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また明日♪と書きつつ、
数日空いてしまいました・・・・(汗)

ホワイトデーなので、ちょっと甘いのを・・・♪



ということで、どうぞ。

前回までのあらすじは、こちら。←




【前回までのリスト】

・ダンスのお相手は?1 ~幕開け
・ダンスのお相手は?2 ~レッスン開始
・ダンスのお相手は?3 甘やかしてくれる人
・ダンスのお相手は?4 ~誘惑の~
・ダンスのお相手は?5 揺れる心



下からは創作になります。




****** ダンスのお相手は?6 *******


中岡さんの前で、たくさん泣いてしまった。

中岡さんが部屋から出て行ったあと、
あたしは、泣き疲れてしまって、そのまま、
ベッドの上に伏せているうちに、少し眠ってしまった。

眠っているあたしに、誰かが優しく抱き上げて
ベッドへ連れていく。
その人が・・・、真壁さんじゃないことはわかっていた。
わかっていて・・・・。
切なく感じることが申し訳なくて、
あたしは、目を開けず、眠ったふりをした。

額の髪の毛を、その人の温かい手が優しくかきあげる。
あたしを起こさないように・・・・。

その人は、いつも、あたしに優しくて・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


夜、少し目が覚めた。
だいぶ・・・・、寝ていたみたい。

きちんと、ベッドの中に居た。
喉が渇いた。

あたしは、ダンスのときに着ていた服じゃなくて、
すこしゆったりした服を着ていた。
寝てしまう前に着ている服じゃない。
・・・・、多分、眠っている間に、着替えさせてくれたんだ。


携帯を見た。
真壁さんからのメールは来ていない。
かわりに、樫原さんからメールが来ていた。

「眠っていらっしゃるようなので、自室に控えています。
 御用がありましたら、遠慮なくご連絡下さい」

あたしは、樫原さんにメールをした。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



樫原「ナイトティーです。どうぞ。」

枕元に立つ樫原さんのにこやかさが、痛かった。

少しだけ身体を起こして、樫原さんからカップを受け取る。
あったかい湯気が鼻先をくぐる。
ちゃんと暖められたカップを、両手で包み込みながら、
あたしは、半分頭がまだ眠っていて、上の空だった。

樫原「夕食時間を逃してしまいましたが、軽食でもおもちいたしましょうか?」

「ううん、いいの。あまり食欲ないから」

「お嬢様にしては、珍しい」

そういって、微笑んだ樫原さんに、あたしも少し微笑んだ。

「今日は、いいの。なんだかとても疲れちゃって。眠りたいから、食事はいい」

樫原「顔色が悪いようですが・・・、お嬢様?」
心配そうに、樫原さんが顔を覗き込む。

「あ・・・、いえ、・・・、少し疲れたので」

樫原「・・・なにか、ご無理でも・・・?」

眉をひそめて、じっとこちらを見ている樫原さんに、
少し微笑もうとした、けど、うまく出来なかった。

樫原「・・・・、ダンスの練習で、私が疲れさせてしまいましたね」

「いいえ、そんなことじゃないわ」

樫原「・・・・・、私が、お嬢様に失礼なことをしたことが・・・」

「ううん、樫原さん、違うよ」


中岡さんに、あたしの中に溜まっていたものを吐き出して、
あたしは、やっぱり真壁さんが好きだということに気がついた。
何をいっても。

でも、そう気づいて・・・・。
自分の気持の重さに、自分が潰されそうだった。

無理してないか・・・、そう聞かれて、あたしは目を伏せてしまった。
心配・・・っていうのかな。
不安、って言葉が一番、しっくりくる気がする。

今まで、真壁さんが、あたしに、
こうやって連絡をくれないとか、なかったから。
ずっと専属で傍にいてくれて、あたしの隣にいてくれて。
こうやって何日も離れることがなかったから。

もちろん、真壁さんがちゃんとした理由、義兄さんの仕事に同行で
どこにいるのかも知っている。
意図的に、別れる、みたいに、離れてしまったわけじゃない。

わかってはいるんだけど・・・。

あたしは、・・・・・寂しいんだ。
寂しい気持が、あたしの心を侵食していく。

明日、帰ってくるってわかってる。
でも、明日までの時間が、長く感じられるのは、
たったいつもの「一晩」とは違う長さをもっているのは
どうしてなんだろう。

寂しい、と、一度言葉に気持を表すと、
それがだんだん、大きくなる。

いつも、傍にいてくれた真壁さんがいなくて。
いないかわりに慰めてくれるメールもなくて。
なんか、真壁さんがいなくなったような、ぽっかりした穴が・・・。

最後にあったときの真壁さんは・・・・、
よく考えたら、本当におかしかった。
そして、なにかを言いたげ、だった気がする。

あたしは、そこまで気がつかなくて、ただ・・・・。

あたしたち、恋人だよね?
そう、真壁さんに訊きたい。
ご主人様と執事、だけじゃなくて、恋人だよね?

