、すべて奪いたい」



そう、呟いたのが。
聞こえた。











******* 真壁直樹からみた景色 *********







俺は、不安だった。


結局、執事と主人の関係でみるなら、いつだって、
俺は彼女の傍にいられなくなっても不思議じゃない、とか。

たまたま専属でついたから、それで俺のことを好きになったんじゃないか、とか。

俺よりも優しい奴もいるし、彼女のことを笑わせることが出来る奴もいる。



本当に俺のことを好きなのか?



その一言が、言えなかった。
だから、その代わりに、言葉で彼女を支配した。
いつだって、俺が先手でいられるように。


言葉で絡みとってしまわなければ、
彼女が逃げてしまう気がしていた。



逃げしまう前に、逃げ道を奪ってしまいたいという俺の欲望と、
彼女を壊れ物のように大事に大事にしたいという、俺の気持。
いつも、その2つの間で揺れ動いていた。





それが――。




ダンスのことだって、一番最初に、俺に頼って欲しかった。



旦那様が樫原さんを推薦したから、
だということはわかっていても、
他の執事じゃなくて、俺が、
俺が彼女の執事として、役目を果たしたかった。


他の誰かを頼って欲しくない。


俺以外と一緒にいる
彼女を見るなんて、耐えられない。




ああ、そうさ。
俺は嫉妬してるんだ。




どうして俺じゃないんだ
どうして、俺を選ばないんだ



樫原さんの「お嬢様には私が必要でしょうから」と云った時、
彼女の顔が少し嬉しそうに、
安心したようにほころぶのが見えた。



「よろしくお願いします」と
可愛らしく笑う彼女をみて。


その顔を他のやつに見せるなんて、今、この場で―――。


そう思った。



俺よりも、樫原さんを選んだ、と思った。

そう思った瞬間、
火で焼かれたような、激しい感情を感じた。


激情というのだろうか。


息が出来ないほどの激情が、俺の身体を走った。



嫉妬して、頭の中がそればかりになって、
気が狂いそうだった。



「一生、お嬢様の恋人としてお仕えいたします」
「一生、ずっとおまえだけをみつめて生きていくよ」



何度、言っても、足りないくらい。

俺はおまえのことが愛してる。
おまえしか、見えてない。



いっそのこと、美しく啼く小鳥のように、
籠に閉じ込めてしまいたい。
本当は、誰にも見せたくない。
自分の物にしてしまいたい。
自分だけのものとして奪ってしまいたい。


もし、そんな籠に彼女を閉じ込めることができるのなら。

誰にも、その美しさを見せない。
俺1人だけのために存在するように。
籠に入れて、誰にも触れさせない。
俺だけが彼女の“世界”になるように。


もしも、そうなれないなら、
いっそ、この手で潰してしまいたいと思うほどに―――。



苦しかった。


彼女に触れたかった。
でも、こんな感情で彼女に触れたら・・・、
壊してしまいそうだと思った。
だから、執事の顔をかぶって。
自分の感情が漏れ出さないように。



しばらく離れている間。
ずっと俺の頭の中は、嫉妬でいっぱいだった。
すぐに屋敷へ飛んで帰りたかった。
だからこそ、距離を置いた。



数日ぶりにあった彼女は、
俺の気持も知らないかのように
なんでもない様子だった。


拗ねている彼女を責めて、
自分のことが好きなんだと確認できた。
これで気が済んだと思った。

彼女が思うほど、
俺は大人じゃない。
そんなに余裕があるわけじゃない。
いつも、ぎりぎりなんだ。

我慢していた。
いつか、彼女の全てを手に入れられると
心も、身体も。
約束を覚えていたから。


しかし。



落としたイアリングをホールに取りにいって、
見つけたと喜ぶ彼女を、抱きしめたとき。

ふいに、彼女の身体から樫原さんの香りがした。

落ち着いて、いつものように、と思っていた
俺の心はそのとき決壊した。


許せなかった。

俺以外のにおいが。


嘘をつかれたことじゃなくて、
ただ、俺だけのものだったものに
誰かの印があるのが
憎いほど嫌だった。

抱きしめて壊してしまいたい、今ここで。

彼女が抵抗しているのもわかりながらも、
力を緩めることができなかった。

最後に背中を叩く手が止んだとき、
初めて、俺は自分のしていることに気がついた。

俺がしたことでふらつく彼女を
抱きしめながらも、その耳元から、
その髪の毛から、その身体から、
樫原さんの匂いが、まだしていた。
それに必死に耐えていた。



でも、我慢は限界を過ぎる。


だから、雨に打たせたんだ。


雨で、その匂いが流れてしまうといい。


雨に濡れた彼女は、とても艶ぽくて
思わず、欲しくてたまらなくなった。
自分の感情のまま・・・、彼女の唇を奪った。

奪わずにはおれなかった。


そんな、俺に、彼女は言った。

「真壁さんに会えないと、寂しいの、すごく」
「好きで、好きで、辛いの」
「ずっと・・・・真壁さんがそばにいてくれないと、あたしはあたしじゃなくなってしまうの」


この言葉を聞いたとき、はっと気づいた。

ずっと胸でくすぶっていた苦しいもの。
彼女が嫉妬させてるんじゃなくて、
ただ俺が不安で、彼女のことを疑っていたということに。



なんてことだ。



俺は。


俺は、おまえを疑っていた。


2つの嘘、なんていうのは、
八つ当たりで、ただのこじつけだ。



その一言がいえなかった。

この数日間の苦しさよりも、後悔が強かった。



そんな俺を彼女は大丈夫だという。


頑なになっていた、俺の心が解けていく。
優しくされて、泣きそうになった。
彼女の言葉が魔法のようだった。


必死で愛を伝えてくる彼女が愛しくて。
唇だけじゃ足りなくて、あちらこちらに口づけた。

耳元から、樫原さんの香りがまだ、してきた。
でも、それを消すぐらい、
口づけて、吸い付いて、舐めまわした。


彼女の吐息がきこえる。


俺を欲情させる、彼女の声。
彼女の全て。



おれは、彼女の全てを奪うのを、
彼女が大人になるまで、待つつもりだった。


でも、その決心を、もう、
ここで終わりにしようと思う。





彼女の全てが欲しい。




心も。






身体も。








+++++++++++++++ 「ダンスのお相手は?11」 終了 ++++++++++

まだ続く。


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