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赤い指  03/05/2008  
赤い指赤い指
(2006/07/25)
東野 圭吾

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『赤い指』 東野圭吾

直木賞をとる前はよく読んでいたんだけどな~。
久しぶりに東野圭吾。
他の東野作品を借りようと棚にいったら、
目的の本はなくて、この本があったので、
タイトルと装丁にひかれて借りてきました。

話は、警官の松宮側からの警察側の話と並行して
犯人の家族であり、隠蔽に関わる昭夫の側の話。

事の発端は、昭夫の息子の直巳が小学生の女の子を
自宅で絞殺してしまったことから始まる。
夫婦仲も良くなくて、昭夫の母、政恵は介護が必要になってきている。
(妻の八重子は息子の直巳を過保護に甘やかし、夫はネグレクト)
そんな中、昭夫が八重子からの電話で自宅に帰ると、
女の子が死んでいた。警察に自首するしかないと思う昭夫に、
妻の八重子は、息子を警察に突き出すなら殺す、隠蔽するしかないと脅す。
そして、昭夫はその女の子を公園のトイレに放置する。

もー、読んでいて、この昭夫の罪悪感の無さというか、
面倒くさいことは逃げてしまいたい、っていうところが
腹がたってしょうがなかったです。
ついでに、妻の八重子も息子の直巳を甘やかしてばっかりだし、
直巳は威張って悪態つくばっかりだし。
こんな家族いらないよな~と思ってしまったな。

まぁ、話は昭夫一家の隠蔽の話だけじゃなくて、
警官の松宮と、その従兄弟の加賀、そして、加賀の父の話におよび
親子の縁について考えさせられるサブストーリーつき。
昭夫一家の話が、あんまりにも無常で、そして親と子供っていったいなんだろうって
思うところが多かったのですが、その毒の強さ、後味の悪さにもまけず、
最後は、きちんとホロリと泣きそうな心温まるエピソード入りでした。

思うんだけど、東野さんの作品、って映画とかテレビとかに
非常にあっているよなぁ。世界観がそこまで濃くなくて、
ストーリーテーラーとして面白い。
話の展開や、間に挟むエピソードが上手い。
むむむ、って思いながら読んでいました。
この『赤い指』だったら、2時間の素人探偵物語みたいなドラマにぴったりだわ。


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ぬしさまへ  02/16/2008  
ぬしさまへ (新潮文庫)ぬしさまへ (新潮文庫)
(2005/11/26)
畠中 恵

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『ぬしさまへ』畠中恵

「しゃばけ」シリーズの2作目。

初「しゃばけ」シリーズ読!
なぜ、2作目から読んだかというと、
単に図書館に「しゃばけ」がなかったから(苦笑)
なぜ、「しゃばけ」がなくて、他のシリーズ作があるんだ?って思う。
図書館の棚、不思議だよ。
どうせなら、シリーズ1から買ってくれよ。

今月号のダヴィンチで、しゃばけの特集が組まれているのを読んで、
意外と面白いかもしれないと思い、文庫本が出てはいるけど、
とりあえず図書館で借りてきてみた。
読書好きな友人二人からも薦められていたんだけどね。

読んでみて思ったこと。

この世界観、好きだ~!

時代物だったら、宮部みゆきの時代物も凄く好きなんだけど、
あっちはどちらかというと、苦いミステリー物が多くて。
人情物だと長編になってしまう。長編も面白いけど、
妖なんて出てこないし。
意外とはまりそうな予感です。

主人公の若だんなが良い。育ちが良いし利発。
だけども体が弱い。天は二物を与えず。ってところか?と思いつつ。
体が弱いけれども、いつかは天下の長崎屋を継がなくては
ならない身だからこそ、奉公人とか、あちらこちら自分が
気が付いたところから声をかけて、周囲の人々を大事にする若だんなに
なんだかほっこりした気持ちにさせてもらった。

「ぬしさまへ」で一番すきなのは、『仁吉の思い人』。
1000年にわたる片思いを見守る仁吉の語りが切なかった。
仁吉の思い人の妖、吉野と、人間の鈴宮の恋物語。
鈴宮が死んでも、また100年後、200年後に出会いを約束した運命の恋。
思い人の傍で、彼女が思い人と出会う時まで寄り添い続けるって
凄く強い思いだなぁと思った。吉野と鈴宮だけの愛だけじゃなくて、
その傍にありながらも、ずっと叶わないままの千年の片思い。
初のしゃばけシリーズ読破でありながら、この連作短編で、
仁吉に惚れてしまったなぁ。いい男だー。
美形であるとかいう容姿云々は抜きにして。

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正義のミカタ  02/01/2008  
正義のミカタ―I’m a loser正義のミカタ―I’m a loser
(2007/05)
本多 孝好

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『正義のミカタ』 本田孝好

久しぶりに面白い本を読みました。
表紙からして、いかにも、真面目で運動できなくていじめられっこみたいな
不思議なマントに腕組み写真なのですが、この表紙よく出来てる(笑)
この表紙が、内容をよーく表しています。

主人公は、すっごいイジメラレッコの蓮見亮太。
ひどいイジメだった高校生活を終えて、彼が大学に入り、
そこで新たな人生の一歩を踏み出すところから話が始まります。

んでもって、大学デビューを目指し、脱イジメラレッコを誓った彼は、
のっけから高校時代のいじめっ子と再会を果たし(!?)、
またもやいじめられっこ人生に舞い戻りか・・・と思いきや。

飛鳥大学の「正義の味方研究部」 、素敵でした。
正義の味方って、なんだろう。
正義っていったいなんなんだろう。
大義名分で振りかざす正義ってあるのだろうか。
自分の「正義」とか?