―――そう思いながら、あたしは、ナイトティの水色を見ていた。

紅茶の水面に映るあたしの顔は、ゆらゆらとしてて、
なんだか泣きそうな顔をしている・・・、気がする。

そのとき。

ぱふっと音が聞こえて、樫原さんが、ベッドの枕元に座った。
半分ベッドにいるあたしの、すぐ横に。
そして、少し身体をひねって、あたしの正面にまっすぐ向き直った。

柔らかい、優しそうな笑顔の樫原さんは、
いつだって、・・・・変わらない。
でも、その笑顔が“痛い”と思うのは、
あたしが、・・・・変わったんだと思う。

樫原「***」

「え」

樫原さんの手が伸びてきて、あたしの頭をクシャっと撫でた。

「樫原さん・・・、敬語が・・・・」

樫原「今からいうのは、執事としての言葉じゃないから」

敬語のない、樫原さんは初めてだった。
反射的にあたしは顔を背けて、慌てて言った。

「そ・・・そんな、いきなり・・・・。」

樫原「***、悩みを1人で抱え込んではだめだよ」

「だ・・・、大丈夫です」

樫原「大丈夫・・・だったら、そんな顔はしない。」

そういって、樫原さんはーー、あたしを抱きしめた。
思わず、びくっとしてしまった。

片手は背中に回されて。
片手は、ずっとあたしの髪の毛を優しく撫でた。何回も、何回も。

その仕草は、すごく自然で。
中岡さんとも、真壁さんとも、違う。

しばらくじっと、何もいわないで、ただ撫でてくれる。
緊張がとれてきた。
その優しさが、あたしを安心させた。

ふいに、つーんと鼻先が痛くなった。
涙がでてきそうだった。
あたしは、思わずびっくりした。

抱きしめられたところから、樫原さんの匂いがする。
きちんと糊がかけられた執事服からは、お日様の匂いがする。
あたしは、ゆっくりと、樫原さんに悟られないように、
樫原さんの匂いを吸い込んだ。
温かい体温にのって、樫原さんの香りが、あたしの中に入ってきた。

樫原さんの手が、優しく、あたしの髪の毛の上を撫でる。
そのうち、髪の毛の中にも、指が入ってきて・・・。
髪の毛を梳くように、撫でる。
その気持ちよさに、目を閉じた。

樫原「・・・・真壁から、連絡がないんだろ?」

いきなり、樫原さんの口から、真壁さんの名前が出てきて
びっくりした。

「えっ・・・・?」

思わず顔をあげた、あたしの顎を片手でしゃくって、
樫原さんは、あたしと目線を合わせた。

樫原「どうして、こんな顔をしてるのか、わかるよ」

「・・・・・・・・・・」

すこし微笑んでいた樫原さんの表情が、
きゅうに引き締まった。


樫原「昼間の話の、続きをしよう」

どきんっ!とした。



昼間の話って・・・・。
ダンスの練習のときのことを思い出して、
あたしは、急に、ドキドキし始めた。

抱きしめられて・・・。
耳を舐められて・・・・。

「・・・・・、樫原さん・・・、あたし・・・・」

樫原「黙って。最後まで聞いてから、話して」

「・・・・・・・・・・・・」



樫原「前に、私がいったこと、覚えてるかい?」

「・・・・・・・・・・・。」

樫原「君には、自分が必要だろうといったこと」

「・・・・・・・覚えてる」

樫原「じゃぁ、必要だろうから、傍にいる、って言ったのは?」

「・・・・・・・・覚えてます」



「あれは、違うんだ、本当は」


「え」



樫原さんが、やけにはっきりした口調で言った。


「本当は、私が君のことを必要としてるんだ」




「っ・・・!」


「だから、自分が君の傍にいたくて、言った言葉なんだよ」

「樫原さん・・・・」



え?意味がわかんないよ。
あたしの頭の中は、樫原さんの言葉が、
ものすごい勢いで回転し始めた。



「はっきり言わないとわからない?」

「・・・・・・・。」



「君のことが好きだ」

「!!!、・・・・・・・・・・・・・。」

そこまで言って、樫原さんは、すこしあたしから視線をはずして
横を向いた。

「参ったな。ストレートに言うことが、こんなに恥ずかしいとは」

そういって、ふふっと笑った。
その横顔は、すこし照れくさそうだった。
あたし・・・、今、樫原さんに好きだ、って言われたんだよね?

