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おとぎ話の忘れ物  09/21/2007  
おとぎ話の忘れ物おとぎ話の忘れ物
(2006/04)
小川 洋子、樋上 公実子 他

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小川洋子が文章を書き、樋上公実子が挿絵を担当。

大きな絵本もどきの、挿絵が満載のお洒落本。
スワンキャンディという会社の売り場の隣にある忘れ物図書館のお話。
スワンキャンディの2代目(売り場話し手の祖父)が、
世界各地の忘れ物保管室で見つけてきた、おとぎ話の忘れ物を
それぞれ、世界に一冊しかない本として、装丁して、本として置かれている場所、
それが、忘れ物図書館。

スワンキャンディで、忘れ物図書館の案内から始まり、
おとぎ話の忘れ物は、
「ずきん倶楽部」「アリスという名前」「人魚宝石職人の一生」「愛されすぎた白鳥」と
4編が収録されている。

あたしが一番お気に入りなのは、「人魚宝石職人の一生」。
もともと、アンデルセンの人魚姫の話しが子供の頃から一番好きで、
あのロマンチックで悲しい物語に魅了されていたので、その世界のお話は
印象に残りました。美しい文章で書かれる静謐なる世界。
ひたむきで、献身的な愛を捧げる人魚姫と、その宝石職人の愛。
哀しく美しい話と共に語られる邪悪で毒に満ちた展開。

綺麗なものには毒がある。
綺麗な話の最後には、毒をもって死に至らしめましょう。

小川洋子の昔の作品が凄く好き。
少し病んでいるような暗さと狂気を湛えた作品が。
『ミーナの行進』や『博士の愛した数式』など、心温まる作品もあるけど、
圧倒的に、こういう病的で、かつ、狂気をはらみ、どこか捻じ曲がった
世界を描くのは、小川洋子の魅力だと思う。

この文章を書いてて、ちょっと気がついたけど、
あたしが惹かれる小川洋子の世界には、なにかしら「職人」が関ってくる。
宝石職人もさることながら、『薬指の標本』の採集家や、
そして別の作品で語られる美しい指を持つ速記など。
職人にまつわる、硬派で求道的であり、静かな情熱が胸を打つのかな。
1つのものに熱中して、それを狂気のように魅了されるのは、
ある意味、エロティックだ。

今回のコラボで、挿絵が非常に魅力的だった。
人魚宝石職人のところの挿絵もステキすぎて、部屋に飾りたいくらい。
ロマンチックで、そして乙女心をくすぐり、なおかつ扇情的で美しい。

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