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アサッテの人  09/23/2007  
アサッテの人アサッテの人
(2007/07/21)
諏訪 哲史

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『アサッテの人』 諏訪哲史

芥川賞受賞、群像新人文学賞受賞。
鮮やかな緑色の表紙に奇妙な女性のイラストがあり、
そして、なおかつ、栞がステキな若葉色(笑)
綺麗にグリーンで統一されている本。

内容は、叔父をモデルに「アサッテの人」という小説を
書いている「わたし」の回想録。
主に、叔父との交流の記憶、失踪した叔父の残した日記や、
亡くなった叔父の妻の日記などから、
叔父の人物像を浮かび上がらせている。

この主人公の叔父は、どんな人だったのだろうか。
「アサッテ」と表現される世界に取り込まれた叔父。
突然意味不明の単語を発する叔父は、
幼少の頃から吃音に悩まされ、成人してからは、
アサッテの世界に取り込まれていくギリギリに
立っていたが、ある日を境にアサッテの世界へ移行していく。

主人公が、叔父の住んでいた廃墟になった団地の一室を
訪ねるシーンから始まるのだが、ほぼ回想録や、
構想している小説「アサッテの人」の話ばかりで、
主人公以外の登場人物は回想録にしか出てこない。
ということは、もっぱら本文は主人公1人で
頭の中で考えている思考回路を書き出している。

叔父が苦しんだ吃音や言語障害に関しては、
自分が今勉強してる医療分野なので、かなり興味を持って
読み進めることが出来た。
「アサッテ」とは一体なんなのであろう。
狂気の世界、という一言だけでは表すことが出来ない。
叔父の苦悩や、アサッテの世界に対抗する苦しみや
理解されない辛さ、そしてアサッテに対する不安や恐怖。

それらがキチンと表現されていて、なおかつ、整合的に表され、
自分が読んでいるのが「アサッテの人」という現実の本なのか、
それとも、小説中に出てくる書きかけの「アサッテの人」なのか、
読み進めるうちに、その境界線が曖昧になってくる。

規則正しく、叔父のアサッテを書きだしている文末のイラストなど
内心(ここまで考えたのか!)と現実的過ぎて、
作者の意図が少し不気味に思えたあたしは、既に作品に取り込まれ
アサッテの世界を見ようとしている、といえるだろう。
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