「樫原さん・・・・、あたし・・・・」

樫原さんの口から、好きだ、という言葉が聞こえたときに、
あたしの頭の中には、なぜか、真壁さんがすぐ浮かんだ。


あたしは・・・・。


真壁さんのことが好きで、
樫原さんの気持には・・・・、応えられない。


口にだそうとしたあたしの言葉を、
樫原さんが先に遮った。

「まだ、返事はしなくていい」

「え?」

「・・・・だって、今、私の気持を君は知ったばかりだ。」
「もっと、時間をかけて、考えてから、返事をして欲しい」


「・・・・・・・・。」

すぐさま返事をしようと思っていた、あたしは、
すこし困ってしまった・・・。


考える余地がない、わけじゃないけど、
あたしは、真壁さんのことが好きで、
今、樫原さんを真壁さんと測り比べて、
どっちが好き、だなんて、わかりきってる。

困った気持が顔に出ていたのか、
そんなあたしの頬を、樫原さんがいたずらっ子のように
摘んで、ひっぱった。

「ほら、そんな顔をしない」

「・・・・だって」

「困らせようと思って言ったんじゃないんだ。」
「そう思ってるってことを、伝えたかったんだ」


「・・・・・・。」


「昼間は・・・・、思わず、意地悪にしたけど、それは嬉しかったからだ。」

「・・・・嬉しかったって?」

「ダンスの練習の時は、君と2人でいられる。
人の目を気にしないで、君に触れられる。
抱きしめることも出来る。目を見つめることも出来る。」

「君の事を思っている私にとって、それがどれだけ嬉しいことか、わかるかい?」


なにも返事が出来なかった。



あたしの目を覗き込んでいる樫原さんの瞳が魅惑的に輝く。


「そうしたら、今日は君が私の恋人のことを聞いてくる。」
「だから、意地悪したんだよ」


お陰で、いつも君にしたいと思っていたことを出来たけどね。

そう続けた樫原さんの言葉に、
あたしは、顔から火が出るかと思うくらい
恥ずかしくなった。

そうだった・・・、耳、舐められたんだった・・・。

ドキドキして、樫原さんの顔を見られない。
そして、今あたし、こんな・・・・、抱きしめられてるなんて・・・。
もう、恥ずかしくて、それもこんなにドキドキしてて。
心臓の音が樫原さんに聞こえてしまったら、
もう、あたしは恥ずかしさのあまりに死んでしまう、と思った。

そうやって、顔を真っ赤にして、居心地悪そうに
もぞもぞとしているあたしをみて、
樫原さんは、責めるような口ぶりで、さらに続けた。

「君は、私に抱きしめられて、恥ずかしがりはするけど、嫌がりはしない」


「え」


「今だって、押しのけようと思ったら、ここから逃げれるのに、それもしない」


「・・・・・。」



驚きのあまり、あたしは固まってしまった。
樫原さんが、とても・・・、なんだかすごく嬉しがってるような、
気配が感じた。

耳元で甘い囁き声がきこえる。



「それは、君が私のことを少なからず想ってるってことだ」




「君は私のことが好きなんだよ、自分では気づいてないようだけどね」





そ・・・そんなこと・・・・!


なんてことを、と思いながらも、
心臓のドキドキがとまらない。
違う、って、すぐ否定しようと思った。
慌てるあたしを見て、くすっと樫原さんが笑った。


「さあ、昼間の話の続きは、これで終わり」

「え?」

いきなり、あたしを抱きしめていた腕を解いて、
座っていたベッドの端から腰を上げた樫原さんに、
あたしは驚いた。

「私が伝えたかったのは、これだけです」



そういって、樫原さんは―――





あたしの唇すれすれに、軽くキスをした。

「!!!!」



「あんまりにも可愛いから、今日はこれで許してあげますよ」

「!!!!!!!」

何か言いたいのに、今の衝撃で、言葉が出てこない。
口をぱくぱくさせて、顔を真っ赤にさせていたあたしを
樫原さんが流し目で微笑みながら、言った。

「もう、お眠り下さい、お嬢様」

「っ!ね、眠れないよ、こ、こんな・・・・こんな・・・!!」

こんなに驚くことを言われて、
こんな、いきなりキスされて、
すぐに落ち着けるわけ、ない。

意外だな、って顔をわざと作った樫原さんがいう。

「これだけでは・・・、足りないんですか?」

「っ・・・・・!!」


・・・・からかってる!!
くすくす笑う樫原さんを前に、あたしは言葉も出なかった。


執事に戻ったかと思ったのに、樫原さんはそんな風にいって、
また、あたしの顔に自分の顔を近づけてくる。
その瞳は・・・、すこし意地悪そうに、からかっているように、
それでも、熱く輝いていた。



