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クローバー  02/17/2008  
クローバークローバー
(2007/11)
島本 理生

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『クローバー』島本理生

大学生の双子の姉弟、華子と冬冶が、
それぞれの恋と出会い、自分の道を歩いていく物語。
題名のクローバーは、華子と冬治の家族の例えから。
地味で真面目な父親と、その父親に似た華子と冬治の双子。
その3人だけなら、普通の3つばのクローバーのようなのに、
華やかで、そして美人で目を引く母親が加わったら、
なんだか別な植物のように、そう4枚目の葉っぱのように、
特別な幸運のクローバーになる。
魅力的で周りをふりまわすだけの見えない力のある母親が
華子のコンプレックスのもとであり、その華子に振り回される
冬治も母親の影響から逃れられなく。
作品中に母親はそんなに出てこないんだけどね。

大学生の華子は、作りすぎるぐらいに自分を作って、
髪の先から足先まで着飾らなくては気がすまない女の子。
見栄っ張りで意地っ張りで、そして高飛車で、我侭。
対する冬治は華子に振り回され、地味目で、物理学に興味があって、
過去の手痛い失恋で恋に臆病で、そしてやたらに“優しい”男。
前半は華子の恋物語なんだけど、後半は冬治の恋の話だった。

なんかなー。華子のコンプレックスが強すぎて
あまりにも自分を作りに作りすぎてしまう自意識過剰なのって、
よくわかるんだけど、その痛さっていうのが、そこまで、っていうか。
中途半端だというか。生ぬるい気がした。
ついでに、冬治の長所も短所も一緒になっているような
生ぬるいところとか、煮え切らないところとか。
読んでいてイライラしたけど、最後あたりで、冬治が変わっていくのは
なかなか良かった。
「本気で人を好きになれない症候群のもがき」っていうのが、
ものすごく象徴的に書かれてて、よくわかるような一冊でした。
もっともがいとれ~、とか思いはするのだけど、人を好きになるって
自動的に働くことだったらスグサマ発動オン!なんだけど、
自分から能動的に働きかけて、誰かを好きになろうと試みた時、
意外と苦戦するものだよなぁとか思ったりして。
冬治が昔の恋の反省を踏まえつつ、新たな一歩を踏み出すのは良かった。

主人公の二人には煮え切らないような気持ちになったのだけど、
反して、華子を愛し続ける熊野さんは良かった。
もてないけれど好きでい続ける、断られても求愛しつづける図々しさや、
割と神経が太いところとか、悪態つかれてもこたえないところとか(苦笑)
公務員である特権をあれこれと振りかざしつつも、
本当に「それらしい」熊野さんの割り切りは気持ちよかったなぁ。


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