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スロウハイツの神様  01/07/2008  
スロウハイツの神様(上)スロウハイツの神様(上)
(2007/01/12)
辻村 深月

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『スロウハイツの神様』辻村深月

2008年初読みは、この本でした。
意図的なこと、まったくなし。
意外や意外。

実はしばらく体調崩したり、勉強したりとかで、
読書から心が離れてて、図書館に行くのも億劫だった。
予約した本が準備できたと、年末に電話をもらっていたので、
重い腰を上げて借りてきたのだけど、
(『ホルモー六景』と『丹生都比売』)
あとは、適当に選んで借りてきた。

借りたい本のリスト表を忘れたので、適当に本棚を歩いて
気になった本を借りてきた、それが、この本。
辻村深月は去年読んで、意外とヒットだったので覚えてた。
ただ、短期間に続けて同じ作家の本を読み走るよりは、と
自分で自制していた部分があり、それで、この本は読んでなかった。

『スロウハイツの神様』は、スロウハイツの202号室に住んでいる。
そこに住むのは、人気作家のチヨダ・コーキ。
彼の猟奇的なファンによる作品を模倣した大量殺人事件があった。
それから10年後。売れっ子脚本家の赤羽環と、その友人たちと
スロウハイツで新しい幸せな共同生活を始めたコーキ。
そこは創作活動を糧として生きる人たちのおんぼろアパート、
スロウハイツだった。
現代版「トキワ荘」のスロウハイツでの日々を綴る物語。

読んで思ったことは、作家の辻村深月が書く世界っていうのが、
非常に自分の年代とシンクロしていること。
ちょうど20代の後半になった人たちのメンタリティに訴えるような、
そんな切なさが残るところがある。
学生時代を終えて、社会に出始めて、自分の人生とは、
これからをどういう風に作っていくのか、自分とはなんだろうか、っていう
問いがあちらこちらにちりばめられている。
不器用までに自分の生き方しかできない登場人物たちには共感してしまった。

あと、ミステリー的な要素を含みつつ、人物の心情がよく書かれている点も
すごく好きだ。恋愛において、人がもつ性格の病的なところとか、
依存や、強がりや見栄や弱さとか、そういうのがきちんと描かれている。
読むと切ない気持ちになる。ただ感動して、プラスな意味でのと同時に
あからさまに心の中にある闇を切り取られたような、そこにある悪意とか、
憎しみとか、そういう暗い部分もあって(どちらかというとダークか)。
夢見がちだけな内容だけを書いているんじゃない。
どちらかというと、世知辛いこととか、心の中のドロドロした暗い部分とか、
そういうのが非常に感じられたりする。

この本でも、前に読んだ辻村作品でもそう感じたけど、
作品の終わりにある、光は、すごく効いた。
ものすごく、こんな終わりかただと思ってなかった。
期待を裏切ってくれる。
すごく面白かった。
全て読み終わって、なぞが全て解けたので、
またもう一度最初から読み返したいって思った。







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ブックレビュー | 辻村深月  | TB(0)  | CM(0) | Page Top↑
凍りのくじら  11/14/2007  
凍りのくじら (講談社ノベルス)凍りのくじら (講談社ノベルス)
(2005/11)
辻村 深月

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『凍りのくじら』 辻村深月

ダヴィンチのプラチナ本として紹介されていたのを
読んだのがキッカケで、辻村深月の作品を手に取った。
最初にこちらを借りようと思っていたのに、
後ろに書かれている粗筋に惹かれ、
『冷たい校舎の時は止まる』から読んだ。
久しぶりのミステリーだ~と思いいつつ。
その作品が面白かったので、今度こそは、と思い、
本命だった『凍りのくじら』を借りてきた。

ストーリーは、理帆子が写真家を志すまでの、きっかけの物語。
理帆子の父は自然撮影で人気のあった写真家で5年前に失踪。
そして残された母と二人暮しだったが、母は癌で入院中。
そんな彼女は高校生だが、周りの人間にあまり馴染んではいない。
彼女が好きな遊びは、ドラえもんの作者である漫画家の
不二子・F・不二男のSF(少し・不思議)をもじって、
周りの人たちを、SFであらわすこと。
理帆子の母は、「少し・不幸」、理帆子自身は「少し・不在」
同級生には「少し・憤慨」と「少し・不安」。
そして、父と母の旧友には「少し・不完全」、元恋人には「少し・腐敗」。
自分の精神年齢の高さゆえに、周りの人間と心の底から分かち合えず
どうしても距離を置きながら、演技をすることで、一緒にいられる状態。
そんな理帆子が、高校2年生の7月、同じ高校の3年生から、
写真のモデルに、と頼まれる。

読み終わったあとの感想。

確かに、ダヴィンチでプラチナ本として一押しなだけある!
理帆子の家族の話と同時に、元恋人である、自分よりイタイ人間の若尾とのやり取り、
そして写真のモデルに、と話を持って来た別所との交流を通して、
理帆子自身の精神的な、周りとの環境、周囲の人々との違和感や
その内面を軸に話が語られる。