そんなことを、軽く楽しく進んでいるストーリーの中で
考えさせられました。

あたしとしては、登場人物で気に入ってるのは、トモイチ。
ボクシングのインターハイ三連覇の凄い実力ながら、
筋肉馬鹿で童貞で、んでもって、本人曰く「金ぴかの童貞」と評するところが
かなり好きです。あほだな~、あほだけど、面白い(笑)
喧嘩に強いところもいい。

かなり、楽しく読めた一冊でした。
本の雑誌での書評を読んで気になっていた本だけど、
ようやく図書館で借りれて嬉しかったです。
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武士道シックスティーン武士道シックスティーン
(2007/07)
誉田 哲也

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『武士道シックスティーン』 誉田哲也

著者初の一人も人が死なない青春エンターテインメント。

面白かった!夢中になって読み進めて、終わってしまって
寂しいけど、またもう一度読み返したいって思う面白さ。

主人公は二人。

全国中学校剣道大会で準優勝した磯田。
彼女は宮本武蔵に心酔し、『五輪書』をバイブルにしている兵。
かなりの攻撃的性格+「いついかなるときも」兵法を極めること、
自分の前に立つものは全て斬る!と断言するほどの人物。

そして、もう一人の主人公が西荻早苗。
日本舞踊を家庭の事情で習えなくなったので中学校から剣道を
習い始めた早苗。打ちは弱いけど、絶妙な間合いで磯田を下す。
お人よしで、のん気で、そしてビビり屋。

そんな二人が、中学三年生の時に県大会で
お手合わせをしたところから話が始まる。
消化試合として出場した磯田が、ダークホース・早苗に
不覚にも負けてしまい、復讐の怨念を込め、西荻がいるであろう
私立高校へ入学する。そして計画通り同じ剣道部に所属し、
練習などで、相手と手合わせするようになったものの・・・。

読み終わったあと、充実感でいっぱいになった。
とにかく勝つことしか、自分以外の者を斬ることしか考えていない磯田と
のん気で平和主義で、かつマイペースな早苗が影響しあい、
お互いに剣の道を貫いていくのが、青春だなぁ~と感心した。
あと、簡単に馴れ合ったりしない磯田の性格、
(油断するな、自分以外の人間は全て敵だと思え)が徹底してて、
その不器用さで、周りに友達は出来ないし、とがってばっかりだけど、
その磯田にあきれず、そして諦めずにアタックしていく早苗も強かった。

特に磯田のキャラクターがものすごくいい(笑)
宮本武蔵の『五輪書』に書かれていることを実行し、
毎日素振りや練習を欠かさず、部活中は上級生にも激をいれ、
油断をせず、階段から落ちた時も騒がず、
そして、昼ご飯は片手は握り飯で、もう片手は鉄アレイ。
んでもって、握り飯を食べ終わった後は、その片手が五輪書をめくる。
徹底した「武蔵」と「兵法」が、強烈だった。
それを受けてかう早苗の、普通な、平凡さや、その平凡さと共にある
マイペースさが、妙に効くんだよね~。

結局、なんのために剣道をしているのか。
剣道をしてて、なにが見えてくるのか、っていうのが、
磯田も早苗も、それぞれ自分自身がわかってくる過程が
この本の一番おいしいところだと思う。
磯田は、自分が剣道を始めたころのことを思い出し、
自分の剣道をもう一度見直す。
早苗は、勝ち負けを意識的に遠ざけている自分自身をどうしてなのか、
そして剣道で試合に打ち勝つことについて考える。

自分探しの物語、っていっちゃー、それまでなんだけど、
そこに至るまで、二人とも誤魔化さずに、かつ曖昧で終わらせずに
悩みをそのまま継続して、持ち続けているのが良かった。
途中で、考えることを放棄することもできるけど、
それをせずに、悩みを持ち続けて考えていく力、これこそが、
いずれ、自分なりの回答として悩みを打破していくものだと思う。

精神論的なものはいいとして。

この本の醍醐味は、磯田と早苗、二人のライバル関係や
二人の成長だけじゃない。
剣道の試合場面も細かくて、そして、足裁きや相手の見方や、
その駆け引きをも詳しく書いている。
あたしは、剣道経験者だからか、かなりこの試合場面の文章が面白かった。
臨場感溢れる、試合場面が続くし、なおかつ、
それぞれの剣道の違いが出てて、詳しくて面白かった。
著者も剣道やってたのかなぁ。