・・・樫原さんのほうが上手だ。
心臓に悪い。



「な、なんでもありませんっ!も、もう、寝ます!!」

恥ずかしさのあまり、あたしは、かけられた布団をバンバン叩いて、
暴れてしまった。
そんなあたしを見て、樫原さんがくすくす笑う。

「本当は、唇にしたいんですけどね」

「く、唇って!!!!」

もう、心臓が破裂しそうだった。

その時、樫原さんの手が伸びてきて。

樫原さんの人差し指が
あたしの唇に押し当てられた。
しっ、とするように、人差し指が唇を押さえる。

「唇は、もっと後にとっておきましょう」

「!!!」

だ、だれも唇にキスするなんて!!!
泡を食って、どぎまぎして、うまく言葉にならない。
それに、唇を、しっと押さえられているので、
喋ることが出来ない・・・!

樫原「そうですね・・・。お嬢様が私のことを好きだとわかったときに」



「お嬢様から、私の唇にキスをくださいね」




そういって、樫原さんは、あたしの唇を指で優しくなぞった。



「っ・・・・!!!」


にっこり笑って、こっちを見る樫原さん。
あたしは、あまりのことで、言葉が出て来なかった。

ゆっくりと指が唇から離れる。

「おやすみなさいませ、お嬢様」

軽く会釈をして、樫原さんがお辞儀をした。
目を見開いて、口をぱくぱく、恥ずかしさのあまり
暴れだしそうになっているあたしを横目に、
樫原さんが部屋から出て行った。




ぱたん。



ドアが閉まった途端、あたしは、ぐわっと力が抜けて、
ベッドに突っ伏してしまった。



・・・・樫原さん・・・・。
なんて、ドキドキすることを・・・・!
あ、あんな!!
死んでしまうかと思った・・・・あんまりにも衝撃的で。
興奮のあまり、あたしは、何も考えられなくなっていた。

こ、このまま・・・、今日は眠れるんだろうか。

あたしは、横に置いたナイトティを
動揺のあまりに、震える手で掴み、一気飲みした。

一息で飲んでしまったら。
すこしだけ、落ち着いた。

さっきは・・・、樫原さんの誘惑で、あんまりよく実感できなかったけど。
あたし・・・、樫原さんから、好きだって言われたんだ。
返事は・・・、また後でって・・・。

じんわりと、頬がまた火照ってくる。


あ・・・・あたし・・・。


樫原さんの腕の強さや、匂いが不意に思い出された。
そ・・・・その、溶けそうな魅力に、必死で抵抗した。

まずは、落ち着こう。


深呼吸した。





何回かしているうちに、すこし落ち着いた。




・・・とりあえず、樫原さんのことは、
後で考えよう。樫原さんは、あたしに答えを迫ったりしなかった。
だから、じっくり・・・、時を見て言おう。

返事は・・・、もう、決まってるよね?

迷ってない、と思う。

ただ、なんて言っていいのか、困ってるだけ、だと思う。

樫原さんの柔らかい笑顔を思い出していた。
すっきりした、率直な思いが伝わってきて
あたしは、樫原さんから好きだといわれたことを
そんなに嫌だとは感じてなかった。

あんまりにも、真剣に思いつめたように言われなかったから、だと思う。

多分、樫原さんが真剣な顔で迫ってきてたら、
あたしはそれだけで耐えられなくて、逃げていただろう。
優しく、封鎖された出口のない袋小路に追い詰められた
告白のようだったな、って思って、すこし笑った。
樫原さん、らしいや。

不思議と、イヤじゃなかった。
断っても、樫原さんは、あたしの答えを見透かしている気がするから・・・・。



明日は真壁さんが帰ってくる。


明日・・・・・。


明日、真壁さんに逢える。



その嬉しさだけを考えておこうと、思った。


いつの間にか、明日までの時間が長くて、遠くてって
寂しく感じていた気持が消えてて、
明日、ようやく会える楽しみだけが、
あたしの胸に灯っていた。






************ ダンスのお相手は?6 終了 **********


続きはまた明日♪

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