好きな話だった。写真集のくだりとか、不覚にも泣いてしまった。
病気苦ゆえに失踪してしまった写真家の父、そして癌に冒されながらも
夫の写真を整理して構成し、写真集作りに取り組む母。
二人が子どもである理帆子にあらわした愛情表現の違い。
母と理帆子が上手く通じ合えない関係。
色んな人がいて、色んな愛情の示し方がある。
それが、派手にならずに、そしてきっちりとおさえていた。

周囲の人間には馴染めない、そして心を開いて、きちんと向き合っていけない。
だからこそ、周りを自分より頭が悪いと決めて、それなりの対応しかしない。
そして執着をしない。
そんな自分を客観視しながら、精神的に同類な若尾と恋人同士になるが、
結局のところ、きちんと分かり合えることもなく、関係が消滅する。
なんとなく、どころじゃなくて、あたし自身と似かよったところがある
面白いのは、ストーリーの中で繰り返し語られる、理帆子自身の話だった。
自分がどういう人間であるか、そして周りと自分との関係をどう捉えているか。

理帆子に自分は似ている。
まぁ、似ているとはいっても、理帆子ほど賢く現実に対応して
演技をしながらも、周囲にあわせることはしていない、というか出来ない。
あんまり周囲の顔色や、人間性を観察することはなくて、
客観視して、自分ときっぱり切り離していないところが、理帆子とは違う。
イタイ人間を自分自身と同類と思ってしまうところとか、
感情の出し方とか、そんなところが似ていた。

自分と似ている、と思う主人公の話を読むと、どうしても、
感情移入してしまうことが多いのだけど、今回は少し客観的に見れた。
小説のストーリーでの作られた主人公として見れた、というのかな。
写真がテーマで出てきたり、ストーカーまがいの1歩危うい若尾とか、
写真を撮りたがる別所の言葉とか、現実ではありえないだろう、と思える
一歩行き過ぎた感があったからかな。
まぁ、話を全部読み終わってみたら、この理帆子の視点で語られ、
つづられていく話自体が、SF(少し・不思議)な話なんだけど。

今、感想を書きながら思ったんだけど、このSF遊びって、
割と使えるよな~。周りの人間をどう見るか、観察力を養う時に、
ぴったりだと思った。この、SとFの2語だけで相手を的確に言葉で当てはめる。
意外と、言語センスが問われるかのような。
少し、周りの人間で試してみよう。

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紹介したい本 | 辻村深月  | TB(0)  | CM(0) | Page Top↑
冷たい校舎の時は止まる(上) (講談社文庫)冷たい校舎の時は止まる(上) (講談社文庫)
(2007/08/11)
辻村 深月

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『冷たい校舎の時は止まる』 辻村深月

新書型の2段組で上中下、3巻あった・・・。
久しぶりに、長い長い長編を読んだ気がする。

高校3年生の冬。
センター試験まで1ヶ月と間近な冬の日、
同じクラスの8人の男女が学校に閉じ込められた。
教室の光と暖房だけがついている学校から
出られない8人。誰がここに8人を閉じ込めたのか。
電話も通じず、時計の針は動かない。
そんな中、5時53分をさしていた時計が動き始めたが、
チャイムが鳴るたびに、8人のうち、誰かが消えていく。
2ヶ月前の学園祭で自殺したのは、誰なのか。
どうして学校に閉じ込められているのか。

面白かったー、面白かった!

異空間に閉じ込められた飛行機乗客の映画、
スティーブン・キング原作の『ランゴリアーズ』の話がモチーフ。
閉じ込められている学校は、誰かの精神世界なのか!?
そんな問いかけ、この映画が大好きな私からすると、
涎ものでしたね。

登場人物8人の、それぞれの心の闇や、他の人には見せられない
人間らしい持ち味が効いていて、なかなかの心理描写だった。
著者のデビュー作でもあるんだけど、これがメフィスト大賞なんて、
メフィスト、すごすぎだぞー。
主人公と同姓同名の辻村深月という登場人物も出てくる。
女4人、男4人なんだけど、それぞれ優等生だったり、劣等生だったり、
はたまた、家庭の事情やら、友達がいなかったりとか。
いじめや、友人関係のもつれ、家庭内暴力や、色んな要素が詰まってた。

あたしとしては、登場人物のなかで肩入れしちゃったのは、
特待生でT大第一志望でありながら、絵もかけちゃう清水女史。
もう一人は、女性という性を逸脱していながらも、
そのサバサバした性格が好感持てる景子とかいいな。

高校生活が終わりを告げる時期の冬の学校。
少し感傷的になりますね。ある時代が終わる、寂しさと切なさというか。
この作品って、映画化しても面白いよな~。
キューブじゃないけど、ある一定空間で撮られるのが面白そう。
演劇でも使えそうだけど、上中下と長すぎるかな。

初の辻村作品でしたが、惚れました。
他の作品も早く読んでみたいな。
たまには、こういうミステリーもいいね。
久しぶりにクイーン作ぽぃ、読者への挑戦ページがあった。
犯人は当てたぞ!その代わり、動機とか、そんな細かいのは
推理したのが当たってなかった~。犯人名当てただけでも、
あたしとしては満足なんだけど(笑)

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