ストーリーの感想はここまで。

この本、装丁が面白くて、この本らしかった。
使われてるメインカラーは赤と白。
これって、実は剣道の試合の時に、赤側と白側に分かれることに
由来しているんだと思う。本にはスピン(栞紐)も赤白の2本ついてた。
話も、磯田が話し手、早苗が話し手、と交互にくるから、
それにあわせて、栞をそれぞれ色別に使ってもいいな。
あと、章毎に剣道にちなんだイラストがついている。
防具1つ1つのイラストに、部分の名前つき。
表紙にも二人の女の子が構えているイラストが。
多分、とび蹴りを食らわしているような振り上げをしてるのが磯田で
構えて間合いをとっているのが早苗かな。

それにしても、面白かった。
剣道経験者じゃなくても、青春エンターテイメントとして楽しめる作品。
誉田作品はこれが初めてなんだけど、他も読んでみようかな。
あ、あと、気がついたのは、誉田、って苗字、これってホンダって読むのね。
読めなかったから、図書館で検索する時にてこずったな(苦笑)
ホメダって読んでたよ。
時々、苗字の漢字の読み方がわからなくて検索できないことがあって、
てこずるのよね。漢字は大体読めるほうだと思うけど、人名は結構難しい。


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**おすすめbook!!** | 作家〔ハ〕行  | TB(0)  | CM(0) | Page Top↑
ヘビイチゴ・サナトリウムヘビイチゴ・サナトリウム
(2003/12)
ほしお さなえ

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『ヘビイチゴ・サナトリウム』 ほしおさなえ

どこかの読書ブログで見かけ、女子高関係の
それも、学園ミステリーに惹かれ、図書館で借りてきた。
著者のほしおさなえは、詩人であり、作家。

中高一貫教育の女子高の屋上から、高校三年生の生徒が
墜落死した。様々な噂が飛び交う中、続いて、
男性国語教師も墜落死する。二人の死を結びつけるものは?
死の真相は?
男性国語教師が死ぬ前に応募していた文学賞の作品と、
彼の亡くなった妻が残したネットサイト、
「ヘビイチゴ・サナトリウム」に隠された秘密とは?
その謎を解くべく、死んだ高校3年生の生徒と同じ美術部だった
海生と双葉は、学校内の噂や死んだ先輩の自宅へ赴き
原因を探る。一方、男性国語教師の同僚である高柳は、
独自のルートから、彼の死んだ妻のネットサイトから謎を探る。
双方向からの真相への捜索は、時に混乱し、交わりあいながら、
真相に迫っていく。

読み終わって思ったこと。
作品末についている書評を笠井潔が書いているのだけど、彼曰く
この作品のテーマが「自分と他人の境界のくずれ」であるという。
読み進めていると、なぜそうなのかというのは、スグに思いわたる。

この作品に出てくる登場人物は、中高一貫教育の女子生徒で、
特に、美術部の先輩・後輩の間で、強烈に年上の先輩に憧れて、
憧れの人と一心同体になりたいと、その人に成り代わりたいと、
その人に自分自身になってもらいたい、という願望の話とか
出てくる。それと共に「自分は自分でしかありえない」という反発も
同じように含みながら、誰かに自分自身を投影する、
そして投影される、人間関係の繋がりが多い。

誰かになりたいが、なりえるのが自分だけだということ、
まだ自分自身を、自我を確立していない不安定で
揺れ動く少女の精神が、誰かに利用され、そしてそれが元で
事件が起こる。そこにあるのは、狂気という名前ではっきりと
理解できるものではない。
ただ単にに、あちらのせかい・こちらのせかいと言ったような、
曖昧な境界線をつい踏み越えてしまっただけの、
安易で、そして不安定で、不可解かつ混沌として無意識の世界だ。

映画『バージンスーサイド』の原作となった、
『ヘビトンボの季節に自殺した五人姉妹』(ジェフリー・ユージェニデス)が
引用されている節を読みながら、まさにあの作品の空気を感じられるような、
そんな気がした。というより、引用を読んで、作者があの作品の空気を
この作品中に取り入れたかったのか、ということで合点した。

2段組で文量も多く、読み始めるまでは躊躇したけれども、
ほしおさなえの文章が柔らかいからか、
その言葉のセンスが柔らかい、というかな、
すらすらと読めた。二つの死の真相を巡る双方向からの推理を
読者である自分は、情報を与えられているわけで。
その情報から(犯人はあの人?)と思っていたら、
とんだどんでん返しで、目下の犯人ははずれてしまった。
その代わり、一番最後に判明する真相には、
自分の推理、かなり近づいていたけどね。

面白かった。意外にミステリーな要素が多くて、
情報も多いし、登場人物たちが推理しているシーンも多いし。
推理する楽しさもあった。学園物っていうのも、
その限られた特殊な世界での出来事、って感じで好きだな。
少女時代にある、あの独特の感性が生きている作品でした。
混沌として、深層心理の世界。

それにしても、ヘビイチゴ・サナトリウムってタイトル。
この言葉の選びようが素敵。乙女って気がするな。
ヘビイチゴとサナトリウムを組み合わせるセンスが良い。
流石は詩人ですね、と感心した。



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